寅さん「新しいスマブラに俺が出るのかい?」
寅さん「知ってるも何も、タコ社長だって予約したつって騒いでたぜ。馬鹿だねぇ、ビンボーのくせしやがって」
任天堂「予約はすぐに埋まってしまうほどの人気ぶりです。それで任天堂としましてもそれに対抗できるような目玉商品が必要なのです」
寅さん「だからスマブラって訳かい?」
任天堂「はい。いつの時代であっても、人々は好きなキャラ同士のドリームマッチを望んでますからね」
寅さん「安直すぎじゃねえのかいソイツは。いいかい、いくら出せば売れるからってね? キャラ増やしただけで変わり映えのしないゲームをいつまでも作ってるとだな……」
任天堂「その点につきましては重々承知しております。今度のスマブラは今までのスマブラとは一線を画すものになるでしょう」
寅さん「へえ?」
寅さん「自分でキャラを作って闘わせられるってことか?」
任天堂「そうなんです! しかもプレイヤーの腕次第でフォトリアルなキャラまで作れます。それをオンラインで公開し、ダウンロードすることも可能というわけなんです」
寅さん「それはなかなか面白そうじゃねえか」
寅さん「なるほど、だいたい話は分かった。だがよ、なんで俺なんだ? フォトリアルなキャラならクリント・イーストウッドとかの方が格ゲー向きだろ?」
任天堂「もちろんそういうのを作る方はいらっしゃるでしょう。しかし公式が44マグナムをマリオに向かってぶっ放すようなキャラを作るわけにはいかんのです」
寅さん「それもそうか」
寅さん「うれしいこと言ってくれるじゃねえか。……あ、でも技名なんかはどうすんだ? 俺はタコ社長の頭を叩くことぐらいしかできねえよ?」
任天堂「一応公式が考えているのは『引っ叩く』『叩き売り』『寅さんの帰還』などですが」
寅さん「どうせならおいちゃんやおばちゃんなんかを身代りにするようなのがあったらいいな」ハハハ
おばちゃん「なに言ってんだい寅ちゃん!」
おいちゃん「そうだ! 年寄りを酷い目に合すゲームなんか作れるか!」
寅さん「冗談にきまってらあよ!」
寅さん「いいよいいよ、そんなの。ゲームに出られるってだけで俺ぁうれしいんだから」
任天堂「いえ、そういうわけにはいきません。これ、前金としてお納めください」
寅さん「前金って……ひぃふぅみぃ……こ、こんなにもらっちゃっていいのかい?」
任天堂「寅さんのネームバリューに比べればはした金です」
おばちゃん「そ、そんだけあったら満男ちゃん、あと二年は浪人できるよ! 大事にとっときな」
寅さん「ばかやろう、こういうのはパーッと使わねえとダメなんだ。宵越しの銭は持たねえってな」
おいちゃん「ばかはお前だ! 金庫しまっとけ!」
寅さん「あれ、CGのモデリングみたいなことはしなくていいのかい? 俺に電極みたいなのをぺぺぺっと貼り付けてよ」
任天堂「あくまでもコントローラーと手もとの資料だけで作れちゃうってところがミソですからね。もちろんかなりそっくりなものを作らせていただきますが」
寅さん「そうかい。じゃあ楽しみに待たせてもらうよ」
さくら「ただいまー。あら、どちら様?」
任天堂「あ、さくらさんでございますね? 私、任天堂の……」
さくら「任天堂ってゲーム会社の?」
寅さん「そうよ。今度俺がスマブラってゲームに出るんだ」
さくら「お兄ちゃんが?」
任天堂「はい。今日はその了承を頂きに来ただけですが、また近いうちにお伺いします」
さくら「それはわざわざすみません……。でもお兄ちゃん、いつまたふらっといなくなっちゃうか分かんないんですが……」
寅さん「商談してんのに勝手にどっかいくわけないだろ? 俺だって人様にだけは迷惑かけないよ」
おいちゃん「俺たちにいつも迷惑かけてるくせしやがって」
寅さん「なんだとぉ!」ガタッ
任天堂「そ、それではまた!」
***
おばちゃん「それにしても寅ちゃんがゲームに出るなんてねぇ」
さくら「随分と有名になっちゃったものね」フフフ
寅さん「よせやい」ヘヘッ
ひろし「いや、でもこれは凄いことですよ。スマブラっていったら世界大会が開かれてるくらいですからね」
おいちゃん「そんなに売れてるゲームなのか?」
満男「友達はみんな持ってるよ。僕だって欲しいんだけど母さんが許してくれなくってさ」
さくら「そんなの買っちゃったら、あんた勉強しなくなるでしょう」
寅さん「まあ俺の甥っ子だって言やあ、試遊くらいさせてもらえるだろ」
???「ごめんくださーい」
さくら「あら、誰かしら? はーい」
さくら「お兄ちゃーん、お客様」
寅さん「なんだ、人が飯食ってる時に。あんた誰だい?」
さくら「もう、お兄ちゃん! 失礼でしょ!」
???「いえ、こちらこそアポもなしに押しかけてしまったので……。自分はこういうものです」
寅さん「ええと……スクウェア・エニックス、ゲームクリエイター……野村……哲也?」
野村「はい。今日は折り入ってご相談があってまいりました」
***
寅さん「……つまりキングダムハーツⅢに俺が?」
野村「はい。寅さんだけじゃなく、とらやのみなさん、引いてはこの浅草の街全体が登場することになります」
おいちゃん「なんだ、そのキングダムハーツってのは?」
ひろし「ディズニーのキャラクターが出てくる大ヒットゲームシリーズです。最新作はⅢですが、これまで10本近くの作品が出てます」
満男「父さん、夜にこっそりやってたもんね」
ひろし「な、なんで知ってんだ!?」ギクッ
おばちゃん「ディズニーっていったらマリオよりも凄いのかい?」
さくら「ミッキーマウスよ。おばちゃんも知ってるでしょう?」
おばちゃん「ああ! あのトムとかいう猫に追っかけられるやつ!」
おいちゃん「だめだ、話になんねえ」
野村「それなんですが、既に決まっているワールドに『ベイマックス』がありまして……」
寅さん「あの雪見大福みたいなロボットのやつかい?」
野村「はい。それで折角東京を舞台にした作品なんだから、どうせならワールドを二つに分けて浅草ゾーンでは寅さんシナリオが進行するって形にしたら面白いんじゃないかという案が持ち上がったんです」
寅さん「いや、でもディズニーじゃないものを無理矢理入れるってのはあまりよくねえんじゃねえのか?」
野村「ええ、それで苦肉の策としてディズニー側に『男はつらいよ』の版権を買って頂いてですね」
寅さん「いや、そういうのは山田監督と松竹の方に言ってもらわねえとだな……」
野村「なんとか『男はつらいよ』のディズニー化に成功しました」
寅さん「へ?」
おいちゃん「……つーことは何か? もうこの映画、ディズニーになってんのか?」
野村「はい」
さくら「全然知らなかったわ……」
寅さん「んなのとっくに知ってんだよ」ペチッ
タコ社長「痛え! え? 知らなかったの俺だけ?」
さくら「いえね、私たちも今知ったとこなの。こちらの野村さんって方がディズニーに版権を買ってもらうように頼んだらしいわ」
野村「どうも」
タコ社長「うわあ! 野村哲也だ!」
寅さん「いちいちやかましいんだよ、お前は」
タコ社長「野村さん、キンハー3はPSVRで出来ますか!? 俺もう予約しちゃったんだけど!」
野村「今のところ特に予定は無いんですけど……」
タコ社長「えぇ……!? そっかぁ……」
ひろし「でも社長、僕らがそのゲームに出られるみたいなんですよ」
タコ社長「嘘!?」
さくら「あら、いいじゃない! お兄ちゃんっぽさがとっても出てるわ」
おばちゃん「まんま『男はつらいよ』って感じだね」
タコ社長「不健全だ! 寅さんがカイリみたいな少女に手を出すなんて!」
寅さん「手は出してねえだろーがよッ!」ペチッ
タコ社長「あ痛ッ!」
タコ社長「ええ!? 何言ってんだよもったいない!」
おいちゃん「そうだ! 金になるんだから引き受けろ!」
野村「えーと……何か事情があるんでしょうか?」
寅さん「キングダムハーツⅢは任天堂のゲーム機では出さないんだろ?」
野村「ええ。任天堂のハードじゃ動かないんで……」
さくら「あ、そういうこと……。すみません、お兄ちゃん既に任天堂のゲームに出ることが決まってるんですよ」
寅さん「ホントは俺も出たいんだがよ、先に約束したとこがあるもんだからよ」
野村「つまりソニーのハードで出すソフトには出演しないように契約されているということでしょうか?」
寅さん「いや、別に契
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