悟空「オラ、この世界を滅ぼす」
家に帰った悟空は相変わらず修業→飯→風呂→寝る→修業の武道家(ニート)の日々を過ごしていた。
そんなある日
チチ「悟空さ~、ちょっと~」
悟空「おう、なんだぁチチー」
チチ「これわりーけど町までいって税金さ払ってきてくんろ」
悟空「あ?税金?なんだそれ?」
チチ「えー?わかっただ。いいからこの書類とお金を持って町の区役所に行って払ってきてくんろー」
悟空「わかったよー。とにかく払ってくればいいんだな。
やれやれ、なんだかわかんねーけど行ってくるか」
悟空「おめーにも税金あんのかー悟飯」
悟飯「はい。所得があるので。天下一武道会の賞金なんかは引かれた状態で渡されるので、お父さんは気づかなかったんでしょうけど、支払ってるんですよ」
悟空「へー、オラ、全然知らなかったぞ。オラが戦って獲得した金なのに勝手に持って行ったんかー」
悟飯「ま、まあ、確かにそうなんですが、法律がそうですから」
悟空「なんか世の中わからないなー。ま、とりあえず払ってくっぞ」
悟飯「すいません、お父さん、お願いします」
チチ「悟空さ、ほら、地図だ」
悟空「おう、じゃ、いってくっぞ」
区役所一階
男性「なぜですか、なぜ助けてくれないんですか!」
職員「私達はDVの被害者を救う為の課ですので・・・」
男性「そ、そんな、僕は妻から暴力を振るわれてるんです。骨折もしてるんです!」
職員「いえ、ですから、私達はDVの相談なので・・・」
悟空「おい、おめーどうしたんだ?泣きじゃくって」
男性「あぁ、私は妻がいるんですが、その、情けない話なのですが、妻から暴力を受けていて」
悟空「暴力?組み手や修業じゃねーのか?」
男性「違うんです。やめてくれって頼むんですが、無理矢理・・・。それで行政に相談しにきたんです」
悟空「そ、そうなんか・・・。で、だったらなんで泣いてんだ?」
悟空「ん?なんでだ?ぎょーせーってのはこいつのことか?」
職員「はい、ですから何度もお伝えしているように私達はDVに関する相談にお答えする課なんです。ですから男性に来られても」
男性「なぜですか、私は妻から殴られたり蹴られたりして」
職員「DVは男性から女性への暴力なんです。男性に来られても何もお答えできません。警察にでも」
男性「そ、そんな、私は妻を愛してるし、警察なんて」
悟空「お、おいおい、ちょっと待てよ。こいつが男だからって助けねーんか?」
職員「そ、そういうわけでは。ただ私達はDVに関する相談を受け付ける所なので」
悟空「そんなの暴力なんて強え奴がすることなんだから性別かんけーねーんじゃねーのか」
職員「いえ、そう言われましても」
女性「あ、あの、いいですか?」
職員「あ、はい、どうぞ」
女性「実は彼氏から殴られていて」
職員「あ、ようこそ、相談にお越し頂きました。どうぞお話下さい。」
女性「それで・・・それから・・・その後・・・」
職員「はい・・・はい・・・お辛い経験をされましたね・・・行政としては」
悟空「税金?ああ、そうだ、オラ、税金を払いにきたんだ。おめーも税金払ってんのか?」
男性「はい、もちろんです。この区役所だってさっきの職員だって私達の税金で建てられ、給料が出てるんです」
悟空「そうなんかー、それなのにおめー相談受けてくれなかったんだなー」
男性「でも、もういいですよ。妻は愛していますが、警察にいきます。」
悟空「あ、ああ、おめー、奥さんに負けねーように修業でもしたらどうだ?」
男性「修業?・・・いえ、いいですよ、ありがとうございました」
悟空「おう、オラ、税金を払いにきたんだけど」
職員「あー、はいはい、で納税書類は?」
悟空「おう、これだ」パシッ(手から奪いとるように取る)
悟空「なんだ!?びっくりすんじゃねーか、普通に受け取ってくれよ」
職員「はいはい、書類はあってますね。で、お金は?」
悟空「金はこっちだ」
パシッ
悟空「いや、だから普通に受け取ってくれよ。そんな取り方しなくてもいいだろー」
職員「はぁ?(ボソッ)」
悟空「な、なんだよ・・・」
職員「はいはい、確かにね。これ領収書。あと銀行口座への振替依頼書ね。」
悟空「領収書?なんだそれ?それに振替依頼書って?」
職員「はぁ?(ボソッ)」
職員「・・・(無視)」
悟空「な、なあ、領収書ってなんだよ?それにチチと悟飯の税金何に使うんだ?」
職員「あなたに言う義務はありません」
悟空「お、おい、受け取るんだから教えてくれてもいーじゃねーか。」
職員「市民の為に使われます。振替依頼書はこうやってわざわざここにくるの面倒でしょ?
私らも手間なんでこれだしてくれたら勝手銀行から引き落とされるから」
悟空「おい、具体的に言えよ、市民の為って。」
職員「はいはい。では次の方ー」
悟空「感じわっるいなー。あいつもぎょーせーって奴ならチチや悟飯の税金で生きてんじゃねーのか」
悟空「・・・なんか納得いかねーなー。オラよくわかんねーけどお金は大事じゃねーのかなー」
ふと悟空が区役所前のビルを見ると警察と人が集まっている。
警官「はやまるなー!まだ若いんだからよく考えろー!」
女「黙って!それ以上きたらここから飛び下りる!」
警官「や、やめろー!よく考えるんだ!」
悟空「な、なんだ?おい、どーしたんだよ?」
やじ馬「みてわかんねーのかよ?若い女が飛び降り自殺しようとしてんだよ!」
悟空「自殺ぅ?なんで?」
やじ馬「知るかよ!お前がきいてこいよ」
悟空「それもそうだな。オラ、ちょっと行ってくるわ」
やじ馬「はっ、マジかよ?って、あ、あわわわわ」
女「あ、え、あわわわわ」
悟空「おめー、自殺しかけてたのはなんでだー?何か悩みでもあんのかー?」
女「あ、あわわわわ、いま、空飛んだ・・・」
悟空「あ、そっか、空飛びのって珍しかったかー、オラ、空飛べんだ」
女「そ、そうなの・・・って、えっ?空飛べる?」
悟空「オラのことはいいからなんでおめー死のうとしたんだ?」
悟空「妊娠!?良かったじゃねーか!」
女「よくないですよ!いや、確かによかったですけど。でも、会社をクビになって・・・」
悟空「おめーの妊娠とクビは何の関係があんだ?」
女「私、妊娠したから産休を申請したんです。始めは受理してくれたんですが・・・その・・・」
女「不景気を理由に人員整理するからって、解雇を・・・。」
悟空「え、でもよー、不景気なんだから仕方ねーんじゃねーんか?」
女「不景気なんて嘘です!実際、社長や役員は高級外車を乗り回してますし、株価も上がってたんです。
私より成績悪い人もいました。なのに私だけクビなんです」
悟空「そうなんかー、でもだからって死ぬことはねーだろう」
女「もう嫌なんです。私、努力してきたのに。誰よりも頑張ってきた。なのに女だから、妊娠したからって」
女「彼氏は女の私が働くの反対でしたし、両親は・・・産休なんて会社の迷惑だろ!って」
女「なんで会社が働きもしていないお前に給料を払うんだ!
法律があるからっておかしいと思わないのか!非常識だ!って・・・」
女「私、もう何を信じたらいいのかわからない。
お腹の赤ちゃんが女の子だったらと思うと、こんな世の中に産んであげたくない」
悟空「ま、待てよ!と、とにかく死ぬのはダメだ。はやまるなって!」
女「・・・もういいの。ありがとう。少し泣いてすっきりしたわ。」
悟空「え、そ、それはよかったな、は、はは・・・」
女、ビルから飛び降りる
悟空「!!しまった!」
悟空、武空術で女を助ける。
悟空「こんなになるぐれーなんて・・・よっぽど悔しかったんだな」
悟空(でも、おっかしーな。産休ってやつは法律で保障されてるって言ってたのに)
悟空(会社は今まで働いてもらってたんだろー?なんで産休でクビにすんだ?)
下の警官に女を渡す悟空。拍手と驚きの表情が悟空を包みこんだ。
悟空「おっと、いけねぇ、オラ、あんま目立つのはきれーなんだ。じゃな!」
走り去る悟空
悟空は電車の乗り方など知らなかったが、改札を無視してホームに出た。
ラッシュ混雑時だったので誰が切符を持っていないかわからなかったし、改札のバーも悟空は気にせず通って壊してしまったのだ。
ベジータ「きさまー!女性専用車両は任意だろうが!なぜ、俺様が乗ってはいかんのだ!」
駅員「い、いえ、ですから私はお願いをしただけで」
ベジータ「何がお願いだ!いま、乗れませんと断言しただろーが!」
駅員「そ、そんな、お願いをしただけです」
悟空「おう、ベジータ、おめーも電車か。何怒ってんだ」
ベジータ「ふん、カカロットか。ちょうどいい、貴様も文句を言え」
悟空「文句?何にだ?」
ベジータ「俺が女性専用車両に乗っていたらこいつがここは女性専用車両だから乗れませんよと断言したんだ!」
悟空「えっ?女性専用だったらおめー、乗れねーんじゃねーんか。おめー男だろ」
ベジータ「バカヤロー!女性専用車両は任
コメント一覧
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- 2016年10月08日 21:24
- また懐かしいものを
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- 2016年10月08日 21:25
- 悟空は一応、一般常識身についてるし、もっとクレバーで現実主義やろ。
超がひどすぎるだけで、原作だとベジータより家族サービスしてるだろうに。
ネットイメージ強すぎ、やり直し。
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- 2016年10月08日 21:27
- 五年で社会は変わったかなぁ・・・
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- 2016年10月08日 21:35
- 木を見て森を見ずとはこんなSSの事を言うのだろう
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- 2016年10月08日 21:37
- このSS書かれてもう5年とか早い
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- 2016年10月08日 21:52
- 今じゃスーパーサイヤ人ゴッドスーパーサイヤ人だもんな・・・
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- 2016年10月08日 22:01
- ドラゴンボールがあれば優しい世界は作れるんかなあ
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- 2016年10月08日 22:17
- あれから5年か
なにも解決していないな
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- 2016年10月08日 22:24
- ※4
言いません
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- 2016年10月08日 22:28
- まあ、悟空のやることは極端すぎるが、間違っていると思う制度をかえるなら、
多少は強引さとか力づくとかそういう頭の悪い方法がいるかもな
声に出す程度しかしなけりゃどこまでも舐め腐られる
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- 2016年10月08日 22:37
- 悟空の口から自分が間違ってたとか、救う星が違ってたとか聞くのは辛いな。悟空自身にそう思わせてしまった事も。ssの世界でよかったよ
現実なら挫けてる。
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- 2016年10月08日 22:40
- 前も見たことあるけど改めて読んだけどこのスレ主は神
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- 2016年10月08日 22:49
- 世界はこんなにも簡単じゃないんだな…
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- 2016年10月08日 23:43
- 産休中に給料は出ないよね?
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- 2016年10月08日 23:52
- 内容自体はある種よくある世界と人間の汚さに絶望した主人公の闇落ち系だけど
悟空にすらこう思われたら本気でそんな世界は滅んだほうがいいと思えてくるわ
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