千歌「証」
- 2016年10月17日 21:40
- SS、ラブライブ!サンシャイン!!
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練習中
千歌(えーっと……次のステップはこうで……)
千歌(ここはこうだから……)
千歌(ここで右にずれる!)
梨子「えっ?」
千歌「あっ!」
どてーん
曜「二人とも大丈夫!?」
千歌「イタタっ……あ!ご、ごめんね梨子ちゃん!大丈夫!?」
梨子「う、うん。大丈夫……」
曜「この曲は練習し始めたばっかりだししょうがないよ千歌ちゃん」
梨子「焦らず頑張って行こうね」
千歌「……うん。そうだよね」
曜「でね。あのステップは―――」
千歌「……」
曜「千歌ちゃん?」
千歌「あっ。ううん!それでそれで!」
・
・
・
千歌(……今日は二人に迷惑かけちゃったなぁ)
千歌(他のみんなが用事でいなかったからまだマシ……なわけないよね)
千歌(よし!明日はできるようにちゃんと復習しとかなきゃっ!)
次の日 夜
千歌(はぁ……結局今日も昨日と同じところで引っかかっちゃった……)
千歌(私のせいで練習が捗らなかったし、足引っ張っちゃったな……)
千歌(練習後に曜ちゃんにつきっきりで教えてもらっても
上手く行かなかったし、本当ダメダメだぁ……)
千歌(いっそいなくなった方が……)
千歌(……)
千歌「……なーんてね!変なこと考えてないで
早くみんなに追いつけるよう頑張らなきゃ!」ブンブン
千歌「頑張るぞ!頑張るぞ!頑張るぞっ!」ブンブンブン
ガタンッ
千歌「はぁ……一人で何やってるんだろ。片付けなきゃ―――」ピタッ
千歌「……カッター」
『千歌(いっそいなくなった方が……)』
千歌(……そんなこと本気で思ってるわけじゃない)
千歌(……けど)ジー
次の日
千歌「~~~~♪」ルンルン
梨子「千歌ちゃんなんだか今日はご機嫌だね?」
千歌「うん!なんかスッキリしたというかね」
梨子「あ!もしかして、昨日できなかったステップができるようになったとか?」
千歌「うー……それは……で、でもなんだか今日はできる気がするんだ!」
曜「昨日あの後一杯練習したもんね!」
千歌「うん!見ててね曜ちゃんっ。あの練習はきっと無駄にはさせないからっ!」
曜「おー!……ってあれ?千歌ちゃん腕どうしたの?」
千歌「っ……え?」ドキッ
千歌「あーっと……これは……そう!ウチの手伝いしてたら切っちゃったの!」
梨子「ええっ!?大丈夫なの?」
千歌「う、うん!見ての通り小さな傷だし。すぐ消えると思うよ!」
曜「もう!気をつけないとダメだよ千歌ちゃん?」
千歌「えへへ」
千歌(危ない危ない)
・
・
夜 千歌の部屋
千歌(ふぅ、今日は危なかったぁ……傷が残ってることすっかり忘れてたよ)
千歌(なんとか誤魔化せたけど……あ~本当危なかったぁ)
千歌(でも昨日までできなかったステップが今日はできた!)
千歌(これで通しで練習できるしようやくみんなに追いつけた!)
千歌(昨日一杯練習した成果かな?それとも……)チラッ
カッター「」
千歌(あの時……なんだか不思議な感じがした)
千歌(痛さもあったけど、許されたというか……解放感?)
千歌(うーん……よくわからないけど……なんだか)
千歌(私だけ特別になった証。そんな感じ……)スッ
次の日
千歌「スンスンスーン♪」ルンルン
曜「あ!おはよう千歌ちゃん」
千歌「曜ちゃーん!おはようっ!」ブンブンブン
曜「うんうん!千歌ちゃんは今日も元気だ―――あれ?どうしたのそのリストバンド」
千歌「ふふふっ!どう似合う?」
曜「うん。オレンジ色で千歌ちゃんらしいと思うけど……」
千歌「あー!もう!みかん色なのこれはっ!」
曜「でもなんで急に?練習の時はお揃いのつけてるのに……」
みかん色の物身に着けてくのってどうかなって!」
曜「まあ千歌ちゃんがいいならいいと思うけど……」
千歌「うんうん!あっ授業前にお手洗い行ってくるね!」タッタッタ
曜「あ!ちょっと千歌ちゃんっ!―――」
曜「…うーん?」
・
・
夜 千歌の部屋
千歌(はぁ……朝の曜ちゃん絶対怪しんでたよね)
千歌(急にリストバンドは不自然過ぎたかなぁ?)
千歌(でも他に腕を隠せそうな物も思い浮かばないし……)
千歌(さすがに普段から両腕リストバンドはまずよね……)
千歌(うーん……でもこのまま行くと腕もきれそうなとこがなくなっちゃうし……)
千歌(どうしよう……どうしよう……あっ)
千歌(そっか!別に腕じゃなくてもいいんだっ)
数日後
曜「……」ジーッ
千歌「ど、どうしたの曜ちゃん?」
曜「うーん、最近なんか千歌ちゃんから違和感が……」
千歌「い、違和感!?」ドキッ
曜「梨子ちゃんも何かおかしいと思わない!?」
梨子「え?そう?」ジー
千歌「や、やだなぁ?そんなことないよ!」ドキドキ
曜「いや、絶対変だよ……」ジー
梨子「そうかなぁ?」ジー
千歌(な、なんで!?痕はどこからも見えれないよね!?)
曜「あ!わかった!」
千歌「っ……」
千歌「……」
梨子「……え?」
曜「どうにもおかしいと思ったんだよね」
千歌「……」
梨子「……」
曜「……あれ?二人ともどうしたの?」
千歌「いや、なんというか気が抜けたと言いますか……」
梨子「私もそんな感じ……もう何かと思っちゃった」
曜「でも千歌ちゃんってスカートの長さ変えることなんて滅多にないし……」
千歌「もうその話はいいからっ!それより次の授業なんだけど―――」
梨子「あ、そういえば次って―――」
曜「うー……絶対おかしいのに……」シュン
・
・
夜 千歌の部屋
千歌(はぁ……曜ちゃんったら驚かせるんだから!バレたかと思っちゃった)
千歌(でもスカートの長さは盲点だったなぁ……傷が下に行きすぎないようにしなきゃ)スッ
千歌(っ……!)
ポタポタ
千歌(……気持ちいい)
千歌(私は私なんだ……生きてるってこういうことなんだ……っ)
ポタポタ
数日後 練習中
千歌「あれ?今日は2人だけ?」
梨子「うん……たまたまみんな用事があるみたい」
千歌「そっかぁ……でもしっかり頑張らないとね」
曜「とりあえず三人で通しで一曲踊ってみる?」
千歌「うん!」
・
・
千歌(三人での練習ってあの日以来かな?)
千歌(……私がステップができなくて足を引っ張っちゃったあの日……)
千歌(……でも今は違う!私は普通じゃない私を見つけたんだもん!)
千歌(私は私!なんだってできる!)
千歌(ここはこのステップ!)
千歌(うん!大丈夫いけるいける!)
千歌(次は移動して……っ!?)
千歌(昨日切ったとこがっ……痛っ……)
曜「えっ?」
千歌「あっ!」
どてーん
曜「うん、平気……って!千歌ちゃん血が出てるよ!?」
千歌(っ!昨日の切ったとこが完全に開いちゃった!?)
梨子「大丈夫!?すぐ手当しなきゃ!」
千歌(!? 見られるのはまずいっ)
千歌「ほ、保健室くらい一人で行くから!二人はそのまま練習してて!」ダッ
梨子「えっ?」
曜「千歌ちゃん!?」
千歌「大丈夫だからっ!」タッタッタ
梨子「は、走ったりしたら!」
曜「あ……」
梨子「行っちゃった……」
曜「……」
・
・
夜 千歌の部屋
千歌(結局そのまま帰ってきちゃった。保健室で手当てするわけにもいかないし……)
千歌(ちゃんとメールもしたし二人なら大丈夫だよね)
千歌(……それよりまたやっちゃった。これじゃあの時の同じだよ)
千歌(せっかく最近上手にやれてたのに……傷のせいで……)
千歌(……)
コメント一覧
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- 2016年10月17日 22:02
- まだ読んでない人、気をつけろよ
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- 2016年10月17日 22:39
- ハッピーエンドね
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- 2016年10月17日 23:24
- 闇が深い