引用元: モバP「ファイヤーボンバーバーニング」

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:30:30.66 ID:vShPWxyyo


D「さぁーさ、Pさん! 次行きましょ、次っ!」

D「何にしましょーかね? ラーメンいっちゃいます?」

D「あでもラーメンはまだ早いっすよね! 〆ですもんね!」

P「いや、あの……うっぷ」

D「それともアレすか? やっぱ女のコがいた方がいいっすかね?」

D「自分そういう店も詳しいっすよ! ちょっと待っててくださいね、この近くに――」

P「いえ、すいません」

P「今日はそろそろお暇しようかと……」


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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:31:23.55 ID:vShPWxyyo

D「は?」

D「いやいやまだ二軒回っただけっすよ?」

D「いつもはもっと付き合ってくれるじゃないすか、なんだつれないなー」

P「明日早いんです、終電もありますし――」

D「ぶははっ! 終電! いや、面白いなーPさんは!」

P「え?」

D「まあまあいざとなったらタクシーでも何でも呼べばいいじゃないっすか!」

D「そんなん気にしてたらプロデューサー業なんて勤まらないっすよ!」

D「むしろこっちが本分ですって! 言うでしょ? 飲みニケーションって」

P「飲みニ……?」




3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:32:38.04 ID:vShPWxyyo

D「そ、プロデューサー業は人脈が命!」

D「接待してコネ作ってナンボの世界っすからね!」

D「飲みニケーションの一つや二つできないとやっていけないっすよね! わかってますわかってます!」

P「はあ……」

D「いやほんと大変っすよね! 俺同情しちゃいますわ!」

D「しゃーない! いいっすよ! そういうことならとことん付き合いますわ!」

P「は?」

D「Pさんのコミュ力向上のためにね! 不肖私めが朝までレクチャーしてあげますよ!」

P「え?」

D「そうとわかれば善は急げ! さぁさ、行きましょ行きましょ!」グイグイ

P「ちょ、あの、あんま揺らさないでください。行きます、行きますから」

P「うえっぷ……はぁ」

P「いいのかな、俺こんなことしてて……」

D「なーにいってんすか! いいんすよこれで!」

D「短い人生、楽しんだもん勝ちですって!!」






4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:33:20.53 ID:vShPWxyyo


――――
――翌朝



P「う……」

P「だめだこれ、予想外に残って――ん?」


ドドドドドド……


茜「ぶぁあああーーーーにんぐっ!!」

茜「Pさんっ!! おはようございまああああーーーっ!」


ドガシャーーン!!


P「おはよう、茜」




5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:36:51.20 ID:vShPWxyyo


ガバッ!


茜「はいっ! Pさん、おはようございますっ!」

茜「快晴! 快適! いい陽気! 今日は本当、いい天気ですねっ!」

茜「思わず走り出したくなってしまいますね! 走り出したくなってきませんか!?」

P「ごめん、体調悪くて走れそうもない」

P「茜、今日は早朝レッスンだろ? いいよ先に行ってて」

P「俺、トレーナーさんと打ち合わせあるからさ、その後で見に行くよ」

茜「はい! わっかりました!」

茜「それではまた後ほど! 失礼しますっ! うおおおっ!!」

茜「ぼんばーーーっ!!」


ドドドドドド……


P「足下気をつけてなー」

P「……元気だな、本当」





6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:37:57.96 ID:vShPWxyyo

―――
――


P「……十曲?」

マス「うむ」

P「一週間でですか?」

マス「そうだ」

マス「次のライブまでに全曲マスターさせる」




7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:38:36.18 ID:vShPWxyyo

P「キツくないですか?」

マス「曲自体は三人とも知っているものだよ」

マス「観客の前で演ったこともある」

マス「ただ振り付けが変わるだけだ、心配には及ばない」

P「しかし、一週間はあまりに――」

マス「短い、と?」

P「そう思います」

P「ポジパも忙しいですし、全体練習の時間も限られてる」

P「今日だって朝しか集まれないからって、早朝レッスンしてるわけで」

P「できればもうちょい余裕を持ってですね……」

マス「ふむ」

マス「私には長いくらいに見えるがね」

マス「どうやらP殿は自身のアイドルを過小評価しているようだ」




8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:39:20.52 ID:vShPWxyyo

P「過小……そうかな?」

マス「P殿、若者の吸収力を侮ってはいけないよ」

マス「一を聞いて十を知るという言葉があるだろう」

マス「あのくらいの年の子はみんなそうさ」

マス「三日も経てば見違えるし、一週間もすれば別人になる」

P「確かに若い時は何でもすぐに覚えられましたけど……」

マス「だろう? 今の私たちと比較するから駄目なんだ」

マス「我々とは密度が違うんだよ、時間の密度がね」




9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:40:14.10 ID:vShPWxyyo

P「時間の密度、ですか」

マス「そう、だから私は一週間でも長いくらいだと思っている」

マス「五日、いやそれこそ三日でいいんじゃないか?」

マス「どうだろうP殿、三日で全曲マスターというのは」

P「いやいやいや」

P「流石にそれはやめてあげてください、藍子とかぶっ倒れちゃいますよ」

マス「そうか? ふふ、全くP殿は過保護だな」

P「マストレさんはスパルタ過ぎますって……」


ヴー ヴー


P「ん? 俺のスマホか」

P「すいません、ちょっと失礼します」




10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:40:58.11 ID:vShPWxyyo

P「はい、もしもし」

P「あ、Dさんですか。はい、はい、昨日はどうも」

P「そうですね、また誘っていただければ……え? 明後日?」

マス「……」

P「いえ、そんな、予定確認してみますね、え?」

P「あ、ちょ、Dさん、Dさん?」

P「……切れた」

P「まいったな、もう」

マス「P殿もご多忙なようで、なによりだ」

P「はは、いや、まあこれも――」

マス「仕事のうち、と?」

P「……」

マス「まあいい、私は口出しできる立場にないからな」

マス「そのかわり、彼女たちのレッスンは任せてもらおう」

マス「必ず一週間で形にしてみせるよ」

P「……わかりました、よろしくお願いします」




11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:41:38.59 ID:vShPWxyyo

――――
――夕刻


P「……二日酔い、治らんな」

P「明後日はまた飲み会らしいし」

P「はよ帰って寝――」


ドドドドドド……


茜「Pさーーーんっ!!」


ドゴォッ!!


P「ごふっ」




12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:42:54.04 ID:vShPWxyyo

茜「今お帰りですかっ!! よ、よければっ!!」

茜「よければ私と一緒に、一緒に!」

茜「一緒にっ! 帰り! ませんかっ!!」

P「」

茜「Pさんっ?」

P「おう、大丈夫、帰る、帰ろう」

P「でもちょっと待ってな、あの、息が、げほっ……いいタックルだよ、本当」

茜「ホントですか! ありがとうございますっ!」

茜「きたえてますからね! これもトレーニングのたまものですっ!」

P「何本か持って行かれたかと思った」




13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:43:28.73 ID:vShPWxyyo


―――
――


茜「1、2、3、4……」タッタッタ…

茜「1、2、3……ターンッ!」クルッ

P「おー」パチパチ

P「すごい、それ今日覚えたやつ?」

P「完璧じゃん」




14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:44:06.82 ID:vShPWxyyo

茜「いえいえっ! まだまだです!!」

茜「ここでこう、テンポを落とさなくてはならないのですが……」

茜「これが苦手でして、ほっほっ……ほあっ!」タッタッタタッ

P「あー」

P「ちょっと速いかな」

茜「うー! なかなかうまく行きませんねっ!」

茜「こういうのは未央ちゃんが上手なんですよっ! ぱぱぱっとこう、鮮やかなんですっ!」

P「ほお」

茜「明日お二人に教えてもらいましょうっ!!」

茜「そのためにも今日は復習、復習ですっ! やるぞーっ!」




15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:44:54.85 ID:vShPWxyyo

P「帰ってからも自主練か」

P「悪いな、こんな過密スケジュールで」

茜「いいえっ! なんてことありませんっ!」

茜「私今、燃えていますからっ!!」

P「燃えてる?」

茜「はい! 燃えているときは疲れなんて感じませんっ!」

茜「次から次へとパワーが溢れてきて、常に全力でいられるんです!」

P「へえ」

P「アドレナリンでも出てるんだろうか」

茜「それだけじゃないんですよ! バーニング時にはですね……」

P(バーニング時?)

茜「いつもよりご飯がおいしくなるんですっ!」

茜「さらにっ! 夜もぐっすり眠れるようになるんですよ!!」

茜「すごい! これってすごくないですか!?」

P「すごい」




16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:45:27.42 ID:vShPWxyyo

P「快眠、快食、疲れ知らずってわけだ」

P「うらやましいな。俺もあやかりたい」

P「特に最近寝不足だからな」

茜「Pさんも熱くなればいいんです!」

茜「一緒にバーニング、しましょう!!」

P「バーニング、したいな」

P「どうすればいいんだろうな」

茜「? どうすれば、ですか?」

P「うん、どうすれば熱くなれる?」

P「どうやったら茜みたいになれるだろう」




17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:46:24.81 ID:vShPWxyyo

茜「なんだ、そんなことですか!!」

茜「簡単ですよ! 己の信念に従えばいいのです!!」

P「信念?」

茜「はい! 魂の赴くまま、自分を偽らなければいいのです!!」

茜「私はこれが好き! こうしたい! こうなりたい! と全力で叫べばよいのです!」

茜「そうすれば自ずとハートに火が点いて、勢いよく燃え上がりますよ!!」

P「なるほど」

P「それができたら、どんなに楽なことだろうな」

茜「えっ?」

P「いや、なんでもない」

P「……ところで、こんなとこまで来ちゃったけど、大丈夫か?」

茜「へっ?」

P「茜、帰り道そっちじゃなかった?」

P「このまま行くと駅だけど……」




18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:47:03.80 ID:vShPWxyyo

茜「あ……ああっ! うっかりしてました!!」

茜「すみません、Pさんっ!! 私、こっちでした!!」

茜「あのっ! 今日は本当にありがとうございました!」

P「おう、練習頑張ってな」

P「あんまりマストレさんが無理言うようだったら相談してくれ」

P「こっちでどうにか対応するから」

茜「はいっ!! それではまた明日!」

茜「失礼しますっ!! うぉぉぉっ、ぼんばーー!!」


ダダダダダッ……


P「転ぶなよー」

P「……もう見えなくなった」

P「はぁ」

P「明日も仕事か、それに明後日は……」

P「……信念、信念か」

P「そんなもんがあるのかな、俺に」




19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:47:38.80 ID:vShPWxyyo


―――
―――――





20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:48:06.92 ID:vShPWxyyo


D「Pさんだってうすうす感づいてんでしょーっ!」

D「うちらの人生、もう大勢決してんですわ!」

D「今さらマジになったところで、なにも変わりゃしないんすわ!!」

D「この下らない現実に乾杯しましょ乾杯っ!!」




21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:49:03.96 ID:vShPWxyyo

P「Dさん、少しペース落としたほうが……」

D「まあまあ聞いてくださいよPちゃん! ね! ホラ座って!!」

P「(Pちゃん?)」

D「なあ、Pちゃん今何年目よ?」

P「何年……、五年目くらいですかね」

D「五年ね! それくらい経ちゃあもう何となく分かってくるっしょ!」

D「自分の立ち位置って奴がさ!」

P「立ち位置?」




22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:49:41.87 ID:vShPWxyyo

D「例えばPちゃんはさあ、将来自分が社長になれると思う?」

P「なんですかいきなり」

D「まあ答えなって」

P「……いや、社長はどうですかね。なれるなれないとか以前に」

P「自分には器じゃないかなって気がします」

D「"器じゃない"! それよそれ! Pちゃんいい言葉知ってるね!!」

P「はあ」

D「そう、もうこの年になると悟っちゃうわけよ!」

D「自分の能力の限界ってやつをさ!」




23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:50:37.67 ID:vShPWxyyo

D「あくせく働いても、八方美人に媚売っても」

D「越えられない壁ってのはやっぱあるわけよ!」

P「……」

D「俺なんかいい例よ? ディレクターまでは速かったのにさあ」

D「そっから十年、今に至るまで何の音沙汰もないわけ!」

D「十年だぜ十年! Pちゃん信じられる?」

P「いえ……」

D「その間どんどん若手に追い抜かれていってよ」

D「あんな小さかったガキが高校に通うまでになっちまった」

D「なんかもうアホらしくなってさあ、ついには気付いちゃったのよね」

D「結局、そうなんだなって」

D「器じゃないやつが必死になったところで、なんも変わりゃしないんだなって」




24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:51:14.88 ID:vShPWxyyo

P「……」

D「まあまだPちゃんは若いかもしんねえけどさ!」

D「二十も後半なら人生、ほぼ決まったようなもんだって!」

D「今から何かになろうなんて考えるだけ無駄無駄!」

D「これから野球選手になろうとか、パイロットになろうとかぜってー無理っしょ?」

D「バカ正直に夢追いかけたって、それこそバカを見るだけっすわ!」

P「そう、ですかね」




25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:51:57.55 ID:vShPWxyyo

D「そぉーよ! そう!」

D「やたら暑苦しい奴とか意識高い奴とかいるけどさ」

D「俺から見たらああいう奴らは人生損してるね! 今を生きてない!」

D「叶わねえ夢追って必死になってよ、後悔するのが目に見えてんのに」

D「いつも言いたくなるね、いい加減現実みなよってさ」

P「……」

D「人間、大人になんなきゃダメよダメ。いつまでも子供じゃないんだって」

D「できないものはできない、無理なものは無理! スパッと割り切らなきゃ!」

D「まったく、そこんとこわかってねえ奴が多すぎんだよな、ほんとによ!」

D「あ、Pちゃんは大丈夫よ! Pちゃんはこっち側だから、こっち側! ぶはは!」

P「……」




26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:52:46.87 ID:vShPWxyyo

D「あ、俺ちょっとトイレ行ってきますんで!」

D「ビール、追加しといてくださいや! ジョッキでね!」

P「あ、はい」

D「こっち側どうし、これからも仲良くやりましょーや! ねっ!!」バシッ!

スタスタ…

P「はは……」




P「こっち側どうし、か」

P「……」

P「なんでだろ、酔ってるのかな」

P「なんで、茜の顔がちらつくんだろう」




27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:53:15.98 ID:vShPWxyyo


―――――
―――翌朝


P「……」ボー…

P「眠……」

P「ダメだ、ちょっと休――」


ゴスッ


P「ぐおっ」

P「っつう、なん」

P「……だこりゃ? DVD?」

マス「お疲れのようだな、P殿」




28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:54:32.76 ID:vShPWxyyo

P「あ、あれ? マストレさん?」

P「今日、何かありましたっけ」

マス「いや、何も」

マス「ただちょっと面白いものが手に入ったのでね」

P「……? これですか?」

マス「ああ」

マス「彼女たちのこと、褒めてあげるといい」

マス「私自身、これほどとは思わなかった」

P「??」

P「ええと」

P「よくお話が見えてこないんですが……」

マス「そうだろう」

マス「なにせまだ三日しか経っていないからな」

マス「なんだかんだで、一週間はかかると踏んでいたんだがね」

P「三日?」

P「……」

P「……まさか」




29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:55:00.67 ID:vShPWxyyo

マス「言っただろう」

マス「私たちとは時間の密度が違う、とね」






30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:55:36.15 ID:vShPWxyyo

―――――
――


茜「~♪」

茜「~~♪」

P「ご機嫌だな、それに」

P「今日はやけに静かじゃないか」





31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:56:14.01 ID:vShPWxyyo

茜「静か、ですか? そうですかねっ?」

P「そうだよ、いつもはほっといたら走り出しそうなのに」

P「ずいぶんとスローペースだからさ」

茜「えへへっ」

茜「せっかくPさんと一緒に帰れるのですから!」

茜「たまにはゆっくり歩くのもいいかと思いまして!!」

P「なんだ」

P「てっきりレッスン続きで疲れてるのかと」

茜「いえいえ! 全然元気ですよっ!!」

茜「なんならダッシュしましょうか? ダッシュいけますよ!!」

P「ダッシュいいです、ノーダッシュで」

P「まあ、それならゆっくり行こう」

茜「はい!」




32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:56:50.14 ID:vShPWxyyo

茜「~♪」テクテク

P「……」テクテク

茜「~~♪」

P「……」

P「映像、見たよ」

茜「はいっ、えっ?」

P「マストレさんからもらったんだ」

P「昨日の全体練習のやつ」

茜「あっ! リハーサルのときのですね!」

茜「私も見たいですっ! きちんと出来ていましたかねっ!?」

P「驚いたよ」

P「ばっちりだった」




33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 22:57:43.66 ID:vShPWxyyo

茜「ばっちり! ばっちりでしたか!!」

P「たいしたもんだよ、本当」

P「このままステージに上げても大丈夫そうだ」

茜「ありがとうございます! 嬉しいですっ!!」

茜「でもですね! まだまだ気は抜けませんっ!」

茜「本番で最高のパフォーマンスを見せるためにも!」

茜「極限まで! 完成度を高めなくてはなりませんからっ!!」

茜「よーーっし! 明日からも、燃えていきますよーー!!!」

P「明日からも、か」

P「……」

P「若いってのは、いいよな」




34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:01:15.94 ID:vShPWxyyo

茜「へっ?」

P「体力があってさ」

P「時間があって」

P「何のしがらみもなくて」

P「眩しいよな」

茜「……Pさん?」

P「疑いなくやりたいことがやれて」

P「何にだってがむしゃらになれて」

P「その気になれば、三日でできるようになっちまうんだから」

P「心底羨ましいよ、俺は」

茜「え、えっと、あの……?」

P「……」

P「いや、すまん」

P「何言ってんだ、俺」




35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:02:17.80 ID:vShPWxyyo

茜「あの……?」

P「ごめん、今のは忘れてくれ」

P「ちょっと、なんだ、たぶん疲れてるんだろうな」

茜「……何か、ありましたか?」

P「大丈夫、何でもないよ」

P「少し休めば元に戻るだろう」

茜「本当ですか? 我慢しちゃダメですよ!」

茜「悩みごとがあるなら、何でも私に言ってください!」

茜「私、絶対にPさんのお力になってみせますからっ!!」

P「そりゃ、頼もしい話だ」

P「……」

P「じゃあ、ひとつ、聞いてもらおうかな」

茜「はい! 何でもどうぞ!!」




36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:03:09.87 ID:vShPWxyyo

P「もしも……あのな、もしもの話だぞ」

P「もしも俺が、今道に迷っていると言ったら、どうする?」

茜「道に……ですか?」

P「そう」

P「今まで来た道に自信がもてなくなって」

P「この先どこに行けばいいかもわからなくなって」

P「一人ぼんやり、途方に暮れてると言ったら」

P「そしたら、どうする?」

茜「え、えっ?」

P「わかんないか、まあそれでもいいよ」

P「最後まで聞いてくれるだけでいいんだ」

茜「は、はいっ」




37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:03:57.94 ID:vShPWxyyo

P「昔はな、全然そんなことなかったんだよ」

P「昔はなんていうか、それこそ燃えていたからさ」

P「どこに行けばいいかなんて一目瞭然だったし、何も考えず突っ走っていられた」

P「でもなんでだろな、自分じゃまっすぐ進んでるつもりだったけど」

P「しばらくして、ふと立ち止まってみるとな」

P「違ったんだよ」

茜「……違った?」

P「想像していた景色と、全然違ったんだ」

P「やっちまったなって思ったよ」

P「こんなはずじゃなかったのに、ってさ」

P「でももう、気付いたときには遅すぎたんだよな」

P「今更何をしても、時間は巻き戻せないし」

P「あのころみたいに、充実した時間を過ごすことはできない」

P「そう思うと、途端にあたりが暗くなってな」

P「……何にも見えなくなっちまった」

茜「……」

P「前は俺にも確かにあったはずなのにな」

P「それこそ、信念とか、そういう、何かがさ」





38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:04:35.10 ID:vShPWxyyo

茜「……」

P「……」

P「なんか、ポエムったな」

P「どうも茜の前だと余計なことまで喋っちまう」

P「悪かったな、ちんぷんかんぷんだったろ?」

茜「……」

P「しっかし、茜はすごいよ本当」

P「三日だぞ? 俺この三日間何してたっけな」

P「酒飲んで接待してたことくらいしか覚えて――」

茜「あ、あのっ!!」

P「ん?」

茜「まだ私、答えていません!」

P「えっ?」

茜「まだ私、Pさんの悩みに、答えてないです!!」




39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:05:30.01 ID:vShPWxyyo

P「」

P「いや、答えったって……」

P「俺の話、理解してたのか?」

茜「いいえ! 全然わかりませんでした!!」

P「」

P「まあ、そうよね……」

茜「あ、いえ、あの! わからなかったんですけど!」

茜「でも私、なんて言えばいいかはわかります!」

茜「つまりPさんは、道に迷っているんですよねっ!!」

P「お、おう」

茜「だったら!」


茜「だったら! 私が見つけますよ!!」





40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:06:36.78 ID:vShPWxyyo

P「……は?」

茜「私がPさんを見つけますよ!!」

茜「私がPさんを探し出してみせます!!」

茜「大丈夫です! 私、視力には自信がありますからっ!」

茜「Pさんがどこにいても、きっとすぐに見つかりますよっ!!」

P「いや、しりょ、え?」

茜「そしてPさんに向かってこう叫ぶんです!」

茜「『私はここですよ!!』と!」

茜「『私はここにいます! こっちに来てください!!』と!!」

茜「そうすればPさん、迷わずにすみますよ!!」

P「……茜が?」

P「俺を、呼んでくれるってのか?」

茜「はいっ!」

茜「私がPさんを導いてみせます!!」

茜「そう! あの地平線に輝く夕陽のように!!」

茜「私がPさんの、太陽になってみせます!!!」




41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:07:28.76 ID:vShPWxyyo

P「太陽……」

茜「かつて、Pさんがそうしてくれたように!」

茜「私の未来を照らし、アイドルへの道を作ってくれたように!」

ガシッ!

P「お、わ」

茜「今度は私が、Pさんを照らしてみせます!」

茜「今度は私が、あなたの太陽になります!!」

茜「だから迷ったら、私を探してください!」

茜「私、いつでもここにいますから!」

茜「Pさんの隣に、ずっといますから!!」

茜「Pさんのそばで輝き続けますから!!」




42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:08:13.35 ID:vShPWxyyo

P「茜……」

茜「……」


ギューッ


P「……」

P「あの、手が」

茜「はい?」

P「手がちょっと痛い、かも」




43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:08:52.10 ID:vShPWxyyo

茜「」

茜「あ、ああっ!! し、失礼しましたっ!!」パッ

茜「つつつい力がこもってしまって、というかあああの、すみませんっ!!」

茜「私、なんだか興奮してしまって、その、あの、変なことを……っ!!」

P「……」

P「茜、手めっちゃ熱いな」

茜「あ、えっ?」

P「いや」

P「俺の太陽に、か」

P「……」

茜「Pさん?」

P「……茜」

P「俺は今からでも、燃えることができるだろうか」

P「また昔みたいに、熱くなることができるだろうか?」




44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:09:22.61 ID:vShPWxyyo


茜「! は、はいっ!! もちろんです!!」

茜「消えていたら、また灯せばいいんです!」

茜「絶やさず火をくべてあげればいいんです!」

茜「それがいつだろうと、どこだろうと関係ありません!」

茜「人は誰だって、いつだって、熱くなれるはずですっ!!」


茜「熱くなって、いいはずです!!」





45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:09:59.66 ID:vShPWxyyo

P「……」

P「そうか」

P「そうだよな」

P「遅すぎることなんて、ないよな」

茜「はい!」

P「ありがとう、茜」

P「なんだか心配かけたみたいだな」

茜「えっ」

P「今日、俺の帰りを待っててくれたんだろ?」

P「歩くペースも、合わせてくれたんだよな?」

茜「あ、いいいえ……! それ、は……!」

茜「……あの、気付いて、いましたか?」

P「うん」

P「なんとなくだけどな」




46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:10:35.61 ID:vShPWxyyo

P「でも、もう大丈夫」

P「俺のペースに合わせる必要なんてない」

P「俺も取り戻すからさ、自分の時間を」

茜「……Pさんの時間を、ですか?」

P「そう、燃えていたころの時間を」

P「必死になって生きてたあのときの時間を」

P「だから茜は俺のことなんて気にしなくていい」

P「好きなだけダッシュして先に行っててくれていい」

P「俺、絶対追いつくから」

P「次はきっと見失わないから」

茜「……Pさん」

P「ありがとう、茜のおかげで火がついたよ」

P「茜の手、すげえ熱かったからな」

茜「……はいっ!」




47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:12:30.23 ID:vShPWxyyo

P「さ、茜は帰り道、そっちだよな」

P「じゃあな、今日はいろいろ世話をかけたな」

茜「は、はい、えと!!」

P「ん?」

茜「Pさん! 負けないでください!!」

茜「私、いつも応援していますから!!」

茜「だから、あの!」

茜「ファイヤーです! ボンバーです!!」

茜「バーーーニングッ!! ですよ!!!」

P「うん」

P「また一緒に帰ろう」

P「次は必ず、俺から誘うからさ」

茜「……! は、はいっ! 待っています!」

茜「あ、ああの……! えっと……!!」

茜「そ、そ、それでは!! 失礼しますっ!!」

茜「うおおーーーーー! ぼんばーーーーーーッ!!!!」



ダダダダダダッ……






48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:13:07.96 ID:vShPWxyyo


P「……」

P「……」スッ




prrr…prrr…

ガチャ




P「もしもし」

P「Dさんですか」





49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:13:43.84 ID:vShPWxyyo


P「いえ、違います、飲みの話ではなく」

P「仕事の話をしようと思いまして」

P「……」

P「わかってます、非常識だってことは」

P「でもどうしても今、聞いてもらいたいんです」

P「……」

P「ダメなんです、それじゃ」

P「明日じゃ、ダメなんですよ」




50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:14:22.28 ID:vShPWxyyo


P「あいつら、この一瞬一秒を生きてます」

P「俺みたいに、間延びした時間を送っていない」

P「顔向けできないんです、このままじゃ」

P「俺、あいつらのプロデューサーなんです、だから」

P「あいつらと一緒の時間を過ごさなきゃダメなんです」

P「あいつらと一緒に燃えていなきゃダメなんです」

P「俺、あいつらのプロデューサーなんです、だから」





51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:14:53.28 ID:vShPWxyyo


P「もう一度、みんなのプロデューサーになるんです」






52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:15:18.43 ID:vShPWxyyo


―――
――






53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:15:54.58 ID:vShPWxyyo



ダダダダダッ……




バターン!




P「はあ、はあ……」

P「間に合った、か?」





54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:16:38.39 ID:vShPWxyyo

マス「間一髪、だね」

P「あ、マストレさんっ」

P「みんなは?」

マス「これからリハーサルだよ」

マス「そろそろ出てくる頃だろう」

P「よかった」ホッ

P「ギリギリだったな」

マス「また、打ち合わせかい?」




55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:17:30.74 ID:vShPWxyyo

P「ええ、まあ」

P「ちょっと長引いちゃってですね」

マス「ふふ、噂には聞いているよ」

マス「TV局に殴り込みをかけたそうじゃないか」

P「へ?」

マス「なんでも、その筋じゃ有名なディレクターを捕まえて」

マス「会議室に閉じ込めて朝まで帰さなかったそうだね」

P「あ、いや」

マス「しかもそれだけでは飽き足らず」

マス「部長クラスまで引っ張り出して一席ぶったとかなんとか……」

P「あの、だいぶ尾ひれがついてるんですが」

マス「だが、あながち間違いでもないんだろう?」

P「……まあ、はい」

マス「ふふ」

マス「……」

P「?」




56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:18:13.43 ID:vShPWxyyo

マス「前に話したろう、時間の密度について」

マス「どうやらあれは少し訂正が必要なようだ」

P「訂正?」

マス「人生には濃淡がある、その考えは変わらない」

マス「無意味に過ぎていくだけの空虚な時間もあれば」

マス「一瞬一瞬が詰め込まれた濃密な時間もあるだろう」

マス「しかし、その模様はそれこそ十人十色らしい」

マス「若くしてピークを迎えてしまうものもいれば、いわゆる晩成型の人間もいる」

マス「……一度挫折した後、また這い上がってくる者もいる」

マス「私はそれに気がつかなかった」

マス「濃い時間は、若者だけの特権ではなかったんだな」

P「……」




57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:18:55.15 ID:vShPWxyyo

マス「いや、唐突にすまない」

マス「最近のP殿を見ていると、何となくそう思えてきてな」

P「いえ」

P「わかる気がします」

マス「差し支えなければ、聞かせてくれないか」

マス「どういう心境の変化なのか」

P「そうですね、それは」

P「きっと――」



??「Pさーーーーーーーーーーんっ!!!」



マス「?」




58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:20:04.30 ID:vShPWxyyo




茜「Pさーーーんっ!! 見えてますかーーっ!!」

ブンブンッ



茜「ここですよーーーっ!!! 私はここですーーーっ!!!」

ブンブンブンッ



茜「日野茜は、ここにいますよーーーっ!!!」







59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:20:53.29 ID:vShPWxyyo


マス「日野か、あきれた視力だな」

マス「最後列だぞ、ここは」

P「……」




茜「Pさんっ! Pさーーーーーーんっ!!!」

ピョンピョン







60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:21:30.30 ID:vShPWxyyo

マス「まったく、本番前に大声出すなといったろうに」

P「……」

マス「……P殿?」

P「はい?」

マス「はい? じゃないだろう」

マス「呼んでいるよ、彼女が」

P「ええ」

P「心境の変化なんて、何にもないんです」

マス「ん?」

P「ただ、茜を、みんなを見れば良かった」

P「それだけで俺もバーニングできたんです」

マス「ばー……?」

P「バーニング状態っていうんです、すごいんですよ」

P「この状態になるとですね」


P「次から次へとパワーが溢れてきて――」





61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:22:19.11 ID:vShPWxyyo


P「いつも、全力でいられるんです」








62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:22:51.58 ID:vShPWxyyo


おまけ

『サポート体制』





63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:23:27.20 ID:vShPWxyyo


藍子「あ、ほら来たよ茜ちゃん」

茜「どどどどうしましょう! なんて言えばいいんですかね!」

未央「そんな緊張しなくても大丈夫だって~」

未央「『偶然ですね! 一緒に帰りませんか!』くらいでいけるいけるっ」

茜「そうでしょうか? でも……」

未央「あーもうっ!」

未央「ぐじぐじ悩むなんてらしくないぞっ!」

未央「当たって相手を砕いていくのが茜ちんでしょ!」

藍子「茜ちゃん、勇気を出して!」

茜「……そうですねっ! ぃよしっ!」

茜「日野茜、突撃しますっ!」

未央「うむ、健闘を祈る!」

藍子「頑張ってー!」

茜「Pさーん! うおおおぉっ!!」

ドドドドド……




64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:23:59.18 ID:vShPWxyyo

……

P「明後日はまた飲み会らしいし」

P「はよ帰って寝……」


ドドドドドド……


茜「Pさーーーんっ!!」


ドゴォッ!!


P「ごふっ」



藍子「あっ」

未央「あっ」




65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:24:38.82 ID:vShPWxyyo

藍子「す、すごい音……」

未央「本当に突撃しちゃうからなー……」

藍子「うずくまってるけど、Pさん、大丈夫かな」

未央「あ、ほら、起きあがったよ。問題なさげ」

藍子「……何か話してるね」

未央「お、おおっ、一緒に帰り始めたっ!」

藍子「やった! 成功ですね!」




66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:25:43.12 ID:vShPWxyyo

未央「いやまあ、大方予想通りの展開なんだけどねー」

未央「あのPさんが茜ちんの誘いを断る訳ないのに」

未央「まったく変なところで乙女なんだから……」

藍子「ふふ、いいじゃないですか」

藍子「茜ちゃんが迷っていたら、私たちが背中を押してあげればいいんです」

藍子「こうしてみんなで、補っていけばいいんですよ」

未央「おっ、あーちゃんいいこと言うね、流石だねー」

藍子「それにほら、見てください。二人の顔」

未央「顔?」

未央「……ありゃりゃ」

未央「Pさん、さっきまでふらふらで死にそうだったのに」

未央「なんともはや、まったく……」

藍子「素敵ですよね。二人とも」




67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:26:46.99 ID:vShPWxyyo


藍子「本当、幸せそう」




終わり





68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:27:39.34 ID:vShPWxyyo

日野茜は私の太陽になってくれたかもしれない女性だ

html依頼してきます




69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/24(月) 23:41:20.27 ID:ot73dsguO

元気出る




74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/10/25(火) 13:46:45.54 ID:XMNRqFrmo
これは良い茜
乙です




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【SS速報VIP】モバP「ファイヤーボンバーバーニング」




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