9435824父と娘で経営権を争ってから1年半。大塚家具が苦境に陥っている。2016年12月期は最終赤字が確定的で、内紛の傷が癒えるどころか、早急な止血に追われている。



大塚家具の業績はなぜこれほどまでに落ち込んだのか。大きな理由は二つある。

一つは中途半端な価格戦略だ。家具業界は、低価格商品を強みとするニトリやスウェーデンのイケアの勃興によって、高級品と普及品への二極化が進んだ。勝久前会長は、そうした変化の中にあっても高級品路線を貫いてきた。

一方、久美子社長はニトリやイケアに対抗すべく、低価格な商品を増やし全方位戦略を敷いている。そのため、「誰がターゲットなのか」がぼやけてしまった。


話題となった大塚家具のお家騒動



より大きな理由は二つ目にある。安売りセールによる「大塚家具ファン」の心離れだ。

大塚家具は創業以来、問屋を通さないという流通形態を取ることで百貨店などの競合と差別化し、高級品をできるだけ安く販売するモデルを築いてきた。

1993年以降は、商品は最初からできる限り低価格に抑え、どれだけ客に頼まれても「原則、値引きはしない」をおきてにした。客が愛想を尽かして帰っても、百貨店などで同じ商品の価格を比較して、大塚家具に戻ってくるケースが多かったという。それ故、リピーターが多いのが特徴だった。


大塚家具 中古家具販売拡大へ



安易なセールは、このモデルでつかんだファンからの信頼を裏切ることになる。

“禁断の果実”に手を出した結果、15年3月の株主総会以降、セール実施月を除くと、店舗売上高が前年実績を超えた月はほとんどない。結局、業績悪化に拍車が掛かるばかりとなった。

詳細は(source: 週刊ダイヤモンド - 大塚家具が業績悪化で窮地、久美子体制2つの過ち

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