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古代文明を研究していると、明らかにエジプト人が時代を先取りしていたことがわかる。古代エジプトは紀元前3000年前頃に始まり紀元前332年まで続くわけだが、すべて紀元前のことだ。これからあげるケースは、古代社会の革新的な独創性だけでなく、彼らの極めて完璧な見事な衛生感覚が感じられる。
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10. 口臭予防:ブレスミント
ヘシ・レは、紀元前1600年頃のエジプト第3王朝時代、ジョセル王に仕えた世界初の歯医者と言われているが、最古の歯科医術の痕跡は紀元前3000年にさかのぼる。古代エジプトの外科手術に関する手引書エドウィン・スミス・パピルスに、口内の傷の治し方が細かく出ている。
この時期からちょっとした歯の手術が始まり、少しずつ道を切り開いていって、歯を抜いたり虫歯をほじったりするような複雑なことが行われるようになった時代だった。下層階級の人たちは、脇の下と同じくらい口臭がひどく、シナモンやミルラなどハーブやスパイスを煮だしてハチミツを混ぜ、それを丸薬にして口臭予防のために使っていた。
9. 害虫対策に剃毛、猫の脂
害獣や寄生虫を追い払うのに苦労していたのは、古代エジプト人も変わらない。毛じらみ防止のために、男も女も子どももみんな頭の毛を剃っていた。僧侶たちは、一日おきに全身を剃り、神に仕えるときに、シラミやその他不浄なものが一切身についていないようにした。
その他、温かいナツメヤシ料理でノミやシラミを寄せつけなくしたり、猫の脂を衣服に塗り付け、ネズミを遠ざけておくなど、様々な方法が用いられていた。更には塩を含むナトロン(鉱物)の水溶液を家の中にふりまいてノミを駆除したという。
8. 割礼
割礼の起源について、人類学者たちの意見はさまざまだが、紀元前4000年のエジプトで行われていたのは確かだ。大規模な割礼の儀式は、おもに上流階級で行われていて、これには思春期の儀式というだけでなく、清潔のためという意味もあった。
7. 体臭予防(デオドラント)
昔の人は現代人より多少は臭かっただろうことは想像がつく。今日でも自分のにおいに悩む人は多いだろう。エジプト人は世界で最初に脱臭剤を開発したと言われていて、シトラスやシナモンなどのさまざまなスパイスを使って、なんとかして自分の悪臭を抑え込もうとした。
常緑樹のイナゴマメの花など、さまざまな香りを混ぜたりすりつぶしたりして、自然のデオドラントの錠剤を作り、それを脇の下に忍ばせた。さらに、腋毛を剃ってなるべくにおわないようにした。古代ギリシア人もこれにならって、脇の下に香水をつけることを真似した。18世紀に初めて汗腺が発見されて、やっと体臭と発汗の関係が理解されるようになった。
6. 歯ブラシと歯磨き粉
世界初の歯医者と言われているヘシ・レが現われる2000年前から、エジプト人やバビロニア人は、小枝の先端を割いた独自の歯ブラシを使っていた。こうした歯ブラシは、紀元前3500年前のミイラが安置された墓の中から見つかっている。
もっと驚くのは、この1500年前には、エジプト人は歯を磨くペースト状の磨き粉を使っていたのだ。オーストリア、ウィーンの国立図書館には、世界最古の練り歯磨きの作り方を記したパピルスが保存されている。成分は、乾燥させたアイリスの花、塩、コショウ、ミント。
アイリスが歯周病対策に効果的な薬だったことを考えると、まさに時代の先端をいっていたと言える。驚いたことに、研究者たちはこのアイリスの効用をごく最近になって発見し、古代エジプト人の革新的な優れた才能を実証した。
5. ヘアケア
古代エジプト人が外見にとても気をつかっていたことは、墓の副葬品から明らかだ。古代王朝後期にさかのぼると、ヘアスタイリングの用具、化粧用品がまるで死後の世界でも使うかのように墓の主と共に埋葬されている。
このようなアクセサリーの中には、繊細な装飾が施されたヘアピンや、象牙や銀で作られた目の粗い櫛などがある。眉を整えるブロンズの毛抜きやゴールドのカミソリもたくさん見つかっている。エレガントな凝った取っ手のついた磨かれた銅の鏡が、死者の頭の下や顔の前に置かれていて、何世紀も後で発見されるのを待っていたのだ。
4. 予防医学(食事療法)
古代エジプト人にとって、健康を保ち、病気の蔓延を防ぐためにあらゆる手立てを講じるのと同様、予防医学は大切なことだった。彼らはまず、自分たちがさらに幸福になるための手段として食事に注目した。
例えば、自分の壮麗な記念碑を建てる人夫たちに、オニオン、ガーリック、ラディッシュたっぷりの食事を摂らせた。これらの野菜はアリスタチン、アリシン、ラファニンが非常に豊富で、集団労働の環境においても病気になりにくい強力な抗生物質の役目を果たした。夜盲症の患者には、視力のために不可欠な栄養素ビタミンAが豊富な粉末状にしたレバーを与えた。
3. 眼病予防のアイメイク
古代エジプトの象徴でもある魅惑的なアイメイクは、単なる流行ではなく、それ以上の目的があった。ルーブル美術館に所蔵されているメイク容器から採取した52のサンプルを分析したところ、エジプト人が使っていた化粧品は鉛がベースの物質が多く、培養された人間の皮膚細胞に一酸化窒素を240%も増やした。
一酸化窒素は、体内の重要なシグナル伝達物質で、病気と闘う免疫システムを強化するため、重要なものだ。ナイルのような高温多湿地域では伝染病が広がりやすいため、特に大切だ。
研究者たちは、自然界にはないふたつの化合物が、最近発見されたことに注目している。エジプト人は、意図的にこれらを合成して、特にアイメイクに使って、眼病予防や治療に役立てた。
2. 皮膚病対策に石鹸
紀元前1500年にさかのぼる医学パピルス、エーベルス・パピルスによると、エジプト人は野菜や動物性脂肪にアルカリ塩を加えて、石鹸のようなものを作っていたという。これは洗浄のためだけでなく、皮膚病の治療にも使っていた。
エーベルス・パピルスに記載されている877の処方には、腫瘍についての最古の知識も含まれている。古代エジプト人の医療は、今日まで残っているもっとも古い医学書とされているため、これは驚くに値しない。ホメロスは紀元前800年頃に書いた『オデュッセイア』の中で、エジプト人はほかのどんな芸術よりも医学に秀でていたと書いている。
1. 女性医師の起用
女性がただの物とみなされ、さまざまな選択の自由が限られていた時代、エジプト人が違っていたのは、女性もどんな分野の学問もできる資格が与えられていたことだ。
女医ははじめは妊娠出産についての知識を学んだ。特にこの分野では、さまざまな調合薬を使った。これは、興味深いだけでなく、どのようにして発生したのか、謎めいたものでもあった。
エジプト人を起源とする最古の妊娠テストの例は、大麦と小麦を使って行われた。毎日、大麦や小麦の粒に尿をかけて、どちらも発芽しなかったら、その女性は妊娠していないと判断した。妊娠していない女性の尿は麦の成長を抑えるのは、現代の科学でも実証されていることを考えると、このテストはかなり先見の明があった。
via:10 Fascinating Facts About Hygiene In Ancient Egypt/ translated konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
鉛は化粧品にしてはダメだと……
2. 匿名処理班
猫の…脂…
3. 匿名処理班
古代、鉛の利用で中毒になる記事はよく見るけど
伝染病予防になるなんて見直した。
4. 匿名処理班
現代って古代とあんまり変わらないんだな
5. 匿名処理班
優れた生活を送っていたんだね。
脱帽です。
6. 匿名処理班
一方現代のエジプトはある女性が医学部に進学することを阻止した。
7.