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KYは使われ始めて10年目?〜三省堂「今年の新語2016」とは? - デイリーポータルZ:@nifty

 

ひらめきの月曜日 2016年11月14日
 

KYは使われ始めて10年目?〜三省堂「今年の新語2016」とは?

「今年の新語」とはなにか? と聞いてきました
「今年の新語」とはなにか? と聞いてきました
年の瀬が迫ってくると、この一年を総括して振り返るような企画が増えてくる。

例えば、「今年の漢字」とか「新語・流行語大賞」あるいは「ヒット商品番付」みたいなものだ。

そんななか、辞書の出版社として知られるあの三省堂が、昨年から本格的にはじめた「今年の新語」という企画がなかなか面白い。

仕掛け人に話を聞いてきた。
鳥取県出身。東京都中央区在住。フリーライター(自称)。境界や境目がとてもきになる。尊敬する人はバッハ。
> 個人サイト 新ニホンケミカル TwitterID:tokyo26

三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2016」とはなんなのか

「今年の新語2016」は、正しくは「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2016』」という企画である。

今年流行った言葉やモノ、その年を象徴する漢字などを決めるイベントはすでにいくつもあるのだが、それらの企画とこの「今年の新語2016」は、いったい何が違うのか?
左から、三省堂の佐藤さん、飯間先生、三省堂の奥川さん
左から、三省堂の佐藤さん、飯間先生、三省堂の奥川さん
企画を主催している三省堂から、奥川さん、佐藤さん、そして、すでにデイリーポータルZでは、漫画雑誌から用例採集した記事などでおなじみの国語辞典編纂者、飯間浩明先生にお集まりいただき、話を聞いてみた。
(ライター・西村)この「今年の新語」の企画そのものは、最初は飯間先生が個人的に始められた企画ですよね? 他の流行語大賞みたいなものと何が違うのでしょう?
(国語辞典編纂者・飯間先生)そうですね、「今年の新語」は、ひとことで言うと「その年を代表する言葉(日本語)で、今後の辞書に掲載されてもおかしくないもの」です。
2014年に「今年からの新語」ということで始めたんですが、昨年から三省堂さんといっしょにすることにしたんです。
(三省堂・奥川さん)今年は、発表会も大々的に会場を借りて行うことにしました。
(三省堂・佐藤さん)応募はTwitterのハッシュタグ「#今年の新語2016」でツィートしていただく他に、応募フォームで送っていただくこともできるんですが、すでに1400件ほど(※11/8時点で1800件に増えています)投稿は集まってますね。
過去の受賞の言葉を見てますが、この「今年の新語」は、普通の流行語大賞みたいなのとは違って、かなり実感がこもってるというか、本当に「ああ、今年から使われるようになってきたな」っていう感じがあるんですよ。
(デイリーポータルZ編集・古賀)ただの流行語じゃなく「今年からよく使われるようになった言葉」ってのが、メチャメチャいいところなんですよ! サイコーですよ。だから、これをただの流行語大賞みたいなのと勘違いしてほしくない。これは駅前で叫びたい。
古賀さん……あ、ありがとうございます。
じっさい、昨年までのものを振り返ってみても、なるほどなって思うものが多いですし、過去の言葉のような気がしないんです。
2014年の新語は「ワンチャン」
2014年の新語は「ワンチャン」
今みても古びてない言葉がおおいでしょう? いっときだけ流行って次の年からは忘れられる言葉じゃなく、今後も、日本語の仲間として長く使われそうな言葉をなるべく選びたいんです。
「LGBT」とか「自撮り」なんかは今年も普通に使われてました。
2014年のいちばん最初は「今年からの新語」と「からの」がついてましたけど、今はついてないんですね。
そうですね、語呂ですとか、語感ですとか、短さとか……わかりやすさですね。(三省堂で主催してやるのは)去年が最初だったんで、応募のハードルをあげたくないというのもあります。
「これ今年からじゃない、もっと前から使ってた」とか逆に「これは今年だけしか使わないじゃないか」という言葉をはじいて行くと、無くなっちゃうんですよ。
気になった言葉は、とりあえず、どんどん送ってほしいということですね。
最初の部分で全部門前払いにしてしまうと、実はあとで考えると、これ……残るかもねっていうのがあったりするんですよね。
そういう意味で、言葉ってどう転ぶかわからないので、例えば絶対今年しか使わないだろうっていうもの……そうですね「センテンススプリング」とかね。
「週刊文春」の隠語ですね。
案外定着するかもしれない。だから、遠慮せずどんどん応募していただきたいんです。
あの話に限っていえば「文春砲」といういい方が、もしかしたら定着するのかな、という感じはありますね。
スクープ連発の週刊文春のイメージ
スクープ連発の週刊文春のイメージ
「次、文春砲が来るんじゃないか? あの案件も」みたいな言い方はしますね。
さすがにね「文春」っていう固有名詞が一般名詞化することはないと思うんですが。
まあ「砲」という言葉ですよね。募集のハッシュタグで投稿されてる方がいましたが、接尾語として使う例がけっこうありますよね。
「日銀砲」(市場介入のこと)とかいいますもんね。
ですから、応募は遠慮なくしてほしいんです。そのうち、実績ができてくると、三省堂のこの賞は言葉の「定着」を評価するイベントなんだと、一般に周知されるんじゃないかと。
その「理念」を「定着」させたいですね。