【ガルパン】アンチョビ「はあ!?ペパロニと結婚!?」
- 2016年10月02日 23:40
- SS、ガールズ&パンツァー
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カルパッチョ「ここの小麦粉が一番安くて美味しいって評判ですものね」
アンチョビ「それにしてもペパロニのやつ、『私が行ってもわからないから、車で待ってるっす』だなんて、副長としての自覚が足りてないんじゃないのか?」
カルパッチョ「まあまあドゥーチェ、ペパロニさんも朝から運転で疲れてるんですよ」
アンチョビ「うーん……確かに、朝早くから運転しっぱなしだったからな」
カルパッチョ「ええ。きっと待ってる間に少しでも寝たかったんですって」
アンチョビ「そうか……よし、帰ったらパスタでも作ってやるか!」
カルパッチョ「きっと喜びますよ……あら?」
カルパッチョ「ペパロニさん、運転席で何か読んでるみたいです」
アンチョビ「あいつが読書?まさか、どうせ漫画か何かだろ?」
カルパッチョ「いえ、雑誌みたいですけど……ずいぶん真剣な顔で読んでますね」
アンチョビ「本当だな。訓練の時より真面目な顔してるぞ……あっ、こっちに気付いた」
カルパッチョ「すぐ鞄にしまっちゃいましたね。なんだか慌ててるみたい」
アンチョビ「すまなかったな。それよりお前、真剣な顔して何読んでたんだ?」
ペパロニ「何って……別になんでもいいじゃないっすか。そんなことより、早く帰りましょうよ!」
アンチョビ「あ、ああ……」
アンチョビ(この反応、一体どうしたんだ?)
カルパッチョ「ペパロニさん、お疲れさまでした」
アンチョビ「ご苦労だったな。ペパロニ、食事でもどうだ?」
ペパロニ「マジっすかドゥーチェ!それじゃ、食堂行きましょうよ!久しぶりに和食が食べたいっす!」
アンチョビ「和食?いいぞ。カルパッチョはどうする?」
カルパッチョ「すみません、私は少し用事があるので……」
アンチョビ「そうか。じゃ、行くぞペパロニ」
ペパロニ「もちろんドゥーチェのおごりっすよね!」
アンチョビ「えぇ!?しょうがないなぁ……ま、朝から運転させたしな。別にいいよ」
ペパロニ「さっすがドゥーチェ!気前がいいっす!そうと決まればなくなっちゃう前に行きましょう!」
アンチョビ「たまに食べたくなるんだよな、やっぱり日本人だし」
アンツィオ生「ドゥーチェ!ペパロニ姐さん!こんちはっす!」
アンチョビ「おお、お前もランチか?」
アンツィオ生「いや、自分はもう食べ終わって……あっ、ペパロニ姐さん、ちょっといいっすか?新しい屋台のことで少し相談があるんすけど」
ペパロニ「えぇ?しょうがねえなぁ……ドゥーチェ、ちょっとすみません!」
アンチョビ「うん。気にするな」
アンチョビ(なんだ、あいつもなんだかんだで副長として慕われてるじゃないか……あれ?あいつのカバン、開いてる。まったく不用心なやつだな)
アンチョビ「そういえば、さっき何を読んでたんだ?」
アンチョビ(ちょっと覗くだけなら……いいよな……?)
アンチョビ(これ、沙織から貰ったゼクシィ!?なんであいつのカバンに……)
ペパロニ「姐さん!お待たせしました!」
アンチョビ「……!い、いや!全然待ってないぞ!」
ペパロニ「先に食べちゃっててよかったのに、待っててくれたんすね!」
アンチョビ「せっかくだし、一緒に食べたかったからな」
アンチョビ(ペパロニがゼクシィ……ゼクシィといえば結婚……ペパロニが結婚!?……いやいや、そんなわけないよな。第一、相手がいないだろ)
ペパロニ「マジっすか!ありがとうございます!それじゃ、さっさと食べちゃいましょう」
アンチョビ「そ、そうだな!」
アンチョビ「うんうん、その通りだ」
ペパロニ「なんか嬉しそうっすね。どうしたんすか?」
アンチョビ「今日の味噌汁は赤味噌だろ?地元を思い出してな」
ペパロニ「姐さんの地元……確か、名古屋でしたっけ?」
アンチョビ「違う!豊田だ!確かに名古屋の方が有名だけどな、いいところなんだぞ!」
ペパロニ「そうなんすか?」
アンチョビ「ああ!いつか案内してやる!」
ペパロニ「めちゃめちゃ楽しみっす!」
アンチョビ「そうだろうそうだろう。楽しみにしておけ」
ペパロニ「姐さんのご両親にも、一度ちゃんと挨拶しなきゃいけないっすもんね!」
アンチョビ「そうだろうそうだろう……あれ?」
アンチョビ(両親に挨拶?)
アンチョビ「和食?いいけど、あんまり自信ないぞ?」
ペパロニ「大丈夫っす!姉さんの味噌汁だったら、毎食だって飲みます!」
アンチョビ「お前、高血圧で死ぬぞ……せめて毎朝にしろ」
ペパロニ「それもそうっすね!じゃ、毎朝飲みたいっす!」
アンチョビ(毎朝私の味噌汁が飲みたい?)
ペパロニ「なんすか?」
アンチョビ「お前、その……なんだ。付き合ってる彼氏とか……いるのか?」
ペパロニ「彼氏?やだなぁ姐さん!いるわけないじゃないっすか!」
アンチョビ「そうか。そりゃそうだよな」
ペパロニ「毎日姐さんのお守りで大変っすもん。そんな暇も出会いもないっすよ」
アンチョビ「私のお守りだと!?逆だろ!私がお前の面倒を見てやってるんだ!」
ペパロニ「ええー?そうっすか?」
アンチョビ「そうなの!私がお前のお守りをしてやってるの!」
ペパロニ「うーん……確かにずっと一緒にいますもんね。もう姐さんが彼氏みたいなもんかもしれないっすね」
アンチョビ「ば、バカ言うんじゃない!ほら!早く食べちゃうぞ!午後は訓練があるんだからな!」
アンチョビ(ペパロニのやつ、まさか私と結婚する気なのか!?)
沙織「間違いないです。結婚を意識してます」
アンチョビ「やっぱりそうなのか?」
沙織「他に何か、ペパロニさんの言動で気づいたこととかはないんですか?」
アンチョビ「うーん……そういえばこないだ、マジノ女学院に行った帰りに……」
ペパロニ「練習試合の申し出、受けてもらえてよかったっすね!」
アンチョビ「大学選抜との試合で大分有名になったからな!アンツィオももう強豪の仲間入りだ!」
ペパロニ「それはさすがにまだ早いんじゃないっすかねー……」
アンチョビ「いいんだ!アンツィオは強豪校の一角なんだ!……それより、留守番をしてくれてるカルパッチョに何か土産を買ってってやらないとな」
ペパロニ「そうっすねー……姐さん姐さん、ちょうど良さそうな店がありますよ」
アンチョビ「雑貨屋かぁ。あいつこういう小物とか好きそうだしな。寄ってみるか」
ペパロニ「了解っす!」
ペパロニ「姐さん、これなんてどうっすか?」
アンチョビ「巾着?」
ペパロニ「ほら、カルパッチョってクライミングやるじゃないっすか。小物を入れるのに便利かなって」
アンチョビ「なるほどな。じゃ、これにするか」
ペパロニ「姐さんは何見てたんすか?」
アンチョビ「ちょっとアクセサリーをな」
アンチョビ「ペパロニもこういうのが好きなのか。なんだか意外だな」
ペパロニ「意外って何すか姐さん。ひどいっすよ」
アンチョビ「いや、なんかお前の私服ってボーイッシュなイメージがあるから……」
ペパロニ「そりゃまあ、そんなに詳しくはないっすけど……ところで、ドゥーチェって好きなアクセサリーのブランドとかあります?」
アンチョビ「ブランド?どうしたんだいきなり……そんな高いものなんて買ったことないぞ」
ペパロニ「デザイン的にとかでいいっすよ」
アンチョビ「うーん……そうだな……イタリアのダミアーニっていうブランドかな」
ペパロニ「『ダミアーニ』っすね。覚えときます!」
アンチョビ「おいおい、そんなこと覚えるより作戦を覚えてくれよー!」
ペパロニ「それもそうっすね!」
アンチョビ「こんなことがあったな」
沙織「好きなアクセサリーのブランドを聞いてくる……それって、結婚指輪のためのリサーチですよ!」
アンチョビ「ええ!?結構高いやつだぞ!?」
沙織「きっと屋台の売り上げ三か月分の指輪を注文してプロポーズする気なんですよ!恋愛マエストロの目に狂いはありません!」
アンチョビ「三か月分か……確かに、それくらいあれば……」
沙織「それで、どうするんですか?」
アンチョビ「どうするって……何がだ?」
沙織「ペパロニさんのプロポーズ、受けるんですか?」
アンチョビ「ペパロニのプロポーズか……うーん、確かにあいつとはそれなりに長い付き合いだけど、一足飛びに結婚って言われても実感がわかないっていうか……そもそも女同士だし……」
沙織「それじゃ、ペパロニさんと結婚したらどうなるかをイメージしてみましょう!」
アンチョビ「ペパロニと結婚したらか……あいつも私も料理が得意だから、二人でトラットリアを開くとか……」
ペパロニ「今日も大繁盛でしたね、ドゥーチェ!」
アンチョビ「アンツィオ仕込みのパスタだからな!当然だ!」
ペパロニ「開店したばっかのときは知り合いが来るぐらいだったのに、随分お客さんが来てくれるようになったっすね」
アンチョビ「それもこれも、お前が頑張ってくれたおかげだよ……」
ペパロニ「いやだなー。広告とか仕入れとか、ドゥーチェが色々と考えてくれたおかげっすよ!」
アンチョビ「そうか……ありがとうな。この調子なら、もうそろそろ支店のことを考えても……」