キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」九冊目【前半】
- 2016年11月07日 20:10
- SS、神話・民話・不思議な話
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裸王「……と、以上が我が国にブリキが訪れてからの出来事だ。他に聞きたい事はあるかね?」マッスル
赤ずきん「ありがとう、でも大丈夫よ。そうなるとブリキにも話が聞きたいところね…アリス周辺の情報は多いに越した事がないから」メモメモ
裸王「うむ、情報とは力と言うからなっ!だが力の本質とは筋肉!その点赤ずきんは少々筋肉不足だ、少女でも無理の無いトレーニングメニューを組んでやろうではないか!」マッチョ
赤ずきん「気持ちだけ頂いておくわ。今は皆から聞いた情報をまとめて新たに得るものがないか考えてみないと……むぐっ」
ムギュッ
ラプンツェル「うんうんー、みんなから聞いた事をちゃんとメモしてて赤ずきんはえらいね!ラプお姉ちゃんが褒めてあげるよ~」ナデナデ
赤ずきん「…ラプンツェル、文字が歪んでしまうから抱きつかないで欲しいわ。それに偉くなんてないわ、私は出来る事をしているだけ」
ラプンツェル「けんそんなんかしちゃってー!赤ずきんはえらいよー?だって魔力を弱められた私の為に薬を貰ってきてくれたしさっ!」ニコニコ
ラプンツェル「赤ずきん達のおかげでもう魔力も髪の毛もすっかり元通りだよ~!髪の毛もうまく操れるようになったしさっ!ほら、こんな風に文字だってかけちゃう!」シュルルッ
赤ずきん「ちょっと、私のペンに髪の毛を巻きつけて何を…」グググッ スラスラスラ
『ラプお姉ちゃん大好き』
赤ずきん「私の手帳にラクガキを…」イラッ
ラプンツェル「もしも赤ずきんに何か困った事があったら次は私が助けてあげるよっ!私の方がお姉ちゃんだしねっ!だからラプお姉ちゃんの事、頼っていいからねっ!」フンスッ
赤ずきん「……」ビリッ
ラプンツェル「ああっ!?どーして破くのっ!?」ガーンッ
過去スレ
シンデレラ編 裸の王様編
キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
泣いた赤鬼編
キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」二冊目
マッチ売りの少女編
キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」三冊目
桃太郎編
キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」四冊目
ラプンツェルとアラビアンナイト編
キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」五冊目
人魚姫編
キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」六冊目
ヘンゼルとグレーテル。とある消滅したおとぎ話編
キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」七冊目
かぐや姫とオズの魔法使い編
キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」八冊目
これまでのあらすじ
我輩は現実世界に住むキモオタでござるwww
ある日、妖精のティンカーベル殿と出会い、おとぎ話の消滅を防ぐために様々なおとぎ話の世界を旅してるのですぞwww
詳しくは過去スレを読んで頂きたいwww
桃太郎「抱きつくのは止してもらおう…しかし案ずるな、赤ずきんはイジメなどというな卑劣な真似をする少女では無い」
ラプンツェル「ホントに?赤ずきん、私の事嫌いとかそういうんじゃない?」チラッ
赤ずきん「えぇ、手帳に落書きされた事に少しストレスを感じただけよ、この程度で嫌ったりしないわ。あぁ、でも文字は綺麗に記したいから突然抱きついたりするのはもう二度t」
ラプンツェル「わーいっ!嫌われちゃったと思って心配しちゃったよ~!これから仲良くしようねっ!赤ずきんっ!」ムギューッ
赤ずきん「えぇ、あなたが私に抱きつかなければとても仲良くなれると思うわ……」グチャア
人魚姫の声『あっははは!赤ずきんちょー神経質なんですけど、いたずら書きくらい別にいーじゃん』ヘラヘラ
赤ずきん「自分の持ち物に悪戯をされるのは嫌なのよ」
人魚姫の声『そーなの?でもその割にはこないだ私がその頭巾に……あっ、やばいやばい。何でもない、今のは聞かなかった事にしといて』ヘラヘラ
赤ずきん「待ちなさい。私の頭巾に何をしたの?」ギロッ
人魚姫の声『まぁまぁ、そんなことは別に良いじゃん?それよりさ、ここのみんなってシンデレラって子の友達ばっかりなんでしょ?それにしちゃあんま心配してる感じじゃなくない?』
赤ずきん「…頭巾の件、二度目は無いと思っておきなさい。それに心配していないわけないでしょう、皆気持ちを表に出していないだけよ」
ラプンツェル「うーんっと、私には見えないけど確かそこには空気の精霊になった人魚の女の子が居るんだったよねっ!塔の外の世界ってやっぱり不思議だねぇ~」ニコニコ
桃太郎「そう言っていたな、拙者も人魚姫と再び言葉を交わしたいものだ。赤ずきんよ、彼女は何と申しているのだ?」
赤ずきん「ええ、友達が行方不明なのに皆心配してないように見えるって言ってるわ。落ち着きすぎだって言いたいのかもね」
桃太郎「うむ…確かにその様に見えるかもしれぬ、しかしそれは違う。皆目標の為に研鑽していた手を迷わず止め、シンデレラを救うべくここに集ったのだからな」
桃太郎「掛け替えの無い友が姿を消したのだ…心配せぬ者などおらぬ、例え気楽に構えているように見えても…な」
人魚姫の声『そっか…じゃああの二人すっごいだらけてるけど、実はちゃんとシンデレラの事心配してるって事でいいわけ?』
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キモオタ「いやはやwwwこのミルクティーは絶品でござるなwwwこんなうまいミルクティー初めてですぞwww」グビグビグビ
ティンカーベル「本当にそうだよね!紅茶が美味しいとお菓子が進むよ!ミルクティーとビスケットのコンビネーションは鉄板だよ!」サクサクサク
キモオタ「まったくですなwwwあまりのうまさに我輩、既に平らげてしまいましたぞwww」カラッ
ティンカーベル「私もだよ!かぐやのとこでご飯食べ損ねちゃったから仕方ないよね!お腹すいてるから仕方ないよね!」サクサクサク
キモオタ「と、言うわけでwwwおかわりをお願いできますかなwww赤鬼殿www」コポォ
ティンカーベル「私もーっ!ホントにおいしいよこのミルクティー」
赤鬼「そうかっ!密かに練習したかいがあるってもんだ。心配してても腹は減る、しっかり食ってシンデレラをすぐにでも助けてやらねぇとな。そら、おかわりだ」ドサッ
ティンカーベル「うんうん、それにしても腕を上げたよね赤鬼!こんなおいしい紅茶入れられるなんておもてなしレベルマックスだよ!」サクサクサク
キモオタ「よっwwwこのおもてなし好きwww」コポォ
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赤ずきん「……どうかしらね、彼等は心配していないかもしれないわ」ボソッ
桃太郎「ちょ、そんな事言うなよ赤ずきん、あいつらも心配してるはずだ……多分」
ラプンツェル「あのねー、キモオタとティンクがあんまりダラダラしてるから本当はシンデレラの事心配して無いんじゃないの疑惑が発生してたところだよ~」ニコニコ
ティンカーベル「んんっ!ゲホゲホッ…ち、違うよ!ちょっと油断してだらだらしちゃってただけだよ!シンデレラの事心配に決まってるじゃん!」
赤ずきん「その割には二人とも随分といい食べっぷりだったじゃない?」フフッ
キモオタ「ちっちっちっwww我々がただお菓子をもさぼりダラダラしていたとでも思っているのでござるか?www」コポォ
赤鬼「違うのか?オイラにはものすごくくつろいでいるように見えたが…」
キモオタ「それが違うのでござるなぁ~wwwいいでござるか?シンデレラ殿が姿を消し、屋敷に集まった者たちは心配のあまり暗い雰囲気になってしまいがちでござる」
キモオタ「そこでwww我輩とティンカーベル殿がダラダラしている姿を見せることで皆の気持ちを和ませようという作戦でござるwww自ら道化を演じているというわけでござるなwww」
赤ずきん「人魚姫、よく見ておきなさい。これがキモオタが得意としている口からデマカセ作戦よ」
キモオタ「ちょwww何を吹き込んでいるでござるかwwwデマカセとは心外でござるなwwwブラフと言っていただきたいwww」コポォ
ガチャッ
魔法使い「なにがブラフじゃ、モノは言いようとはこの事じゃ。お前の場合はただ食い意地が張っているだけじゃろうが」
キモオタ「ちょwww魔法使い殿www開口一番突っ込まなくていいでござるwwwそれはさておきお久しぶりでござるなwww」コポォ
魔法使い「うむ、そうじゃな。しかしお主らにも都合があるだろうに急に呼びたててすまなかったな」
ティンカーベル「そんな事気にしないでよ!友達がピンチだっていうなら私達はいつだって駈けつけるよ!」
キモオタ「そうですぞwwwちなみにこれはブラフでもデマカセでも無いでござるwww」
魔法使い「問題無く…と言っていいのかわからんが目的は果たせた。思ったよりも時間がかかってしまい折角集まってくれたお前達を待たせてしまう事になったのは心苦しいが…」
裸王「その様な事を気になさるなどナンセンスッ!魔法使い殿はシンデレラを救う為に奔走しておられる、我々がそれに文句を言う事などありはせんのです」マッチョ
桃太郎「うむ、それがシンデレラを救うための一手となりうるならば雑用を命じられようと拙者は一向に構わぬ」
魔法使い「お主等にそう言ってもらえると助かる。シンデレラは良い友を持ったもんじゃ」
ラプンツェル「ねぇねぇ、魔法使い!ママも一緒に出かけたんだったよね?ママは帰ってこなかったの?」
魔法使い「いや、帰ってきておるぞ。借りてきた書物を書斎に運んでくれるというから頼んだんじゃ、もうじき来るじゃろ」
赤鬼「荷物運びか?そういう力仕事はオイラに任せてくれりゃあいいんだぞ?魔法なんざ使えねぇけど力には自信あるからな」ガハハ
人魚姫の声『ひゅーっ、赤鬼ちょー紳士じゃーん!ねっねっ、私も何か出来る事あったら手伝うよって言ってよ、赤鬼!』
赤鬼「人魚姫も何か出来る事があれば言ってくれと言ってるぞ。折角来たんだ、なんでもやるからよ頼ってくれよ魔法使い」
魔法使い「うむ、本当にありがたいなお前達の気持ちは…じゃが感動している場合でもあるまい、キモオタ達も来た事じゃしそろそろ本題に入るとするかの」
ティンカーベル「本題っていうと…シンデレラが行方不明になった事だよね?とりあえず大まかな事は赤ずきんに聞いたけど…」
魔法使い「そうか、だが新たに得ることができた情報もある、良い知らせばかりではないがな…。とにかく、ラプンツェルは書斎にいるゴーテルを呼んできてくれ」
ラプンツェル「はーいっ!」トテトテトテ
魔法使い「赤ずきんは庭に居るヘンゼルとドロシーを呼んで来てくれるか?あの二人にも同席してもらいたい」
赤ずきん「わかったわ、少し待っていて頂戴」スタスタ
キモオタ「魔法使い殿、ドロシー殿が来ている事知っていたでござるかwww」
魔法使い「先ほど、庭の方から聞き慣れない声がしたので様子を見に行った際にな。軽く挨拶を交わしただけじゃがドロシーの事情は元々赤ずきんから聞いておったし…」
魔法使い「アリスに利用されていただけというのなら邪険に扱うのも可哀想だ。それに彼等も全くの無関係と言うわけでもない…望めるのならば協力を頼みたいでな」
・・・
魔法使い「さて……皆、揃ったようじゃな。まずは各々忙しい中集まってくれたことに礼を言おう、ありがとう」スッ
魔法使い「今回集まって貰ったのは他でも無い、行方不明になったシンデレラについてじゃ。既に簡単には話を聞いているだろうが…改めてもう一度状況を整理しておく。まず…」
ドロシー「あ、あの……お話の腰を折っちゃうんですけど……少しいいですか?」オドオド
魔法使い「うむ、構わん。言ってみなさいドロシー」
ドロシー「あの、私…その、シンデレラさんと面識無いんですけど…この場に居てもいいんでしょうか?関係無い私がここに居て、お邪魔じゃないですか…?」
魔法使い「聞いた通りの心配性じゃな、もしもお主が邪魔ならとっくに追い出しておるわ。むしろ聞いて欲しいくらいだ、どうやらこの一件…やはりアリスが関係しているようじゃからな」
ドロシー「あっ、アリスちゃんが…」
キモオタ「やはりでござるか、ゴーテル殿から聞いた時はまだアリス殿の仕業か解らないとのことでござったが…その口ぶりだと確信に迫る情報を得たのでござるな?」
魔法使い「うむ、それに関しては順を追って説明する。ただ相手がアリスとなると一筋縄ではいかん、少しでも優位に立つ為には些細な情報でも見逃すわけにはいかんのじゃ」
魔法使い「お主にとってアリスと過ごした日々は悪夢のようなものじゃろう。だが…だからこそ知り得た情報や側に居たからこそ目にした記憶もあるはずだ…是非力を貸して欲しい」
ドロシー「あの、その…私、あまりお役にたてるかどうかわからないです…それでも、いいですか…?」
魔法使い「構わん。もっとも思い出すのが辛い記憶もあるじゃろうからな、協力するもせぬもお前の自由じゃ誰も無理強いなどせん。どうするかは自分自身で決めればよい」
ドロシー「あ、あの…だ、大丈夫です!私が知ってる事や見た事が何かの役に立つかもしれないなら…それは嬉しいです、だから協力させてくださいっ…!」
魔法使い「うむ、ならば助かる。では話を戻すとしようか」
ティンカーベル「大鬼だ!シンデレラのお城で怪我を治してもらっ