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古代では、死は今よりもずっと身近でリアルなものだった。寿命は短く、死を隔離する病院もなかった。死が身近であるがゆえに、人々にあの世もまたすぐ側にあると想像させた。
人々はあの世に対し様々なイメージをもっているが、まさにその地獄のイメージを体感できる場所がこの世にもある。今回は世界10の地獄への入り口とやらをみていこう。日本のあの場所もランクインしていたよ。
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10. アレポトリパ(Alepotrypa)(ギリシャ)
ギリシャのアレポトリパ(隠れ家の意)は、ギリシャ神話における冥界の神ハデスと関連づけられてきた洞窟だ。そこにある湖は、この世とあの世の境界だと考えられてきた。数千年もの間、その場所は不明であったが、狐狩りをしていたハンターの犬が獲物の追跡中に偶然発見した。
ここではおよそ6,000年前から埋葬や儀式が行われるようになった。調査では170人もの遺体とともに、ツボなどの埋葬品が発掘されている。ある夫婦の遺体は、一緒にあの世へ旅立てるよう抱き合うように埋葬されていた。
9. アクトゥン・トゥニチル・ムクナル(ベリーズ)
中央アメリカ北東部、ユカタン半島に位置するベリーズにあるこの洞窟は、マヤの地下世界シバルバへの入り口と考えらえていた場所だ。洞窟内で行われたマヤの儀式では、火、ツボの供物を利用し、人身御供が行われた。生贄に選ばれた者は頭を叩き割られ、倒れた場所に放置された。このとき同時にツボも割られる。
なお、洞窟に入るためには、首までつかる水の中を通らなければならない。この水にはミネラルが含まれており、犠牲者の遺骨を輝く結晶で地面に固着させる効果があった。儀式だけでなく、実際に変身することができたのだ。
8. プルトニウム(トルコ)
放射性元素の名前でもあるプルトニウムは、冥界の神ハデスへの門の名でもある。ハデスのローマ名をプルートという。現在のトルコ、パムッカレにあたるヒエラポリスには、地元の人たちから”悪魔の穴”と呼ばれる場所があった。ここではプルートの寺院が発見されている。
プルトニウムについては古代の記述が残っているが、アポロ神殿のそばで実際に発見されたのは最近になってのことだ。ここが恐れられていたのも当然であった。二酸化炭素が排出されており、発掘の最中に近寄り過ぎた鳥が窒息して死んでしまうこともあった。
7. マサヤ火山(ニカラグア)
ニカラグアに到着したコンキスタドールは、噴火するマサヤ火山を発見。ラ・ボカ・デル・インフィエルノ、地獄の口と名付けた。地元の言い伝えはあの世の入り口というものではなかったが、スペイン人たちは火口の淵に十字架を立て、悪魔祓いを行った。
実は地元民は干ばつの際などに子供や女性を生贄として火口に投じていた。それが神の怒りをなだめることになると信じていたからだ。だが、キリスト教徒は異教徒の神を悪魔とみなした。硫黄の臭いが立ち込める巨大な火口を見れば、地獄の入り口と考えても不思議ではない。
6. ペルグーサ湖
シチリアにあるエトナ山もまた地獄の入り口と考えられていた場所だ。ここはまたハデスが豊穣の女神の娘ペルセポネを略奪して冥界へ連れ去った場所でもある。詩人オウィディウスは、ペルグーサ湖のほとりで遊んでいたペルセポネがハデスに攫われる場面を詠っている。娘を誘拐されたデメテルが激怒したことで大地は荒廃。そこで、ペルセポネは1年の半分(春、夏)を地上で暮らし、半分(秋、冬)を冥界で暮らすよう取引がされた。これが季節の誕生である。
5. 地獄への扉(トルクメニスタン)
トルクメニスタンには常に燃え盛るクレーターがある。1971年にソ連が行った調査では、有毒なガスが発生していることが判明。これがいつまでも炎が消えない原因であったようだ。
地獄への扉、もしくは地獄の門として知られるダルバザクレーターは、特に見所のないこの場所に観光客を呼び寄せている。また、熱と暖かさによって引き寄せられたクモが、炎の中に身を投じる場所でもある。
4. 別府地獄めぐり(日本)
このリストで紹介する他の入り口とは異なり、別府の地獄はバスで簡単に行ける観光地だ。日本は環太平洋火山帯にあり、いくつもの火山に関連した現象を見ることができる。その一つが温泉だ。
湯けむりに覆われた別府温泉の色は、幻想的な泥色をしており、地獄の風景を想起させる。海地獄、血の池地獄、白池地獄、竜巻地獄などと名付けられた名勝だが、かつては沸騰したお湯で拷問や処刑が行われていたという言い伝えもある。
3. 酆都鬼城(中国)
名山にいくつも立ち並ぶ寺院。それはすべてあの世に関連したものだ。陰長生と王方平という道士が仙人になったという伝説が伝わる地である。陰と王の名をつなげると”閻魔大王”という意味になる。ここを訪れた者が地獄行きにならないためには、3つの試験に合格しなければならない。正しい心の持ち主でなければ合格はできないという。
2. シビュラの洞窟
古代、人々は託宣を真剣に受け止めていた。神の力を借りて未来を見通せる者がいると考えられていたからだ。シビュラとは地中海世界における巫女のことで、アポロンの神託を受けるとされていた。有名なのはイタリア、クマエのシビュラだろう。
ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』には、アエネアースに偉大な国家(ローマ)を建国すると神託を下すクマエのシビュラが登場する。シビュラは100の口のある洞窟から神託を告げたとされている。1932年に発見されたこの洞窟には、叙事詩で語られているような100の口ではないが、確かにいくつもの入り口があった。
1. エフィラのネクロマンテイオン(ギリシャ)
アケローン(苦悩の川)、プレゲトーン(火の川)、コキュートス(悲嘆の川)の3つの川のそばにエフィラのネクロマンテイオンがある。アケローンはカロンが死者の魂を冥界に渡すという伝説がある川である。エフィラのネクロマンテイオンでは、川を渡ろうとする死者の魂と話をすることができると伝えらえてきた。
死者との会話を望む者は、身を清め、いくつかの鉄の門を潜りながら地下へと降りていく。そして暗闇の中でランタンを灯すと、死者の姿が見えるという。
発掘調査からは、車輪とラチェット、人の像を動かす仕掛けが発見された。どんなに地獄の川に近い場所であっても、当時の僧侶たちは精霊以外のものを利用する必要があったようだ。
via:10 Entrances To Hell That You Can Visit/ translated hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
日本からなら黄泉比良坂かと思ったら別府かよw
2. 匿名処理班
現世こそが地獄だから実は出口かもしれない
3. 匿名処理班
現代の地獄の入口は日曜夜6時からだろうな
4. 匿名処理班
日本のは恐山かと思ってたw
別府の地獄巡りなら、ぜひ行きたいくらいだわw
5.
6.
7. 匿名処理班
じごくーじごくー楽しいじごくー
8. 匿名処理班
まさかの別府エントリー
9. 匿名処理班
正観寺の八大地獄
是非お越し下さいませ
10. 匿名処理班
黄泉平坂かと思って開いたら予想外のが出てきた
11. 匿名処理班
昔はあの世はちょっと遠いところに移り住んだだけで二、三年会えないから寂しいねくらいの雰囲気だったって話がこうゆうのみると伝わるなぁ
12. 匿名処理班
これはセレクトした人・組織がミーハーなのか渋好みなのか…判断に困るな…w
13. 匿名処理班
別府よりは…というと失礼かもしれんが
雲仙地獄のほうは本当にキリシタン弾圧の舞台となった
ある意味では本物の地獄だからね
14. 匿名処理班
地球上にこれだけ地獄の門があるんだから
そりゃ世の中世知辛くなるもんだよ
15.
16.
17. 匿名処理班
俺はいま地獄から切り上げて帰りの電車に乗ったとこですよ…