ルビィ「３人とも、麻雀好きなんですよね？　いつも善子ちゃんと打ってるみたいだし」

千歌「え？　いやー、うんまぁそうだね...」

曜（いっつも一方的にやられてるなんて、絶対に言えない）

梨子「えっと、よっちゃんは誘わないの？」

ルビィ「誘ったんだけど...」

善子『レートは？　あ、競技ルールなの。　優勝賞金は...全自動麻雀卓？　そう...』

ルビィ「で、その日は都合が悪いから、千歌ちゃんたちを誘ってみたら？って」

千歌「善子ちゃん、根っからの勝負師だから...」

曜「お金にならない麻雀は一切打たないって、いっつも言ってるしね」

ルビィ「え？　なんか言いました？」

梨子「こっちの話よ。　それより、ルビィちゃんて麻雀好きだったのね」

ルビィ「うん！　とっても！」

関連スレのようなもの
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1480344865/

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－生徒会執務室

ダイヤ「麻雀大会ですって？」

ルビィ「だめ、かな？　あの、大会で上位に入れば、うちの学校も少しは注目されると思うし...。
　　　　それに、他の学校のスクールアイドルとの親睦にもなると思うの」

ダイヤ「ふーむ...」

千・曜・梨（ダメって言えダメって言えダメって言え）

ダイヤ「結構ですわよ。生徒会長として、出場を許可します」

ルビィ「ほんと！？　お姉ちゃんありがとう！」

千・曜・梨（えぇ～～～！？）

千歌「ダイヤさんいいの？　麻雀だよ？　出場料だって東京までの交通費だってかかるし...」

ダイヤ「部費支出の要件は満たしますわ。特段問題はないでしょう。
　　　　それに、麻雀がダーティなゲームだという認識は、もはや前時代的ですわよ」

曜（どうしよう、いまさら面倒くさいだなんて言えない。それに...）

ルビィ「やったぁ！みんな、がんばろうね！　ルビィもがんばルビィ！」

梨子（この笑顔を曇らせたら、それこそ、ダイヤさんに何言われるかわかったもんじゃない）

ダイヤ「皆さん。勝ち負けも大事ですが、せっかく出るんです。麻雀を楽しんでらっしゃいな」

ルビィ「うん！」

千・曜・梨「はーい...」

ダイヤ「あ、領収書は忘れないように」

千歌「うわー、すごい人だねー...」

曜「ほんとに全国から集まってるんだね。咲-saki-か！」

梨子「スクールアイドルと麻雀って、そんなに相容れるものだったかしら...人のこと言えないけど」

ルビィ「あ、開会式とルール説明がはじまるみたいだよ」

・・・・・・

大会スタッフ『ルールは、スクールアイドル対抗麻雀大会公式のものとします。
　　　　　　　　 詳しくは、配布したルール説明書をよくご確認ください』

千歌「うわ...いまどき東南戦だって」

曜「嘘でしょ、トビなしってちょっと」

梨子「ちゃんと赤は入ってるんでしょうね」

ルビィ「１枚も入ってないよ...　素晴らしいですよねぇ～ギャンブル性を極力取り除いた競技ルール！
　　　　 たまには、こういう健康的な麻雀もいいものだよ！」

千・曜・梨「えー…」

【ルール（主だったものを抜粋）】
・東南戦半荘１回を１回戦とし、各人必ずそれを４回戦分行う。
・４回戦の合計得点が多い者上位４名が決勝戦へと進む。
・一発・裏ドラあり
・赤なし
・後付けあり
・トビなし
その他割愛

※補足ルール
①各校スクールアイドル１組につき、最大で４名まで出場できる。
②各戦の組み合わせは、大会運営委員が決めるものとする。
　（同一校の生徒が同卓する場合もある。一人の対戦者と複数回対戦する場合もある）
③決勝卓では、東南戦半荘１回のゲームとし、順位でのみ勝敗を決める。（予選での獲得点は考慮しない）
④チーム成績は今回設けず、完全な個人戦とする。


千歌「同じ卓に同じチームメイトがかち合うって...つぶし合っちゃって、不利にならないかな？」

曜「うーん。でも連携が取れていれば、完全なコンビプレーが可能ってことだね」

梨子「『スクールアイドル対抗』っていうんだから、てっきりチーム戦だと思ってたけど。
　　　"完全な個人戦"、ね...」

一回戦　千歌卓

ＡＢＣ「よろしくお願いしまーす！」

千歌「ｼｬｰｽ...」

千歌（あー...今日はあのドラマの再放送見たかったのに...）

千歌（家から遠く離れた地で、なんでお金を賭けない麻雀なんか打ってるの私）

千歌（...思考回路が動いてくれない）

千歌「チー」

千歌「ポン」

千歌「チー」

千歌「チー」

千歌「ツモ、300・500」

千歌「...」

千歌「これ、テンパネしてないかな？」

ＡＢＣ「してないわよ！」

一回戦　曜卓

曜（健康的はいいんだけどさ...）

Ｄ「さぁ、サクサクいきましょー！」

曜（イマイチ気合いが入らないというか...）

Ｅ「リーチ！」

曜「いらない」ツモ切り

Ｅ「ロン！リーチ一発のみ2600！」

Ｆ「なんて甘い牌を...」ﾔﾚﾔﾚ

曜（ノーレートで、その上リーのみに降りろとか冗談でしょ）

曜「まぁいいや。はい」4000点

Ｅ「ん？　ちょっと多いよ。お釣りは...」

曜「あー、とっといてよ。どうせノーレートなんだから、アバウトにいこ」

Ｆ「ちょっと！　全体の成績にも影響するんだから、ちゃんとやってください！」

曜「なにムキになっちゃってんの。やばいよキミ」

Ｄ「ヤバイのはあなたよ！」

一回戦　梨子卓

Ｗ・Ｘ・Ｙ・梨子「よろしくお願いします」

梨子（ウフフ...♡　せっかく東京に来たんだもん。大会が終わったら...）

ＷＸＹ（な、なに...？　ものすごい勢いでニヤニヤしだした）

梨子（同人誌漁りよ！！）ﾊﾞｼｨｯ！

Ｗ（すごい強打...テンパイ？）

Ｘ（テンパイか...とりあえず回っとこ）

Ｙ（あのニヤニヤ強打は打ったら高そうね）

・・・・・

ＷＸＹ（なんとか、流局した...いったいどんな手だったの？）

梨子「ノーテン」ﾊﾟﾀｯ

ＷＸＹ（えぇー...）

・・・・・

梨子（あ、でも。こないだよっちゃんに負けて、お金あんまりないんだった...）ﾀﾝ

梨子（なんてこと...こんな時に限って金欠だなんて...！！）ﾊﾟｼ

Ｗ（今度はすごい悲しそうな顔しだしたわ）

Ｘ（手が悪いのかしら）

Ｙ（今のうちに手を進められるわ！）ﾊﾟｼｯ

梨子「ロン...16000...」

Ｙ「えっ！？」

梨子「はぁ～...」

ＷＸＹ（ダマ倍あがってなんでため息ついてんの！？）

【一回戦　試合後】

千歌「一回戦、どうだった？」（トップ）

曜「うん、まぁ、なんとか」（トップ）

梨子「私もその、なんとか」（トップ）

千歌「そっか、それは何よりだけど...なんていうかさ」

曜「うん...」

梨子「ノーレートで勝っても、損してるような気がする」

千歌・曜「「そうなんだよ！」」

曜「もしかして、負けたほうが得するんじゃない？」

千歌「その理屈はあんまりだよ。　けど、うーん...」


ルビィ卓
ルビィ「ツモ、3000・6000！　ラストです！　...やった、マクレたぁ！」ｶﾞｯﾂﾎﾟｰｽﾞ


千歌「...もう少しだけ、あの子に付き合ってみよっか」

曜「優勝すれば、少なくともただで雀卓は貰えるんだし」

梨子「そうね」

【二回戦　試合後】

千歌「これさ、トーナメント方式とかのほうが良かったんじゃないの？
　　　 私の卓、一回戦よりひどかった。完全に絵合わせゲームだったよ」（トップ）

曜「白・発と鳴いてるところに、まさか中が出るとは思わなかった」（トップ）

梨子「点ピンなら、どれだけ儲かってたか...」（トップ）

ルビィ「みんなおつかれさまー！　ねぇねぇ聞いて！　ルビィ２連勝だよ！」（トップ）

千・曜・梨「おー、おめでとー...」

ルビィ「あ、あれ、なんか元気ない？　お姉ちゃんも言ってたでしょ、勝ち負けよりも楽しむことだって！
　　　　 ３回戦も、がんばルビィ！」ﾀﾀﾀｯ

千・曜・梨「......」

千歌「かわいいなぁ...//」

曜「梨子ちゃん顔赤いよ//」

梨子「曜ちゃんこそ//」

ルビィ「えーっと、３回戦の対戦相手は...あ、梨子ちゃんと一緒だ！　どうしよう、ドキドキするなぁ」

？？？「ルビィちゃん、だったかな？」

ルビィ「はい？」

？？？「こんにちは。大会運営委員の大豪院ゲス美です」

ルビィ「どど、どうも・・・初めまして」

ルビィ（運営委員...！？　どうしよう。　ルビィ、なにかやっちゃったかな）

ゲス美「そう身構えないで。　別に注意にきたとかじゃないわよ」

ゲス美「ルビィちゃんあなた、１回戦から見てたけど、強いわねぇ～。しかも、マナーも凄くいいわ」

ルビィ「そ、そんなこと...あいがとござましゅ...//」

ゲス美「アイドル麻雀界には、きっとあなたみたいな人材が必要なんでしょうね」

ルビィ「いやぁ、そんなぁ...//（アイドル麻雀界ってなんだろ）」

ゲス美「そこで、あなたの腕を見込んで、頼みがあるの」

ルビィ「頼み、ですか？」

ゲス美「ルビィちゃんが３回戦で当たる相手に、ゲス子って子がいるんだけど。その子、私の娘なのよ」

ルビィ「へぇ、そうなんですか」

ゲス美「単刀直入に言うわ。うちのゲス子を勝たせてちょうだい」

ルビィ「...はぃ？」

ゲス美「情けないことだけど、うちの子の学校も、いま生徒数減による廃校の危機を迎えててね...。
　　　　　この大会でベスト４入りして名を挙げて、少しでも入学希望者数を増やしたいの」

ルビィ「はぁ...」

ゲス美「あなたのチームメイトの千歌さん、曜さん、梨子さんだったかしら。みたところ、この３人も凄く強いわよね。
　　　　　あとの２戦次第だけど、少なくとも、３人のうち誰かは決勝卓へ進めるんじゃないかしら」

ルビィ「はぁ...」

ゲス美「つまり、浦の星女学院は、今大会では鉄板なのよ。注目されることはほぼ約束されてる。
　　　　　だからお願い。今回、ルビィちゃんには泣きを見てほしい」

ルビィ「泣き、って...あの」

ゲス美「ゲス子に有利な牌を鳴かせるとか、当たり牌を振り込むとか」

ルビィ「そっ、そんなのだめですよ！　だって、」

ゲス美「もちろん、タダとは言わないわ。これはビジネスよ。受け取っておいて」ｸｼｬ

ルビィ（お金...！？）

ゲス美「廃校寸前の学校を守りたいと思う気持ちは分かるはずよね？　
　　　　　だからお願い、うちの子の学校を助けると思って...この通りよ」

ルビィ「廃校...助ける...」

ルビィ「......」

ルビィ「わかりました」

ゲス高校長「どうでした？」

ゲス美「多分、大丈夫でしょ。実際、麻雀の腕はそこそこのくせして、見るからに気が弱いし。
　　　　　ある意味うってつけ。それにスクールアイドルって子たちは、『廃校寸前の学校』ってフレーズに弱い」

ゲス高校長「左様で...ｗ」

ゲス美「３回戦の結果を見て、４回戦もゲス子と当たらせるわ」

ゲス美「それよりも、いいわよね？　ゲス子がベスト４入りしたら...」

ゲス高校長「もちろんです。ゲス子さんの、卒業から進学までのお世話はお任せください。
　　　　　　　　あの、そして例のお話しなんですが...」

ゲス美「わかってるわよ。あんたの学校の建替え工事を、うちの会社で安く見積もるわ。
　　　　　ベスト４に入れば、私の口利きで学校のＰＲ費用もラブライブ運営から引っ張れる。その辺は大丈夫よ」

ゲス高校長「ありがとうございます！　何卒よろしくお願いします...！」

ゲス美「まったく...おばかな子ね」

ゲス美「廃校寸前の学校を救うだなんてシチュエーション、そんなに転がってるわけないじゃないの」

【三回戦】

Ｍ子・ゲス子・ルビィ・梨子卓

ゲス子「リーチ！」打８ｐ

梨子（５ｐの先出しのあと、少し離れて８ｐ切りでリーチ...本命は６－９pだけど）

ルビィ「」打６ｐ

梨子「！？」

ゲス子「ロ～ン、8000。ヌルいねぇ～ルビィちゃん」

ルビィ「...」ﾁｬﾘ

梨子（ふーん...）

【三回戦結果】

Ｍ子-4　ゲス子+32　ルビィ-36　　梨子+8

ルビィ「梨子ちゃんごめんね。ルビィのせいで...」

梨子「ん？　別に気にしてないよ、浮きの2着だったし。４回戦でも浮けば、決勝へは行けるでしょ」

ルビィ「ルビィは決勝、行けないかも...」

梨子「...」

梨子「ルビィちゃん、あなた、」

ルビィ「え？」

梨子「いえ...なんでもないわ。　４回戦、がんばってね」

ルビィ「...うん」

千歌「え？　ルビィちゃんが？」

梨子「多分ね。理由はわからないけど。ゲス子って子を勝たせようとしてる」

千歌「組んでる？」

梨子「どっちかというと、片ヤオかな...。あからさまだけど、ゲス子ちゃんは完全に自分の実力だと思ってるわね」
（片ヤオ＝片八百長。この場合、ルビィがゲス子を勝たせようとしているという認識が、ゲス子には無いという意味）

千歌「あー、４回戦でも当たるね」

梨子「どうする？　始まるまであまり時間無いけど、問い詰めてみようか」

千歌「うーんそうだねぇ...あ、いや。ちょっと待った」

千歌「大丈夫じゃないかな、きっと」

梨子「でも...」

千歌「４回戦。よく見たら、同じ卓に曜ちゃんがいる」

梨子「あ、ほんと。でも、大丈夫って？」

千歌「こういうときの曜ちゃんはね、本当に頼りになるよ」

【四回戦】

Ｌ子・曜・ゲス子・ルビィ卓

東１局　０本場

ルビィ「」ﾊﾟｼｯ　　ゲス子「ポン！」

ルビィ「」ﾊﾟｼｯ　　ゲス子「ポン！」

ルビィ「」ﾊﾟｼｯ　　ゲス子「ポン！」

ゲス子「ツモ、2000・4000！　いやー、ヌルい子がいると楽だねぇ～」

ルビィ「...」ﾁｬﾘ

曜（おやおや、これは...）

・・・・・・

ルビィ「」ﾊﾟｼｯ

ゲス子「ロ～ン！7700！　ダマだとさすがに分かんないかぁ～」

・・・・・・

ルビィ「」ﾊﾟｼｯ

ゲス子「ロン！メンチン12000！　あなた、ちゃんと河見てるの？ｗ」

・・・・・・

ルビィ「」ﾊﾟｼｯ

ゲス子「ロン！一発だとハネ満～！　あなたひどいわね！壊れた蛇口じゃないんだから」ｹﾗｹﾗｹﾗ

曜「......」

南３局　０本場　親：ゲス子

ゲス子「リィ～チ！」

ルビィ（...ゲス子ちゃん、字牌でキョロキョロしてた。役牌待ちだ）

ルビィ（まだ出てない役牌。つまり、このトイツの南...この子はここで待っている）

ルビィ（３回戦までの得点からみて...一発でこれを差し込めば、ゲス子ちゃんの決勝はほぼ決まりだ）

ルビィ「」ｸﾞｯ

曜「これだからサークル活動の麻雀は嫌なんだよ」

ルビィ「」ﾋﾟﾀｯ

曜「お金を賭けた麻雀でなら、いくら汚い手を使われようと、まだ納得はできる。
　　みんな命の次に大事なお金を賭けて、神経をすり減らしながら打ってるんだからね」

ルビィ「...」

曜「ノーレートなら、負けても自分にはなーんのリスクもないからね、ムチャクチャできるよね」

ルビィ「...」

曜「打牌に真剣味が足りない。勝負に対する意思が感じられない」

ルビィ「...」

曜「そんな打ち方をする連中が勝つ麻雀が、そんなに楽しい？」

ルビィ「......っ！！」

曜「どうしたの。早く切りなよ」

ルビィ（曜ちゃん...）





ルビィ「ｽｩｰｰｰ...ﾌｩｰｰｰｰ...」





ルビィ（お姉ちゃん。ルビィ忘れてたみたい）

ゲス子「なにをごちゃごちゃ言ってるのこの子は。　それよりルビィちゃんまだぁ？
　　　　　長考は他の人の迷惑になるんだけどなぁ～、振り込みたくないのはわかるけどー」ﾄﾝﾄﾝ

ルビィ「」ﾊﾞｼｨｯ！打４ｐ

ルビィ「どうかしてた」

ゲス子「つ、強いねぇ～通しだよ」

ルビィ「」ﾊﾞｼｯ打３ｐ（無スジ）　ﾊﾞｼｯ打８ｓ（無スジ）　ﾊﾞｼｯ打６ｍ（無スジ）

ゲス子「ちょっとちょっと、親リーかかってんのよ？　あなたダンラスなんだから、大人しくしておいｔ」

ルビィ「リーチ」ﾀﾝｯ打５ｓ（ドラ）

ゲス子「え」ツモ切り

ルビィ「ロン、一発ウラウラで12000」

ゲス子「っ！？　へ、へぇ～。まぐれって怖いわぁ～」

ルビィ「ゲス子ちゃんの当たり牌を押さえてたら、たまたま形になっただけだよ」

ゲス子「なんですって...ふん、まるで人の待ちが分かってるみたいな言い方じゃない」

ルビィ「（曜ちゃん...、）ごめんなさい」

曜（ふぅ、ガラじゃないなぁ）ﾌﾌｯ

オーラス　３本場　親：ルビィ

ルビィ「リーチ」

ゲス子「調子に乗ってんじゃないわよ！追っかけリーチ！」打西

ルビィ「ロン。一発チートイドラドラ18000と900」

ゲス子「くっそぉ...！　どんだけまぐれが続けば気が済むの！」

ルビィ「ばかなの？　さっき下手な小手返しをしたときに西がこぼれて見えたでしょ。
　　　　そんな牌をいつまでも抱えてるから狙い打ったんだよ」

ゲス子「そっ...」

ルビィ「さぁ、次だよ」ｶﾗｶﾗｶﾗ...

曜「うーん、トビなしルールも面白いもんだねぇ」

【四回戦　ルビィ卓　結果】
Ｌ子-18　ゲス子-113　曜+29　ルビィ+102

ゲス子「ぐぬぬぬ...おのれルビィ、よくも...」

ルビィ「あの、ゲス子ちゃん...ごめんね。ゲス子ちゃんの学校、助けられなくて...」

ゲス子「はぁ？　何の話よ。　なんでうちの学校をあんたが助けなくちゃいけないの」

ルビィ「え...？　だって、廃校寸前だってお母さんが」

ゲス子「廃校～！？　うちはスポーツ・勉学共に豊かなマンモス校よ！　志望倍率、5.2倍！」

ルビィ「え！？　そうなの！？」

ゲス子「なにを勘違いしたのか知らないけど...。
　　　　 次はこうはいかないんだからね！　覚えてなさいよ、黒澤ルビィ！」ﾋﾞｭﾝ！



ルビィ「あはは、まったく...この世界はタヌキばかりだよ、お姉ちゃん」

ゲス美「...どういうこと？」

ルビィ「ごめんなさい。もちろん、お金はお返しします」ｽｯ

ゲス美「...」

ルビィ「ゲス子ちゃんの学校、廃校寸前でもなんでもないんですよね。さっき、ゲス子ちゃんから聞きました」

ゲス美「...」

ルビィ「こういう世界だから、勝ち負けの結果はもちろん大事です。でも、私にとっては、そんなのはただの副賞なんです」

ルビィ「楽しいからやるの」

ルビィ「一生懸命楽しんで...その上での結果なら、勝っても負けても納得できる。次に繋げられる」

ルビィ「だから、ほんの少しだけきらめくんだと思うの。　スクールアイドルも、麻雀も」

ルビィ「ごめんなさい。偉そうなこと言いました。失礼します」ﾀｯ

・・・・・

ゲス美「誰よ、気が弱いだなんて言ったの。とんでもないわ」

ゲス美「黒澤ルビィ、か...」

ゲス美「...」

ゲス美「かわいいわね//」

・・・・・・

千歌「うんうん。かくして、不穏分子は消え去ったのであった。完！」

梨子「曜ちゃん、あなたすごいわね...」

曜「？　なにが？」


【決勝戦進出者】

高海千歌（浦の星女学院スクールアイドル）
渡辺曜（同）
桜内梨子（同）
黒澤ルビィ（同）

『これより決勝戦を開始します。出場者はお集まりください。繰り返します。これより...』


千歌「結局４人で決勝だね～。　...えー、コホン。　というわけでぇ...」

曜「ヨーソロー！　（レートを）乗せるであります！！　指先がセレナーデを熱唱するよ～！！」

梨子「人騒がせなお嬢さんを、ひとつ懲らしめないといけないしねぇ」

ルビィ「うゅ...ごめんなさい...。　でも、今のルビィは、一味違うよ！　それに！」

ルビィ「善子ちゃんに、毎回ぼこぼこにされてる千歌ちゃんたちには、負けないっ！」

千歌・曜・梨子「「「知ってて誘ったんかい！！」」」

千歌「そんなナマな小娘がいるんじゃ、半端なレートじゃ失礼にあたるよねぇ」

曜「決定しました。サンピンのスリー・ナイン。このくらいが、この決勝卓のレートには相応しい」

梨子「赤を９枚くらい入れようか？　割れ目は？　アリスも？」

ルビィ「うゅ...ヤ○ザ屋さんみたいなレートだぁ...。　返さなきゃ良かったかなぁ...」

－観戦室

「浦女同士での決勝だってさ」

「なんていうか、お世辞にもきれいな麻雀とは言えないよね」

「２巡目リャンメンチーとか役牌バックとか、改めて酷いわね」

「でも私たち、あの子らに負けたのよね」

「あの子、なんでチーを『チャッ』って発声してるの？」

「なんか、ダサいむこうぶちみたいな子もいるし」

「でも...」

「すごい真剣」

「それに、なんであんなに楽しそうなの」


一同（浦女スクールアイドル『Aqours』...一体どういうチームなの）ｺﾞｸﾘ


ゲス子「......」ﾎﾞｰｯ…

ゲス子（麻雀って、あんなに楽しそうなものだったっけ...）

ゲス子「次はいつ打てるのよ、黒澤ルビィ」ｳｽﾞｳｽﾞ

ゲス美（...早いとこ、第２回大会を企画してあげようかしらね）

【大会後日】

－部室

果南「おぉー、これが全自動雀卓か」

花丸「未来ずらぁ～！」

鞠莉「OH！　Automatic！」

千歌「これで、場代無しで麻雀が打てるね！」

曜「いやぁ～。いいもんだね、部室に雀卓。...って、咲-saki-か！」

梨子「曜ちゃん、あくまで私たちはスクールアイドル。　本分を忘れちゃだめよ」

ルビィ「本分は高校生だと思うけど...」

ダイヤ「そうですわ。　それに、下手に打って、善子さんに一文無しにされるのが目に見えてますわよ」

千歌「むむむ...。　いや！　せっかく雀卓があるんだもん」

曜「お金がなくなっても、帰らずに――」

梨子「夜通し打てる！」

ルビィ「うん！　朝まで安心だね！」

一同「......」

梨子「あの、ルビィちゃん？　その発言は、他ではしないほうが///」

ルビィ「え...な、なんで？　ルビィ変なこと言った？」



善子「えっろ」



完