米ラスベガスで開催中の家電見本市CES 2017より。インテルがカード型コンピューター「Compute Card」を発表しました。Compute Cardは厚さ5mm、クレジットカードほどの大きさのカードながら、必要な機能はひと通り備えるPC。たとえば専用のスロットを備える家電製品に挿し込んでIoT機能を後付けするといった用途が考えられます。
CES 2017ではまだサイズや基本的な機能のみの紹介で、Compute Cardの詳細な仕様などは発表されていません。しかし、CPUには最新のKaby Lakeこと第7世代Coreプロセッサーも搭載可能とされ、IoT用途とはいえ強力な性能を備えることもできそうです。
テレビなどの家電製品は、長ければ10年以上使い続けることも普通にありえます。しかしコンピューターやインターネットの世界は進化速度が早く、たとえば数年前に登場したインターネット機能を備えるテレビの一部機種では、動画配信サービスの視聴アプリなど、すでにインターネット関連機能が利用できなくなってしまった(しまう予定)ものもちらほら。
一方で、HDMI直挿しでIoT機能、というか動画サービスとアプリが利用可能なChromecastのようなデバイスも登場しており、こちらはアップデートなどによって現在も使い続けることができます。またインテルはHDMI直挿しで使えるPC「Compute Stick」を発売し、テレビを手軽にPCに変える新しい使い方を提案していました。
今回発表したCompute Cardは、仕様的にはたった1枚のカードにCPU、RAM、ストレージ、WiFiやBluetoothなどPCとしての機能をすべて納め、オプション選択可能なCPUは最新のKaby Lake世代プロセッサーまでサポートするとのこと。テレビなどの家電だけでなく、自動販売機、街頭広告にいたるまであらゆる電気製品にIoT機能を提供するPCデバイスとなりそう。また数年経ってCompute Cardの性能が陳腐化してきても、カードを最新のものに交換すれば、最新の性能や機能にアップデートすることが可能です。PCメーカーとしてはすでにDell、HP、レノボなどがCompute Cardに対応する製品を開発中とのことです。
ところでクレジットカードサイズとはいいつつもやや厚みがあるCompute Cardを見ると、まるでかつてノートPCの必需品だったPCMCIA対応のモデムやLAN/USBアダプターを連想する人もいそう。さらにベテランの方々ならば、HuCARDやBEE CARD、マイカードという固有名詞が脳裏を一瞬よぎったかもしれません。ただ、Huカードなどは厚さ2mmだったので、厚さ5mmのCompute Cardを誰かに説明するときは「HuCARD x2枚ちょい」と覚えておけば良い...かもしれません。