ジェットを搭載したドローンを見たことありますか? 時速120キロ超えのド迫力、動画あり
飛行音が明らかにドローンの奏でる音ではありません
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「AR.Drone」、「Bebop Drone」、「Mavic Pro」といくつかのドローンを体験してきて、いっぱしの「ドローン者」だと自惚れていた私ですが、ドローン界にはまだ見ぬ強者がいました。今回ご紹介するのは、ドローンビルダーの金井健さん。ドローンを自作している愛好家は多くいらっしゃいますが、金井さんが手がけるドローンは規格外の代物です。
▲自ら製作した機体を掲げる金井健さん
金井さんとは「Mavic Pro」のレビュー動画を撮影する際に知り合ったのですが、自宅近くに山を所有しており、ドローンやサバイバルゲーム、ゆくゆくは様々な実験を行なうため、自らユンボ(パワーショベル)を操り山を開梱する破天荒な方です。なんかもう「マインクラフト」や「ポピュラス」をリアルでやっているようなものですね。
▲ユンボでの開拓は究極の砂場遊びですね。機会があればぜひやってみたいものです
さて本題に戻ります。この金井さんが自ら設計し、製作した大型ドローンが今回ご紹介する「H4R」です。
▲KANAI FACTORY 製「H4R」
この機体はたくさんの荷物を速く、そして遠くへ運ぶのをコンセプトに製作されました。何機も失敗が続き、5世代目となるこの「H型」フレームでひとまず完成したとのことです。実はこのあとにも後継機を製作しているそうですが、それは見せられないとのこと。うーん、残念。
製作時にフレームの形状にかなり苦心されたそうですが、やはり素人目に注目せざるを得ないのが「電動ジェット」。向かい風や高速飛行時に一般的に効果的なのはプッシュローター方式(推進方向に取り付けるプロペラ)ですが、通常飛行時に邪魔になるのと、見ため的な理由から電動ジェットが採用されています。
▲高速推進用に搭載された電動ジェット
▲ローターは3枚羽根です
▲上の円盤がGPSアンテナ、その下にあるのがGoPro用のマウンターです
フライトコントローラーには、DJI製の商業、工業およびプロフェッショナル向けマルチロータープラットフォーム用フライトコントロールシステム「WooKong-M」を採用。
金井さんによれば、
「レース用のフライトコントローラーと違って業務用目的の「WooKong-M」の最大迎角は35°。
その35°付近で水平方向の空気抵抗を機体が押す力が大きければ大きいほどスピードが出るので空気抵抗を小さくし、そしてベクトル的に重いほどドローンの最高速度が上がるのですが、重くすると様々な弊害が大きいので、おおむね水平方向に押す力としてジェットを採用しています。
機体が大きいと慣性力も大きくなり、それに応じて機体が傾く周期も大きくなります。その一方で小刻みに機体が触れることはないので、最大迎角に近い状態をキープしやすくなるような点も狙っています。
ジェットの角度などにもフライトコントローラーとの相性もあるのでまだまだ調整は必要です」
とのこと。
さて、それではそろそろ実際の飛行動画をご覧いただきましょう!
▲高速推進時の轟音をじっくりとお楽しみください
結構ドローンって音が大きいものですが、「H4R」が全力推進しているときの音は一般的なドローンとはまったくの別物です。
ちなみに、ホバリング時にジェットを作動させ、さらに強風を受けたりして、後ろへの傾きが35°を超えると制御不能になるため、通常はノーマル(電動ジェットなし)での前進最大速度付近に達してから電動ジェットを作動させて最高速度に到達するとのことです。また、電動ジェットの出力をゼロにしてから、ノーマルスロットルを戻すなど、フライトコントローラーの想定外の動きをさせないように配慮が必要だそうです。
▲「H4R」に、「Mavic Pro」と「DOBBY」を乗せて撮影。両機種を持っている方にはサイズ感がよくわかるのではないでしょうか?
ドローンは構造上ヘリコプターより速度を出すことが難しく、また、大きい方がスピードの点で有利になるわけではありません。そこを創意工夫で大型ドローンらしからぬ速度で飛行できる金井さん製作の「H4R」は一見の価値があります。大型ドローンのレースが開催された暁には、世界の檜舞台で最新の機体が活躍する姿を目撃したいですね!