戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://elephant.2chblog.jp/archives/52188015.html


高峯のあ「牛丼並……4つでいいかしら?」|エレファント速報:SSまとめブログ

TOP

高峯のあ「牛丼並……4つでいいかしら?」

1: ◆AL0FHjcNlc 2016/11/13(日) 21:46:58.08 ID:A39YavOz0

●注意●
・短編形式
・日常系SS
・のあさんのキャラ、口調、クールなイメージが『著しく』崩壊します
・独自解釈している点が多々ありますので、ご了承下さい
・雑談はご自由に

●登場人物●
高峯のあ、他

no title




377: ◆AL0FHjcNlc 2017/01/05(木) 23:31:24.87 ID:a2iWnQQR0


過去作

第1作:高峯のあ「牛丼並……あっ大盛りで」

第2作:高峯のあ「和風牛丼並……あっあとから揚げ」

第3作:高峯のあ「(プレミアム牛めし……あっあと焼のり)」

第4作:高峯のあ「牛丼大盛り……つぇ、つゆだケで……っ!」




2:☆1/3 ◆AL0FHjcNlc 2016/11/13(日) 21:49:17.19 ID:A39YavOz0


━━━━━━━━━━
【吉野家・テーブル席】








時子「………………」










のあ「……」

楓「」

泰葉「(な、な、なっ……!)」

泰葉「(何でですか!?)」

泰葉「(なんであの時子さんが相席にいるんですか!! 高峯さん、聞いてませんよ私達!?)」アセアセ

楓「(メールで急に『奢るから、吉野家に泰葉と二人で来て頂戴』と連絡があったと思ったら……)」

楓「(い、一体何があったんですか、のあさん? この緊迫した状況は)」

のあ「(………………)」

楓&泰葉「……」

のあ「(……………………)」

泰葉「(喋って下さい。本当に帰りますよ私達)」スッ

のあ「(ゴ……、ごめんなさい。放心してたわ)」

のあ「(いつも通りに帰りに吉野家に出向こうとしたら……)」

のあ「(吉野家の扉の前で時子が張っていた。果たし状を送りつけ、今か今かと宿敵を待つヤンキーの如く)」

楓「(な、何故時子ちゃんが吉野家に……)」

のあ「(それで、目が合ったら物凄い剣幕で接近されて……、その……)」




~~~~~~~~~~
時子『……お腹空いてないかしら、貴女』

のあ『ハヒッ……す、空いてまスッ……!!』
~~~~~~~~~~




のあ「(……って)」

楓「(完全に委縮してる……)」

泰葉「(し、仕方ないですよ。時子さんが相手だったら誰だってそうなります、私だってそうなります)」

泰葉「(しかも、時子さんは事務所での言動からして女王気質というか、唯我独尊、利己的。部類的にはかなり難しい性格の方)」

泰葉「(特に今回のようなケースだと、その真意を測りかねるというか、私達もどう動いて良いのやら)」

時子「………ちょっと」

のあ「ヒッ……!」ビクッ

楓「ヒッ……!」ビクッ

泰葉「ヒッ……!」ビクッ



3:☆2/3 ◆AL0FHjcNlc 2016/11/13(日) 21:50:33.55 ID:A39YavOz0


楓「(と、とにかく! 普通に接しましょう!)」

楓「(彼女の機嫌を損なわせるそれ即ち、全人類に長期戦を覚悟させる事態になります)」

のあ「(……慎重に行きましょう。一つの選択肢のミスが死を招くわ、凄惨な終焉を)」

泰葉「(アナタ達は時子さんをむき出しの核兵器か何かと勘違いしてませんか!?)」

時子「………ねえったら」

泰葉「は……、ハイハイっ。なんですか時子さん?」

時子「………注文は?」

泰葉「ッ! (注文か。良かった、至極当然の要求)」フー

泰葉「(……高峯さん)」チラッ

のあ「(……ええ。任せて)」チラッ

のあ「ス……、すみません。注文を」

店員「あっはい。お伺い致します」

のあ「牛丼並……4つでいいかしら?」

泰葉「あ、ハイ。私も同じ物で」

楓「私も同じでお願いします」

時子「………私もそれでいいわ」

店員「はい、少々お待ちください」スッ

のあ「………」

泰葉「………」

楓「………」

時子「………」

のあ「………………」

泰葉「………………」

楓「………………」

時子「………………」

のあ「(…………)」

のあ「(…………帰りたい)」

楓「(ヤ、泰葉ちゃん……何か喋って、盛り上げてさしあげて)」

泰葉「(や、やめてください! ………………本当にやめてください)」

時子「(………)」



4:☆3/3 ◆AL0FHjcNlc 2016/11/13(日) 21:51:56.13 ID:A39YavOz0


━━━15分後━━━


泰葉「(……というか、注文すこし遅くないですか?)」

楓「(緊張で胃袋が口からボロンと出そうです……)」

店員「お待たせいたしましたー」

泰葉「(あっ、来た)」

店員「コチラ、ご注文の───」







店員「牛丼並、16杯になります」

店員B「お待たせいたしましたー」

───ゴトッ!






泰葉「(───ッッ!?)」

店員「ご注文は全てお揃いでしょうか?」

のあ「ハ……はい」

泰葉「!?」

店員B「ごゆっくりどうぞー」スタスタ

のあ「……………………」

時子「……」

のあ「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………やすは………っ」チラッ

泰葉「(な、涙目っ!!)」

時子「………泰葉?」

泰葉「ハ、ハヒッ……!?」ビクゥ!

泰葉「わ……、分りましたっ……私が、何とかしますから」

時子「…………」

泰葉「(な、何故16杯分も頼んだことになっているかは、ほとほと疑問ですが……)」

泰葉「(というか、こういう場合って店員は一度復唱するべきでは? 普通では有り得ないでしょう、4人で16杯なんて。俗な観察番組でもあるまいし)」

泰葉「(まあ、過ぎたことをあれこれ考えても仕方ない。オーダーミスとしてこのまま食べずに返品すれば良いだけの話……そもそも店員の取り違いなんだし。非は向こうに───)」

泰葉「(───えっ!?)」ギクッ

泰葉「と、時子さん!? 何で箸を付けてるんですか!?」ガタッ!

泰葉「しかも4つの器から少しずつ摘まんでる!? いや、牛臭いとか言ってる場合じゃなくて……!!」

泰葉「ッッ!?」

泰葉「ちょ、ちょっと二人とも!! いただきますのポーズ取ってる場合じゃないですよ!! ちょっと!!」

泰葉「いや、いやいやいや!! 私が何とかするっていうのは、『私が全部食べる』とかそういう意味じゃなくて!!」

泰葉「ちょっ……!!」

モグモグモグ
───カチャカチャ、パクッ


泰葉「ア……、アァ…………」

──────
────
──



5: ◆AL0FHjcNlc 2016/11/13(日) 21:52:42.33 ID:A39YavOz0

※状況

no title



6: ◆AL0FHjcNlc 2016/11/13(日) 21:53:31.92 ID:A39YavOz0


ご近所

no title

登場人物・前半

no title



7:☆1/2 ◆AL0FHjcNlc 2016/11/13(日) 21:54:54.75 ID:A39YavOz0

──
────
──────
【事務所】


のあ「『LIVEバトル』?」

P「ええ、そうです。初耳でしたか?」

のあ「(……)」

P「ソロ、またはユニットが複数単位で競合する形式のライブイベントですね」

P「足並みを揃える一般のライブとは違い、全面的に個性と個性のぶつかり合いです」

のあ「(……)」ボー

P「歌唱や踊りは勿論、演出家と相談して仕掛けや装置などの特殊効果で華を添えてもOKです」

P「とにかく相手より観客を魅了することを目標にして、磨き上げたパフォーマンスを披露します」

のあ「(……)」ボー

P「ですが安心してください。なにも『バトル』といっても、実際に得点や優劣を競ったりするわけではありません」

P「今では他事務所との合同イベントや、同事務所内でのバーターや、真剣勝負と銘打って実はあらかじめ掛け合いやプログラムが組まれてるなんて事も多々あります。3番目が特に多いですね」

P「形だけでも『競い合い』を念頭に置いているので、分かりやすい指標を明確にし努力の方向性も定まりますし、創意工夫のパフォーマンスで新たな一面を発掘できることもあります」

のあ「(……)」ボー

P「……LIVEバトルの相手は同じ事務所の木村夏樹・多田李衣菜のデュオです。ランクは遥かに上の相手……ですが」

P「ですが今回は、貴女の可能性に賭けて挑戦していきたいと思います」

のあ「(……)」ボー

P「……高峯さん? ここまでは良いですか?」

のあ「(───ハッ!?)」ビクッ

のあ「キ……聞いているわ」

のあ「世の縮図……美しく実る花も、剪定の元に成り立つ悲しき宿命」

のあ「弱肉強食……『たたかわなければ生き残れない』、という事ね」



26:☆2/2 ◆AL0FHjcNlc 2016/11/13(日) 22:28:21.47 ID:A39YavOz0


━━━━夜━━━━
【岡崎家】


楓「(……♪)」パクッ

泰葉「LIVEバトルですか」

泰葉「へえー。それにまあまあな規模のハコですね」

のあ「……」

泰葉「どの方と一緒に歌うんですか? つまり、お相手は?」

のあ「……言ってなかったわ」

泰葉「(ふつう言わない筈はないと思うんだけど……ううん)」

楓「(泰葉ちゃん、天つゆ取って下さい)」サクサク

泰葉「(あ、ハイ)」

のあ「……」

泰葉「あのLIVEって、すごいですよね。パフォーマンス」

泰葉「特殊効果と演出が、もう派手なんですよ」

のあ「……そうなの?」

泰葉「はい。例えば……、そうですね」

泰葉「割と無茶な要望も叶っちゃうんです。幸子ちゃんは野外ライブでスカイダイビングを行い上空から登場。小梅ちゃんはスリラーさながらのゾンビダンサーを大勢率いてカオスなライブを」

のあ「(……)」

泰葉「アナスタシアさんはインスタントスノーを使った煌びやかな演出を。あとニューウェーブの3人は泉さんの立案でプロジェクションマッピングを披露したりもしてましたね」

泰葉「美世さんが車をステージ最上部から落下させたときなんて、ただの事故でしたよ」

のあ「……」

泰葉「まあ、無難に演出家さんに任せている人も大勢いますけど。というかそっちが普通です」

楓「(泰葉ちゃん、ソース取って下さい)」サクサク

泰葉「(あ、ハイ)」

泰葉「のあさんは、何か要望とかはあるんですか?」

のあ「……」

のあ「……今のところは見当も付かない」

のあ「詳しく、他の子の話を聞かせて頂戴。参考にするわ」

泰葉「ええ、いいですよ」

のあ「………蘭子は?」

泰葉「蘭子ちゃん? あー、蘭子ちゃんは……」

泰葉「確か、ワイヤーアクションですね。イントロと同時に会場が暗転して、スポットが当たったと思ったら天から堕天───」

のあ「決まったわ」

泰葉「───えっ?」

のあ「私の、演出が」

泰葉「……!?」

楓「(泰葉ちゃん、抹茶塩取って下さい)」サクサク


──────
────
──



27:☆1/2 ◆AL0FHjcNlc 2016/11/13(日) 22:29:02.99 ID:A39YavOz0

──
────
──────
【事務所】


───ガチャ

蘭子「闇に飲まれよっ!」(訳:おつかれさまですっ!)

蘭子「フフ……万代不易の理は環(マワ)り、降臨(キ)たるインフェルノの鉄の火は煉獄の如く、凄烈に我が身を焦がさん」
(●訳:今日はとてもいい天気で、暖かいですね! もうすっかり春の陽気です♪)」

蘭子「桃園の空の下、時代(トキ)の反乱(ウネリ)に御旗を掲げ、奸雄達は夢を馳せん。手に盃を、口に蜜を、腹に剣を、舞う花弁は近き日の戦火の……」
(●訳:お花見の季節ですね! そう言えば大人の皆さんがお花見の計画を……)」

シーン…


蘭子「……むぅ?」

蘭子「我が朋友(トモ)、いずこに……?」(訳:あれ、プロデューサー? いないんですか??)」

蘭子「……」キョロキョロ




のあ「……」ジー



蘭子「(っ!?)」ビクッ

蘭子「ヒッ、ハ………た、高峯サンっ……!」

蘭子「ぃ、いい居たンデスネっ……」プルプル

のあ「(……)」

蘭子「(ハァー、ハァー……)」ガクガク

蘭子「(あ、相変わらず格好良いっ、けど、怖いぃっ! い、意識が……)」ガクガク

のあ「……」

蘭子「…………」プルプル

のあ「……蘭子」

蘭子「ヒッ!」

蘭子「ハヒッ……は、はいッ!!」ビシッ!




のあ「闇に、飲まれよう」(●訳:お疲れさま)」



蘭子「(!!!)」

のあ「(……)」

蘭子「あっ………」

蘭子「ぉぉぉ……、オッ、おおっ、おおおおつかれさ───」





のあ【───花風紊れて花神啼き……】

のあ【天風紊れて天魔嗤う───】

のあ【───花天狂骨───】






蘭子「(───!?)」



29:☆2/2 ◆AL0FHjcNlc 2016/11/13(日) 22:29:48.91 ID:A39YavOz0


のあ「……」

───スタスタ


蘭子「ヒ、ひっ……」ビクッ!

のあ【───届かぬ牙に 火を灯す───】スタスタ

のあ【───あの星を見ずに済むように この吭を裂いて しまわぬように───】スタスタ


蘭子「ヘ……あ、アェ……?」プルプル


のあ【───黒白の羅 二十二の橋梁 六十六の冠帯 足跡・遠雷・尖峰・回地・夜伏・雲海・蒼い隊列 太円に満ちて天を挺れ───】スタスタ

蘭子「ナ、ニ、ヲ……イ、言ッテ……???」ガクガク

───スタスタ



のあ【───滲み出す混濁の紋章 不遜なる狂気の器 湧き上がり 否定し 痺れ 瞬き 眠りを妨げる】


のあ【───爬行する鉄の女王 絶えず自壊する泥の人形 結合せよ 反発せ