P「団結2015を収録するぞー」
P「まあそう言うな」
春香「私は天海春香ですイェイ!」
……
雪歩「萩原雪歩17歳です――あれ?」
雪歩(団結2010の時も17歳って言ってたような……)
ガッ
雪歩「あ――」
雪歩(足がもつれて――)
ガターン!
P「雪歩!」
伊織「何でダンスレッスンでもないのに転ぶのよ。春香じゃあるまいし」
春香「酷いっ」
真「たんこぶできてるよ雪歩。大丈夫?」
P「念のため病院に行こう」
雪歩「そんな大げさですよプロデューサー」
P「だから念のためだよ。頭打ってるしな」
……
雪歩「……」
雪歩(今は2015年12月……うん。間違ってない)
雪歩(団結2010を収録したのは……あれ、いつだっけ?)
雪歩(2010ってことは5年前……のはずだよね)
雪歩(その時も私は17歳って言ってた……あれ、どういうこと?)
雪歩(ミンミンミン、ミンミンミン、ウーサミン)
雪歩(違うそうじゃない)
雪歩(私の記憶違い? ――ううん。そんな問題じゃない気がする)
真「雪歩、どうしたの? ぶつけたとこまだ痛む?」
雪歩「真ちゃん……うん。ちょっと考え事」
真「悩み事? 僕で良ければ聞くよ」
雪歩「あのね……」
真「……」
雪歩「あはは、私変なこと言ってるよね。忘れて」
真「いや、変じゃないよ」
雪歩「真ちゃん……」
真「何で今まで気づかなかったんだろう。この違和感に」
雪歩「そうだよね……。皆にも教えてあげよう」
真「まって。嫌な予感がする」
雪歩「嫌な予感?」
真「こんな大事、誰も気づかないなんておかいしよ」
真「もし気づいた上で黙ってるんだとしたら、何か理由があると思うんだ」
真「うん。触れちゃいけない理由」
雪歩「そうなのかな?」
真「わからない。……このこと、僕以外に話した?」
雪歩「ううん。真ちゃんが最初」
真「じゃあ皆に話すのはちょっと待って」
雪歩「うん。真ちゃんがそう言うなら」
真「じゃあ今日はもう遅いし、また明日ね。今日はお疲れさま」
雪歩「うん。ばいばい、真ちゃん」
真(よく考えたら、おかしいのは年齢のことだけじゃない)
真(雪歩は気づいてないみたいだったけど、雪歩って前からああいう声だったっけ?)
真(声と言えば社長の声も変わってる)
真(声どころか、社長の顔が思い出せない。何度も見てるのに)
真(亜美と真美って、前から真美の方が姉だったっけ?)
真(美希って髪切って茶髪にしなかったっけ?)
真(響と貴音って前から765プロに居たっけ? いつから?)
真(事務所って移転しなかったっけ?)
真(僕っていつからこの髪形だっけ?)
真(僕たちは何度アイドルの頂点に立った?)
真(まったく頭痛がしてきたよ。一体どうなってるんだ)
真(考えれば考えるほど、おかしなことだらけ)
真(怖い……)
真「……」
真「あーもう! わっかんないよー!」
真(明日プロデューサーに相談してみるか)
真「……あれ?」
真(プロデューサーって何て名前だっけ?)
雪歩「おはようございますぅ」
春香「おはよう雪歩」
雪歩「春香ちゃん。真ちゃんはもう来てる?」
春香「真ちゃん?」
雪歩「うん。ちょっと話したいことがあって」
春香「真ちゃんって誰?」
雪歩「え?」
春香「新しいアイドル候補生の子?」
雪歩「やだぁ、何言ってるの春香ちゃん。菊地真ちゃんだよぉ」
春香「えっと……ごめんね。私その人知らないや」
雪歩「え……」
春香「二人は菊地真ちゃんって知ってる?」
亜美「誰それ?」
真美「新しいアイドルの人?」
雪歩「え? え?」
春香「?」
亜美・真美「?」
P「おはよう。お、皆揃ってるな」
雪歩「あのぉ、プロデューサー。真ちゃんがまだ……」
小鳥「!?」
P「真ちゃん? 誰だそれは?」
雪歩「ぁ……」
小鳥「……」
真美「ねーねー兄ちゃん。新しいアイドルの人でも来るの?」
P「そんな話は聞いていないが……」
真美「なーんだ」
雪歩(変なのは……皆の方だよ……)
雪歩「……」
P「雪歩?」
雪歩「あ……あ……」
雪歩「穴掘って埋まってますぅぅぅ!」ザックザック!
春香「あぁ雪歩! 事務所に穴掘っちゃ駄目だよー!」
雪歩「ああああああ!」ザックザック!
亜美「うわぁ! ゆきぴょんが壊れたぁ!」
雪歩「ああああああ!」ザックザック!
ズガァァァン!
たるき亭「」
P「ただいま戻りました」
律子「お帰りなさい。どうでした、雪歩の様子?」
P「一応落ち着きはしたけど……今日は休ませることにして、さっき送って来たよ」
律子「それが良いですよね。一体どうしたのかしら、あの子」
小鳥「……」
P「律子は菊地真って知ってる?」
律子「さあ、聞いたことない名前ですけど。その人が雪歩と関係してるんですか?」
P「雪歩が言ってたんだよ。765プロのメンバーで、雪歩と一番仲が良かったんだって」
律子「えぇ……」
律子「いや、そんなレベルじゃないでしょ」
律子「病院に連れていった方が良いんじゃないですか?」
P「そうだな……」
小鳥「待ってください。マスコミに知られると雪歩ちゃんもっと辛くなると思います」
律子「ですけど……」
小鳥「もう少し様子を見てみましょう」
雪歩(皆どうしちゃったの? 真ちゃんのことを忘れるなんて……)
雪歩(私どうしたらいいの……真ちゃん)
雪歩(こんな時、真ちゃんが居たら相談できるのに……)
雪歩「――あ!」
雪歩(そうだよ。真ちゃんに電話すればいいんだ!)
雪歩(えっと携帯は――)
雪歩(もし電話帳に真ちゃんの名前が無かったらどうしよう)ポチポチ
雪歩(……そんなことないよね)ポチポチ
ポチ…
雪歩「……」
雪歩(無い……)
テクテク
雪歩(ちょっと夜風に当たろう)
雪歩(――あれ、あそこでランニングしてるの……)
雪歩「真ちゃん!?」
真「え?」
雪歩「真ちゃーん!」ダキッ
真「ええっ!?」
雪歩「真ちゃん真ちゃん真ちゃん!」
真「あ、あの……どなたですか? 何で僕の名前……」
雪歩「え……」
真「ああっ! ひょっとしてアイドルの萩原雪歩!? ラッキー! サイン貰って良いですか?」
雪歩「あ……あ……」
雪歩「穴掘って埋まってますぅぅぅ!」ザックザック!
真「うわぁ! どうしたの!?」
ガチャ
雪歩「おはようございますぅ……」
雪歩(はぁ、昨日は大変だった。私おかしくなっちゃったのかなぁ……)
真「ゆーきほっ! どうしたの暗い顔して」
雪歩「真ちゃん!?」
ペタペタ
真「えぇっ!? どうしたの雪歩? 会うなり人の顔触って――」
雪歩「幻じゃない!」ペタペタ
真「そりゃそうだよ!」
雪歩「うわぁぁぁん! 真ちゃぁぁぁん!」ダキッ
真「うえぇっ!?」
伊織「朝から見せつけてくれるわね」
やよい「うっうー! ラブラブですー!」
千早「高槻さん、私た
コメント一覧
-
- 2016年10月14日 22:38
- 面白い
-
- 2016年10月14日 23:09
- ちょっと違うけど、小林泰三さんの作品思い出した。「時間旅行者」だっけ?
-
- 2016年10月14日 23:40
- やるじゃないか……。
-
- 2016年10月14日 23:42
- 長すぎ、読むの止め…ようと思ったけど
割と面白かった
SSもまた、ってことだよね?
-
- 2016年10月14日 23:43
- なるほどねぇ、2回読んでやっと理解した
バカだねー俺
寺生まれのtかねさんendかよって思ってびびった
そして春香さんがカッコ良すぎる
アニマス14話のメガネ春香さんを思い出した
-
- 2016年10月14日 23:49
- なるほど、なかなか面白かった。
ついこの間、古本屋で見つけたアダム・ファウアーの『数学的にありえない』を読んでいたお陰で理解できたような気がしたけど、そういうオチになるとは
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
LINE読者登録QRコード
スポンサードリンク