根暗「触手魔術なんて……」【前半】
- 2016年11月22日 21:40
- SS、神話・民話・不思議な話
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教師「つまり、他の魔術も訓練すれば使えるようになるが一族ごとに適正があり……」
キンコーンカンコーン
教師「一族ごとに引き継いだ魔術がもっとも効率よく使える。 チャイムだな……委員長」
委員長「起立! 礼!!」
「昼休みだ?」「眠かった」「購買行かない?」
根暗(この学園に入学して二年……僕には)
根暗(友達がいない!!)キリッ
根暗(正確には一人声をかけてくるヤツはいるが……)
オタク「根暗殿! 根暗殿! 一緒にお昼御飯を食べるでござるよ!!」
根暗「えっ、あの……うん」
根暗(僕がこいつに抱いている感情は友情ではなく憎悪である)
「よし!自己紹介しようぜ」「自己紹介って何言うの?」「名前と一族の魔術で良いだろ」
根暗(……自己紹介……第一印象って大事だよね)
根暗(でも、僕の一族の魔術は……あまり良いイメージ無いからな)
委員長「君の番だぞ?」
根暗(ちゃんと説明したら変な誤解されないかな……)
委員長「……おい!」
根暗「ひゃい!!」
委員長「君の番だぞ? 自己紹介」ハァ
根暗「えっと……ごめんなさい。 その、根暗です。……あの僕の一族の魔術は……その」
根暗「触手魔術です」
ザワザワザワ
根暗(やっぱり、良い印象持たれて無いよね? ちゃんと補足しないと)
根暗「あの……触手魔術は……その……」
オタク「素晴らしい!」
オタク「触手……それはエ口同人誌に欠かせないスパイス」
オタク「触手……それは響きだけでもエ口い存在」
オタク「同じクラスに触手使いがいるとは……これは捗りますぞ~!!」
根暗「……えと、違くて……あの」
クラスメイトs「……」ドンビキ
根暗(僕の学園生活……終わった)
「おい、あそこ」「エ口触手ブラザーズがまた一緒に飯食べてるぜ」
根暗(ブラザーズじゃない!)
オタク「ふふふ、この媚薬の描写……エ口いでござる」デュフフフ
根暗「あの、オタク君……食事中は……」
オタク「失敬、失敬」
僕っ娘「……やぁ。 君達、媚薬に興味あるのかい?」
根暗(女子に声をかけられた!!)オロオロ
オタク「むむ、何やつ!?」
僕っ娘「C組の僕っ娘だ。 魔法薬研究会で会長をしている」
根暗「に、2年で会長?」
僕っ娘「研究会と言っても僕しか所属してないんだ」クスクス
根暗「それって……研究会って言えないんじゃ」
オタク「なるほど! 勧誘でござるな!! 研究会に入って媚薬を作ってみないかと言うことですな!!」
僕っ娘「君達みたいな性欲の権化を勧誘なんてしないよ」
根暗(性欲の権化……)ガーン
オタク「失礼な! では、何のご用で?」
僕っ娘「……媚薬を作るのを手伝ってくれ」
オタク「ここで活動しているんでござるか?」
僕っ娘「ちゃんと先生の許可はもらっているよ」
根暗「あの……それで……媚薬についてだけど」オロオロ
僕っ娘「僕はあくまで知的好奇心を満たすために媚薬を作ってみたいんだが……材料の入手が困難でね」
オタク「なるほど、拙者達に材料を調達してきてほしいんですな?」
僕っ娘「あぁ、そういうことだ。 媚薬が出来たら君達に別けてあげよう」
オタク「デュフフフ、そちらは知的好奇心を満たし、此方は痴的好奇心を満たせる……良い取引でござる」
根暗(痴的好奇心?)
僕っ娘「二人とも協力してくれるんだね?」
根暗「えっ、いや、僕は……」
オタク「エ口触手ブラザーズにお任せでござる!!」
根暗「」
僕っ娘「では、まずはタカネ草を取ってきて貰おうか」クスクス
オタク「タカネ草……でござるか?」
根暗「タ、タカネ草は切り立った崖の上に生えている特殊な薬草で……入手は飛行魔法を使えない限り困難……だって」
オタク「おぉ、根暗殿の長台詞を初めて聞いたでござる」
根暗「オタク君は……その、飛べるの?」
オタク「ふ~む、出来ないことは無いでござるが……」
根暗(何か問題があるのだろうか?)
根暗「……ん」ニョロン
オタク「いきなり、触手を出してどうするつもり……」ハッ
オタク「拙者に乱暴するつもりでしょ!エ口同人みたいに!!エ口同人に!!」
根暗「えっ、違うから……待ってて」
触手「ニョロニョロ ギュッ」
タカネ草「スポン」
オタク「おぉ、あんな高いところまで触手は届くんでござるね~」
根暗「う、うん……はい、タカネ草」
オタク「明日、僕っ娘殿に渡しに行くでござる」
僕っ娘「本当に取ってきてくれたんだね」
オタク「ふふふ、エ口の為なら例え火の中、水の中、あの娘のスカートの中でござるよ!」
根暗(スカートの中は満面の笑みで入りそうだな)
僕っ娘「では、次は本当に火の中に入って貰おうかな?」クスクス
根暗「……火、火の中?」
僕っ娘「あぁ、次の材料は……ヒチュウ石だ」
根暗「ヒチュウ石……火の中で複数の石が結合することで出来る特殊な石」
オタク「説明乙でござる」
根暗「サラマンダーの巣にあることが多いらしい」
サラマンダーの巣「メラメラメラメラ」
根暗「燃えてるね……」
オタク「萌えでござるな」
根暗「えと……あの、触手は火が……苦手……なので、その」
オタク「デュフフフ、拙者が取ってくるので大丈夫でござる」ヒョイ
根暗(火の中に飛び込んだ!?)
オタク「拙者の一族は火の魔術使いでござるからな。 これぐらい熱くないでござる」
根暗「す、すごい!」
オタク「サラマンダーが巣に戻って来ないか、見張っててくだされ」
僕っ娘「……本当に取ってきてくれたんだね」
オタク「楽勝でござったよ」
根暗(サラマンダーに見つかって、全力で逃げたけどね)
僕っ娘「次は……」
【学外】
根暗「ビリリ茸……電気を放つ茸」
オタク「説明に慣れてきたでござるな」
根暗「で、電気には……その僕の触手は強いから……」
オタク「ならば、探すだけでござるな」
根暗「……この森の中を」ゲッソリ
オタク「一緒に頑張るでござる」
根暗「そうだね……タカネ草とヒチュウ石の方が……えっと、楽だったね」
オタク「ある場所を予想し易かった分がありますな」
根暗(……タカネ草、ヒチュウ石にビリリ茸か)
根暗「……本当に媚薬の材料なのかな?」ボソッ
オタク「そんなことどっちでも良いでござるよ」
根暗「え?」
オタク「僕っ娘殿にも何か事情があるんでござろう。 それにね」
オタク「拙者はね、根暗殿……楽しいんでござるよ。」
オタク「 放課後、僕っ娘殿に材料を渡して、次の材料を根暗殿と取りに行くのが……楽しいんでござる!」
根暗(あぁ、そうか……)
根暗(……僕も楽しかったのか)
根暗(目標を持って皆で一緒に行動している今が)
根暗「僕も……楽しかったのか」
オタク「見付けたでござる!」
根暗「えっ!?何処?」
オタク「根暗殿の足元でござる」
根暗「へ?」フミ
ビリビリビリ
根暗「……ん」
養護教諭「起きたか」
根暗「ここは保健室?」
養護教諭「あぁ、オタクがお前を担いで来てな」
根暗「……オタク君は?」
養護教諭「帰したぞ? お前が起きるまでは帰らないって随分とごねられたけどな」
根暗(悪いやつでは……無いんだよな)
養護教諭「お前も帰れ……暗いから気を付けろよ?」
根暗「……はい」
根暗「!?」
根暗「せ、先生……あの、こ、これは?」
養護教諭「ん? 忘却薬の調合書だ」
根暗「……忘却薬」
根暗(タカネ草、ヒチュウ石、ビリリ茸……最後の1つは一足烏の卵)
僕っ娘「…………本当に取ってきてくれたんだね」
オタク「今回は苦労したでござるよ。 根暗君が保健室送りにされましたからな」デュフフフ
根暗「は、ははは」
僕っ娘「それは……すまなかったな」
オタク「媚薬の為なら何のそのでござる」
僕っ娘「……そうか」
オタク「今日は何を取ってきたら良い?」ワクワク
僕っ娘「今日は一足烏の卵を取ってきてくれ」
根暗「……」
オタク「では、早速行くでござる♪」
根暗「オタク君……先に行ってて」
オタク「む? 承知」
僕っ娘「……」
根暗「……き、君は、何をする気なんだ?」
僕っ娘「何のことかな?」
根暗「……僕達が集めてるのは、媚薬の材料なんかじゃないだろ?」
僕っ娘「……気付いちゃったか」
根暗「……ぼ……忘却薬なんか何に使うつもりだ?」
僕っ娘「……ねぇ、根暗君。 何も聞かずに一足烏の卵を取ってきてくれないか?」
『エ口触手ブラザーズにお任せでござる!!』
根暗「……」
僕っ娘「取ってきてくれたら、少しぐらい……その、気持ちいいことしてあげても良いぞ?」
『僕っ娘殿にも何か事情があるんでござろう。』
根暗「……」
僕っ娘「オタク君には秘密にしてくれ。 何、気が付かない方が悪いんだ」クスクス
『 放課後、僕っ娘殿に材料を渡して、次の材料を根暗殿と取りに行くのが……楽しいんでござる!』
根暗「……気付いているんだよ」
僕っ娘「へ?」
根暗「オタク君も……気付いているんだよ!」
根暗「それでも気付かないフリして、騙されてる君のことまで思いやって……」
根暗「そういうやつなんだ……彼は!!」バンッ
僕っ娘「ひっ」
根暗「……エ口触手ブラザーズを嘗めるな」ギロ
オタク「……」
根暗「……待っててくれたんだ」
オタク「根暗殿……」
根暗「……何?」
オタク「エ口触手ブラザーズではかっこつきませんな」ニコ
根暗「そうだね」ニコ
ヤンキー「よう、僕っ娘。 媚薬出来たかよ?」
僕っ娘「……まだ、出来てない」
DQN「何だよ~、まだかよ」
不良「媚薬なんて待たずに犯しちまおうぜ?」
僕っ娘「ひっ」
ヤンキー「待てよ! 処女でも痛くねぇぐらい強力な媚薬だぜ? 試すには処女も必要だろ?」ナデ
僕っ娘「や、止めろ!」