94278142年半前までテレビ番組制作会社に勤めていた都内の女性(28)は、自殺した電通社員のツイッターを見て、自身の過酷な体験と重ねています。上司から「ゴキブリ以下だ」と言われた、労働の実態とは? 記者が取材をしました。



バラエティーの特別番組のチームにADとして配属されると、出演者の控室の準備、再現ドラマへの出演、食事の手配など様々な仕事を任された。

上下関係は絶対。時には理不尽なことでも責められた。コーヒーチェーンで買ったコーヒーを席に置いていたら、女性の先輩に「お金があるのね。私はコンビニのコーヒーなのに生意気」と嫌みを言われた。それからは中に何が入っているか分からない入れ物を用意して飲み物を飲むようにした。

午前10時~午後10時が平均的な勤務だったが、お昼休憩は15分程度。トイレなどでの離席も5分まで。先輩が目をひからせ、少しでも長く離席すると嫌みを言われ、離席する際はホワイトボードに名前を書くように命じられた。

複数の番組を任されるようになると、週に2日は徹夜した。先輩の中には後輩に仕事を命じ、飲み歩いてから仕事が終わっているか確認しに来る人もいた。


大きな話題となった 電通社員が亡くなった事件



常に先輩におびえながら、怒られないように仕事を進めた。朝5時まで働き、始発で帰宅。家でシャワーをあびて1時間ほど仮眠をして出社した。起きられずに遅刻してしまい、先輩の叱責を受けてからは、仮眠をやめた。

一カ月に徹夜明けの1日しか休みがもらえないこともあり、残業時間はひどい時で月に170時間近かった。給与は額面で40万円を超えたこともあったが、時給に計算しなおせば、コンビニのアルバイトより低かった。

ストレスから深夜勤務の合間に夜食を重ね、先輩が離席した隙を見計らって甘い菓子を大量に食べた。気づけば入社から半年もせず体重が9キロも増えていた。朝起きると全身にじんましんが出ていたこともある。

番組完成後の打ち上げは毎回朝まで。男性社員から、居酒屋で誰も食べたがっていないバニラアイスを注文され「エロっぽくなめて食べろ」と命令されたことも。ディレクターから「ADなんてゴキブリ以下だ」と言い放たれたこともある・・


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