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いつかその時がやってくるのかもしれない。ゾンビの襲来、米露核戦争、遺伝子改変殺人ウイルスの蔓延、イエローストーンの大噴火、猿の逆襲など諸事情により人類が滅亡する日が。
人類滅亡後、地球上の支配者はどんな種となりうるのだろう?それらの種はどのように進化し、人類と同じく地球を破壊していくのだろうか?
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10. ネズミ
ネズミは災害を愛する。場所や時を問わず、巨大なカタストロフィがあれば、そこにはネズミの集団がいる。これは1945年のドレスデン爆撃でも起きたことだ。そして人類滅亡の瞬間でもネズミが都市を占拠することだろう。
ネズミの大群は人間の遺体を貪り、残された食糧も喰らい尽くす。リチャード・ドーキンスによると、この時ネズミが大進化を遂げる可能性があるという。
大災害によってネズミが持続不可能なほどに大量発生する。餌が潰えてしまえば、共食いせざるをえない。これによって世代交代速度が異常なまでに高まり、場合によっては放射線による突然変異と相まって、進化に理想的な条件が整う。
今のネズミがすでに複雑な社会構造を持ち、驚くほど高い知能を有していることを考えると、人間と似たような方向で進化を遂げる可能性がある。それは数百万年かかるかもしれないが、ありえないことではない。ドーキンスはネズミから未来の知的生命が進化するという話はそれほど突飛なことではないと考えている。
9. クマ
我が物顏で地上を歩く人類は、本来我々を捕食していた動物でさえ逃げ出すほどだ。それゆえに、人以外の知的大型哺乳類がニッチに進出するチャンスはなかった。だが人間さえいなくなってしまえば、ライオンやクマなどの動物が再び頂点に返り咲くだろう。そのまま十分な時間が経過すれば、人間並みの知能を発達させるかもしれない。
これは英エクセター大学の大学院生アシュレイ・ベニソンの意見だ。彼は人間がいなくなった世界で、我々の後釜として最もありえそうな大型哺乳類としてクマを挙げている。その論旨はこうだ。人間がいなくなると、食べられる動物が減少するため草食動物が増える。すると今度はそれを食らう肉食動物の増加が促される。
食糧の余剰があれば、知的な哺乳類が社会を形成する可能性が高まる。人間が”不思議なほど賢い狩猟採集型の猿”から飛躍することができたのも、この食糧の余剰ゆえだ。十分な空間さえ確保されていれば、クマもまたそうした飛躍を遂げることができるかもしれない。
8. 犬
途上国に行ったことがある人なら、すでにイヌが地球のかなりの部分を支配していることを知っているかもしれない。ムンバイのような大都市には、野良犬の大集団がいるために夜には絶対に近寄ってはいけない地域が存在する。1994〜2015年にかけて、ムンバイだけでも130万人がイヌに襲われ、434人が命を落とした。これは一応人間が支配する都市においての話だ。
もし人間が消えてしまえば、邪魔する者はいないも同然だ。ニューヨーク、ロンドン、デリーのような大都市では、巨大なイヌの群れが彷徨い、ネズミと残された食糧の争奪戦を繰り広げる。イヌの生息数は爆発し、やがて変化が訪れる。
犬はすでに素晴らしい知能を有している。複雑な社会を形成し、共感など人間と同じような感情表現もできる。つまり一定レベルの知能を進化させる条件を備えた脳があるということだ。そうならないとしても、数の力で崩壊した都市を支配するであろう。
7. アリ
哺乳類はさておき、昆虫による驚異の世界を探求しよう。その小さな体に騙されてはいけない。アリが支配する世界については、すでに十分な議論がなされている。
世界には人間の人口をはるかに超える数兆匹ものアリが存在する。その総重量は人類を上回るほどである。知能も優れており、しかも人間にはない集合精神まで備えている。
アリの集合精神は複雑である。アリのコロニーではキノコが栽培され、アブラムシを家畜として飼うことまで知られている。さらに前線に兵隊アリを残して弱い者が逃走するなど、複雑な戦い方まで身につけている。勢力を拡大する手段まである。メキシコでは、ほぼカリフォルニア州に匹敵する大きさのアリの大コロニーが存在し、似たようなサイズのコロニー同士で戦争を繰り広げているのだ。
6. ブタ
“ブタの惑星”という映画があったら酷いタイトルだが、猿の惑星に負けず劣らず可能性がある。地球に残る猿はわずかであるが、豚はあふれんばかりだ。そして、彼らの脳もまた一歩先んじたものであることを知っていた方がいい。複雑な社会を形成し、共感することもできる。長期記憶を形成し、学習速度も驚くほど速い。快楽のために交尾をする数少ない動物でもある。ある側面ではイヌをも凌駕する知能を有しているのだ。
彼らは人間を進化の頂点に立たせた特徴をすべて備えている。その生息数の多さを考えれば、人間並みの知能を発達させる可能性は否定できない。一つ確実なことがあるとすれば、豚インターネットには現在のようなベーコンの話題があふれてはいないということだ。
5. タコ
タコの知性を示す動画はいくらでも存在する。心理的なトリックまで仕掛けてくる高い知能に加えて、脳が分散しており頭を撃ち抜かれても死なないという強靭さまで備えているのだから恐ろしい。
タコの脳は体のサイズに比べて大きい。これは人間においても重要なことだ。大きな目が脳につながっており、我々とほぼ同じ視力を有している。また人間は物をつかめるよう対置された親指を持っているが、タコは8本物腕があるのだ。それで道具を操り、人間には到底無理な芸当すらやってのける。
また他者の行動を観察して学習することもできるため、人類の灰の中から複雑なタコ社会を形成するかもしれない。ラッセル・バーク博士は、将来の王の有力候補であるタコが現在支配者ではない理由を訝しむほどだ。
4. アライグマ
ここまで紹介した動物のほどんどは、複雑な社会構造、哺乳類、高度な知能ゆえに次代の王の有力候補であった。だが鍵のかかったゴミ箱を開けてしまう厄介者に苦慮したことのある者なら、アライグマをその筆頭に挙げるだろう。彼らは、特に都市に生息する個体は人間が受けたものと同じ圧力にさらされている。こうした圧力がやがてはアライグマの進化の突然変異を促すかもしれない。知能を発達させる変異である。
高層ビルや車などによってお膳立てがされているからといって、アライグマが人間並みの知能を発達させる可能性は非常に低い。しかし気づかないうちにゆっくりと大型化する可能性はそうではない。ネズミのように、数百万年かかるだろうが、人間のいない世界では瞬く間に過ぎ去ることだろう。
3. ゴキブリ
想像してほしい。空が赤く焼け、大地は黒く、荒廃している。遠くで最後のキノコ雲が立ち上り、人類の帝国は崩壊した。そこに残る生き物は何だろうか? ゴキブリである。
ほとんどの人は考えたくもないだろうが、ゴキブリは多くの点で優れている。核戦争ですら生き残る放射線への耐性。80年代半ばに使用され始めた駆除剤に対して1993年までには耐性を発達させた驚異の進化速度。それは我々が数世代でヒ素やシアン化合物への耐性を身につけるようなものだ。
繁殖速度も恐ろしいほどだ。彼らは核戦争の終末を生き残る最有力候補であり、立ち所に生息数を回復させることだろう。そのゴキブリが人間並みの知能を身につけることがあるだろうか? おそらくないだろう。だが天敵のいない世の中で数百万年の時を経れば、確かなことは何も言えない。
2. 類人猿
ほとんどの類人猿は個体数が非常に少ない。だからこそ、人間滅亡後に次代の王となる可能性は低い。だがはっきりさせておきたいのは、個体数の少なさ以外に隙はないということだ。もし猿の保存計画によって生息数が激増し、その後で終末が訪れたのだとしたら、猿が支配者となるのは最後の人間の遺体が冷たくなるのを待つまでもない。
チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、ボノボなど、類人猿は賢い。本当に賢い。教えれば手話で会話すらできる。人間に匹敵する社会階層を形成し、道具も使う。共感も示す。観察から学習することもできる。武器を使って狩をする姿も観察されている。計画を練ることもできる。全身に毛を生やし、猿臭く、ツイッターなどで暇つぶしをしないことを除けば、基本的に我々と同じだ。
ただ一つを除き、人間並みの知能を進化させるために必要なものすべてを類人猿は有している。そのただ一つ欠けているものとは人間の存在だ。核戦争で人類が滅びるとすれば、類人猿も一緒に滅ぶだろう。しかし、人間だけを100パーセント殺すウイルスが作られ、それがばら撒かれたら? 自由の翼を得た猿が、自由の女神を引き倒すことだろう。
1. ボルバキア
ボルバキアとは細菌の仲間である。これは次代の支配者の最有力候補であるばかりか、現在の地球においても支配者の最有力候補である。
ボルバキアは数千もの種の運命をほぼ完全に握っている。これは3分の2の昆虫と節足動物の細胞内に生息し、宿主のメスの卵から他の生物に感染する。しかも悲鳴を上げたくなるようなことまでやってのける。
感染のチャンスを増やすために、宿主の性別をオスからメスに変えてしまうのだ。より複雑な生物では、胎児の段階の生まれていないオスを殺したり、精子を改変しボルバキアに感染したメスとしか生殖できないようにしてしまう。そして極めつけが宿主の遺伝子を改変して、突然変異を起こさせる能力だ。つまり、ボルバキアは数世紀の間、無数の生物の進化の運命をコントロールしてきたということだ。
もちろんボルバキアが知性を備える危険はない。だが人類が消え、大型哺乳類も消える核戦争後の世界では、生き残ったほぼすべての生物がボルバキアと共に生きるようになる。彼らを次代の王と呼ぶために高度な知性など必要ないのかもしれない。
10 Species That Would Dominate if Humans Died Out
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コメント
1. 匿名処理班
猫「甘い!既に人類世界は我々が支配しているニャ!!」
2. 匿名処理班
すでにして、地球の支配者は哺乳類ではなく、もちろん人類でもなく、昆虫だという説。
3. 匿名処理班
人類誕生以前の地上界覇者と絶滅後の地上界覇者はそんなに変わらんだろ。
人類は知能があるから何かしら勘違いしているのでは?地球のウイルス=人間、誰が言い出したのか分からないが実に言い得て妙。
4. 匿名処理班
猫がいない世界ならいいや。
5. 匿名処理班
ホモサピエンスから新しい種が分岐する可能性もあるわけだよね。
もういるのかもしれない、、、
6. 匿名処理班
忘れてませんか? 植物やろね
7. 匿名処理班
実は現代の地球もネズミが支配しているんだよ
8. 匿名処理班
クモほど地球環境に特化した生物は居ないんじゃないかな?
9. 匿名処理班
こういうのは手の器用さが決めてだよね
つまり次の覇権はカワウソだ(願望)
10. 匿名処理班
ゴキブリは人家に適応しすぎてるから人類が消えたら次に消えるという説もあったような。
11. 匿名処理班
陸上を歩くイカいなかった…
12. 匿名処理班
ゴキブリは放射能に強くないよ
13. 匿名処理班
ちなみにどうでもいい話なんだけど、敵に襲われたとき、兵隊アリは真っ先に逃げる。
最後まで抵抗するのは普通の働きアリ。
14. 匿名処理班
9の手を挙げている熊が笑えた。
「どうもどうも、ご紹介にあずかりました熊でーす」
15. 匿名処理班
星新一の小説で人類滅亡した地球に宇宙人がやってきてゴキブリを地球人だと思って救助して連れていく話があった
16. 匿名処理班
地球の支配者は、今も昔も地下生命圏の微生物ではないか、って考えもあるしね。人間が支配者だったことなんて無いのかも。
17. 匿名処理班
所詮我々は、地球の手のひらで踊っているだけなのだ
18. 匿名処理班
蟻の数は1京匹ってのが通説だね
19. 匿名処理班
カラスはどうなんだろう
20. 匿名処理班
ボルバキア様と冷凍睡眠技術さえあれば、女しかいない世界に俺が目覚める事も可能なのか!?
21. 匿名処理班
カラスは?
22. 匿名処理班
菌類も支配者
23. 匿名処理班
唐突な活きのいいベーコンの話題に草
24. 匿名処理班
類人猿は人間より先に滅びそうな勢い...
25. 匿名処理班
地球がもたんだろうなそれまで
26. 匿名処理班
※10
実は人間の生活圏にいるゴキブリは極わずか
大半のゴキブリは森とかにいる