9432561救世主だった爆買い中国人が去った後、百貨店は窮地に立たされている。老舗百貨店の多くは都心部に店舗を構えているため、多くの客を呼び寄せられなければ生き残っていくことはできない。百貨店は、どこも生き残りに必死だ。背に腹は代えられない百貨店は・・



ただのショッピングモール化する有名百貨店


背に腹は代えられない百貨店は、これまでの経営方針とはまったく異なる戦略をとり始めている。それが、郊外に店舗を持つカテゴリーキラー(特定の商品カテゴリーを豊富に取り揃え、低価格で販売する業態の小売店)を続々と入居させるというものだ。

広大な郊外型店舗で格安家具・インテリア雑貨などを販売するニトリは、15年4月に東京・銀座のプランタン銀座に進出して話題を振りまいた。その後、今年10月には上野のマルイにも出店を果たしている。

百貨店が招き入れる“異端者”は、ニトリだけではない。ファストファッションの代名詞的存在のユニクロ、デフレ時代の申し子ともいえる100円ショップなど、老舗百貨店のカラーとは異なる業態が、近年になって続々と進出している。


外国人客や再開発が背景に 百貨店のリニューアル相次ぐ



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流通アナリストの渡辺広明氏 「低価格を売りにしたショップが高級路線の百貨店に出店するようになった最大の理由は、なんといっても百貨店のマーチャンダイジング(MD)力が低下し、さらにそれを放置してきたからです。

百貨店が小売業の主役だった1980年代までは、商品をどう陳列してどう宣伝するか、消費者にどう訴求していくか、といった戦略を百貨店側が綿密に練っていました。そうしたMDによって、消費者は百貨店での買い物に刺激を受け、百貨店で買い物することに喜びを見いだしていたのです。

しかし、出店テナントのリスクのない委託販売に依存したことなどにより、自社売場のMD力が落ちたことで百貨店の魅力は失われ、その後も効果的な方策を打つことを怠りました。

そして、売り上げを回復させようとするあまり、百貨店は世間で人気がある店を入居させるようになったのです。その結果、百貨店はもはや“都心にあるショッピングモール”という存在になりつつあります」・・


デパートの売り上げ支えた爆買い 減速続く