打ち合わせで編集部に行った際に『Seem』と書かれた小さな箱をもらいました。パッケージをよく見るとスマホでできる、精子セルフチェックと書いてあるではないですか。そうです、これはスマートフォンのカメラを使って、自分の精子を測定できるキットなのです。
確かに自分の精子の動きがどうなっているのか、調べたことのある人は少ないでしょう。筆者もそんな経験はありません。これは良い機会ということで、Seemを使って実際に精子の動きを調べてみました!
男性の妊活の第一歩となるよう作られたseem
一緒に受け取ったseemのパンフレットによると、WHOの調査で不妊の原因の約半分が男性にあることが判明しているものの、不妊治療の現場では女性が主導で、男性の妊活への参加が遅れているとのこと。そして、女性と比べて男性の不妊治療を行っているクリニックが非常に少ないこともその要因の一つとされています。この現状を踏まえ、男性でもセルフチェックが手軽にできるようにと開発されたのがSeemです。
カンタンなプロセスで手軽にセルフチェック
タバコの箱と同じくらいの箱をスライドさせると、小さなパッケージが入っており、それを明けるとカップとバーコードが書かれた紙、そしてレンズが付いたプレートが入っています。
▲測定チケットのバーコードが描かれた紙とレンズ。サイド部分は切り取って採取棒として使います。
▲採取用のカップ。小学校時代の尿検査を思い出すフォルムです。
スマホ顕微鏡レンズはプレートにレンズが埋め込まれているもので、レンズ部分には薄いカバーが装着されています。このカバーは10マイクロメートルだけ浮いているそうです。実はあまり空きすぎていると、精子が中で重なってしまい、動きが悪くなってしまうのだとか。そのため。精子が1匹だけ通ることができる幅、つまり10マイクロメートルだけ浮いているのだそうです。この特殊な形状のため、再利用することはできません。
内容物を確認したところで、次は専用のアプリをダウンロード。アプリはApp storeで無料でダウンロードすることができます。
アプリを起動すると、まず測定チケットのバーコードを読み込みます。この測定チケットは一回使い切りとなっており、一度測定結果まで進むと再使用不可。使用する際は注意です。チケットを読み込んだ後は、表示される手順に従って精液の採取から測定までを行います。
▲画面に表示される手順に沿うだけ。
手順どおり、まずはカップに精液を採取し、液化するまで15~30分間待ちます。筆者の場合は20分ほど待ちました。液化したらカップを回して気泡が入らないようにし、採取棒を使ってスマホ顕微鏡レンズに流し込みます。このときしっかりと液状化していないとうまく中央まで流れ込まないこともあるので注意しましょう。
採取からレンズに流し込むまでの写真はあまりにも生々しいのでカット。しかし「本当にこれで精子の動きが分かるの?」と訝しく思ってしまうほどカンタンです。
▲ちょっとズレるとまったく見えなくなります。テクニックがいる場面。
レンズに流し込んだら、カメラに顕微鏡部分を合わせます。顕微鏡の穴は非常に小さいので、うまく位置を合わせ、光の加減も調整しないといけません。これがかなり難しい。それでもなんとかうまく位置調整をし、自分の精子を見ることができました。試しに動画も撮影してみました。
※閲覧注意です ▲実際の動画です。なんか数匹しか動いていないような!?
かなり分かりにくいのですが、よく見るとおたまじゃくしのようなものが数匹ちょろちょろとしています。他にもおたまじゃくし型のものがいるのが分かりますが、ニョロニョロとは動いていないようです。もしかすると筆者の精子は何らかの問題があるのかもしれません。
この後は撮影した動画を元に濃度や精子の運動率を測定します。測定結果は早ければ数分で出ますが、動画が正しく撮影されていない場合は、測定結果に「測定エラー」と表示されます。その場合はレンズを正しくセットするなどして再撮影しましょう。
筆者の場合はエラーがでることなく、無事に結果が出たのですが・・・・・・。
▲正しく撮影できていた場合は、このように濃度や運動率などが表示されます。
動画撮影している時点で、怪しい予感はしていましたが、まさかの運動率0.0%。これは厳しい。
▲結果をWHOの基準と照らし合わせて、自分の精子が如何なものか知ることができます。
一応基準は確認しましたが、照らし合わせるまでもなく筆者の精子は活発ではないようです。思わぬ結果が出てしまい若干ショックではありますが、これを機会に専門の病院に行ってみることにします。
1キット6980円(税別)と決して安くはありませんが、実際に使ってみることで、男性の妊活への意識を変えるに十分なポテンシャルを秘めていることを身をもって知ることができました。動きは悪かったものの、自分の精子の動きがこれほど手軽に見られるのは衝撃です。男性の皆さんは、興味本位でもいいので、ぜひ一度使ってみてほしいところです。