岡部「『鳳凰院凶真観察日記』……だと?」ダル「なんぞ?」
- 2016年12月15日 23:40
- SS、シュタインズ・ゲート
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ダル「お初にお目にかかる……と思ったら、それ、よく見たら牧瀬氏のじゃね?」
岡部「それは本当か!?」
ダル「たぶん。だって、表紙の下の方に記名してあるしおすし」
岡部「ふむ。『栗御飯とカメハメ波』……か。間違いなく奴の固定ハンドルネーム、だな」
ダル「でしょ?」
岡部「つまり、このふざけた観察日記をクリスティーナが書いた、ということか。ぐぬぬ……許せんっ!!」
岡部「当然、クリスティーナにはそれ相応の報いを受けて貰う。が、しかぁーし!」
ダル「オカリン……まさか……」
岡部「その前に、この観察日記とやらの中身を覗くこととしよう」
ダル「いや、でも、さすがに不味いんじゃね?人の日記を勝手に読むのは……」
岡部「何を言う!この日誌のタイトルから推察するに、観察対象はこの俺!よって、その内容を読む権利が俺にあるのは自明の理の筈だ!!」
ダル「そりゃそうかもだけど……」
岡部「かも、ではない!これは既に決定事項だ!!」
岡部「では開くぞ!!運命石の扉を!!」
ペラッ
『○月X日。曇天。
本日より、鳳凰院凶真こと、岡部倫太郎の観察日記をつけることにする。
本日記の目的は、これまで出会った人物の中で最も不可解且つ、不愉快な存在である、鳳凰院凶真、本名岡部倫太郎の生態の調査並びに、その日観察対象より受けた被害を克明に書き記し、後々の研究や訴訟に役立てることである。
尚、本日記において鳳凰院凶真こと岡部倫太郎の名は以後、『岡部』に統一することにする。
以下、本日の被害。
今日も岡部は私のことを名前で呼ばない。
岡部は高確率で私のことを『助手』、もしくは『クリスティーナ』と呼び、また悪意をもって『ザ・ゾンビ』や、『セレブ・セブンティーン』(略して、『セレセブ』)のような侮辱的な呼称を用いる。
他のラボメンにも同様にあだ名を付けたがる傾向はあるが、その数と種類、内容の悲惨さにおいて私よりも酷い者は居ない。
どうして、私ばっかり……。』
岡部「随分……気にしていたんだな」
ダル「これはオカリンが全面的に悪いと思われ」
岡部「わ、わかっている!これからは、『牧瀬プリン』と呼ぶ回数を増やすことにする!」
ダル「オカリン……それは逆効果じゃ…?」
岡部「む?ならば、『蒙古斑』とでも呼べばいいのか?」
ダル「ダメだこりゃ……」
岡部「何を呆れている!次のページに進むぞ!!」
ペラッ
『○月X日。晴れ。
今日は5回岡部と会話した。
いつも通り、支離滅裂な妄想与太話ばかりほざいていたので、きっぱり論破してやった。
実に気分がいい。
明日は10回岡部を論破してやろう。』
ダル「オカリンよえー。弱すぐる」
岡部「ふんっ!俺は助手には寛大なのだ!なにせ、奴はプライドばかりは一人前だからな。だから、年長者として、精神年齢でも上なこの俺が、あえて折れてやったにすぎん!」
ダル「とりあえず、涙拭けよ」
岡部「泣いてなどいないっ!ええい!次のページにいくぞ!!」
ペラッ
『○月X日。雨のち晴れ。
今日は岡部が素っ気なかった。
何を言っても生返事で返してくる。
まるで、言い負かした翌日の父のような態度だ。
嫌われてしまったかも知れない。
そう思って俯いていると、岡部はおもむろに口を開いて、また支離滅裂なことを言い始めた。
どうやら、昨日の話題を自分なりに理論武装してきたようだ。
岡部は父とは違うとわかり、嬉しかった。
同時に、嫌われていたわけではなかったので、安心した。
別に、岡部の私に対する好感度を気にしているわけではないけれど、それでもなぜか、ほっと、安堵してしまった。
もちろん、一晩練り上げたその屁理屈を、私はばっさり切り捨てたわけだけど。』
岡部「ふんっ!たまたま、調子が悪かっただけだ!!」
ダル「しかし、飴と鞭とは、なかなかやりますな~」
岡部「何のことだ?」
ダル「無自覚、かぁ。ま、そんなところもオカリンの良いところってことで」
岡部「何を勝手に納得しているのだ!次いくぞ!!」
ペラッ
『○月X日。土砂降り。
改めて思う。
岡部の周りには女性が多すぎる、と。
ラボ内でも、ラボから外に出ても、岡部の周囲にはいつも女性の姿が見受けられる。
こいつは研究とかなんとか言いつつ、ハーレムを作りたいだけなんじゃないだろうか?
ラボでまゆりさんといちゃこらして、メイド喫茶でフェイリスさんと2人だけの世界を構築し、帰り際に漆原さんを誘惑した挙句、道すがらに桐生さんと阿万音さん、ついでに綯ちゃんまで口説いていた。
綯ちゃんを口説いているところを見つかり、ブラウン管工房の店長さんに怒られていたのを見て、少しは溜飲が下がったのだが、自重して貰いたい。
ま、私には関係ないんだけどねっ!』
岡部「なっ!?ダル!裏切るのかっ!?」
ダル「裏切るも何も、ラボメンの男女比の偏りは誰の目から見ても明らかですしおすし……」
岡部「では、準ラボメンにミスターブラウン氏と、レスキネン教授、そしてルカ子の父君である漆原氏も招こうではないか!」
ダル「あーそうすると、オカリンは間違いなく掘られるけど、それでも問題ないの?」
岡部「そ、それは困るっ!……まぁ、いい。現状維持だろうが、俺には頼れる右腕である、お前がついているのだからな!」
ダル「ウホッ!」
岡部「変な意味に取るな!!そんなことよりも、次のページだ!!」
ペラッ
『○月X日。晴れのち曇りのち雨。
今日は私の飲みかけのドクぺを岡部が間違って飲んだ。
きゃっほー!関節キスだぁー!……って、べ、別に嬉しくなんてないんだからなっ!!
むしろ不快だし、もう二度と飲めない。
でも、さすがに捨てるわけにもいかない。
そう、粗末にするのはいけないことだ。うん。
だから、仕方なく岡部が口をつけてしまったドクぺを飲もうとしたのだけど……
岡部『ダル、お前も飲むか?』
ダル『あざーす。ごくごく……ぷはぁ~!』
って、何だそりゃ!?
私のドクぺを回し飲みするなっ!!
確定した。
ダルこと橋田至(以後、『橋田』と記載)は、私の敵であると。
橋田、死すべし。』
岡部「飲み物とは言え、食べ物の恨みは恐ろしいな」
ダル「いや、これはもっと根深いというか何というか……」
岡部「仕方ない、後で謝っておくか。……気をとり直して、次に進むぞ!」
ペラッ
『○月X日。暴風雨。
前々から思っていたけれど、猫耳メイドのフェイリスさん(以後、『猫耳』と記載)が、岡部に対して馴れ馴れしすぎると思う。
明らかに客に対するスキンシップの範疇を超えている。
今日なんて、これ見よがしに岡部の腕にしがみつき、その豊満な胸を嫌味ったらしく押し付けていた。
それに対して岡部は、表面上は困りつつも、鼻の下を伸ばして満更でもないようだ。
胸なんてただの飾りだってことを、岡部には分からんのですかっ!?
思えば、ラボメンの女性はみんな胸が大きい。
まゆりさん、阿万音さん、桐生さん、そして猫耳。
胸が小さいのは私と、漆原さんだけだ。
そして漆原さんは男。だが、男なのだ。
早急に比屋定先輩をラボメンに加える必要がある。あーだけど、そうしたら私のアイデンティティがー……。
むしゃくしゃする。
今日はもう寝よう。』
岡部「そんなわけあるかっ!」
ダル「だったら牧瀬氏に『レモンちゃん可愛いよ』って……」
岡部「逆効果だろう!?」
ダル「えぇ~ルイスたんだったらこれでイチコロなのに……」
岡部「アニメと現実を一緒にするな!とにかく、次のページに進むぞ!!」
ペラッ
『○月X日。快晴。
今日は岡部の洗濯物を手に入れた。
白衣はもちろん、シャツ、ズボン、そして……ふひひっ、し、下着まで。
おっと、鼻血が。
岡部の下着を汚したら大変だ。
自重せねば。
と、思ったら、よくよく見ると私が汚す前に、既に汚れているようだ。
光に翳すと、うっすらと、岡部のうんスジが……フハッ!
素晴らしいサンプルである。
丁重に扱い、今後の研究に活かそう。
私はこの、『岡部のウンパン』によって、世界の支配構造を打ち砕くのだっ!!
フゥーハハハハハハハハッ!!!!』
岡部「フッ……」
ダル「オ、オカリン……?」
岡部「フゥーハハハハハハハハッ!!!!」
ダル「ど、どうしたん?ウンパン盗まれて、気でもふれたん?」
岡部「違う!俺は正気だ!!」
ダル「それなら良かったお」
岡部「ああ、良かった。おかげで俺は、ついにクリスティーナの弱みを握ることが出来た!」
ダル「その引き換えにウンパンを盗まれてしまったわけだけど、それについては構わないわけ?」
岡部「構わんっ!!さぁ、もっとクリスティーナの弱みを暴くぞ!!」
ダル「この辺でやめておいた方が……」
岡部「俺の辞書に『撤退』などという言葉はない!ここまで来たら、読み進めるのみ!!」
ダル「オカリンあんた……最高に輝いてるよ…」
岡部「一気に読み進めるぞ!!」
ペラッペラッペラッ……
今日は岡部の女性関係についてまとめてみる。
まず、椎名まゆり。
彼女は岡部の幼馴染であり、彼との関係は友達以上恋人未満と言ったところだ。
本人曰く、『岡部の人質』であり、相互依存関係であるとも言える。
しかし、これまでの観察結果を見るに、岡部との関係はそれ以上に進展する兆候は見受けられない。
その為、危険度としては低いが、彼女が本気を出せば余人の立ち入る隙はないと、明記しておく。
次に猫耳。
先日の観察記録の通り、岡部に対する過剰なまでのスキンシップが目に余る。
今の所岡部が彼女に惹かれている様子はないが、この泥棒猫は要注
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