両津「なに?新元素の名前がニホニウムだと?」
- 2016年12月01日 19:40
- SS、こちら葛飾区亀有公園前派出所
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(派出所)
中川「ええ。今度新しく発見された元素に、ニホニウムという名前がつけられるみたいですね」
両津「日本が発見したからか。ずいぶん直球な名前だな!」
中川「他にもジャポニウム、ジャパニウムなどいくつか候補があったそうですが…」
両津「どうしてジャパニウムは駄目だったんだ?そっちの方が外人にもわかりやすいだろ」
中川「それはですね。以前、日本の学者が発見しジャパニウムと名づけた元素が
元素表にあったんですが、どうやらその発見は間違いだったようで後で取り消されたという事が
あったそうなんです」
両津「ほう。そんな事があったのか」
中川「間違いでも、一度ついた名前は2度と使えないそうですから。
なので、ジャパニウムという名称は使えなかったみたいですね」
両津「うーむ、科学の世界は色々と面倒なんだな」
中川「きっと、混乱を避けるための決まりなんでしょうね」
麗子「あら珍しい、両ちゃんが科学の話をしてるなんて」
両津「何だ、うるさいぞ麗子。ワシだってたまには科学の話ぐらいする。
それにワシがその気になれば、新元素リョーツニウムを発見するかも知れんぞ?」
麗子「両ちゃんが?新元素を?」
両津「ああ。よく知らんがまだ見つかってない元素はたくさんあるんだろ?
それなら、ワシにだって1つくらい…」
中川「難しいと思いますよ、先輩」
両津「何でだ。やってみなくちゃわからんだろうが」
中川「いえ、新元素を発見するためには現代では原子加速器などの高度な設備が必要なんです。
今の時代に、個人で新元素を発見するなんてまず不可能ですよ」
両津「そんなに大変な事なのか?」
中川「ええ、残念ながら」
両津「なんだ。夢のない話しだな」
麗子「でも、仮に発見できたとしたら両ちゃんの名前のついた元素が
永遠に元素表に刻まれちゃうわね」
両津「べ、別にかまわんだろそのくらい!」
中川「いえ先輩、名前はとても大切ですよ。もし仮に新元素をアホさんという方が発見したら」
両津「どうなるんだ?」
中川「元素表に、名前がアホニウムとして永遠に残ります」
両津「う、うーむ小学生が大喜びしそうだな」
中川「その他にも、中国人の陳宝さんが発見したなら」
両津「どうなるんだ」
中川「元素表に、チ○ポーニウムが永遠に…」
両津「これは、マジメに勉強する気がなくなるな!」
中川「なので、どんな名前にするかはとても大切ですね」
両津「変な名前がつけられそうになったら、日本としては全力で抗議せんといかんな!」
両津「…しかし、別に発見者の名前をつけなくても構わんのだろ?」
中川「ええ、そうですね。今回のニホニウムも国名からとられてますから」
両津「それなら、例えば企業の名前なんかつけたらいい宣伝になりそうだな」
中川「ええ、確かに名前が永遠に元素表に残りますからそうかも知れませんが」
中川「さすがに、宣伝目的のために新元素を発見しようとする企業はないでしょうね」
両津「まぁ、それもそうだな」がはは…
両津「…はっ」
両津(…待てよ)
両津(これはもし、ワシが新元素を発見すれば企業に命名権を売れるかも知れん…)
両津(何せ、人類が滅びでもしない限り永遠に元素表に名前が残るんだからな!)
両津(企業にとってこれほどの宣伝はない…。いくら金を積んでも欲しがるだろう)
両津(これは、試してみる価値はあるかも知れん)
両津「ちょっと、急用を思い出した。ワシは今日はこれで帰る」
中川「え?どうしたんですか先輩急に」
両津「あとは頼んだぞ中川」
中川「あっ、先輩!…行ってしまった」
麗子「急にどうしたのかしら?」
(両津の自宅)
両津「さーて、元素に関する本を山ほど買ったぞ!」
両津「なけなしの給料が、スッカラカンだよ…」トホホ
両津「だが、あとで何百万倍にもなって帰ってくると思えばこの投資は悪くない!」
両津「さーて、さっそく元素について調べてみるか…」
両津「えーと何々…原子と原子をぶつけ合って、それで新元素が生まれるのか」
両津「それで、そのためには…ふーむ、なるほど」
・
・
・
(数日後)
中川「えっ、新元素を発見できそう?」
麗子「そんな、ウソでしょ?」
両津「ああ、もう少しなんだが」
中川「原子加速器とかはどうしたんですか?」
両津「原子加速器?そんなもの、ワシには必要ない」
中川「え?」
両津「要するに、原子と原子をぶつけてやればいいんだろ?」
中川「ええ、原理的にはそうですが…」
両津「だから…ほら」ヒョイ
両津「こうやって、原子を手でつまんでな!」
中川「え?」
両津「指で弾いて、お互いをぶつけ合わせてやればいい」パチン
中川「えっ、まさかそんな方法で!?」
両津「今のは酸素原子と酸素原子をぶつけたから、ケイ素とヘリウム4ができた。
ほら、手のひらに乗ってるのが見えるだろ?」
麗子「そんな、本当に?」
両津「この方法でどんどん『重い』元素を合成してやってな!
最終的にアメリシウムとフランシウムをぶつけてやれば新元素ができそうなんだが、
角度やスピードの調整が難しくてな!」
中川「とても信じられない…」
中川「それで、作った元素はどうやって保管してるんですか?」
両津「ああ、寮の机の引出しの中にしまってある」
中川「そんな、プラモデルの部品みたいに…」
両津「まぁ、とにかく世紀の大発見まであと少しというわけだ!」がっはっは
中川「先輩は、本当に人間なんだろうか…」
麗子「両ちゃんって、時々信じられない力を発揮するわね!」
(数日後)
両津「…できた!できたぞ!この角度、このタイミングだ!」
両津「ついに新元素、リョーツニウムを発見したぞ!」
両津「…おっといかん。ワシの名前をつけてどうする。名前は企業に売るんだったな」
両津「よぉし、大々的に記者会見を開いて…これでワシは、ついに大金持ちだ!」ぐっふっふ
(記者会見会場)
ワイワイ…
部長「重大な発表があるからと両津に呼ばれて来たんだが、
あいつは一体何をするつもりなんだ?」
中川「何でも、世紀の大発見の発表だとか…」
麗子「すごいマスコミの数ね!」
部長「こんな大勢の前でバカをやらなければいいが…」
中川「ええ、僕も何だか不安です」
麗子「あっ、両ちゃんが来たわよ」
両津「えー、ごほん。本日はお集まり頂き、まことにありがとうございますマスコミの諸君」
記者1「重大な発表とは何ですか?」
記者2「何か、大発見をされたそうですが…」
記者3「一体、どんな発見でしょうか?」
両津「えー、ズバリ、私はこのたび新元素を発見しました!」
記者1「えっ、新元素だって?」
記者2「ニホニウムに続いて?」
両津「ええ、ニホニウムに続く、日本で2番目の新元素の発見です!」
オー
オー
記者1「大変なニュースだ!」
記者2「すぐに本社に連絡しないと!」
記者3「両津先生、こっちを向いて!」
パシャパシャ
部長「あいつの言っている事は本当か?」
中川「ええ、この前そういった話をしていましたが…」
麗子「まさか、本当に新元素を発見したの?」
コメント一覧
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- 2016年12月01日 19:57
- 中川に難しいですよと言われても(金のためとは言え)即行動に移れるのはホントすごいにゃあ
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- 2016年12月01日 20:28
- このSS見て思った
考えようによっちゃいつの間にか掌に新元素を生みだしてるのかもしれないよな
元素の破壊と再構築を頭に浮かべて、右手の掌と左手の掌を合わせて…パンっとやれば
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- 2016年12月01日 20:29
- それ、ただの錬金術だろ!
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- 2016年12月01日 20:54
- さすが世界一優秀な大和民族
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- 2016年12月01日 21:01
- 両さんなら金でも作れそう
太陽の超新星爆発クラスのエネルギーが必要なんだっけか
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- 2016年12月01日 21:45
- なんか違う
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- 2016年12月01日 21:52
- そんな重元素の寿命なんぞミリ秒以下の単位だぞう
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- 2016年12月01日 21:55
- こち亀ちゃんと読んでるなら電極プラスに設備を借りに行くって発想になるだろ
もしくは勘兵衛が既にチャレンジしてるとかな
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- 2016年12月01日 23:01
- ※8
もしくは中川の会社の研究員だまして機材勝手に持ち帰って、本田と残念辺り巻き込んで実験し始めたりな
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