リコーは、24時間連続で360°全天球映像をライブストリーミングできるカメラ「RICHO R Development Kit」を発表しました。開発者向けで、出荷は2017年春を予定します。
カメラ内で全天球映像にリアルタイム合成
RICOH R Development Kitは、リコーがTHETAシリーズで培った全天球映像技術を活用し、2K解像度で30fpsの全天球ライブストリーミングを可能にする開発者向けカメラです。左右2つの魚眼レンズで取り込んだ映像を、カメラ内で全天球映像にリアルタイム合成。映像はHDMIまたはUSBで出力します。また、ACアダプターを利用して24時間の連続駆動が可能です。主な特徴は次のとおりです。
全天球映像のライブストリーミングの意義について、リコーは次のように説明します。
- フルHD解像度で30fpsの全天球映像を出力
- 2つの魚眼レンズ映像をカメラ内でリアルタイムスティッチング
- 全天球映像をHDMIまたはUSBに出力
- micro SDカードに全天球映像の記録可能
- モノラルマイク内蔵
- USB経由で映像設定のコントロールが可能
- PC/Mac用の映像コントロールツールを用意
- 映像コントロールツールのソースコードを公開予定
「今後、全天球ライブストリーミングは、VRヘッドセットと組み合わせ、音楽ライブなどのエンターテイメント分野や、VR的な臨場感を伴った機器の遠隔操作(テレイグジスタンス)、その他さまざまな用途への活用が期待される」
リコーは、本製品を開発者向けのキットとして2017年春に出荷予定。1月5日に開幕した民生機器テクノロジー関連の国際見本市「CES 2017」にも出展しています。
2015年秋にお披露目された試作機
なおリコーは、360°全天球映像のライブストリーミングを実現するカメラの試作機を、2015年秋に披露していました。その時は放熱のためのヒートシンクが目立つ外観でしたが、約1年半の時を経てスリム化し、開発者向けキットという形ではありますが、ようやく出荷が実現した形です。いずれは市販のTHETAシリーズにも同機能が搭載されるのか、楽しみにしたいところです。
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