fcd5a585819acb433b886834ed32c624

花丸
1446568866-c5abb1838fec97ebbdb403ef7fdb691f

1: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/18(火) 22:21:24.08 ID:x4VdeWp6.net
ーヨハネ宅ー

ピンポーン

善子「はーい」

はなまルビィ「こんにちわー お見舞いにきたよー ずら」

善子「遠慮せず、あがんなさいよ」

ルビィ「お邪魔しまーす」
花丸「まーすずら」

トテトテ…

善子「堕天使の館へようこそ!!リトルデーモンたち」

花丸「そういうのはいいからさっさと布団に入るずら」

ルビィ「そうだよ。善子ちゃんは病人なんだから」

善子「ううっ…しかたないわね」シュン

3: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/18(火) 22:28:14.68 ID:x4VdeWp6.net
ルビィ「善子ちゃん、調子はどう?」

善子「もう熱もほとんど下がったし、ほとんど問題ないわね」

ルビィ「よかったー」

花丸「お見舞いにいいもの持ってきたずら」

善子「おっ?!期待しちゃうわね」

花丸「じゃじゃ~ん!アイドル育成ゲームずら~」

善子「……何よソレ」

ルビィ「…うゅゅ」

花丸「善子ちゃんはゲームが好きだって聞いたから、わざわざ持ってきたずら」

5: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/18(火) 22:34:05.47 ID:x4VdeWp6.net
花丸「檀家さんにゲームが好きな友達がいるって言ったらプレゼントしてくれたずら~」

ルビィ「ルビィはやめといたほうがいいって言ったんだけど…」

善子「病人の見舞いに持ってくるモノじゃないわね」

花丸「まあまあ、熱も下がったんだし気にしないずら」

善子「まあ、いいわ。ずっと寝てたから暇してたし」

ルビィ「ところでどんなゲームなの?」

6: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/18(火) 22:44:14.33 ID:x4VdeWp6.net
善子「やっぱりアイドルゲームだし綺麗なCGがグリグリ動いたりするゲームじゃないかしら?」

ルビィ「すごく楽しみだね!」

善子「ところでずら丸、さっきから何やってんの?」

花丸「配線をつないでるずら」

善子「ゲーム機ならそこにあるじゃない?」

花丸「ここにあるゲーム機じゃプレイできないずら」

善子「いったい何のゲーム持ってきたのよ?!」

花丸「これずら~」

ーファミコンー

ルビィ「はじめて見るゲームだね」

善子「…ソフトはイッタイナニ…」

花丸「なんとか石井さんのなんとかクエストずら~」

8: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/18(火) 22:53:46.24 ID:x4VdeWp6.net
花丸「なんでも自分がマネージャーになって、3人組のアイドルを育てて武道館ライブを目指すゲームらしいずら」

ルビィ「わぁ~ 私たちAqoursもいつかそんな場所で歌えたらいいね」

善子「…いや、そのゲームはちょっと…」

ルビィ「善子ちゃんはこのゲームしってるの?」

善子「ううん!名前を聞いたことあるくらいよ!」

善子(なんか聞いたことある名前だと思ったら、クソゲー認定されてたゲームじゃないのよ)

善子(まぁ、でもわざわざずら丸が持ってきてくれたんだし、少しプレイしてみますか)

9: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/18(火) 23:18:01.18 ID:x4VdeWp6.net
花丸「なんでも3人の名前は、りん、きりこ、ゆうこ、らしいずら!あこがれの凛ちゃんに違いないずら!」

ルビィ「わぁ!楽しみだね」

善子(とりあえず、いまはだまってプレイしておこう)


花丸「じゃあ、スタートずらー!」


チャーラーラーラララ

なまえをいれてね

善子「面倒だからデフォルトでいいわね」


おおしじみえらばれしマネージャーよ……


花丸「しじみ…?これが名前ずらか?」

善子「そうみたいね」

ルビィ「すごい名前だね。しいたけに通ずるものがあるね」

花丸「いよいよ凛ちゃんが登場するシーンずら!」


ひさどめ りょうこ
あだなは りん
くまもとけん しゅっしん

はなまルビィ「?!!」

善子(まぁこうなるわよね…)

花丸「凛ちゃんじゃないずら!騙されたずら!」

ルビィ「うわーん!おねぃちゃー!」

善子「わぁっ!泣かないでよ。大体こんな古いゲームにスクールアイドルが登場するわけないでしょ」

花丸「おら凛ちゃんのゲームが出来ると思ってすごく楽しみにしてたのに、のっぽぱんを収納しておくスペースをこのゲームにとってまで持ってきたのに…」

ルビィ「善子ちゃん、ひどいよー」ウワーン

善子「私のせいなの?!」

10: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/18(火) 23:30:53.15 ID:x4VdeWp6.net
善子「ちょっとずら丸!あんたなんとかしなさいよ!」

花丸「善子ちゃんが悪いずら!謝るずら」

善子「なんでこうなるのよー!」


ー数分後ー

善子「なんだか熱が上がってきた気がするわ…」

花丸「善子ちゃんごめんずらー」

ルビィ「ごめんなさい…」

善子「別に気にしてないわ、今日はゲームはやめておきましょ」

花丸「本当にごめんなさいずら…」

ルビィ「善子ちゃん、お腹すいてない?」

善子「そういえば、ちょっとすいてきたわね」

ルビィ「実はおねいちゃんにお粥の作り方教えてもらったんだ。お台所借りてもいい?」

善子「もちろんよ。ありがたいわ」

花丸「ルビィちゃん、オラも手伝うずら」

ルビィ「ううん、花丸ちゃんは善子ちゃんについていてあげて」

花丸「わかったずら。何か手伝うことがあったら言っほしいずら」

ルビィ「それじゃあお台所借りるね」

11: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/18(火) 23:44:52.83 ID:x4VdeWp6.net
善子「しっかし、スクールアイドルの事になるとホント本気になるわね」

花丸「面目ないずら…」

善子「別に悪いことじゃないと思うけどね」

花丸「善子ちゃんはどう思うずらか?」

善子「どうって…?」

花丸「Aqoursでスクールアイドルとして活動してみてどうずらか?」

善子「べ、別に何とも思ってないわ。スクールアイドルは布教の一環なんだから!」

花丸「はぐらかさないで真面目に答えてほしいずら」

善子「……そ、それなり楽しいわよ。みんなと一緒に何かを頑張るなんてこと今まで無かったし…
あ、あんたはどうなのよ!」

花丸「おらは、今が最高に楽しいずら」

13: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/19(水) 00:03:28.84 ID:ois6Xn2M.net
花丸「でも…正直怖いずら」

善子「怖い…?」

花丸「みんなと一緒にAqoursとしてステージに立って、みんなで走りはじめて。
ふと立ち止まって周りを見ると、みんながすごく輝いて見えるずら…」

善子「別に悪いことじゃないんじゃない?」

花丸「うん…でも、同時に自分自身がものすごく情けなく見えるずら…」

善子「ナニ言ってんのよ!ずら丸は情けなくなんかないわよ!」

花丸「みんな歌もダンスもどんどん上手くなっていく。マルはどんくさいからみんなの足を引っ張ってるんじゃないかって…」

善子「そういう考えはやめなさいって!」

15: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/19(水) 00:21:02.95 ID:ois6Xn2M.net
花丸「本当におらなんかがスクールアイドルやっていてもいいのかな?」

善子「いいに決まってるじゃない!今日のずら丸なんか変よ?」

花丸「ごめんずら…やっぱり何でもないずら。
気にしないでほしいずら!」

善子「…まぁ、あんたが大丈夫ならいいけど…」

ガチャ

ルビィ「お待たせー おねいちゃん直伝のたまご粥だよー」

花丸「ルビィちゃん!おらの分もあるずらか?」

ルビィ「もちろん用意してあるよ」

花丸「やったずら~」

善子「………」

ルビィ「はい、善子ちゃんの分だよ」

善子「あ、ありがとう」

ルビィ「早く身体がよくなるようにって、おねいちゃんに特別に調味料をわけてもらったんだ」

善子「へえー
一体どんな調味料なのかしら?」

ルビィ「なんでも黒澤家特製の元気になる白い粉だって言ってたよ」

善子「ちょっと?!本当に大丈夫なの」

花丸「美味しいずら~ 善子ちゃんも冷めないうちに食べるずら」

ルビィ「うゅゅ… 善子ちゃん食べてくれないの…?」

善子「あ、今食べる!食べるから!」

16: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/19(水) 00:31:02.62 ID:ois6Xn2M.net
ー食後ー

まる善「ごちそうさまでしたー」

ルビィ「お粗末さまでした」

善子「それじゃ、今の内に話をしておきましょ」

ルビィ「?」

花丸「…善子ちゃん、もういいずら」

善子「いい訳ないでしょ。辛いことがあるなら話したほうがいいわよ」

ルビィ「花丸ちゃん?」

花丸「ルビィちゃん…」

善子「哀れなリトルデーモンを導くのは私の使命!今なら聞いてあげるわ!」

花丸「善子ちゃん…」

17: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/19(水) 00:49:27.11 ID:ois6Xn2M.net
花丸「マルは…善子ちゃんとルビィちゃんと一緒にいるのが怖いずら…」

ルビィ「ピギッ?! ルビィ花丸ちゃんに何か悪いことしちゃったかな…」

花丸「違うんずら… 二人がマルからどんどん離れていっちゃいそうで怖いずら…」

ルビィ「…どういうこと…?」

花丸「Aqoursに入ってみて、みんながどんどん輝いて見えて、それなのに自分はちっとも輝けなくて…」

善子「だからそういう考えはやめなさいっていったでしょ!」

花丸「善子ちゃんやルビィちゃんにはわからないずら!二人共本当はマルのこと心の中で見下してるずら!」

善子「このっ!いい加減にしなさいよ!」

ルビィ「二人共やめて!」

19: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/19(水) 01:05:38.05 ID:ois6Xn2M.net
花丸「このまま…このまま…二人共マルを置いていっちゃうんずら…」

ルビィ「そんなことない!だからそんなこと言わないで花丸ちゃん!」

善子「その通りね。ずら丸一人はちっとも輝いてないわね」

ルビィ「善子ちゃん!なんで… なんでそんなこと言うの?」

花丸「いいんずら… 善子ちゃんが、はっきり言ってくれてうれしいずら」

善子「勘違いしないでほしいわね。一人で輝けないのは私も同じ。私は…私はあんた達がいたからここまでこれた… そうじゃなきゃ今頃不登校で引きこもりね。」

20: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/19(水) 01:22:15.48 ID:ois6Xn2M.net
ルビィ「ルビィだって花丸ちゃんが背中を押してくれて、花丸ちゃんが一緒にいてくれたからここまで頑張ってこれた。だから」

花丸「でも、マルには何も取り柄も無いし…」

ルビィ「花丸ちゃんは気付いてないんだよ。」

花丸「?」

ルビィ「花丸ちゃんはすっごい輝いてるよ!この前のステージだってすっごい歓声だったし!」

善子「それにずら丸にしかできないこともある」

花丸「マルにだけしかできないこと?」

ルビィ「そうだよ。花丸ちゃんは私たちを輝かせてくれる。」

善子「あんたにしかできないことよ。あんたがいるから、あんたがいてくれたからAqoursで頑張ってこれた。そしてこれからもAqoursで頑張っていきたいから…」

ルビィ「そうだよ!花丸ちゃんは私達を輝かせてくれる!だからだから…」

21: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/19(水) 01:35:45.22 ID:ois6Xn2M.net
花丸「マルも…これからもマルと一緒にいてくれるずらか?」

善子「当然よ!哀れなリトルデーモンをみちび…」

ルビィ「それさっきも聞いたような…」

善子「とにかく!自分を卑下するのはやめなさい!」

ルビィ「そうだよ!花丸ちゃんはすごい子なんだから!」

花丸「二人共、ありがとうずら…」

善子「とにかく!また辛いことがあったらいつでも相談にのってあげるわ!
だって…
大事な友達なんだから…」

花丸「善子ちゃん…」

ルビィ「そうだよ。いつでも頼っていいのが友達だよ!」

花丸(マルはなんでこんなことで悩んでたんだろう?自分に自信が無いのはずっとわかってた…
でもそれでもAqoursのみんな、ルビィちゃんや善子ちゃんと頑張っていこうって心に決めてたのに)

22: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/19(水) 01:45:06.34 ID:ois6Xn2M.net
花丸「おら、やっぱり2人のことが大好きずら!」

善子「な、ななな何言ってんのよ!」

ルビィ「うゅ… 改めて言われると恥ずかしいね」

花丸「今日は善子ちゃんに添い寝してあげるずら~」

善子「ぎゃー!! こっちこないでよー!!」

花丸「善子ちゃんはやっぱり天使ずら。」

23: 名無しで叶える物語(庭)@\(^o^)/ 2016/10/19(水) 01:49:14.97 ID:ois6Xn2M.net
ー翌日ー

花丸「ね、熱が40度もあるずら…」


おしまい