【花騎士】アイビー「離れなさい、離れなさいったら!」
アイビー「なんでって、貴女さっきからずっと団長さんに抱き付いてるじゃない! そろそろ変わりなさいよ!」
イカリソウ「でも~陸にいると酔っちゃうから、団長にくっついてないとフラフラしちゃうよぉ。だからぁ、陸にいる間は団長にしがみついちゃうのも仕方ないと思うんだ~」
イカリソウ「それに~……団長にしがみついてると寒さなんて全然感じないんだ~! えっへへ///」
アイビー「私と団長さんは永久なる古の契約を結び、力が繋がりし半身……我が身から溢れし不滅の力「ウンシェアゲングリヒ・パーペチュアル」は、私だけだと暴走しかけてしまうわ! 力を抑えるためにも、私は団長さんにしがみついて力の一部を流す事が重要なの!」
アイビー「よって、私は団長さんに抱き付く『権利』があるわ! これは破る事を禁じられ、厳格な十戒で守られた契約なの!」
アイビー「さぁ、そろそろ変わりなさい! じゃないと、私の中の精神のコスモが乱れ、本格的に危ないわ……!」プルプル……!
イカリソウ「ウンシェ……? コスモ……? う~ん、わたしお馬鹿さんだから、アイビーちゃんの言ってる事が良く分からないよ……」ギュウウウウ
アイビー「だ、だから離れなさい! そろそろ変わりなさいったら! 私だって団長さんに抱き付きたいの!」
イカリソウ「ダメだよ団長~! 団長だって、ずっと陸にいると陸酔いしちゃうよぉ。イカリを持ってるわたしが、しっかり支えになってないと大変だよぉ」
団長「陸酔いの感覚は多分イカリソウ独特の物なんじゃないかなぁ……」
アイビー「団長さん! 団長さんが副団長業務で疲れた私を放っておくから、このままじゃ私の内なる不滅の力が暴走しあふれ出し、魔眼華王ブロッサム・グラスの制御も難しくなるわ!」
アイビー「この力で常命なる者達を守る為にも、私の契約者たる団長さんには力の制御に手を貸す義務があるわ!」
アイビー「さ、団長さん! 抱き付くわよ!」
団長「俺も先にこの溢れ出る仕事の山を制御しなきゃいけないんだが……」
イカリソウ「いいよ~。団長、どっちに抱き付かれたい?」
団長「抱き付かれないで仕事に専念させてもらう選択肢はないのか……。そうなのか……」
団長(これはどちらか選ばないと、この2人ずっと終わらなさそうだな……)
団長(どうする? 抱かれ心地はアイビー一択だ。だが……)
団長(正直、アイビーのわがままボディに抱き付かれると、いろいろ我慢しなくちゃいけない! そうなると、この後の仕事に支障をきたすのは間違いない!)
団長(イカリソウなら、イカリがちょっと重いが、この後の仕事への支障は少ないな……)
イカリソウ「は~い♪」
アイビー「な、何でよ! 納得いかないわ!」ガーン!
アイビー「団長さん! 納得のいく説明を要求するわ!」
団長「えっと……イカリソウは明日から航海に出るらしいし、今日は先に……」
ナズナ「団長さん、失礼します! 再び古代害虫の出現が確認されました!」バンッ!
団長「何だと!? クジラ艇は?」
団長「分かった! イカリソウ、アイビーも一緒に来てくれ! というかイカリソウは一回離れてくれ!」ズルズル
イカリソウ「うわ~ん! 引きずらないで~」ズルズル
アイビー「む~……何で私じゃダメなのよ(ボソッ)」
アイビー(でもどちらにせよ、今日は抱き付く雰囲気じゃなくなっちゃったわね……。こうなれば明日、突然抱き付きに行って、びっくりさせてあげるわ!)
アイビー(ふふん、見てなさい団長さん♪)
翌日 騎士団庭園
アイビー(さて……今日こそ、団長さんに抱き付くわよ!)
アイビー(仕事中に行くと迷惑だし、今度は団長さんの休憩時間を狙うわ。イカリソウちゃんはあの海賊船に乗って航海に出たし、今日は心配はないわね)
アイビー(団長さんは呑気そうに散歩してるわね……ふふふ、覚悟しなさい団長さん! 昨日の分まで、たっぷり抱き付いてあげるんだから!)
アイビー(我が永遠に近き時を待たされ、光を求め渇望せし我が闇の抱擁『ウムアルムング・シュヴェルツェ』……とくと味わうが良いわ!)
ヤドリギ「だ~~~ん~~~~ちょ~~~~~!!」ドーーーン!!!
団長「うぐぁぁ!? 」
ヤドリギ「団長団長! 自分の今日の活躍、見てたッスか!」ギュウウウゥ
団長「お、おう……骨が痛い……」
ヤドリギ「頑張ったッスよ! 団長、あたし目立ってたッスか!? 」
団長「あぁ、今日のヤドリギは誰よりも目立ってたぞ。文句なしのMVPだな」
ヤドリギ「えへへ/// やったッス♪」ギュッ
ヤドリギ「団長! ご褒美として、今日はずっと抱き付いてていいッスか?」
団長「う~ん……褒美になるのか良く分からんが仕事までなら……」
ヤドリギ「やったッス! 今日はあたしが、団長を征服するッス!」
ヤドリギ「今ならもっと褒めるのも追加して良いッスよ!」
団長「はいはい」アタマナデナデ
ヤドリギ「な、子ども扱いはひどいッス~!」
団長「子供扱いじゃないって。これは純粋にヤドリギの健闘を褒め称えてるんだって」ナデナデ
ヤドリギ「ホントッスかねぇ……。まぁ団長になら悪い気はしないから、騙されてあげるッス♪」ギュッ
アイビー(お、何を怖気ついてるのよ私! 私はアイビー、この世の全ての命を守る、不滅の力を纏いし誇り高き守護者! この程度の事で怖気ついたりなんて……)
アイビー(……ヤドリギちゃん幸せそう。この雰囲気の中行ってもただの空気読めない女になっちゃうわね……)
アイビー(ヤドリギちゃん頑張ってたみたいだし、今日は譲って、また後日出直しましょう……)トボトボ
団長「おっ、本当だ」
アイビー「き、気付かれた!? け、気配を消した私を補足するなんて流石、純白のパティシエールと名を馳せたヤドリギちゃんね!」
ヤドリギ「何か落ち込んでそうな顔してたけど大丈夫ッスか? 自分で良ければ、何でも相談に乗るッスよ!」
アイビー「お、落ち込んでないわよ! ただ……ちょっと……その……私も……」(ボソボソ)
ヤドリギ「??」
団長「そういえば昨日は副団長だったのに全然構ってやれなかったもんな……」
アイビー「か、勘違いしないでよ! 私は団長さんに構ってほしい訳じゃ、ただ力を制御する為には契約者たる団長さんの力が必要というか、充電が足りないというかそのぉ……」アウアウ
ヤドリギ「えと、つまりアイビーさんは昨日、団長に何かの事情で抱き付けなくて、それで物足りなく団長のところへ来てって事でいいッスよね?」
アイビー「う~……//// 」
アイビー「分かるわ、その気持ち。団長さんに抱き付くと、心地よくて、光に吸い寄せられる闇の如く、中々離れられない物ね」
団長(そうなの?)
ヤドリギ「順番にしても、団長の休憩時間が終わって一人辺りの時間が短くなっちゃうッスよね……そうだ!」さっと団長の片腕に移動
ヤドリギ「それなら、団長を半分こッス! 二人で団長を征服するッスよ!」ギュウウウ
アイビー「い、いいの?」
ヤドリギ「もちろんッス! 『もし あたしの みかたになれば だんちょーの はんぶんを おまえにやろう』ってやつッス!」
団長「勿論。それでアイビーが満足するなら」
アイビー「それじゃ、片腕だけ……」ギュッ
ヤドリギ「えへへ、暖かいッスね♪」
アイビー「そうね……片腕だけでも力がみるみる制御出来てきているのを感じるわ! さすが『加護受けし古の聖騎士のシュリクター』ね!」
団長「花騎士団長って事かな?」
「団長、また女の子侍らせてる……」ヒソヒソ
「しかも今日は両手に花状態……」ヒソヒソ
「アイビーさんとヤドリギさんのお互いを信頼してる様子と団長さんに甘える仕草! あぁ私も団長さんになりたい! あの二人に挟まれるなんて……むっはぁーたまんねぇっす!! 私も団長さんになって、あの楽園でもふもふぬくぬく出来たら……あ、やばい鼻血出そう……」ブッシャアアアアアアアアアアアアアアアアア
団長(男冥利に尽きる状況だが、ここで女の子二人に抱き付かれているのは流石に目立つ!)
団長(ここで『はい、おしまい!』にするのは二人が可哀想だし、この状態で人目につかない場所に移動すると更にあらぬ噂が立つのは目に見えてる!)
団長(俺がこの視線に我慢すればいいだけだ……頑張れ俺)
アイビー(団長さん、明日はオフだったかしら? それなら、明日の朝に団長さんを起こしに行くって名目で行けば、団長さんを独占できるかも)
アイビー(あっ、それに朝ご
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