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1939年9月1日、ドイツがポーランドを侵攻し、当時ポーランドの同盟国であったイギリスとフランスは選択肢を失い、ドイツとの開戦宣言を行うことになる。この戦争がのちの第二次世界大戦の発端となった。
その頃、毒ガス攻撃を恐れていたイギリスでは、一般家庭用に3800万個のガスマスクが配布されていた。赤ん坊を持つ親たちは乳児専用のマスクのつけ方を必死に学び、ウォルトディズニーは子どもたちがすすんでつけてくれるようなマスクを作った。
人々の日常にガスマスクが浸透していた時代。それは子供たちにとっても例外ではなかった。当時の子供向けガスマスクやそれを身に着ける子供たちの様子がわかる画像がまとめられていた。
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各家庭に配布されたマスクは持ち運び可能であり、戦時中のイギリスの人々の暮らしが恐ろしい局面を迎えたことを意味した。世間に広まる”今にもサイレンが鳴り響いて毒ガスで満ちた爆弾が空から降ってくるかもしれない”という恐怖の一部を払拭するため、子ども用のマスクは幼い彼らを惹きつけるように作られた。
1930年代後半、ガスマスクをつけたまま自転車に乗っている子どもたち
カラフルな子ども用のガスマスクと持ち運び用のケース
この”ガスマスクゲーム”にはウォルトディズニーまでもが参加し、1942年には彼が手掛けたミッキーマウスのガスマスクが生まれた。ディズニーの不穏なマスクは1000個ほど作られた。
ウォルト・ディズニーがデザインしたガスマスク
1942年、化学兵器部隊の隊長(右)らにガスマスクを見せるウォルト・ディズニー
もはや学校での防災訓練は珍しいものではなくなった。そのなかでも訓練中の子どもたちの姿ほど背筋を凍らすものはなかった。まだおむつをつけている幼児たちまでもがマスクをつけて手を取り合っているのだ。
こうした訓練は病院も例外ではなく、保育士や乳幼児を抱える両親に足以外を覆う特別なガスマスクのつけ方の講習会が開かれた。
1940年、イギリスにて2歳未満の乳児用のガスマスクの試着を手伝う看護師
ガスマスクを付けた乳児とその母親たち
この状況はメディアでも報道された。イギリスの新聞社デイリーヘラルドのハロルド・トムリンが撮影した写真には、戦争中にガスマスクをつける新生児というタイトルがつけられていた。ガスマスクに覆われる赤ん坊の姿は目に焼き付いて離れない光景となり、現代の私たちに現実的な恐怖を伝える。
そのモデルは当時生後1カ月の赤ちゃんだった
これらの写真は何事も常に悪化しうることを知らせる陰鬱な暗示でもあるのだ。私たちは物事を多方面から見る視点をもつべきなのかもしれない。
via:dangerousminds・translated D/ edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ミッキーマスク凄いポップでカワイイけど
作成された背景考えると悲しい
記事の文章にもあるけど物心ついてるのかもわかんないほど小さい子供や赤ちゃんまで
マスク着けてる光景は本当恐ろしさを感じる
2. 匿名処理班
ガスマスクにソヴィエトの戦車帽をかぶると、かなり終末サバイバル感なルックスになるw
ミッキーマウスのガスマスクは、C.W.ニコル氏の回想で読んだかな?
色がああなってるのは、知らなかった。
氏は、英国の敵は汚い奴ら(ナチスがナースティスと聞こえたらしい)で、ドイツと思っていなかったと書いておられた。