こちらはIstvan Sandorfi(イシュトヴァーン・サンドルフィ)(1948-2007)の絵画作品です。主に1970年代から1980年代には寒色を使い人体を描いた作品を多く残しています。空間に溶け込むような、また、空間からヌッと出てきたような、不思議なシチュエーションで人体を描いています。
Istvan Sandorfi(イシュトヴァーン・サンドルフィ)は1956年にハンガリーを去り、ドイツで2年間を過ごしました。その後、亡くなるまでパリに居住しています。
エドガー・ドガ、クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワールなどが在籍したフランスの国立高等美術学校であるエコール・デ・ボザールで学位を得て、ENSAD(国立高等装飾美術学校)でも学んでいます。
冷たい余白と細部まで克明に描かれた人体が対比しあい、見ている方を不安にさせる構図や光景を描いています。これらの描かれた人体を通して、ナルシシズムやマゾヒズム、精神や人格などについて表現しているように感じられます。
1980年代以降には室内の女性ヌードや、静物、自分の娘をモデルに作品を残しています。日本であまり紹介されることが少ないですが、1973年にはパリ市立近代美術館で大規模な展覧会や、パリの数多くのギャラリーや、ニューヨーク、ロサンゼルス、ローマ、ミュンヘンなど各国の美術館でも展示されています。