【モバマスSS】ちひろ「プロデューサーさんたちのスカウト帳…」
前回の【モバマスSS】ちひろ「ちょっと!どういうことですか!?」の続編です。
見て頂ければ、大体のお話は見えてくるかと思います。
では、次レスよりスタートします。
ちひろ「――私は、プロデューサーさんはスカウトの時に、この子はどんな性格をもち、どんなタレント性があるのかを驚くべき時間をかけるんです」
ちひろ「――前は、プロデューサーは大変危険な人物と思っていましたが、そのおかげで皆が売れっ子アイドルになれたと思えば…」
ちひろ「いや、よくはないかと思うんですよね…。小学生をつけ回して、写真を撮って、あまつさえ地域すらも味方に付けてしまう…。こんなの一介のプロデューサーがやっちゃいけないんですよ…」
ちひろ「――とは言いながら、今日も私は、プロデューサーさんのスカウティングノートに目を通すのです」
ちひろ「今では、サイッキカーアイドル(?)のユッコちゃん。プロデューサーさんはどういった経緯で見つけたんでしょうか?」
モバP『201○年○月×日 公園で昼食を食べている時、目の前でやたら大きな声を上げている少女を見つける』
モバP『彼女は右手にスプーンを持って、『むむむーん!』と気合が空回りそうな奇声を上げていた。どうやら、スプーンを曲げようとしているようだ』
モバP『しかし、彼女の気合もむなしくスプーンはうんともすんとも言わない。数分が経って、奇声を上げなくなったので諦めたかと思いきや、』
モバP『ダウジングの棒をランドセルの中から取り出した。そしてまたあの奇声を上げて、辺りを歩き始めた。俺の前も歩いたが、残念ながら反応はしなかった』
モバP『こちらも数分経っても反応なく、ランドセルにしまい再びスプーンを取り出した。また奇声を上げるかと思いきや、深呼吸を数度して、『むん!』と一回だけ気合を入れた』
モバP『すると、先ほどまであれほど何も言わなかったスプーンがお辞儀をしたのだ。ぐにゃりと90度曲がった。見ていた俺も声を上げてしまった』
裕子『見ていましたか今の!?私、サイッキカーですよね!?』
モバP『本当に持っているとしたら、これはとんでもない逸材だ。これは追跡対象とさせてもらおう』
ちひろ「…え。ユッコちゃんって本当にスプーン曲げたんですか…。でも、本番でも事務所でも成功していないような…」
モバP『△月△日 あの公園で待っていると、堀が泣きながら歩いていた。それとなく聞くとどうやら男子にスプーンを取られてしまったらしい』
モバP『△月□日 スプーンの代わりに綿棒を持ってきて、いつものように曲げようとする。諦めの悪さというか、やり続けようとするその心意気は小学生にして中々素晴らしい』
ちひろ「綿棒とスプーン…。似ているんですかねえ…」
モバP『□月?日 学校を見ていると、彼女の作った作文があったので読んでみる。将来の夢はサイキッカーになること。その為に毎日綿棒を曲げる練習をやっていると』
モバP『読んでいたら、堀の友人がやってきて、これを出した後、先生に呼び出されて説教を食らったらしい。それでも、胸を張っていたとか。本当にみんなの前で曲げてやると』
ちひろ「あのポジティブさはもうあったんですね…。夢に一途っていいなあ…」
ちひろ「音痴もやはりでしたか…。でも、それだけ致命的な短所があったけど、なにがあってアイドルになれたんでしょうか?」
モバP『!月?日 小学校卒業式。卒業証書を受け取った児童は、一人ひとり未来への抱負を伝えるのがこの学校の伝統となっている。』
モバP『もちろん、堀もそれを行うわけだが、まわりの児童はかなり抽象的な大人象を話していたが、彼女だけは「サイッキカーになります!」と叫んで会場を凍りつかせた』
ちひろ「うーん。今のユッコちゃんからでも想像しやすいですね」
モバP『周りはドン引きだったろうが、俺の評価はうなぎ上りだった。いくら小学生とはいえ、この場であんなこと言えるのは大物か愚か者だ。俺はこの子に賭けてみたい』
まゆ「ちひろさぁん。何を見ていたんですかぁ?」
ちひろ「ひぃぃぃぃ!」
まゆ「あ、ごめんなさい…。驚かせてしまいました…」
ちひろ「まゆちゃん…。おはよう。少し過去の資料を呼んでいたんです」
ちひろ「――これでしまおう。これを読みたいなんて、言われたら、まゆちゃんは…」
まゆ『プロデューサーさんはまゆよりも、他の子の方が大事なんですねぇ!?』
モバP『まつんだまゆ!話せばわかる』
まゆ『問答無用!』
ちひろ「――的なことになりかねない!」
ちひろ「へ?まゆちゃん知ってるんですか?」
まゆ「それくらい当然です。まゆはプロデューサーさんのことなら何でも知ってますから」
ちひろ「怒りはしないんですか ?――ん?たち?」
まゆ「プロデューサーさんたちは、スカウトも自分で行うんですよぉ。プロデューサーさんの先輩も後輩も、上司の方もノートがあるんですよ」
ちひろ「マジか…。このキチガイなスカウト文化はこの部署の伝統なのか…」
まゆ「あるはずですよぉ…」
ガサゴソ
まゆ「ほら、綾瀬さんのスカウティングノートですね」
ちひろ「書いた人は…プロデューサーさんの先輩のモバOさん…」
まゆ「今は演出部の係長補佐ですねぇ」
モバO『×月??日 学校の成績は上。得意科目は国語。現代文は学年トップを取れるほど。逆に苦手は理科。生物系が苦手だが、それでも学年では高い位置。学業をおろそかにしないのは評価は高い』
ちひろ「早速飛ばしますねぇ…。学校の成績なんてどこから仕入れてくるんだ…」
まゆ「そうやって、いろんなことを知っているって嬉しいですよねぇ…」
モバO『□月◇日 部活は所属はしているが、ほぼ幽霊。すぐに帰り、バレエを行っているようだ。成績は県でも五本指。練習風景を見たが、リズム感、柔軟性は文句なし。以外にもハードに身体を動かしている。バレエ=優雅で穏やかというのは偏見だった。運動量問題なし』
モバO『□月@日 バレエの先生は県下でも有数のコーチ。鬼コーチと誉れ高い人。大会まで選手をとことんまで追い込めて、当日は褒めまくる人だ』
モバO『△月*日 何か上手くいかないようだ。練習の動きにキレがない。普段は崩さない表情にも焦りのようなものが見えた。もちろんコーチも分かっているはずだ。それでも容赦のない指導が飛ぶ』
ちひろ「そっか、まゆちゃんと穂乃香ちゃんは宮城県出身だったわね。そんなに有名なの?」
まゆ「はい。この人はメダリスト輩出人と言われる人で、飴と鞭の使い方は最高に上手いって有名です。人が曰く『世界で一番怖いコーチ』って」
ちひろ「すごかったんだ穂乃香ちゃん…」
モバO『△月○日 先日の練習でかなり答えたのか、毎晩自主練を行う。朝も早く起きてやっているらしい。学校の休み時間も動画を見チェック…。向上心は大いに評価したいが、これが悪い方へ行かなければい良いのだが…』
モバO『◇月×日 悪い予感は的中した。自主練と練習でオーバーワークになり、練習中に足を捻ってしまった。捻挫の診断だったが、身体以上に精神的に参ってしまったようだ』
ちひろ「これは…」
まゆ「穂乃香さんも大変だったんですね…」
モバO『?月!!日 ケガは治って復帰。それでもしっかりやりきれるのはさすがだったが、余裕がないのが見て取れた。翌週は中学最後の大会。しっかり調整してほしい』
モバO『?月☆日 大会。綾瀬は5位入賞だった。周り(コーチも含め)が称賛する中、彼女は一人だけ表情が晴れなかった。どういうことだろうか?』
モバO「×月△△日 高校に入って、勉強とバレエの両立は非常に難しい。良くやっていると思うのだが、彼女の理想はまだ高いようで、まだ自分を追い込む。こちらが不安になってしまうほどだ。誰かそれを言ってくれる人はいないのだろうか?」
まゆ「写真を見ても、ずっとこの表情なんですねぇ…」
ちひろ「確かに…。入ってきたときの穂乃香ちゃんは、本当に疑っているというか、笑顔一つなかったわね」
モバO『!!月??日 ちなみに学校内での綾瀬の評判は、一見堅苦しいが、丁寧。というのが大方の評判だ。暗いという評判もあったが、総じて話したことのない生徒の評判だ。教師陣も良い。人格的な問題は一切ない』
モバO『さて、バレエの方は成績は落ちていく一方だ。ずっとやってきている綾瀬にとって、それは耐えきれないに違いない』
モバO『×月○日 綾瀬はバレエのレッスンをサボった。見てきて3年目で初めてだ。学校近くの公園で制服姿でベンチに座って、携帯を見ながらため息。やはり罪悪感があるようだ。ここらで少し話をしてもいいかなと思う』
モバO『なお、俺の評価は運動量B 向上心A 性格B 表情D 以上から、スカウト活動を開始する』
まゆ「…暗い世界で一人きり。そんな中、手を差し伸べてくれたのがOさん…。良いお話ですよねぇ…」ウットリ
ちひろ「ここに来て穂乃香ちゃんの表情も明るくなって、笑顔も増えて。そして一緒に頑張れる仲間も増えましたし…」
まゆ「うふ。まゆだって同郷のライバルですからねぇ…。負けませんよぉ」
ちひろ「他のも見てみましょう。Nプロデューサーの新田美波さんを見ていきましょう」
モバN『すらっとした手足はやはり魅力が
コメント一覧
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- 2016年10月06日 22:40
- よく考え付くなぁ、全員分読みたいわ
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- 2016年10月06日 22:43
- わくわくさんのノートのくだりでエアプと思った。
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- 2016年10月06日 23:05
- 面白いので良しとする
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- 2016年10月06日 23:45
- みうさぎお願いします!
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- 2016年10月07日 00:01
- あべななさんはどこからスタートですかね
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