竜角の狩猟者「それじゃあ、いってきます」
「竜角の狩猟者」っていうカードを知らなきゃ分からないよ
多くの人々が倒れていく中、その病に耐性を持った少女がひとり。
彼女は故郷を救うため、霊薬の原料となるドラゴンの角を求め、旅立つのだった。
竜角の狩猟者「それじゃあ、いってきます」
お婆さん「くれぐれも、気をつけてな」
お爺さん「すまんの……お前のような、か弱い女の子ひとりに……」
竜角「気にしないで。私は疫病にかからないみたいだし、これくらいしなきゃ」
少年「お姉ちゃん……ちゃんと帰っきてね」
竜角「大丈夫。ドラゴンの角を取って、すぐ帰ってくるからね」
…………
ノーテス「グォォオオオオ!!」
竜角「くっ……はぁっ!」 ズバッ
ノーテス「グォォォオオオオオオ!!!」 バタッ
竜角「ふぅ……危なかった……」
竜角「今のドラゴン、さっきの茶色いやつや赤いやつに比べて強かったぁ~」
竜角「けど、これで……角も8本目。結構、順調に集まってきてる」
竜角「よし! あと少し取ったら、一旦村に戻ろうっと」
竜角(それにしても、なんかドラゴンの数が急に増えたような……それに、さっきから形も変だし)
竜角(こいつにはクマみたいな毛、さっきの茶色いやつには、ハリネズミみたいな針。赤いやつには、サソリみたいな……)
イリテュム「ギャオォォオオオオ!!」
竜角「っ! いつの間に!?」
イリテュム「ギャオォォォオオオオオオ!!!」 ブンッ
竜角「きゃっ!」 ガンッ
竜角「痛っ……っ!」
竜角(まずい、痛みで体が……)
イリテュム「ギャオォォオオオオ!!」
竜角(っ! もう、ダメ……!?)
イリテュム「ギャオォォォオオオオオオ!!!」 ザクッ
???「大丈夫か?」
竜角「あなたは……」
???「話は後だ。まずはこいつを片付ける」 ジャキッ
イリテュム「ギャオォォオオオオ!!」
???「ハァッ……タァッ!!」 ズバァッ!
イリテュム「ギャオォォォオオオオオオ!!!」 バタッ
???「ふんっ、歯応えのないやつめ」
竜角「あっ、あの……ありがとうございます」
???「礼には及ばないさ。ただ仕事をしただけだからね」
???「申し遅れたな。私はバスター・ブレイダー」
竜角「私は、えっと……竜角の狩猟者です」
バスブレ「竜角ちゃんか。ところで、怪我をしているんじゃないか?」
竜角「えっ……あっ、はい」
バスブレ「近くに私のキャンプがある。そこで治療してやろう」
竜角「いえ、でも……」
バスブレ「遠慮なんてしなくていい。さぁ」
竜角「……じゃあ、お言葉に甘えて。あっ、でもその前に……」
バスブレ「何かな?」
竜角「その……このドラゴンの角、取らせてもらってもいいですか?」
…………
バスブレ「なるほど。じゃあ君は、村の人たちのためにドラゴンの角を集めていると」
竜角「はい。村に来たお医者さま……レクターさんによれば、それが疫病の霊薬になるって」
バスブレ「そうか……そうと知っていれば、今まで倒したドラゴンの角を取っていたものを……」
竜角「いえ、これは私の使命ですから……」
バスブレ「まだ若いのに、随分しっかりしているな。感心してしまうよ」
竜角「バスターさんは、どうしてドラゴンを?」
バスブレ「ここ最近、急にドラゴンの数が増えてね。悪さをする個体もいるので、原因を調査しつつ狩っているんだ」
バスブレ「しかも、変な共通点があってな……イカの脚を持っていたり、ハエの羽根がついていたり……」
竜角「あっ、私が倒したやつにも、タカの翼が生えてるのがいました」
バスブレ「……もしかしたら、君の言う疫病とも、何か関係があるのかもしれないな」
竜角「だとしたら、ドラゴンの角が霊薬になるのも、納得がいきますね……」
バスブレ「よし。私は一旦戻って、仲間にこのことを話してみよう」
竜角「お仲間さんも、バスターさんと同じ戦士の方なんですか?」
バスブレ「いや……こわ~い黒魔術師さ」
竜角「もう、そんな嘘で怖がるほど、子供じゃありませんから!」
バスブレ「はははっ……君はどうする?」
竜角「私は村に戻って、この角を届けてきます」
バスブレ「そうか。それじゃあ、元気でな」
竜角「……あの、バスターさん」
バスブレ「ん?」
竜角「本当に、ありがとうございました」
バスブレ「……どういたしまして」
竜角「疫病がおさまったら、ぜひ私の村に来てくださいね」
バスブレ「あぁ、そうするよ」
竜角「絶対ですからね? 私、待ってますから!」 ニコッ
…………
竜角「よいしょ、よいしょ……」
竜角(この丘を越えたら、もうすぐ……みんな、待ってて!)
竜角「よいしょ……って、あれ?」
竜角(あの炎は……まさか!?)
竜角「みんな!」 タタタッ
…………
ゴォッ
メラメラ……
ルクス「ギャオォォオオオオ!!」
プレスト「ギャオォォォオオオオオオ!!!」
竜角「嘘……そんな……」
竜角(村が……燃えてる……)
竜角(ドラゴンたちに、燃やされてる……)
竜角「こんな……こんなのって……」
???「おやおや、これはこれは……村の勇者のお帰りか」
竜角「……レクター、さん?」
レクターや「お疲れさま。けど残念、一歩遅かったな。村はもう燃えちゃったぜ」
竜角「どうして……どうして、こんな……」
レクター「そうだな、頑張ったお前には、ご褒美をやろうか。『真実』っていうな」
竜角「真実……?」
レクター「まずさ、おかしいと思わなかったか。なんで疫病が、この村にだけ流行ったのか」
レクター「それはな、こいつのおかげだよ」
竜角「これって……」
レクター「6本の脚に正12面体の頭、かわいいだろう? 『アモルファージ』っていうんだ。俺のしもべさ」
竜角「……まさか」
レクター「病原菌を蒔いたのはこいつ、ひいては俺だった、っていうわけさ」
竜角「……そんな、どうして……」
レクター「見てみたかったのさ。こいつが人間に感染したら、どうなるのかなって」
レクター「動物に感染すると、そいつを完全にドラゴンへと変えるんだ。だから、人間でも似たようなことが起きると思ったが……」
レクター「なんも面白くない、コロッと死ぬだけだった。あーあ……無駄な時間、過ごしちまったぜ」
竜角「信じてたのに……みんな、あなたのことを……」
レクター「おっと、勘違いしてもらっちゃ困るぜ。俺はちゃんと霊薬の作り方を伝授したじゃねぇか」
レクター「村がこうしてドラゴンに襲われたのはな、お前のせいさ」
竜角「っ、私の……?」
レクター「そうさ。お前が無闇矢鱈にドラゴンを殺しまくるから、棲み処を追われた連中がここに来ちまったんだろうが」
レクター「本当、ひでぇ女だよ。村を捨てるどころか、ドラゴン嗾けて村を襲わせるとはな」
竜角「っ! そんな……私、そんなこと……!」
レクター「結果的にそうだろうよ。お前に殺されたドラゴンたちは、お前を恨んでるだろうなぁ」
レクター「それどころか、裏切られた村の連中も」
竜角「っ!」
レクター「信じてたのになぁ、ドラゴンの角を持って帰ってくるって。それなのに、この有様だよ」
竜角「違う……私、そんなこと……」
レクター「何が違うってんだ? ひとり村から抜け出して災厄を逃れておいて、よく言うぜ」
レクター「み~んな、お前のせいだ。み~んな、お前を恨んでる」
竜角「……あぁっ」
レクター「自分だけ助かって。自分だけのうのうと生きて」
竜角「あぁぁああっ!!」
レクター「最低な女だよ、お前は」
竜角「あぁぁぁああああああっ!!!」
レクター「あっ?」
バスブレ「ドラゴンの咆哮を追ってきてみれば、泣き叫ぶ女子と嘲笑う男」
バスブレ「どういう事情かは知らんが、お前が悪人であることだけはハッキリと分かるぞ」
レクター「ちっ、めんどくせぇのが来たな……」
バスブレ「っ、竜角ちゃん!」
竜角「……」
バスブレ「おい、しっかりしろ!!」ユサユサ
レクター「無駄だよ。そいつはもう、二度と立ち直れねぇだろうさ」
バスブレ「貴様、この子に何をした!」
レクター「何もしちゃいねぇよ。ぜ~んぶ、そいつ自身が招いたことさ」
バスブレ「しらばっくれたことを……貴様は何者だ!」
レクター「俺様の名は、竜魔王レクターP」
バスブレ「レクターだと? ……なるほど、全て貴様が仕組んだことだったというわけか」
レクター「超速理解ありがとう。また1から説明する手間が省けたよ」
バスブレ「黙れ! 貴様のような悪は、俺が断じて許さん!!」 チャキッ
レクター「ちっ……本当めんどくせぇな、お前」
チョウ「」 ヒラヒラ
レクター「おっ、ちょうどいいところに蝶々さんが」
レクター「せっかくだ、見せてやるよ」
レクター「アモルファージの力をな!!」
バスブレ「何!?」
レクター「いけっ!」
アモルファージ「」 カサカサ……プスッ
チョウ「!」 ビビビッ
バスブレ「なっ……んだと……!?」
バスブレ(チョウが見る見るうちに、大きくなっていく……)
ゴゴゴ……
バスブレ(そして、ドラゴンに……)
イリテュム「ギャオォォォオオオオオオ!!!」
レクター「さらにマジック発動! アモルファスP!!」
レクター「イリテュム、合体だ!」
バスブレ「っ!!」
レクター「フハハハハッ! アーッハハハハッ!! 見ろ、これこそが俺様の最強形態……」
レクター「虚竜魔王アモルファクターPだ!!」
アモルファクター「喰らえ、ハァッ!」 ゴォッ
バスブレ「ぐわぁっ!!」 バタッ
バスブレ(くそっ、このままでは……)
アモルファクター「消えろ、愚かな戦士め!」
バスブレ「っ!」
???「黒・魔・導!」 ドゥッ!
アモルファクター「おっと……ん?」
???「大丈夫か、バスター・ブレイダー」
バスブレ「ブラック・マジシャン……なぜここに……」
ブラマジ「今朝、何か嫌な予感が頭を過ぎってな。まさかと思って駆けつけたのさ」
バスブレ「すまない、助けられた」
アモルファクター「おやおや、雑魚が増えた。まるでゴキブリだな」
バスブレ「こいつは強いぞ」
ブラマジ「ならば、こちらも奥の手を使おう」
バスブレ「あれか……よし!」
ブラマジ「いくぞ、マジック発動!」
ブラマジ「私とバスター・ブレイダーを融合し……現れよ!」
バスブレ「私とブラック・マジシ
コメント一覧
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- 2016年10月10日 22:02
- 竜角ちゃんはいずれ正気に戻ってバスブレの中の人になるから…!
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- 2016年10月10日 22:07
- ワームかヴェルズに襲われるガスタの話が見たい。
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- 2016年10月10日 22:16
- レクターが出てきたから、てっきり竜角ちゃんがラスターになるのかと
-
- 2016年10月10日 22:29
- くっ!幸せではないか!!
しかしなぜ遊戯王の通常モンスターの説明文は
不幸なものが多いのか...
-
- 2016年10月10日 22:57
- 端末世界には悲劇しかないとソピアとティエラないしコンマイが決めたのだ
霊獣の新規の奴の絵は泣ける
ファルコォォォォォォォォォ
-
- 2016年10月10日 23:00
- バスブレの中の人って誰でも彼でもドラゴン認定して襲い掛かってくる怖い人でしょ
-
- 2016年10月10日 23:03
- シリアスなのに、レクター初登場のとこ
レクターや「お疲れさま
ってなってて笑ってもうた
-
- 2016年10月10日 23:13
- テキストだけじゃなくイラストだけでもバックストーリー重いのがしょっちゅうだから困る
端末世界なのに珍しくハッピーエンドっぽいイラストのが出てきたけど
-
- 2016年10月10日 23:20
- バスブレがまとも…だと…
-
- 2016年10月10日 23:49
- スライム斬りに定評のあるバスブレさんマジかっけーっす
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