ジャダ「きのう何食べた?」ハクメイ「昨日か?」
ジャダ「あら、良いもの食べてるね」チョキチョキ
ハクメイ「それがどうしたんだ?」
ジャダ「何を隠そう私、レパートリーが少なくて日々の料理に飽きてしまったのだよ」
ハクメイ「それならミコチに伝えておくよ」
ジャダ「あらま。それは助かるけどいいの?」
ハクメイ「ミコチはおせっかいだからな」
ジャダ「じゃあお礼としてモヒカンにしてあげる」
ハクメイ「それはいい」
ジャダ「モヒカンいいのに」
ハクメイ「やめてくれ」
ハクメイ「おぉ、前となんだ変わりない。凄い腕だな」
ジャダ「ありがとう。これでも特技で一番自信があることだからね」
ジャダ「でももうちょっと冒険してもよかったんじゃない? モヒカンとか」
ハクメイ「モヒカンは嫌だ。単純に良い髪形が思い浮かばなかったんだ」
ジャダ「言ってくれれば初めてのときみたいにこっちで素敵に整えるけど」
ハクメイ「まぁいいさ。冒険がしたくなったらまた来るよ。えーっとお代は」
ジャダ「お題は結構。お礼だよ」
ハクメイ「本当か!? 助かる!!」
ジャダ「ふふふ。win-winってやつだね」
ハクメイ「ウィンウイーン? なんか動いてるみたいな音だな」
ジャダ「君は面白いね」
ミコチ「別にいいけれど。それなら私もカットしてもらいたかったな。毛先が少し傷んじゃったのよね」
ハクメイ「いつも通り綺麗な髪に見えるけど」
ミコチ「もう、褒めても何も出ないわよ」
ハクメイ「私はくせっ毛だからな。素直にうらやましい」
ミコチ「でもハクメイの髪形はハクメイっぽくて私は好きよ」
ハクメイ「この髪は私譲りのやんちゃっ子ってことか」
ミコチ「みたいね」
ハクメイ「お、雨が降り始めてきた」
ミコチ「え、ぎゃーっ! 洗濯物干しっぱなし!!」バタバタ
ハクメイ「予報だと雨は降らないはずだったんだがなぁ」
ポツポツザザザザァアアァアアア
ハクメイ「うおぉ、いきなり振り出したな。にわか雨か?」
コンコン
ハクメイ「ん?」
コンコン コンコン コンコンコンコンコンコン
ハクメイ「はいはい」ガチャッ
コンジュ「雨ですわぁっ!」バッ
ハクメイ「おぉ、濡れネズミ濡れネズミ」
コンジュ「いきなり、雨が、びしょ濡れだわ!」アワアワ
ハクメイ「落ち着けよ」
ハクメイ「いや、あのまま濡れたままでいても困るしな」
コンジュ「代えの服ももらっちゃって」
ハクメイ「まぁ、失敗作だしな」
コンジュ「夕飯までごちそうに」
ハクメイ「食ってくつもりかよ」
コンジュ「雨に追われてここまで来ましたの」
ミコチ「もう、いきなりの雨は嫌いよ」
コンジュ「そうそう。私もせっかく匂いに良いハーブを買ってきたのに、雨で」
ミコチ「ハーブ? 料理に使うの?」
コンジュ「ハーブって料理に使うだけじゃありませんのよ?」
ハクメイ「ミコチは料理脳だからな」
コンジュ「それなら乙女脳の私がアロマづくりを教えてあげますわ!」
ミコチ「いや、別に」
コンジュ「乙女力を見せてあげますわ!」
ミコチ(美味しい香草焼きが作れそう)
コンジュ「これを薬研を使って」ゴーリゴーリ
コンジュ「ローズマリーは火が付きにくいので挽いた方がほうがいいのよ」
コンジュ「そしてこれにブルーセージを混ぜて」
コンジュ「精油があったわよね?」
ミコチ「あー。今あるのがみかんと薔薇」
コンジュ「サンダルウッドでもあればよかったのだけれど。それじゃあみかんを使いましょう。薔薇は独特で使いにくいから」
ミコチ「石鹸づくりと似てるわね」
コンジュ「似たようなものよ。ハーブを混ぜて精油をとんとんと十滴ほど。はちみつもちょっといれて」ネリネリ
コンジュ「紙で作ったコーンに入れてかたどりして風通しが良い日陰で一週間ほど置いておけば完成ですわ」
ミコチ「結構長いのね」
コンジュ「干し柿とかと一緒よ」
ミコチ「結構短いのね」
コンジュ「何個か置いておくから使うといいわ」
コンジュ「眠い時とかにいいわよ」
ハクメイ「それなら徹夜のときに使わせてもらうかな」
コンジュ「それじゃあごはんにしましょうか」
ミコチ「まだ作ってないわよ」
コンジュ「お腹ぺこぺこですのよ!?」
ミコチ「余ったハーブ食べてれば?」
コンジュ「いいですけど、どうしますの?」
ミコチ「香草焼きを作るわよ」
コンジュ「今度こそ手伝いますわ!」
ミコチ「大丈夫?」
コンジュ「とろ火だって覚えましたの」エッヘン
ハクメイ「まぁまぁ、香草焼きだから大丈夫だろ」
ミコチ「だといいんだけど」
ミコチ「トマトスープはドライトマトで使うからまずお鍋で水を沸騰させて」
コンジュ「させて」
ミコチ「お酢をちょっと入れてドライトマトを入れる。あ、火は消した後にね」
ミコチ「それじゃあ香草焼きを作るわよ。香草焼きを魚で作るときは白身魚がいいわ。あと香り消しにも使えるから大抵の魚は香草焼きにできるわよ」
コンジュ「これは何の切り身ですの?」
ミコチ「サワラ。アラビから送ってもらったの」
コンジュ「サワラといえば幽庵焼きも美味しいですわよね」
ミコチ「幽庵焼きなんてよく知ってたわね」
コンジュ「アラビで一回食べたの。美味しかったから覚えてましたの」
ミコチ「それじゃあまず小麦粉に胡椒を混ぜたものをサワラにまぶして。小麦粉がなかったらパン粉でも美味しいわよ」
コンジュ「どれくらい小麦粉を使えばいいのかしら」
ミコチ「あー、適量でいいわよ」
コンジュ「適量ってどれくらいですの」
ミコチ「適量は適量よ。ちょうどいいくらい」
コンジュ「ちょうど、いい?」
ミコチ「サワラ全体につけば大丈夫よ」ハァ
コンジュ「料理って難しいわね」
コンジュ「切らないの?」
ミコチ「切ったら匂いが強くなるのよ。コンジュも口からにんにくの臭いさせるの嫌でしょ?」
コンジュ「乙女失格ですわ」
ミコチ「にんにくに火を通している間にハーブを細かく刻んで混ぜる。今日はローズマリーとタイムね」
ミコチ「にんにくに火が通ったころにさわらを入れて塩を三つまみほど、さっき混ぜたハーブをかけてサワラを裏返す」
コンジュ「すぐ裏返すのね」
ミコチ「青臭い香草焼きになっちゃうからね。そして白ワインを少し入れて火をつける」ボォッ
コンジュ「美味しそうなワインですわね」
ミコチ「そっち? それなら香草焼きと一緒にいただきましょうか」
コンジュ「わーいですわー」
ミコチ「蓋をして弱火で蒸し焼き。3分程度でいいわ」
コンジュ「お手軽ですわね」
ミコチ「それじゃあコンジュ、そのフライパン見てて」
コンジュ「任せて!」
コンジュ「さすがにそれは分かりますわよ!!」
ミコチ「そして鍋にオリーブオイルを引いて少し放置。温まったら豆とドライトマトを入れて軽く炒める」
ミコチ「そしてドライトマトの戻し汁を半量の水で薄めて鍋に入れて煮立たせる。灰汁はちゃんととるのよ」
ミコチ「あ、コンジュもういいわよ。火からおろして」
コンジュ「了解ですわ!」
ミコチ「濡れ布巾の上にフライパン置いといてね。そして煮立ったらコンソメと細かく刻んだセージ、パセリを小匙1ずつ入れて」
ミコチ「蓋をして弱火でことことトマトが甘くなるまで煮込む」
ミコチ「はい、終わり。あとは待つだけ。できたら塩と胡椒で味を調えて」
コンジュ「簡単ですわね」
ミコチ「まぁ、このくらいわね」
コンジュ「任せなさい!」
ハクメイ「おー、飯だ飯だー」
コンジュ「私が手伝いましたのよ。心して食べなさい」
ハクメイ「ん、今日はワインを出してるのか」
ミコチ「コンジュがいるからせっかくだしね」
ハクメイ「よーし! 今日は飲むぞ!!」
コンジュ「おーっ!」
ミコチ「飲んでいいのそれ一本だけだからね」
ハクメイ「ワインもぐびぐび入るな」
コンジュ「ちょっと味付け濃いですけどトマトスープと一緒に食べるとグッドですわ!」
ハクメイ「ワインが進むな」
コンジュ「なんでこんなにスープにトマトの風味が出てるのかしら」
ミコチ「戻し汁を使ってるからよ。トマトは塩気と相性がいいの」
コンジュ「もう止まりませんわぁ!」
ハクメイ「ミコチ、もう一本」
ミコチ「ないわよ」
ハクメイ「ふぅ、食べた食べた」
ミコチ「皿洗いよろしくねハクメイ」
ハクメイ「あいよ」
ミコチ「雨は、やみそうにないわね。にわか雨だと思ってたんだけど」
コンジュ「まだ強いですわね」
ミコチ「泊まってく?」
コンジュ「いいんですの?」 <
コメント一覧
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- 2016年10月31日 21:42
- こういう会話劇って会話だけ抜き出すとスゲー間抜けだよな
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- 2016年10月31日 22:39
- 会話だけのやつってなんかムズムズする
しかも誰も知らないようなキャラだし
次はイワシも出してあげて
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- 2016年10月31日 22:43
- キャラは原作読んでたら分かると思うが…
レシピだけだからいまいち美味しさが伝わらないな
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- 2016年10月31日 23:12
- スレタイの“ハク”メイで(ん?千と千尋の神隠しか?)と思って読み進めてしまったわ。
違う物語だったんだな。通りで違和感を感じたわけだ
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