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【艦これ】磯波「どうしちゃったの? そのカッコ!?」|エレファント速報:SSまとめブログ

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【艦これ】磯波「どうしちゃったの? そのカッコ!?」

1: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:05:33.41 ID:S9L8xFND0



磯波「サンタさんだよね?」

江風「……」

磯波「……」

江風「……傷ついた」

磯波「え!ち、違うの!?」

江風「……喜ばしい日とおめかしと、満を持してその後からやって来るは、親友の潔さすら感じる裏切り……」

磯波「ご、ごめんね! でも他に思いつかなくて……」

江風「……ホレ! この頭に付けた、クリスマスの権化みたいな角を見なよ!」

磯波「……トナカイ?」

江風「ん! 大当たり!――そうさ!トナカイさ!」



2: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:06:34.20 ID:S9L8xFND0


磯波「(じゃあ、この紅白の衣装は? 発注ミス?)」

磯波「へ、へぇ~。じゃあ江風ちゃんも、鈴谷さんや漣さんみたいに今夜のパーティで着ていくんだね」

江風「いんや、パーティは普段着だよ」

磯波「着てかないの?」

江風「がっつりラフな格好さ」

磯波「じゃあその浮かれた格好は何のためなの?」

江風「このアホみたいな格好は、深夜に真価を発揮するのさ」

磯波「?」

江風「つまりこのバッチリした格好で、皆の枕元にプレゼントを配ろうって訳さ!」

磯波「へぇ~! サプライズだね!気が利くね江風ちゃん!」

江風「いや~、そう褒めなさんなって! そんな君にもきっと夜更けに気の利くトナカイが来るだろうねぇ!んん!来るだろうねえ!」

磯波「(すごい照れてる……一般的なトナカイさんは多分、サンタさんのお仕事中は外待機だと思うけど……)」



3: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:07:31.20 ID:S9L8xFND0


磯波「でも全員に配るの?何十人もいるよ?」

江風「いや、配るのは4,5人だね。」

磯波「え?」

江風「3,4人」

磯波「あ、そんな内々な感じでやるんだね」



4: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:08:17.51 ID:S9L8xFND0


江風「全員なんて無理無理」

磯波「それじゃあ、ちょっと不公平になっちゃわないかなあ。貰えた子と貰えなかった子と……」

江風「心配しなさんな! その疑問ならとっくにやっつけちまってるよ」

磯波「どうするの?」

江風「小さい子には配らない!」

磯波「へえ~それなら大丈夫そうだね。誰に配るの?」

江風「ここに候補者の名前を書いた割り箸がある」

磯波「あ、抽選なんだね、江風ちゃん」



5: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:08:50.38 ID:S9L8xFND0


磯波「それじゃあ引くね――えいっ!」

江風「一気に3本いくかあ。そういう所が好きだなぁ――ん~?どれどれ?」

磯波「利根さん、秋津洲さん、木曾さん……だね」

江風「よっしゃ! じゃあ早速、何を欲しがってるか3人に聞いてきてくれ!」

磯波「やっぱり見切り発車だったんだね、江風ちゃん」

江風「トナカイの下りで気づくべきだったねぇ」

磯波「百も承知だよ、江風ちゃん――でも、私が訊くの?」

江風「どした?ひょっとしてこの後予定でもある?」



6: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:09:21.47 ID:S9L8xFND0


磯波「ううん。だって――江風ちゃん分かるでしょ? 3人ともあんまりお話したことないし……私おしゃべり苦手だし……」

磯波「江風ちゃんが訊いた方が、きっと上手くいくんじゃないかな?」

江風「上手くいくかどうかはじゅーよーじゃない。君がやることに江風は意味を見出したいんだよ。そうだろ?」

磯波「……予定があるの?」

江風「那珂ちゃんサンのイベントがあって、――決して数合わせって訳じゃないけど――とにかく呼ばれてんだよね。賑やかしで。川内さんに」

磯波「……」

江風「すまんな」

磯波「……分かった! やってみる」

江風「ん! そういうとこだぞぉ!」



7: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:10:27.94 ID:S9L8xFND0


磯波「あの、すいません舞風さん」

舞風「うん? なになに?」

磯波「えっと、利根さんを探しているんですけど――どこかで見ませんでしたか?」

舞風「うん、見たよ! さっき食堂で!」

磯波「ありがとうございます!」



8: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:11:19.68 ID:S9L8xFND0

食堂



磯波「(……いた! 利根さんしかいないみたい……)」

磯波「(どうしよう……コーヒーにすごいたくさん砂糖入れてる最中だし……今声かけたら失礼かなあ)」

磯波「(あ、どうしよう……今度は一口飲んだ後に、なんとも表現できないような顔で舌を出して咳き込んでる……やっぱり迷惑かなぁ)」

磯波「(ううん! こんな弱気じゃ、いつまで経っても話かけられないし、話しかけよう!)」

磯波「(よし、ここだ! 利根さんがすごいたくさん牛乳を入れてるこの瞬間! この瞬間なら大丈夫!)」

磯波「あ、あの……すみません。今お時間大丈夫でしょうか」

利根「!?」

磯波「(どうしよう……利根さんカップに口をつけたまま固まっちゃった)



9: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:11:54.77 ID:S9L8xFND0


磯波「ご、ごめんなさい! 後ろから話かけたら驚きますよね! 本当にごめんなさい!」

利根「……う、うむ! い、いかな我輩と言えども、一心地ついている時分に、背後から不意打ちを食えばこうもなろう」

磯波「ごめんなさい……」

利根「いやいや、ちょっと驚いただけじゃ! ……それより、その……見たのか?」

磯波「えっと……何をでしょうか?」

利根「うむ! いや! 良い! それなら良い! それで、何用じゃ?」

磯波「えっと……(いきなり「今、何が欲しいですか?」なんて聞いても答えづらいよね……どうしよう……えっと……)」

利根「?」

磯波「(そうだ! “今身近にあるものを話題にしろ”って江風ちゃんがくれた本に書いてあったっけ!よぉし……)」

磯波「コーヒーお好きなんですか?」



10: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:12:35.27 ID:S9L8xFND0


利根「!? と、当然じゃ!! 朝昼夕と、一日の節目にコーヒーは当然欠かせないものじゃ! 吾輩は……吾輩は……ええっと……」

磯波「(コーヒーと私を交互に見てる……これは……)」

利根「……そう! 飽きないように“あえて”砂糖を入れてみたり、“あえて”牛乳を入れてみたりと、それぞれの味の違いを楽しむほどじゃ!」

磯波「(これは……間違いない……きっと、利根さんは……利根さんが好きなものは……コーヒー!」

磯波「(きっとそうだ! 好きなことをお喋りする時は皆ちょっと饒舌になったり、「!」マークが多くなるような喋り方になる……!)」

磯波「(しかも、このコーヒーに対するこだわり具合……江風ちゃん! 私、掴みました! 『利根さんにはコーヒーを!』」

磯波「あの……ありがとうございます!」グッ

利根「へ?」ポカン

磯波「お聞きしたいことは正にそのことでした! ありがとうございます! それでは失礼します!」ダッ

利根「……征ってしまったか」



11: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:13:03.95 ID:S9L8xFND0



磯波「(廊下の向こうに秋津洲さんがいる!……行きます!)

磯波「あの、こんにちは。秋津洲さん」

秋津洲「……あ、磯波ちゃん、こんにちは!……はぁ~かも」

磯波「(どうしたのかな? ちょっと元気がないみたいだけど……)」

秋津洲「今日は良い天気で良かったかも!」

磯波「そ、そうですね」

秋津洲「はぁ~かも」

磯波「(どうしよう……すごく何か言いたがってる)……あ、あの、何かあったんでしょうか?」

秋津洲「鋭いかも! 実はさっき提督に頼まれて七面鳥を焼いてたの――そしたら、厨房にふらっと来た瑞鶴がやいのやいの言い出して、大変だったかも!」

磯波「へ、へえ……大変でしたね」



12: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:13:37.91 ID:S9L8xFND0


秋津洲「顔を赤くさせたり青くさせたりして、わーきゃー言う瑞鶴を、20分くらいかけて秋津洲と翔鶴がなだめて……なんだかどっと疲れたかも」

磯波「お疲れ様でした」ペコリ

秋津洲「ありがと! でも、これからかも! まだまだお料理たくさん作って、それに飾り付けもお手伝いして、パーティをうんと豪勢にしなきゃね!」

磯波「わぁ、腕が鳴りますね! 夜までずっとお忙しいんですか?」

秋津洲「そうかも! 忙しすぎて大艇ちゃんの手も借りたいくらいかも! ……あ! “手”で思い出したかも!」

磯波「あの、どうしたんですか?」

秋津洲「どこかで、方っぽだけの手袋見なかった? どっかに落としちゃったかも~」

磯波「えっと、う~ん……すみません、見ませんでした……」

秋津洲「残念かも~……お気に入りだったのに~……」

磯波「お役に立てなくて、すみません」



13: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:14:07.22 ID:S9L8xFND0


秋津洲「ううん、謝らないで! もし何処かで見かけたら教えてほしいかも!」

磯波「はい、分かりました。注意して歩いてみますね」 

秋津洲「ありがとうかも!それじゃね~」

磯波「はい! あの……パーティ、楽しみにしてます!」

磯波「(手袋かぁ……頑張って見つけられたらいいけど……)」

磯波「(最後に見たのが何処かとか、いつ失くしたのかとか聞いておけば良かったなあ……)」

秋津洲「ねえ」

磯波「(木曾さんに聞く前に探してみようかな)」

秋津洲「ねえねえ」

磯波「(でももうあんまり時間もないしどうしよう……)」

秋津洲「聞くかもー!!!」

磯波「きゃあっ!?」



14: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:14:49.07 ID:S9L8xFND0


秋津洲「あ、ご、ごめんなさいかも!驚かすつもりはなかったかも!」

磯波「いえ……こちらこそ、ごめんなさい……えっと、なんでしょうか?」

秋津洲「……」

磯波「……あの?」

秋津洲「……磯波ちゃんは時々思い出すことない?」

磯波「えっと……何を……でしょうか?」

秋津洲「……秋津洲も上手く言えないかも。すごく奇妙で、ほとんど忘れちゃった昔の感触……」

秋津洲「あの時、瑞鶴が言ってたことはちんぷんかんぷんかも。でも、意味はちょっと分かってたかも」

磯波「……」

秋津洲「何十年も前に、どこかにしまい込んだまま忘れちゃったものを、何かの拍子に思い出すような感覚……」

秋津洲「でもそれなのに、それが何のことか見当もつかないかも……知りたいのにどこにあるかも思い出せないかも……そういうの磯波ちゃん分かる?」

磯波「……」

秋津洲「でも本当は……」



15: ◆nm6e9UwrJA 2016/12/27(火) 19:15:17.34 ID:S9L8xFND0


秋津洲「……ごめんね! せっかくのクリスマスにこんなお話する必要はないかも! 失くした手袋が相当に惜しいだけかも!じゃあね!」

磯波「あの!」

秋津洲「?」

磯波「どこかで見つけたら、お知らせしますね」

秋津洲「……うん! ありがとうかも!」



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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年12月27日 20:23
      • 天龍ちゃんの反応が気になる
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年12月27日 20:40
      • クリスマスに間に合ってない・・・。
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年12月27日 22:36
      • ※2
        ここのサンタは慌てん坊なのさ。362日程早かっただけ。

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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