フラワー・オブ・ライフとは?
フラワー・オブ・ライフとは、
等間隔に7つかそれ以上の円を重ねた幾何学図形の名前だ。装飾モチーフとして古代から使われてきたこの図形は、左右対称で、かつ六角形の構造をもった花のようなパターンを形作っている。
形、割合、調和が完璧であるフラワー・オブ・ライフは、世界中の哲学者や建築家、そして芸術家に知られてきた。異教徒は、
空間と時間の基本的な形を描いた古代の宗教的数値を含む神聖幾何学であると考えている。
レオナルド・ダ・ウィンチのスケッチ。「フラワー・オブ・ライフ」とみられるものが描かれている。
Credit: wikimedia あの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチは、フラワー・オブ・ライフとそれに似た『エッグ・オブ・ライフ』『フルーツ・オブ・ライフ』『シード・オブ・ライフ』と呼ばれる3つのシンボルの重要性を理解していたと言われている。
1. シード・オブ・ライフ
Credit: www.sacredgeometryshop.com シード・オブ・ライフは、フラワー・オブ・ライフにの基本的な構成要素であり、対称的に配置される7つの円からできている。これは神が生命を創造した7日間を表現しているといわれている。
2. エッグ・オブ・ライフ
Credit: en.wikipediaエッグ・オブ・ライフは、フラワー・オブ・ライフから取り出した7つの円で、創造の最初の時間において、多細胞が受精、形成する様を表している。
3. フルーツ・オブ・ライフ
Credit: upload.wikimedia.orgフルーツ・オブ・ライフは、フラワー・オブ・ライフから取り出した13の円で構成されている。原子や分子構造及び全ての生命の基礎であり、宇宙の青写真であるといわれている。
これは正多面体を生み出すメタトロンのキューブを描くための幾何学的基礎を含む。
「エッグ・オブ・ライフ」は球の間の距離が音楽のトーンとハーフトーンの間の距離と同一であるとして、
音楽の基礎を形作っていると言われている。また、第三の胚分裂の細胞構造とも同一だ。
最初の細胞は2つに分裂し、その後4つの細胞が8つになる。
そしてさらに発展することで、
これと同じ構造が人体とエネルギーシステムの全てを作り上げるというわけだ。
実は日本にもあった!世界中のフラワー・オブ・ライフ
アクセサリーとしても使用されている。フラワー・オブ・ライフの興味深い特徴は、
世界中ほぼ全ての主要な文化の中にその重要性の証拠を見つけることができるというものだ。中国の紫禁城内部の寺院や、イスラエルの古代シナゴーグ、インドや日本の仏教寺院、トルコの都市エフェソス、アッシリアでは岩に刻まれ、13世紀以降のイタリア美術、そしてスペイン・コルドバの「ラ・メスキータ」の中にも見ることができる。
エジプト・アビドスのオシリス神殿に描かれた2つのフラワー・オブ・ライフ。レッドオーカーで描かれたともされる。
Credit: Wikimedia フラワー・オブ・ライフの
最も古い例は、エジプト・アビドスのオシリス神殿に現存するものだと考えられている。大多数の考古学者は少なくとも6000年前のものだと主張しているが、紀元2世紀と主張する考古学者もいる。
アビドスにあるフラワー・オブ・ライフの最も奇妙な特徴は、それが花崗岩に刻まれたものでなく、花崗岩に驚くべき精度で焼き付けた、何らかの方法で描かれていることだ。これはファラオの権威のシンボルである太陽神
ラーの目を表すと考えられている。
トルコの世界遺産エフェソス。 Credit: commons.m.wikimedia.org神話が描かれたキプロスのカップ。中央にフラワー・オブ・ライフが描かれている。
Credit: commons.m.wikimedia.org
日本の狛犬が持っている玉にも、フラワー・オブ・ライフのような模様が刻まれている。
Credit: furudon.web.fc2.com 童謡「かごめかごめ」でも有名な「籠目紋」は、日本のフラワー・オブ・ライフともいわれているようだ。魔除けの効果があるとされている。
Credit: ikiya.jp 平安時代から存在する「麻の葉模様」。「籠目紋」と同じく魔除けの意味がある。
Credit: ikiya.jp 生命の樹にも。宗教の中のフラワー・オブ・ライフ
ボロメアン・リング。どれか1つの輪を切ると残り2つも分離してしまう。中世イタリアのボロメオ家がこの紋章を使っていたことが由来。
Credit: free-designer.net
フラワー・オブ・ライフとシード・オブ・ライフは世界中の主要な宗教の中にも見つけることができる。それらは
ニューエイジの著者らによって聖書の預言者エノク、大天使メタトロン、創造の6日間、ボロメアン・リングと関連づけられた。
生命の樹 Credit: crystalinks.com歴史的にユダヤ教徒に学ばれてきた秘教
カバラも、フラワー・オブ・ライフと象徴的な繋がりを持っている。フラワー・オブ・ライフに由来するツリー・オブ・ライフ(生命の樹)のシンボルは、カバラの教育の一部として学ばれます。さらに、フルーツ・オブ・ライフで各円の中心を繋ぐと現れるメタトロンのキューブは、初期のカバリスト聖典に見られる。
メタトロンキューブの線をつなげることで、正四面体や正八面体などの正多面体が現れる。
Credit: 3rddimensionニューエイジの考え方では、フラワー・オブ・ライフは深い霊的な意味や、神聖幾何学として学ぶ人々に啓発の形式を供給すると考えられている。
少なくとも一部はフラワー・オブ・ライフに基づいた特定の信念と瞑想法に由来する集団が世界中にある。これは恐らく、人間が宇宙の虚無である『
超空洞』から現れたという創造のパターンを含んでいる。
神聖幾何学としてのフラワー・オブ・ライフ
フラワー・オブ・ライフと酷似する細胞の形成Credit: ppplace.jp神聖幾何学は、時間と空間に関する基本的な形態である、多くの宗教的・文化的価値に由来する信念体系として説明することができる。
この信念体系によると、存在の基本パターンは神聖なものであるため、
何かを熟考することは万物の起源を熟考することとなる。これら形態の自然や相互の関係性を学ぶことにより、人は科学的、哲学的、心理的、審美的、そして神秘的な宇宙の法則への洞察を得るために探し求めるだろう。
この世界のフラクタル構造を理解するには、数多の学問の横断的な理解が必要であるということを、フラワー・オブ・ライフは示しているのかもしれない。
Flower of Life Animation
[via: ancient-origins]