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洗脳と言えば、被験者を椅子に座らせて、何かを繰り返し見つめさせつつ、偽の考えを吹き込むといった場面を思い浮かべるかもしれない。これはフィクションにありがちな設定だが、現実はもっと恐ろしい。実際の洗脳は自分が操作されつつあることすら知らないままに洗脳されてしまうからだ。
洗脳とは、ある人物に対して系統的な圧力を用い、またときには力を行使することで通常なら信じないような考えを信じさせることである。
選挙の候補者、マーケティング企業、さらに非営利団体までが巧妙な手法を用いて日々私たちを洗脳しようとしている。ここで紹介するのは、私たちが日頃から受けている洗脳についてだ。何か理性的な判断をする際はそれが洗脳の結果ではないのか、立ち止まって考えてみるといいだろう。
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15. 可能な限りストーキングされている
驚いて肩越しを振り返っても無駄だ。物理的にという意味ではない。しかし、あなたがスマホを持っているのならば、そのアプリの一つはあなたの居場所を常に追っている可能性が高い。ほとんどのアプリにはGPSをオフにする設定があるが、いちいち気にしている人も少ないだろう。朗報と言えば、アップルのような大企業であっても、私たちの居場所をリアルタイムで把握することができなさそうなことである。
一見無害にも思えるが、そもそも企業が居場所を追跡する理由はよく分からない。よくある説は、研究目的であり、その情報をアプリ開発に役立てようとしているというものだ。
14. 企業は脳の機能解明に多額の投資をしている
ニューロマーケティングという、周囲に対する脳の反応の研究とその知見を応用して企業のブランドを売り込む研究を組み合わせた研究がある。
ニューロマーケティングは消費者の注意を掴み、関心を抱かせ続け、お金を使うように仕向ける方法を見つけることを目的としている。企業は消費者がなぜあるブランドを好きなのか分析し、それを自社製品に応用しようとしているのだ。普通なら気にも留めなかったはずの物を買うように思い込ませてしまうのなら、危険なことになる。
13. 考え方ではなく、何を考えるかを教え込まれている
きっと誰もがどこかの時点で、カンニングは学習効果が得られないからやってはいけないと教わるだろう。ただ情報を暗記するだけでは、実際に理解したことにはならないからだ。
もし現実に対して疑問を抱くよう教えられなかった人たちばかりなら、たやすく操れる社会が出来上がる。暗記によって試験に合格はできるかもしれないが、その情報について本当の意味で学ぶことはできない。だが情報を吟味する能力こそ、資本主義社会の自由市民には決定的に重要なことなのである。今やかなりの人々がそのことに気が付き始めている。学校の試験を減らし、ディスカッションが重んじられるようになっているのもそれが理由だ。
12. 知らされる出来事はメディアがコントロールしている
ジャーナリストでもない限り、ニュースはマスコミから仕入れているだろう。あるいはSNSが情報源という人もいるかもしれない。
それは構わないが、マスコミが常に手に入った情報を全て伝えているわけではないことは知っておいたほうがいい。また個人のSNSならば、その人物には強い政治的な信念があることが多い。あからさまに意見を主張していなくても、都合の悪い情報は隠しているかもしれない。信頼されているメディアですら事実確認は必要だ。大手メディアは嘘はつかないと言われているが、読者にとって重要な情報を省略して報道した事例はいくつもある。
11. マスコミにとってキーワードこそがすべて
SNSを情報源にする場合、きちんとクリックして記事の全文を読まないで、タイトルだけで読んだ気になってしまうという困った点がある。
タイトルは読者に記事へ関心を抱かせるために作られる。ならば最もショッキングで面白そうなフレーズを使うようになるだろう。より狡猾な手口もある。例えば、政治家の隣に”殺人”という言葉があれば、その二つを結びつけて、政治家に悪い印象を与えることができる。本文を読まなくても、無意識にはしっかり印象が残り、後々まで影響する。
10. アメリカでは子供の頃から愛国心を教え込まれる
アメリカでは、その意味をきちんと理解できるようになる前から忠誠の誓い(アメリカ合衆国への忠誠心の宣誓)のやり方を教わる。
アメリカは最も偉大で、比類なき国であるとは教わるが、それに疑問を挟むようには教わらない。しかし盲目的なまでに愛国心が肥大すれば、欠点は見えなくなってしまう。
これは日常生活でも同じだ。勤めている企業や住んでいる街が最高であると盲信してしまえば、悪い部分は見過ごすようになる。もちろん大切なものを愛することは問題ないが、見たくない部分から目を背けてしまうようでは問題だ。自分たちの社会についての知識や側面を疑ってみることが大切だ。
9. 自由という幻想を与えられている
アメリカは自由の国と言われるが、それには代償がある。しばしば私たちには数多くの選択肢があるという幻想が与えられているが、身分や出自などによって制限されているのが現実である。
いつも夢を追えと言われるが、そうできるのは夢によって家、車、家族などがきちんと維持できるような場合だけである。人は若い頃に何でもできると思いがちだが、年を取るにつれて元々与えられていた特権に応じた出来事しか与えられていないことに気がつくだろう。
懸命に働けば報われるという価値観がある。だが懸命に働いたからといってそれに見合った報酬が得られるとは限らないし、障害などのためにそもそも懸命に働くことができない人だっている。それなのに、いつか成功すると信じ込まされ、今すでに持っているものを楽しむ余裕すら与えられない。
8. フレーズの繰り返し
ビジネスを成功させる秘訣は、キャッチーなスローガンである。例えば、「Just Do It」や「I’m loving It」が有名だろう。これを日々繰り返すと、ただのブランドを超えて日常生活にまで浸透するようになる。選挙のキャンペーンでもこうしたスローガンを利用する。
スローガンは色、イメージ、短い音楽などと組み合わされ、生活の中に潜り込み、人はそれを聞いたり、目にしたりするたびにブランドを思い浮かべるようになる。
多くの企業がこれを理解しており、それゆえに脳に刷り込ませる新しいキャラクターや宣伝形式などをいつも作り出している。フレーズを繰り返せば繰り返すほどに、そのブランドに好意を感じるよう洗脳できるのだ。
7. 感情操作
サラ・マクラクランの歌を聴きながら悲惨な動物の写真を見て、涙を浮かべない者などいるまい。これは心の琴線に触れ、寄付するよう仕向ける明らかなマーケティング戦略だ。
非常に効果的な戦術であり、他の多くのブランドでも購入するよう仕向けるために消費者の感情を揺さぶりにかかる。選挙の候補者なら恐怖を利用して、有権者を投票させるよう誘導するかもしれない。だがこれを最大限に利用するのは、親を相手にする企業だろう。
おむつのCMでは、その優れた点を論じた後で、買わなければ子供を十分に愛していないと訴える。はっきり明言していなかったとしても、家族を相手にする広告の多くがそうしたメッセージを含んでいる。
6. グループへの帰属欲求
あるグループに所属するだけで満足を得ることができる。人はそれが小さなオンラインのコミュニティであったとしても何かに所属し、関与することが好きなのだ。
そのグループは大きく、特定のものであるほど望ましい。例えば、アメリカという国も本質的にはグループだ。広告やマーケティングの企業はこのことをよく知っており、これを利用して消費者に購入するよう仕向ける。
あるグループに所属するには、その製品を買うことだと思い込ませるのだ。すると別に所属する必要のないグループに入るために、わざわざお金を使ってくれる。これは愛国心や政党の対立にも通じるところがある。グループに思い入れを持つほどに、欠点が見えなくなるからだ。
5. 恐怖の利用
恐怖を利用するやり方をフィアーモンガリングと言い、特に選挙の候補者がよく利用する戦術である。ドナルド・トランプは移民の恐怖を煽り、一方のヒラリー・クリントンはドナルド・トランプの恐怖を利用して有権者に訴えた。
いずれかに投票した有権者はその恐怖を当然のように受け止めているが、実際にはそうした恐怖が必ずしも当然のものであるとは限らない。
何らかの問題から目を逸らさせるために、非常に小さな可能性が誇張されていることもある。マーケティング企業も同じで、例えば不健康な食生活やライフスタイルの恐怖を煽って、タバコや有機食品など、製品の拒絶や購入を促進しようとする。人の心に恐怖を芽生えさせることができれば、洗脳することは容易だ。
4. 美の基準を設定
たった一つの美しさなどない。人の数だけ美しさがあるはずだ。だが、あなたがどう考えていようと、私たちは美が何であるかについての標準的なイメージを洗脳によって植え付けられている。
すらりとした細い体、白い肌、なめらかな髪、引き締まった体……。美の基準は社会、文化、世代によって変わるものだが、特定の地域と時代の人間は、マスコミ、映画、テレビ、そして最も重要なものとして広告によってこの基準を信じるよう条件付けられている。
そしてその基準に沿うためのダイエット食品やら化粧品やらを開発するために大金が投じられる。一方で同じ企業が同時に消費者の不安感を煽るために大金を投じている。
3. 読むメディアを限定する
教育の重要な役割として、脳に負荷を与えることが挙げられる。言われなければ絶対に読まないような資料を読まされ、何かしら新しいことを学ぶ。
学校を卒業してしまえば、こうした作業はしなくなるだろう。読みたいものだけを読み、見たいものだけを見るようになる。やがて新しい思考やアイデアは取り入れられなくなり、既成概念にのみしがみつくようになる。これはグループ同士の対立を生み出すなど非常に危険なものだ。
好まないとしても、自分とは違う立場のニュースにも目を通しておくべきだ。ご存知の通り、多くのチャンネルはたった一つの立場に捧げらたもので、それしか見なければ、一つの立場の視点しか見ないことになる。
2. 我々とその他のメンタリティを作り出す
生物的な衝動のほとんどは、グループへの帰属欲求から生じている。それが生存に必要なことだったからだ。そして一度あるグループに所属してしまえば、他のグループに何が起きているかなど気にもしなくなる。
そして突然、グループ外のあらゆる物事がその他大勢となり、自分たちを脅かす危険な勢力になる。この戦術は政治の世界で、政治が生まれた当初から用いられてきた。”我々対その他”のメンタリティは、心から”我々”の一部になり、”その他”と対立するよう仕向ける。
今日の二大政党制でも用いられている。片方の政党と対立しているならば、そこに所属しないことで被害を与えることができる。
1. 広告はいたることろにある
広告が大好きだという人はあまりいないだろう。だが、そこから逃れることはできない。街を歩けば広告が壁を埋め尽くし、通勤や通学のバスや電車の中にも大量に掲げられている。
しかも広告はますます巧妙に日常生活に潜り込んできている。有名人が宣伝する製品を目にすることなくインスタグラムを利用することはできないし、ときに広告を目にしていると気づかないような場合すらある。いわゆるステマというやつだ。
広告産業は巨大であり、すぐさま消えることなどないだろう。そこで働く人も大勢おり、必ずしもいけないものでもない。しかし、マーケティングの研究者が、商品を買わせるために、ありとあらゆる手段で私たちからアイデンティティを剥ぎ取り、作り出された価値観を植え付けようとする危険性については覚えておくといい。
via:15 Subtle Ways You’re Being Brainwashed Right Now/ translated hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
映画ファイトクラブでよくあった表現とかもヤバイ。1瞬だけ見せる奴。普通に洗脳技術そのものだったりするらしい…
2. 匿名処理班
マスコミ(特にスポーツ新聞)や諸々の情報サイトの釣り見出しって、景表法に引っ掛からないんかね……
3. 匿名処理班
そういった事に殊更反発するのも逆側の洗脳で、じゃあどうすんのって話になったら
そりゃあんまり気にせず自分の人生を精一杯やりゃいいのよってお話
4. 匿名処理班
自分という名の宗教は国や企業によって作られているということか
5. 匿名処理班
※1
サブリミナルな
エクソシストで有名なやつ
6. 匿名処理班
レトリックに惑わされない
断片情報を鵜呑みにしない
7. 匿名処理班
そうだ!金持ちのイケメンと結婚すれば幸せになるなんてウソだ!
目を覚ましてや!(T . T)
8.
9. 匿名処理班
※1
サブリミナル効果の事を言ってるのかな?
あれは、根拠のない噓だったって事だが・・・
10. 匿名処理班
難しいやね…
特に他人にコレを意識させるのは
余計なお世話と言われるのがオチだし
11. 匿名処理班
※3
まさにそうだと思う。洗脳されて特に何が悪いということは俺はあまりないと思うが、「洗脳=悪」という洗脳がある世の中だな。
12. 匿名処理班
3.の話で学校を卒業した後、勉強してないなこいつってのはいると、わかるな。それが洗脳に直接つながってるかはまた別の話ではあるが。
13. 匿名処理班
久々に有意義な記事を見た
14. 匿名処理班
今日本でヒットしている劇場アニメ2作においてある勢力で対立してんだよねえ
某作品の方はマスコミが全くと行っていいほど取り上げないんだよねえ
映画評論家やアニメ関係者の間では大絶賛なんだが
逆に業界関係者の方は対するアニメのほうをケチョンケチョンに言っている
情報操作ってこういうものだなといえることが今起きているから
15. 匿名処理班
まとめサイトのコメント欄なんかも
リンク先の本文を最後まで読まずに
コメントする人たちばっかりだしな
管理人が書いた煽り見出しに脊髄反射
まあ俺も人のことは言えないが・・・
16. 匿名処理班
お金があれば選択肢が増える よって色々なことの経験がつめるというアドバンテージができる。
だけどお金がなければそもそも選択肢が存在しないっていうがのが現代社会だからなー
お金欲しいよ・・・けどその為に要求されることがキツすぎる
17. 匿名処理班
「服従しろ」
「消費しろ」
「眠れ」
「考えるな」
(;=■д■) ・・・!?
18. 匿名処理班
アメリカ人の愛国心ってちょっと引くレベルでガチだよね
普段おちゃらけてる感じの人でも式典なんかだと当たり前の様にに忠誠の誓いやるし
小さいころから完璧に刷り込まれてる
国旗国歌軽視な教育環境で育っちゃったゆとり世代からするとカルチャーギャップ半端ない
自分が通ってた小学校なんて君が代歌うの拒否ってる先生とか居たし
19. 匿名処理班
読んでるうちに洗脳と強い影響の境界線が分からなくなった
20. 匿名処理班
5のところでヒラリー陣営によるレッテル貼りの恐怖扇動が触れられてるけど、実際今回のアメリカの選挙は全力で洗脳にかかるマスコミ&ポリティカル・コレクト勢 VS それに抵抗するネット民、みたいな構図になってたな。
それでもヒラリーが負けたんだから、ネット時代には従来のマスメディア主体の洗脳手法の効果がかなり弱まる事が証明されたかもしれない。
まあ、すぐにネット時代に対応したやり方を編み出してくるんだろうけど。
21. 匿名処理班
5恐怖の利用ってのはよく解る。
危機感を煽ってる奴は大体洗脳しようとしてる奴か、既に洗脳されてる奴だよな。
22. 匿名処理班
常識は洗脳だった?
23. 匿名処理班
世の中は資本家に因って都合の良い様に作られている。