■任天堂「Wii U」 寂しき退場
Wii Uの不振は任天堂がその前に販売していた据え置き型ゲーム機で、
世界で1億台が売れた「Wii」と比べると鮮明だ。
敗因は外部のソフトメーカーから発売されるソフトの不足にある。
1年間に発売された国内向けソフトは、
任天堂の自社ソフトを含めWiiではピーク時に118種類あったが、
Wii Uはわずか30種類。4倍の差がついた。
累計でもWii463本に対しWii U109本だ。
あだとなったのは最大の特徴である液晶画面付きコントローラーだ。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「プレイステーション(PS)4」
などライバルのゲーム機が1画面だけを使うの対し、
2画面を使うWii Uはソフト開発に手間がかかる。
任天堂自身は特徴的な操作性を生かした、
新規タイトル「スプラトゥーン」が販売400万本を超えるなど成果を残した。
ただ裏を返すとスプラトゥーンのように、Wii Uならではの
楽しみ方を盛り込まなければソフトのヒットは難しい。
一つのソフトをPS4や携帯ゲーム機などにも展開することで
多額の開発費を回収するソフト会社にとって、
Wii Uはソフトを出しにくいゲーム機になってしまった。
さらに客層の差も大きい。任天堂が伝統的に対象とするのは子供や家族。
Wii U向けのヒット作は800万本を売り上げたレースゲーム「マリオカート8」など
子供から大人までが楽しめるソフトが中心だ。
一方、PS4やマイクロソフト社のゲーム機「XboxOne」は
大人のゲームマニアに支えられている。
犯罪表現などで物議を醸し日本では18歳以上向けとなっている
「グランド・セフト・オート」シリーズが世界で数千万本を販売するなど対照的だ。
その結果、PS4では大ヒットしたソフトでもWii Uでは不振に終わることが多く、
「任天堂は独自の世界を築いている」(大手ゲームメーカー幹部)と評された。
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Author:バルカズ
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