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警察とは、実力をもって社会の治安を維持する組織である。社会の法を守り、正義を行い、善良な市民を守り、犯罪者を捕まえ被害者を助けるために存在するはずだ。
しかし残念なことに、必ずしもそうとは限らない場合もある。警官だって人間なので、道を踏み外してしまうこともあるのである。だが世界の一部の地域では、権力を振りかざし、それがあたりまえのようなってしまっている国もある。
ここでは実際に起きた事件を踏まえながら、その国の警察と接触するときは細心の注意を払わなければならない15の国をあげてみよう。
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15. スーダン、南スーダン
昔から不安定な状態が続いているスーダンから2011年、南スーダンが分離独立した。いまだ治安は悪化しており、警察の蛮行も多いと言われている。
最近の事件のひとつは、燃料の高騰に不満を爆発させた抗議者と警察の衝突で、抗争はたちまち泥沼化していった。わずか数日の間に大勢の人が殺され、少なくとも50人は警察の発砲によって命を落としたことがわかっている。
犠牲者たちは胸や頭を撃たれていて、意図的に殺されたと考えられている。他にも警察官が通りで盗みの疑いをかけられた人々を殴りつけている動画がネットに流出したが、これはほんの一例だ。多くの人々が警官を怖れているという。
14. 中国
中国でも警察の理不尽な権力行使がたびたび繰り返されることに非難が集まっている。2016年5月には、ふたりの男性がソーシャルメディアでショッキングな話をシェアした。
公安省の人間がひとりの男性を蹴り、その友人が携帯で証拠としてその場面を撮影した。すると、ふたりは動画を拡散しないことを約束するまで警察からこっぴどく殴られたというのだ。
この事件は、警察で拘留中にひとりの男性が死んだすぐ後で起こった。その男性はフットマッサージの店で急に逮捕され、警官に殴られて独房で死んだのだ。
このスキャンダルは市民の怒りをかったが、警察権力によるこうした暴力の再発を防ぐためになにか具体的な対策がとられたわけではなかった。
13. パキスタン
警官による殴打はあまりにも日常茶飯事なので、そのことについてふれてもあまり意味がないかもしれない。2011年にカロタバードで起こった事件は悲惨だ。5人の外国人が、国境の検問所で自爆テロの疑いをかけられて、警官に射殺されたのだ。更には警察の公式見解に反する証言をした警察医が二度襲撃され、二度目に射殺された。
2015年には、検問所で制止しなかった二人の兄弟がやはり射殺された。両方のケースとも、犠牲者はただそこを通ろうとしていただけでまったくの丸腰だった。
アフガニスタン難民もまた、この国の警察の横暴をずっと証言していて、結局国を追い出された。逮捕や嫌がらせ、殴打は日課のようなもので、彼らが屈して退去に同意するまで毎日続けられたという。
12. ミャンマー
2015年、学生、僧侶、ジャーナリストが団結して、学問の自由を求めて抗議した。信じられないことに、それに対する答えは警察による暴力だった。200人の学生のデモ行進が500人の警官に阻止されたのだ。騒ぎがおさまったとき、学生の半分は牢に入れられた。
警察は学生たちに発砲し、大統領は武力を使ったことを正当化して、警察を擁護する声明を出さざるをえなくなった。政府はアメリカのファーガソン暴動事件(黒人少年射殺事件)を引き合いに出して、こうした抗議や不穏の兆候に対して断固として対処するためと言い訳した。
政府のメッセージは明らかだ。ミャンマーにおいて誰ひとりとして、反政府的な考えをもつことは許されない。反抗するなら、暴力と逮捕が待っているということなのだ。
11. 北朝鮮
情報が厳しく統制されているため、この国の中でなにが起こっているのかは本当のところはわからない。実際、わたしたちが知っていることは、ほとんど韓国など外国へ亡命した市民からの情報なのだ。声をあげている亡命者たちは、北朝鮮に残してきた友人や家族を危険にさらしていることがわかっている。
ラオスに逃げようとした9人の子どもたちは、中国国境警備隊に暴力をふるわれ、結局本国に送還された。その後、そのほとんどが処刑されたと言われている。
北朝鮮の刑務所に関する国連のショッキングな報告によると、囚人たちは意図的に飢えさせられ、強制的に労働させられ、拷問、暴行されるという。もちろん処刑されることもある。町の状態も良くなく、警察は最高指導者を喜ばせるために、その意向にかなうように行動しするという。
10. ブラジル
2015年、ブラジルはシリアよりも暴力による死者数が多かったことが判明している。それに一役買っているのは警察による蛮行だ。実際、2015年のリオデジャネイロでの殺人の5分の1は、警官によるものだ。。ファベーラなどスラム街を一掃するために、警察は社会から排除すべきとみなした人間を処刑する自由権限が与えられていて、ほぼすべての殺人が正当防衛と報告されている。
これが本当のことなのかどうか、現時点では不明だが、いつでも引き金を引きたがる警察の横暴は、町のギャングにひけをとらない。この国では今だ警察が目撃者を暴力で脅し、証拠をでっちあげる。
9. アフガニスタン
最近でこそ、警察がタリバンの脅威にいかに対応しているかが注目されるようになってきているが、容疑者をすぐに裁判にかけるというより、ほとんどを最初から有罪扱いして、さんざん殴りつけるという体質は抜けていないようだ。
2016年始めに出回った動画には、自爆テロ容疑をかけられた男性が後ろ手に縛られてパトカーにくくりつけられ、30メートルも引きずられて、警官に殴る蹴るされている様子が映っていた。警察署長のアブドゥル・ラジクは過去に拷問や殺人で糾弾された人物なので、カンダハル南部ではこんなことは珍しいことではないという。
8. イラン
2009年、アシュラの抗議デモのことに触れよう。これは暴力は禁止され、正義が行われるはずの神聖なアシュラの日に起こった。抗議デモに参加した人たちは治安部隊の武力によって迎えられ、私服警官は人々に直接発砲し、トラックが人々をなぎ倒した。
選挙に対する抗議の間これがずっと繰り返されたのだ。警官は警棒や棍棒、唐辛子スプレーや火器を使って、平和的なデモも暴動も一緒くたに封じ込めた。政府は公式な死亡者数は36名と発表したが、反対勢力はその数はもっと多いと主張している。
2015年は、イランはアメリカの黒人に対する警察の暴力についての会議を開催したが、これはこの国の警察権力についての真実を知っている人たちの怒りをかった。
7. ハイチ
ハイチの暴力は日常的なもので、この10年は虐殺や事件がかなり横行していて、先進国から相当な批判を浴びている。そのひとつの例に、ア・バッシュ島での事件がある。
この島を娯楽の場に変えようと目論んだ政府の職員が入り込んできて、正式な手続きもとらず、住民に告知することもなく、いきなりブルドーザーで家を壊し始めた。
住民が平和的な抗議デモを行って説明を求めると、新しい警察署長は話し合うどころか、住民を武力で黙らせる方針に出た。人権団体が現地に向かって話し合おうとしたが、一ヶ月の間に17人の男女や聖職者が棍棒で殴られ、踏んだり蹴ったりの暴力をふるわれた。
この暴力事件以来、住民には難聴や大量出血などの障害が出ている。地元の警察官などの地位のある抗議者は、ただ逮捕され追放された。
6. ケニア
2016年5月、ケニア警察は市民との衝突について激しい批判にさらされた。抗議デモの列に武力で対応したのだ。もちろんこれがはじめてのことではない。
あるジャーナリストの証言によると、ひとりの男性が通りの向こうまで追いかけられて、引き倒された。彼は動けなくなっていたのに、追いかけていた警官が棍棒が半分に折れるほど激しく殴り、何度も蹴った。そこにふたりの警官が加わったという。
警官たちは抗議者たちや野次馬を路地まで執拗に追いかけて、警棒で殴っていた。人々が近くの建物の中に逃げ込むと、そこにも警官が入り込んで彼らを追い立て、外で待っていた仲間の警官が逃げようとする人たちにまた殴る蹴るの暴行を加えた。
抵抗する者たちは政府によって骨抜きにされたのだ。彼らは、たとえ自分の命を危険にさらしても街頭で声をあげ続ける。この国に広くはびこる不満があるからだ。
5. ロシア
この国の警察の暴力はあまりにも日常茶飯事なので、特に報道もされない。とロシア市民自身が言っている。ロシアの警察は好きなときに暴力を行使すると諦め顔だ。
刑務所の状況は特にひどく、最近ニュースになったケースでは、1970年代にそこそこ成功したバンドのドラマーだったセルゲイ・ペストフの事件がある。2015年9月、ペストフがモスクワ近くの自宅のガレージでドラムを叩いていたところ、いきなり警察がなだれ込んできて逮捕された。
仲間のミュージシャンのエカテリーナ・シェルビナによると、警官はガレージに入ってくるなり、ペストフを殴り始め、ひとりが後頭部を殴ったので、彼の鼻から血が噴き出したという。それからペストフは自分のベルトで縛り上げられ、ドラッグ売買の疑いで警察に拘留された。
翌朝、セルゲイの妻は病院のベッドの上で冷たくなった夫と対面しなくてはならなくなった。警察は真夜中にペストフを釈放したと言っているが、家に戻ってきたときにはすでに彼は具合が悪くなっていた。人権団体はこ
の話を鵜呑みにはしないだろう。
4. ソマリア
世界でもっとも腐敗した警察のひとつとして知られる。警察組織はほとんど機能していないといってよく、犯罪が行われても、警官は賄賂を受け取って、ほとんど見て見ぬふりをする。警官の給料は安く、彼らは市民を金ヅルだとみなしているそうだ。取り調べの最中に、無実の市民を虐待するのはもちろん盗みもいとわず、警察の暴力は手に負えない。
さらに、2009年にはドイツ政府による警察訓練の後、1000人ものソマリアの警官が突然姿を消した。彼らは逃亡してISに加入したと考えられている。こうした蛮行を一掃しようという努力もなされているが、いまだに腐敗と暴力は健在で、市民にとってもっとも危険な国のひとつになっている。
3. エジプト
2004年、元CIA工作員ロバート・ベアは、エジプトはこの世から抹殺したい人間を送り込むのに最適な国だと言った。それから、アラブの春が起こり、事態はさらに悪くなるばかりになった。この国の警察の暴力件数はうなぎのぼりで、留まる兆しもない。
2015年には1250人の人が消されたと言われている。267人が捜査や裁判もなく警察によって殺され、4万人が政治犯として拘留された。この数字は人権団体がまとめたものだが、実際にはもっと多いと考えられている。
暴力被害者のリハビリのための組織ナディーム・センターは、この年に起こった600件以上の拷問の報告書をまとめたが、そのために許可なしに海外から資金提供を受けたとして取り調べを受けた。残念なことに、これまで警察の暴力を止める有効な解決策はない。特に、追放されたムバラク前大統領が抗議者や反対勢力に甘かったせいで、こういう事態を招いたと考えている現政権下では厳しい。
2. 南アフリカ
この国で警察による殺人は2014年よりも2015年のほうが増えている。殺人のみならず、制服警官の蛮行事件は増える一方だ。これには拷問や暴行も含まれる。警察に対する市民による責任訴訟がすべてが認められたら、警察の予算はすべて吹っ飛んでしまうくらいだ。
2015年には警察の拘留中の死亡者は244人、警官が絡んだ暴行事件は124件、勤務中の暴行は42件、拷問は145件で、前年よりも50%近く増加している。抗議してもゴム弾などの武器で対抗してくる警察の蛮行は、アパルトヘイト以来ずっと続いている問題なのは明らかだ。
1. アメリカ
アメリカでの警察の蛮行は、市民が情報を発し、大々的に報道されることからよく聞くことだろう。特に911以降、警官が少しでも容疑者が危険かもしれないと思ったら、射殺しても咎められないという風潮がはびこってきた。
警察での拘留中の死を含め、問題のある発砲は数えきれないくらいあり、これが暴動や非難の広がりのき
っかけになっている。最近の例では、2014年のファーガスンでの黒人少年マイケル・ブラウンの射殺事件、アルトン・スターリング、フィランド・キャスティル、グレゴリー・ガンの殺害事件などだ。こうした蛮行が全国的な抗議につながり、ブラック・ライブス・マター運動は、警察の蛮行の多くは人種差別が動機だとはばかることなく言っている。
15 Countries With The Most Police Brutality/ translated konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
日本が抜けてるよ。
2. 匿名処理班
無さ過ぎてもあり過ぎてもダメか
3.
4.
5.
6. 匿名処理班
権力の暴走に抗議し立ち上がる国民がいるのであれば、まだ望みがある。
権力の暴走に気付かず、容認してしまう雰囲気こそが恐ろしい。
どんな国家においても、権力と武力が国民に牙を剥きうるということを、肝に銘じておかねばならないと思う。
7. 匿名処理班
前から感じ始めていたけれど、
人類はこの2〜3000年、文化的精神的進歩なんてこれっぽっちもしてない気がするよ。なにひとつ。
テクノロジーや医療、土地の開拓、宇宙への探検などばかりがもてはやされるけど、人の心は、野蛮性残虐性はなにも変わっちゃいない。
8. 匿名処理班
またも警察の不祥事
9. 匿名処理班
Grand Theft Autoみたいにすぐ射殺してくる警察が本当にいるのか....
日本の警察の汚職や着服が可愛く見えてくるw
10. 匿名処理班
権力の後ろ盾があると偉くなったと錯覚するのが人間の弱いところだね
11. 匿名処理班
警察が指定暴力団に荷担して合法的なデモを弾圧する国もあるらしいよ
12.
13. 匿名処理班
警官による理不尽な理由の暴力や射殺事件が許されないのは当たり前だが、今のアメリカみたいに市民が敏感すぎるのも問題だよな
白人とマイノリティの間で過去に起きた様々なことが関係してて、信用できないところもあるのは理解できるけど「マイノリティが警官に何かされた」というだけでいきなりデモが起きたり暴動に発展したりするのは毎回どうかと思う
感情に流されず、その事件の背景とか警官の行動に正当性があったかとかそういう大事な部分を考慮して、それでも不当であると感じた時に抗議するという冷静さも大切なんじゃないかと
14. 匿名処理班
車庫申請とかで警察署いくとめっちゃ高圧的で腹立つ。
15. 匿名処理班
中南米とかヤバそうなのに全然はいってないけどあそこらへんは民間もやばいからかな
16. 匿名処理班
※1
釣り針でかすぎぃ!
日本入れたら世界中のほぼ全ての国を載せなきゃいけないよw
17. 匿名処理班
やはりアメリカが落ちだったか
18. 匿名処理班
麻薬組織に買収されたり、警察そのものが麻薬取引に手を染めてる国が中南米にはたくさんあるね
19.
20. 匿名処理班
フィリピンは?
21. 匿名処理班
それだけモラルが低いんだよ
22. 匿名処理班
メキシコは?
23.
24. 匿名処理班
一位はフィリピンだろうなぁと思ったらまさかのアメリカだったか
日本って外国と比べると警察の権力が妙に低く感じるよ
まぁこの方がリラックスできていいね…なんか外国で田舎の方だと警官に挨拶することから始めないといけないし
25. 匿名処理班
死刑廃止を宣言している国でも裁判なしで死刑やり放題・・。
26. 匿名処理班
タイがないからやり直し
あそこはようやく最近、汚職撲滅に取り組みはじめたが。
それでも軍と警察の権限が非常に強く、逆らったら報復で人生終わり。
被害者が外国人(日本人含む)で「これ殺人事件だろ」という状況でも、平然と自殺か事故で片づける国。
27. 匿名処理班
実は俺は警察の世話になったことがあるんだ・・・道案内でw
そうすると今まで三回くらい尋ねたことがあるけど、誰もめんどくさそうにもせず、穏やかな口調で教えてくれた
日本の警察に対して全く不満がない訳ではない、この前強姦した医大生の名前が出ない理由だって不明なままだ
警察のいじめで拳銃自殺した人も多い
でも真面目に働いて、地域の治安を守ってくれている人には本当に感謝している
インフラもそうだけど、当たり前のありがたさって意識しないと中々気づきにくい
28. 匿名処理班
ざっと見たけど、警察というより警察を手駒にした政府の圧政がほとんどのような。
29.
30.
31.
32.