堀裕子「エスパーユッコにお任せあれ!」
『やってみようか?』
『はい!』
『ホクトプレミアム!』
ズボボッ
『えっ!?』
『ほら、こうなっちゃうんだよね』
『で、これを見せると……』
『ホクトプレミアム!!』
ズボボボボボッ!
『松茸も焦ってんだと思うね』
輝子「……フヒッ」
輝子「フヒヒヒ……!」
幸子「輝子さんて…… そのCM見ると、ホント良い笑顔をしますよね」
輝子「……え?」
輝子「そ、そうか……?」
小梅「うん… 凄く嬉しそう、輝子ちゃん」
輝子「そ、そうか……」
輝子「キノコが出ると、ついテンションが……な」
小梅「ふふっ」
小梅「でも… 私もその気持ち分かるかも…」
小梅「私も… そのCM好きだもん」
幸子「そうですね。インパクトとユーモアが凄いですからね」
幸子「一度見ると癖になるというか」
幸子「ボクとしては、先程からテレビを見たまま微動だにしない裕子さんが気になって仕方ないんですけど……」
裕子「……」
輝子「……」
小梅「……」
幸子「……」
輝子「……嵐の前の、静けさ……か?」
小梅「……かも」
幸子「……知れませんね」
輝子「!」
小梅「!」
幸子「!」
裕子「皆さん! 分かりましたよ!」
裕子「今のはズバリ、サイキックパワーに違いありません!」
輝子「……へ?」
小梅「……へ?」
幸子「……へ?」
裕子「ふっふっふ……」
裕子「普通の方は欺けても……」
裕子「この、サイキックアイドル、エスパーユッコの目は騙せませんよっ!」
輝子「……」キョトン
小梅「……」キョトン
幸子「……」キョトン
裕子「むむっ、これは失礼しました!」
裕子「先程のCMでですね、キノコ取りの名人さんがキノコをズボボッと急成長させていましたが」
幸子「いや、あれは成長じゃなく地上に頭を出したって演出じゃ――」
裕子「あれは実は、サイキックパワーに因るものだったのです!」
輝子「……へ?」
小梅「……へ?」
幸子「……へ?」
裕子「だって、常識的に考えて、キノコが他のキノコに焦りを憶えて急に成長するわけがないですよね?」
裕子「では…… どうすればキノコを急成長させられるのか……」
裕子「……そうっ、サイキックパワー!」
裕子「サイキックパワーに因って実現するさせた……!」
裕子「それが答えです!」ズビシ!
幸子「えっ…… いや、あれCMですから……ね?」
小梅「う、うん、演出というか…… フィクションというか…… だから……」
裕子「しかし…… 生き物を成長させるとは……!」
輝子「き、聞いてない……! 全然……!」
裕子「むむむぅ…… どうやらあの男性、かなりのサイキッカーのようですねぇ……!」
輝子「ど… どうしよう……?」ヒソヒソ
幸子「ど、どうしましょうって言われても……」ヒソヒソ
小梅「や、やっぱり…… 無理矢理にでも突っ込まないと… ダメなんじゃないかな……?」ヒソヒソ
輝子「フヒッ!?」
裕子「どうかこの堀裕子に、お友達をお貸しください!」
輝子「……えっ?」
裕子「私も…… 私もキノコを成長させたいんです!」
裕子「名も知らぬ男性に負けてしまっては、サイキックアイドルの名折れであり……」
幸子「いや、有名な俳優さんですからね? あの――」
裕子「何より、サイキッカーとしての矜持が許せないのです!」
裕子「ですから、どうか、キノコをお貸しください!」
輝子「……えっ? えっ?」
輝子「……な、なんだこれ?」ヒソヒソ
小梅「取り敢えず…… キノコを貸してあげれば良いんじゃないかな……?」ヒソヒソ
輝子「やっぱり、そ、そういう事…… なのか?」ヒソヒソ
幸子「多分…… そういう事だと……」ヒソヒソ
裕子「ありがとうございます!」
輝子「それじゃあ…… 机の下から持って来るので……」
裕子「はいっ! お手数をお掛けして申し訳ありません!」
輝子「い、いえいえ……」
輝子「それじゃあ……」
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―――
――――――
―――――――――
輝子「……あの、これで良いですか?」
ゴトッ
裕子「……あの、ごめんなさい、輝子ちゃん」
裕子「この木の丸太は……?」
輝子「げ、原木栽培用の原木、です」
輝子「小さいですけど…… シイタケくんが生えてるので……」
裕子「シイタケですか……?」
裕子「……あっ、確かに生えてますね!」
裕子「へぇー、まだピンポン玉くらいの大きさですけど、ちゃんとシイタケの形になってますね」
裕子「ですが、本当にお借りしていいんですか?」
裕子「成長の過程を見れなくなってしまいますけど」
輝子「だ、大丈夫」
輝子「丁度お鍋が食べたいと思ってたところだから、大きくなったら、寧ろ、こ、好都合?」
幸子「……最近急に寒くなりましたからね」
輝子「フヒ…… 鍋にはキノコ…… 外せない……」
裕子「えっと…… そうことでしたら!」
裕子「このエスパーユッコ、全力でシイタケさんを成長させましょう!!」
裕子「始めさせて頂きます!」
裕子「……」
裕子「……ムムッ!」
裕子「キテます…… キテます……!」
裕子「サイキックの…… 波動が……」
裕子「キテますッ……!!」
裕子「……ッ!!」
裕子「サイキックパワー、充填率100%!!」
裕子「……ホクトォォォッ!」
裕子「プレミアムッッ!!」
ズボボッ!
輝子「!?」
小梅「!?」
幸子「!?」
小梅「……」
幸子「……」
輝子「……あれ?」
幸子「……変わってない、ですよね? 大きさ」
裕子「そう……ですね」
裕子「ですが、確かに手応えみたいなモノは在ったんですが……」
小梅「それに… ズボッって音もしたよね……?」
裕子「……持ち主の輝子ちゃんから見てどうですか? 何かしら変わったところ――」クルッ
裕子「――え?」
小梅「……?」
幸子「……?」
小梅「どうかしましたか?」クルッ
幸子「どうかしましたか?」クルッ
小梅「……え?」
幸子「……え?」
輝子「……フヒッ?」
裕子「……」
小梅「……」
幸子「……」
裕子「しょ、輝子ちゃんが大きくなってる!?」
小梅「しょ、輝子ちゃんが大きくなってる!?
幸子「しょ、輝子さんが大きくなってる!?」
輝子「フヒッ……?」
小梅「……」
幸子「……」
えらいこっちゃ>ヽ(ヽ゚ロ゚)(゚ロ゚ノ)(゚ロ゚ノ)ノ<えらいこっちゃ ヨイヨイヨイヨイ!!
裕子「……すみません、驚きの余りパニックになってしまいました」
裕子「あの、それで、輝子ちゃん」
裕子「体は大丈夫ですか? 痛い所や何時もと違う所は無いですか?」
輝子「え?」
輝子「うーん…… そういうのは、無い、かな?」
輝子「ただ……」
裕子「ただ……?」
輝子「見える世界が…… その、少し変わった……かも?」
幸子「……ああ、なるほど」
幸子「身長が伸びた分、見えるものの見方が普段とは違ってるって事ですね」
輝子「い、いえーす」
幸子「確か…… 165cm位でしたよね? そのお二人の身長って」
輝子「……え?」
輝子「じゃ、じゃあ、私って、そ、そんなに……?」
裕子「はい…… そうですね」
裕子「少なくとも、確実に私よりも大きいと思うので……」
輝子「そ… そうか…… 私、そんなに大きくなったのか……」
輝子「……」ペタペヤ
輝子「でも……」ペタペタ
輝子「こっちは、そんなに大きくなってない…… のな……」ペターン
輝子「フヒ…… フヒフヒ……」ショボーン
裕子「あ… あははは……」
小梅「あ… あははは……」
幸子「あ… あははは……」
輝子「……フヒ」ショボーン
裕子「……あの」
小梅「……その」
幸子「……えーと」
裕子「輝子ちゃん!」
裕子「本当に申し訳ありません!」
輝子「フヒ?」
裕子「私の所為でこんなことになるなんて……」
裕子「本当にすみませんでした!」ガバッ
輝子「どっ、土下座すか!?」
裕子「ごめんなさい! ごめんなさい! 本当にごめんなさい!」
輝子「えと、あ、あの……」
輝子「いや、別に、大丈夫…… デスヨー?」
輝子「背が伸びただけで…… ふ、不都合が有るわけじゃないですし……」
裕子「十分大問題じゃないですか!」
輝子「そ、そう……?」
裕子「そうですよ!」
裕子「いきなり体型を変えてしまうなんて……」
裕子「私はなんということを……」
コメント一覧
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- 2016年10月13日 23:22
- ユッコはバカだなあ…
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- 2016年10月13日 23:30
- 裕子、俺もキノコを急激に大きく出来るんだがサイキッカーか調べてくれ。←ゴソゴソ、ボロン
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- 2016年10月13日 23:32
- ※2
遠藤さん「ホクトプレミアム!!」(ギンギンニジリヨリ
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- 2016年10月13日 23:39
- 津田「えぇ、はい、わかりました。今回はTVに出てる有名人ですからね。まずはシンデレラの魔法を解いてお城から出て行ってもらうとしましょう。そのためのシナリオも既に準備してあります。はい、お任せ下さい上手くやります」←達磨を眺めながら
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- 2016年10月13日 23:49
- 原木出てきて、ヒャッハーモードで「丸太は持ったなぁァ!?ゴートゥーヘェェル!」してる輝子が見えた
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- 2016年10月14日 00:01
- 期間限定コンビ藍子プレミアムはよぉ
藍子+巴
まな板の上の鯉