【艦これ】提督と秘書艦のとりとめのない一日
…………く…………督……
提督「……」
提督……起きて…………
提督「……ん……」
朝ですよ……起きて下さい……
提督「……もう少し……寝かせてくれ……」
そういうわけには…………起きて下さい……
提督「……」
はあ……仕方ないですね……
提督「……」
「今から5数える間に起きて頂けたら……キス……してあげますから……」
「まだ数え始めてもいないのに……提督、早過ぎです……」
提督「耳元であんなことを言われたら起きるに決まっているだろう」
「そ、そんなに私と……キス、したいんですか……?//」
提督「当然。君は俺の最愛の人だ。むしろしたくないという方がおかしい」
「っ……//」カァッ
提督「さあ、準備はいいぞ。いつでも来てくれ」
「は、はい……では……」
提督「ああ、おはよう神通」
神通「……んっ//」
チュッ
提督「ありがとう、おかげで目が覚めたよ」ナデナデ
神通「お役に立てて、嬉しいです……//」
提督「神通って朝は必ず和食だよな」
神通「そう決めていますので」
提督「いかにも日本人の朝って感じだな」
神通「提督は日によって変わりますよね」
提督「気分で決めてるからな」
神通「提督らしいです」
提督「神通もたまには朝に洋食を食べてみたらどうだ? まあ、無理にとは言わないが」
神通「そうですね……考えておきます」
天龍(あの二人、今朝は大人しいな……いや、何があるか分からねえ。一応ブラックコーヒーも準備しておくか)
龍田「天龍ちゃんどうしたの~?」
天龍「ん? ああいや、何でもねえ」
提督「さて、今日もよろしく頼む」
神通「はい。この神通、誠心誠意提督の秘書艦を務めさせて頂きます」
提督「うーん……」
神通「提督?」
提督「硬い! 表情が硬いよー神通ちゃん!」
神通「ちゃ、ちゃん……?」
提督「せっかくかわいい顔してるんだから、ほらもっと笑って!」
神通「かわっ……//」
提督「おっ、いいねぇーその表情! ナイスだねぇ!」
神通「て、提督……? 急にどうされたのですか……?」
提督「……神通が真剣な表情をしているから水を差したくなった」
神通「はあ……」
提督「好きな子ほどいじめたくなるって本当だな、うん」
神通「……仕事とプライべートの分別はつけて下さい」
提督「じゃあ神通はかわいいって言われても嬉しくないのか?」
神通「……それは、嬉しいですけど……って何を言わせるんですかっ!//」
提督「……」カリカリ
神通「……」イソイソ
提督「……えー、あれはどこにやったかな……」
神通「……あれ、と言いますと?」
提督「ほら、あれだよ……あの資料……えー……」
神通「……」
提督「あーくそ、何だったかな……」
神通「……こちらですか?」スッ
提督「ん? おおーそれそれ! いやー助かったよ、ありがとう!」
神通「いえ、お役に立てて何よりです」
提督「しかし、何で分かったんだ? あれとしか言ってないのに……」
神通「伊達に長く秘書艦は務めていませんよ」ニコッ
提督「……」
神通「提督、お茶です」コトッ
提督「ああ、ありがとう」
神通「あまり根を詰め過ぎるのも良くありませんよ」
提督「……そうだな、少し休憩するか」
神通「そうして下さい」
提督「……しかしあれだな、さっきの資料がどうのこうの言ってたやり取り」
神通「……あれが、何か?」
提督「阿吽の呼吸っていうの? そういうのがあるとさ」
神通「はい」
提督「やっぱり夫婦なんだなって」
神通「ふ、夫婦……//」
提督「にらめっこをしよう」
神通「……はあ」
提督「ただし、『笑ったら負け』じゃない。『目を逸らしたら負け』だ」
神通「……つまり、相手の顔を長く見つめていた方が勝ちということですか」
提督「そういうこと」
神通「……まあ、いいですけど」
提督「じゃあ行くぞ……あっぷっぷ」
提督「……」ジーッ
神通「……」ジーッ
提督「……かわいい」ジーッ
神通「……え?」ジーッ
提督「こうして見るとやっぱり神通はかわいい」ジーッ
神通「提督……?//」ジーッ
提督「笑った顔もかわいい、澄ました顔もかわいい」ジーッ
神通「あの……//」ジーッ
提督「照れた顔も、拗ねた顔も、全部かわいい」ジーッ
神通「っ……!//」フイッ
提督「俺の勝ちだな」
神通「て、提督……ずるいですっ……あんなに『かわいい』を連呼して……//」
提督「いやー、別に喋っちゃいけないなんて言ってないぞ? 目を逸らしたら負けってだけだ。それに」
神通「それに……?」
提督「俺は事実を言ったまでだ。神通がかわいいということに変わりはない」
神通「そ、そんなこと……//」
提督「そういや、神通は料理ってできるのか?」
神通「料理ですか……実はあまり得意ではありません」
提督「そうか。まあ、艦娘の中でも得意だって言う方は少ないし、予想通りではある」
神通「ですが、上手くなるために今練習している所です」
提督「ほう、そりゃまたどういう風の吹き回しで?」
神通「……その……提督に……」
提督「ん?」
神通「提督に、喜んで頂くため……です」
神通「……//」
提督「いつか君が手料理を振る舞ってくれるのを、心から楽しみにしているよ」
神通「私も、あなたに満足してもらえるように精進します//」
提督「なに、その気持ちだけで十分満足だ」
翔鶴「私、ちょっとブラックコーヒーもらってきます」
蒼龍「あっ、じゃあついでに私の分もお願い」
飛龍「こっちにもよろしくー」
翔鶴「はい、分かりました」
蒼龍「ありがとねー」
瑞鶴「翔鶴姉一人じゃ運ぶの大変だろうから私も行くよ」
翔鶴「ありがとう瑞鶴。じゃあ行きましょうか」
瑞鶴「ついでに私も飲もうっと」
飛龍「しかしあの二人はぶれないよねえ」
蒼龍「そこらのバカップルも裸足で逃げ出すよね」
飛龍「聞いてるだけで糖分摂取できる勢いだよあれは」
赤城「ご飯に集中すればあまり気になりませんよ」モグモグ
加賀「そうね」モグモグ
提督「にらめっこをしよう」
神通「……またですか」
提督「ああ、ルールはさっきと同じで」
神通「……お断りします」
提督「何故だ!?」ガーン
神通「さっきのように言葉で私を陥れるおつもりでしょう」
提督「……分かった、今回は喋らない。それならいいだろう?」
神通「……まあ、それなら」
提督「よし。ならば参るぞ……あっぷっぷ」
提督「……」ジーッ
神通「……」ジーッ
提督「……」ジーッ
神通「……」ジーッ
提督「……」ジーッ
神通(……? 提督の顔が……)
提督「……」ジーッ
神通(少しずつ……)
提督「……」スーッ
神通(こちらに近づいてきているような……)
神通(いえ、確実に……近づいています……!)
提督「……」スーッ
神通(このままじゃ、提督と……//)
提督「……」スーッ
神通(キ、キキキスを……!?//)
提督「……」スーッ
神通「っ……!//」フイッ
提督「またもや俺の勝ち」
神通「て、提督……その、顔が……//」
提督「ん? 神通の顔をもっと間近で見たくて無意識に近づいてしまったようだな。悪い悪い」
神通(明らかに意図的でしょう……//)
提督「なあ、頼むよ! 1回でいいから! この通り!」アタマサゲ
神通「……はあ……分かりました」
提督「よし! じゃあこれ着けて」
神通「ど、どうしてこんなものを……?」
提督「漣から借りた」
神通「……」
提督「ええと、どのページだったかな……」パラパラ
神通「それは……?」
提督「ん? オータムクラウド先生の同人誌(全年齢向け)」
神通「はあ……あの子は……」
神通「こ、これを……ですか?//」
提督「ああ!」
神通「これは……流石に……//」
提督「……ダメか?」シュン
神通「……そんな顔をされたら、断れないじゃないですか……」
提督「じゃあ……」
神通「提督のご期待に添えるかは分かりませんが……やってみます」
提督「ぃよっしゃあ! ありがとう神通、恩に着る!」
神通「……では、行きます」
提督「……よし、来い」カチッ
神通「にゃあ……ご主人様……神通、寂しいにゃ……たまには、構って欲しい……にゃん……///」
※猫耳を着け、頬
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