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狐娘「家に転がり込んでやったわ」|エレファント速報:SSまとめブログ

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狐娘「家に転がり込んでやったわ」

1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:11:45.17 ID:zdqez+tN0

狐娘「うむ」

青年「うむ。じゃねぇよ」



2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:13:50.10 ID:zdqez+tN0

*

狐娘「くっ……ここはもう持たん!わしに任せて逃げるんじゃ!」

狐娘『なっ……お前!一緒に生きて帰ろうと約束しただろう!』

狐娘「……そんな約束、わしの記憶には無いの」

狐娘『っ…!お前……』

狐娘「わしより、ぬしが生き残る方がよい」

狐娘『……お前の骨なんて拾いたくないからな…!』グス

狐娘「わしも、ぬしの骨を拾いたくはないからの」

狐娘「さぁゆけ!わしのことは気にせ―――――んがっ?!」ゴスッ



青年「お前は何をやってるんだ」

狐娘「いったた……ぬしは知らんのかや?犠牲ごっこを」

青年「犠牲…?」

狐娘「古くから続く因縁……その犠牲じゃよ」

青年「犠牲……」






青年「って。その犠牲ごっことやらをするのは構わん、だがな」



3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:15:18.39 ID:zdqez+tN0

青年「夜遅くに大声出してドタドタと騒いでたら近所迷惑だろうが!」

青年「しかも一匹二役とか無理があるだろ」

狐娘「ちっちっち。わしはこれでも、‘‘恥辱の化け狐’’と言う異名を持つんじゃぞ?」ニヤ

青年「それバカにされてるだろ」

狐娘「ば、バカになどされておらん!」

青年「はいはい。洗面所で籠城してないで、風呂に入るぞ」グイ

狐娘「うぎぎ……嫌じゃぁ…!」グググ

青年「なんでだよ!オレの言うこと聞くって言っただろ!」

狐娘「……ぬしとは、その……恥ずいのじゃ///」

青年「元はと言えば、おめーがいつもフザケて風呂に入るからだろ」

青年「この前だって―――



4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:16:46.63 ID:zdqez+tN0

―――


狐娘『ククク……見よ!力がみなぎってくるわ!』ニヤリ

狐娘『余りの大きさに、わしの力が白く具現化しておる……』ホカホカ

狐娘『ぬしよ、しかとその目に焼き付け―――

狐娘『む?…にゃ、にゃんでしょこに……』ボンッ

狐娘『み、見るな!!』

青年『いや見ろって言ったのお前じゃん』


―――


青年「なんて風呂上がりに鏡の前でフザケて、何度もお湯を浴び続けてたやつが何を恥ずかしがってんだよ」

狐娘「わしだって乙女じゃからの」

青年「オレより何倍も歳が上とか威張ってた癖に、どの口が言ってんだ」

狐娘「歳は上じゃが、心と体は……オ ト メっ じゃよっ」

青年「ふんっ」ズムッ

狐娘「ぅごっ……乙女の腹を殴るとは……」



5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:19:33.31 ID:zdqez+tN0

青年「言い方に気をつけたまへよ。この家の主はオレだからな」

狐娘「つまるところ、わしはこの家の大狐柱じゃな」フンス

青年「じゃな。じゃねぇよ、意味わからんわ」

狐娘「……」パクパク

青年「『あ』『ほ』ってそれはお前がだっつの!喋れよ!」

狐娘「こんこんっ♪」ウワメ

青年「媚びても風呂は入ってもらうからな」

狐娘「ちっ、小童の癖に図に乗りおって」




狐娘「う"っ!」ガク

青年「っ!どうした!?」

狐娘「う"ぅっ……」

青年「ど、どこか痛いのか!?どうすれば……狐のことなんてオレ―――

狐娘「う……ぅ……ぅ」

青年「う、う…?」







狐娘「産まれるぅ……なんつっての―――



 ドガシャァ!!


狐娘「」

青年「今度フザケたら叩き出すからな」



6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:22:55.28 ID:zdqez+tN0

*

狐娘「ぬしよ、上がったぞ」ホカホカ

青年「おーう。ちゃんと入ってきたみたいだな」

狐娘「うむ。じゃから、はよぅ乾かせ」ススッ

青年「へいへい。そこ座ってくれ」カチ

狐娘「ほーぉ……この温風は心地がよいのぅ」ボォォー

青年「ドライヤーくらい自分で―――使わせたら火傷しそうだよなぁ……」

青年「ってお前、髪ビチャビチャじゃん」

狐娘「こうやって頭を振れば……」フルフル


 ビチチチッ

青年「バカヤロッ!周りに散りまくるからやめろ!」

狐娘「わしの物は無いぞ?」

青年「オレの物があるだろ!」

狐娘「全く、オスの癖して細かいやつじゃな」

青年「あーもう怒った」

狐娘「ふん。ぬしが怒ったところで、たかが知れておるわ」

青年「へー、そういうこと言うんだ」







青年「保健所に引き取ってもらう」

狐娘「やめい」



7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:25:57.52 ID:zdqez+tN0

*

青年「そろそろ電気消すぞ」



狐娘「本当に消してもよいのか?」

青年「何が言いたい」

狐娘「ふっ……まだわからぬのか?」

青年「……」

狐娘「くくっ。ぬしはその明かりの中でしか生きられぬのではないか? と言っておるのじゃよ」ニヤリ

青年「……」






青年「それお前じゃん」

狐娘「頼むぅ……消さないでおくれ……」ガバッ

青年「はぁ、一番小さいのつけといてやるよ」

狐娘「まっ、それが妥当じゃな」

青年「こいつ……」イラッ




青年「……」パッ

狐娘「ぐすん」


青年「……」ピカ

狐娘「おほーっ」


青年「……」パッ

狐娘「……ぐすん」


青年「あほらし、寝よ」

狐娘「せめて小さいのを点けてから寝てくれんか……」



8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:29:08.78 ID:zdqez+tN0

青年「オレは明日仕事なの」

狐娘「わしにそんなものは無い」

青年「オ レ が!なの!」

青年「もう寝るからな」モゾモゾ

狐娘「……」
 





狐娘「……」ペシンペシン

青年「……」




狐娘「……ぐすん」ペシン

青年「わかったわかった、布団に入っていいから尻尾で叩くのやめてくれ」

狐娘「この線からこっちがわしの領地じゃな!」ゴソゴソ

青年「人様の布団に入り込んでおいて、領地とか言い出したぞこの狐」

狐娘「むっ!わしの領地に侵入しおったな」

青年「だったらなんだよ」

狐娘「そうじゃな……何か罰を与えんとのぅ」

青年「罰?」

狐娘「……そうじゃ。ぬしよ、片腕を差し出せ」

青年「お、お前……侵入しただけで片腕もぎ取るのか!?」

狐娘「何を言っておる、ただ少しこちらに出せと言っておるだけじゃ」

青年「…?こう、か?」スッ

狐娘「うむ。…なかなかよい枕じゃな」ギュ

青年「……」






青年「……まぁ、いいか」



9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:34:49.03 ID:zdqez+tN0

*


「ちゅんちゅんっ」

青年「う、ん…?もう、朝か」



 




狐娘「ちゅんちゅんっちゅんっ」

青年「お前かよ。てっきり鳥かと思ったわ」

狐娘「腹が減った」

青年「……まだ四時かよ勘弁してくれ……」モゾモゾ

狐娘『ぐーぐー』

狐娘「むむ?どうしたんじゃ、わしの腹よ」

狐娘『お腹減ったのぅ、野垂れ死にそうじゃぁ』

狐娘「これはいかん!……しかし、ここに食い物は無くての……くそぅ」

狐娘『えーんえーん、お腹減ったよぉママー』

狐娘「すまんのぅ、すまんのぅ…………ちらっ」

青年「はいはい、作れば良いんだろ作れば」

青年「つーか、何で途中から子供っぽいのが出てきたんだよ。ていうか腹が喋るってなんだよ」

青年「ったく。放っておいたらずっと一人コントしだすし、寝ようにも寝れないっつーの」

狐娘「ほほぅ、コンと狐をかけたんじゃな。こんこんっ♪」

青年「飯作るから、ほんともうマジで黙ってて……」

狐娘「……」パクパク

青年「『め』『し』って、わかっとるわ!」



10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:43:29.43 ID:zdqez+tN0


*

青年「ほらよ、きつねうどん」コト

狐娘「おほーっ!いただくぞっ」ズルル

狐娘「うまうま……美味じゃわ!」

青年「朝からよく入るなぁ。あと、本当に油揚げ好きなんだな」

狐娘「同族には、コレが嫌いな者も居るぞ」

狐娘「ま、わしは好きじゃがな」ハムハム

青年「さいですか」

狐娘「ところで、なにゆえコレは‘‘きつねうどん’’と言うのじゃ?」

青年「それはな……」

狐娘「それは…?」





青年「狐の肉から取ったスープ、狐の肉をすり潰して作った油揚げ、そして狐をふんだんに使ったその麺で作るからだよ」ニヤ

狐娘「」カラン…



11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:44:50.07 ID:zdqez+tN0

青年 (狐肉の油揚げなんて知らんけど)

青年「オレはきつねうどんを作るのが好きでな」

青年「今度はもっと美味いのを作ってやるよ。そのきつねうどんの前に、お前が居るかはわからないけどなぁ?」ニヤ

狐娘「き、狐殺し……」グス

青年「オレが何でお前にこうやって飯を食わせてるからわかるか?」

狐娘「……」ゴクリ

青年「お前を良い感じに太らせて、肉を美味くする為さ」

狐娘「は、はは……またまた、ぬしは冗談が上手いの……このきつねうどんのようにな」ガタガタ

青年「そうだな。今度は超美味いきつねうどんが作れそうだ」

狐娘「わ、わしを殺すと末代まで呪うからの!」

青年「ノロいお前が呪いなんて高度なことできるとは思えないが」

青年「せいぜいオレの為に肥えてくれよな」

狐娘「くぅ……わしは負けん!抗ってみせる!」



12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/06(木) 20:48:11.59 ID:zdqez+tN0


*

青年「じゃあオレは仕事行ってくるからな」

青年「絶対置いてある物に触るなよ!絶対にだぞ!」

狐娘「わかっておる……フリじゃろ?‘‘てれび’’とやらでわしは観たぞ」

青年「フリじゃねーよ!マジで触んなよ!」

狐娘「くふふっ……わかっておる、わかっておる」ニヤニヤ

青年「……」

狐娘「どうした?はよ