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智絵里「マーキング」|エレファント速報:SSまとめブログ

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智絵里「マーキング」

1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/15(土) 06:43:10.50 ID:6pM6933h0

※初投稿

※「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSS

※キャラ崩壊あり

※人によっては不快感を感じる描写もあるかも



2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/15(土) 06:45:58.35 ID:6pM6933h0

あと何番煎じか既にあるネタかもしれない

それで良ければよろしく



3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/15(土) 07:02:32.25 ID:6pM6933h0

「あ、あの……プロデューサーさん」


仕事途中に背後から話し掛けられた俺は後ろを振り向く。そこには俺の担当アイドル、緒方智絵里の姿があった。


「おう、智絵里か。どうしたんだ? もう直ぐレッスンが始まる時間じゃないのか」


「そ、そうですけど……そ、その前に、渡したい物があって……」


そう言ってもじもじと体を動かす智絵里は俺に向けて何かを差し出す。見てみると、それは四葉のクローバーのしおりだった。


「こ、この間……公園で見つけて……作ってみたんですけど……その……良かったら、貰って下さい」


智絵里の手作りのしおり。そんな物を渡されたら受け取らないわけにはいかない。


「ありがとう、智絵里。大切に使うよ」


そう言って俺が差し出されたしおりを受け取ると、智絵里はまるで花が咲いた様な笑顔を俺に見せる。


「そ、それじゃあ、私……レッスン行って来ますね」


「おう、頑張れよ」


用事が済んだ智絵里は事務所から出て、レッスン場に向かって行った。





4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/15(土) 07:15:58.45 ID:6pM6933h0

「智絵里ちゃん、また作ってきたんですか、それ」


智絵里から渡されたしおりを眺めていると、向かいに座る事務員のちひろさんが声を掛けてくる。


「それで一体、何枚目になるんでしょうね」


数えている訳ではないが、かれこれ智絵里から貰ったしおりは10枚以上になる。


「幾らなんでも、渡しすぎじゃないですか?」


「こういう物は何枚貰っても嬉しい物ですよ」


事ある毎に智絵里は四葉のクローバーを摘んできては手作りのしおりを作り、俺に渡してくれている。


「しおりだけそんなに貰っても、使い道が無いじゃないですか?」


「俺、本とか良く読みますし……沢山あっても困らないですから、大丈夫ですよ」


「まぁ、プロデューサーさんがそう言うならいいですけど……」


そう言ってちひろさんは事務作業に戻っていく。


俺も智絵里から貰ったしおりを自分の机に仕舞い、業務に戻っていった。





5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/15(土) 07:57:00.71 ID:6pM6933h0

「あっ、そうだ」


業務に戻ったと思ったら、何やらちひろさんは思いついたかの様に立ち上がり、その背後にある荷物を漁り出す。


「しおりを何枚も貰って喜ぶプロデューサーさんなら……」


そして取り出したのは小型のサイズの瓶。それはプロデューサーにとって無くてはならない物。


「どうですか、スタドリ。今なら安くしておきますよ。何本でも買ってくれていいんですからね」


悪魔の様な笑みを見せて、俺に催促してくるちひろさん。この様な笑みに釣られて、今まで何人のプロデューサーがこの人の餌食となってきた事か。


「すみません、いりませんから」


だが、俺は断る。だって必要性が無いから。


「そう言わないで下さいよ。今なら1セット購入でもう1本、おまけで付けますから」


そう言って食い下がるちひろさん。しかし、俺は絶対に屈しはしない。


「だから、いりませんって。それに、さっき智絵里に十分元気を分けて貰いましたから、そんな物に頼らなくても、大丈夫です」


そこまで言った所で、ちひろさんは「ちっ」と舌打ちを1回した後、また業務に戻っていく。


何とか悪魔の誘惑に抗う事のできた俺もまた、業務に打ち込んでいくのだった。





11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/16(日) 06:09:49.58 ID:82uMNdKQ0

数日後の夕暮れ時、ちひろは事務所で一人、業務に没頭していた。事務所には他に人はおらず、同僚とも言えるプロデューサー達は全員が外回りにいっている。


「はぁ……こうして一人で仕事をしてるのも退屈よね……」


溜め息一つ吐いた後、ちひろは目の前の空いている席を見つめる。普段から良く話し相手になってくれているプロデューサーの席。彼も今は営業に出かけていて姿は無い。


「それにしても……あのプロデューサーさん。全然お金を落としてくれないのよね」


他の同僚プロデューサーは熱狂する程にガチャや課金に夢中になっているというのに、この事務所であのプロデューサーだけがそうでは無いのだ。


「魅力的な企画を勧めてもまったく食い付いてこないし、どういう事なのかしら……」


何か裏でもあるのかと勘繰ってしまうちひろだが、彼にそういった事があるという噂は聞いた事が無い。


「それとも……ここ以外に何かお金を落とす所でもあるのか……」


しかし、それも考え難い事だった。以前、プロデューサーから話を聞いた時には没頭している趣味もそんなに無いと言っていたし、付き合っている彼女もいないと言う。


「今月の売り上げもそんなに良くないし……少しは貢献して欲しいんだけどなぁ……」


こんな事を一人で口にした所で返答が返ってくる訳では無いが、話し相手もおらず、退屈なちひろは今、何となくぼやきたくもなる気分だった。





12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/16(日) 07:15:04.06 ID:82uMNdKQ0

そんな事を口にしていると、不意に事務所の扉がゆっくりと開かれた。営業に出掛けていたプロデューサーの誰かが帰ってきたのかと、ちひろは扉の方に向けて視線を移す。


「お、お疲れ様です……」


そこにはプロデューサーでは無く、智絵里の姿があった。控えめに扉を開き、その隙間を小さい体をさらに縮こまらせて入ってくる智絵里。


「あ、あれ……?」


そして事務所に入るなり、きょろきょろと辺りを見回して何かを探している様だった。


「お疲れ様、智絵里ちゃん。今、レッスンの帰り?」


困っている様子の智絵里を見兼ねて、ちひろは立ち上がり、声を掛けつつ近付いていく。


「は、はい……そうなんですけど……その……」


そう言って智絵里は相変わらず何かを探している様子だった。何を探しているのかが分からないちひろは首を傾げてその様子を見ている。


「ち、ちひろさん……あの……私の、プロデューサーさん……見てません、か?」


それを聞いたちひろはようやく合点がいった。智絵里が探しているのがプロデューサーだという事に。


「智絵里ちゃんのプロデューサーさんなら、まだ帰ってきてないのよ」


だが、まだ彼は営業先から帰ってきてはいない。可哀想ではあるが、嘘を言うわけにはいかず、ちひろは事実を智絵里に説明する。


「あっ……そ、そう……ですか……」


それを知った智絵里は目に見えて落ち込んでしまう。その姿は何だか見ていられない程に悲しそうだった。





13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/16(日) 07:45:32.22 ID:82uMNdKQ0

「何か用事でもあったの?」


そんな姿を見てしまったせいか、良心の呵責に耐え切れなくなったちひろは助け舟を出そうと、そう声を掛ける。


「い、いえ……そう大した用事でも……無い、ですので……」


口ではそうは言っている智絵里だが、様子を見ていればそうでは無いという事に気付ける。何か大事な用があってきた事が読み取れる。


「もし伝言とか、何か渡すものでもあるなら……私で良ければ、智絵里ちゃんのプロデューサーさんに伝えておくけど……どうかしら?」


だからこそ、ちひろは智絵里の心情を汲み取って、そう言って提案を持ち掛けた。それを聞いた智絵里の表情は沙樹ほどよりも少し和らいだ様にちひろは感じ取れた。


「い、いいんですか……?」


「えぇ、もちろん」


智絵里の問い掛けににっこりと笑顔で返すちひろ。それはプロデューサー達に見せる悪魔の様な笑みでは無く、優しく導く様な天使の様な笑みである。


「そ、それじゃあ……その……」


そう言って自分の手荷物から何かを取り出した智絵里。それを迷う事無くちひろに手渡した。


「これ……お守り……?」


渡されたのはお守りだった。それもそんじょそこらで売っている様な物では無い。お守りの表面には四葉のクローバーの刺繍が施されていて、袋からして手作りの物だった。


「プ、プロデューサーさんの為を思って……作ってみたんです。だ、だから……これ、渡して貰っても……いいですか……?」


そう言って上目遣いで見上げてくる智絵里。


「分かったわ。必ず、プロデューサーさんに渡すからね」


そしてちひろは二つ返事で了承する。自分から掛け合ったという事もあり、断る理由も無いからだ。


「あ、ありがとうございます」


智絵里はちひろに対して深々と頭を下げる。それを見たちひろは『そんな事しなくてもいいのに』と、心の中で思った。


「そ、それじゃあ……ちひろさん。よ、よろしくお願いしますね」


智絵里はそう告げると事務所から出て行き、帰っていった。少しだけ軽やかな足取りで歩いていく智絵里の姿を見て、ちひろは微笑ましく思った。





14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/16(日) 11:24:44.82 ID:82uMNdKQ0

智絵里が帰った後、ちひろは渡されたお守りを見つめていた。見れば見る程中々に手の込んだ作りで、高い完成度を誇っていた。


「しかしお守りだなんて……それも手作り。プロデューサーさん、相当智絵里ちゃんに慕われてるのね」


それ所かしおりも貰っている事を考えると、余程に信頼されているのだろう。しかし、そこまで考えた所である疑問が浮かんでくる。


「あの二人……もしかして、付き合ってるとか……」


思い返してみればそんな事も考えうる。いくら慕っているとはいえ、ただ担当している人にこんなお守りやらしおりなんて渡したりするだろうか。


しかし、智絵里とプロデューサーの関係は飽く迄アイドルとその担当。付き合ってるなんて以ての外。決して超えてはならない垣根である。


もし、それを超えでもすれば……


「スキャンダル待った無しね……」


それを思うとぞっとするちひろ。芸能事務所において、それだけは避けなければならない事だ。


「まぁ、でも……あの二人に限ってそれは無いか」


幾らなんでも考えすぎかと、ちひろは今起こった考えを思考の片隅に追い遣る。長い事あの二人を見てきたが、そんな付き合っている様な素振りを見せた事は一度として無いからだ。


「他のアイドルの子達にも似た様な事をする子もいるし、きっとその程度の感覚なのよ」


そういう風に断定し、これ以上は不毛だと考えるのを止めた。





16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/16(日) 12:53:34.08 ID:82uMNdKQ0

「そういえば、このお守り……中に何か入っているみたいだけれど……」


お守りに触れてみると、何かが入っている感触がする。お守りなのだから護符等が入っていて当然なのだが……


「これ……紙の感触じゃないわね」


考えてみればこれは智絵里の手作りのお守り。そういった物が入っている事は考え難い。


「それじゃあ……この中には何が……」


普段ならお守り中など買った所で気にもならない事だが、これに関しては無性に気になって仕方が無かった。


「でも……プロデューサーさんに渡す前に見たら智絵里ちゃんに悪いし……」


そもそも誰かの贈答品の中身を見ようとする事自体間違っているが、圧倒的な好奇心を前にして、そんな事は気にも留めなかった。


「……まぁ、幸いな事に今は誰もいないし、ちゃんと元に戻せばばれはしないでしょ」


そんな安易な判断から、ちひろはお守りの封を開けてしまう。どうせばれた所で怒られるだけで済むという謎の安心もあってか、その判断は素早かった。





17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします<
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年10月16日 23:44
      • 一方そのころCoアイドル達の担当Pは↓

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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