わずか135個しか残っていない、ヨーロッパのオランダで1500年から1530年の短い期間で制作されていたのではないかと推測される小型の箱入りの彫刻があります。
驚きなのはこの小型の円形の箱に彫刻されている装飾があまりに細密すぎて、人間の目では確認ができず、高精度な解析が可能なマイクロCTスキャンや3D解析ソフトなどを使用し、その複雑さを研究しましたが、顕微鏡やX線でしか分からないほど精巧に彫刻されていることがわかりました。
なぜなら、この小型の箱の内部には木片が組み合わさっている部分に、植物の種よりも小さなピンが組み込まれていたからです。
なぜ、135個と少ししか残っていないかについては、制作された1500年から1530年の期間に、ヨーロッパで新しい社会階級が登場し、持ち運びに便利な小型で宗教的な彫刻作品の需要がありましたが、すぐにカトリックの宗教改革が始まり、多くの教会関連の装飾品の流行が廃れてしまったようです。
16th Century Boxwood Carvings Are So Miniature Researchers Used X-Ray To Solve Their Mystery
Last Judgement; Coronation of the Virgin
この球体を開けると、キリスト教美術の主題である「聖母の戴冠(せいぼのたいかん)」と「最後の判断」が彫刻されています。サイズは約5.9×6.1cm。
拡大細部
Christ Entering Jerusalem; Christ Carrying the Cross
小さい骸骨が2つに開くように設計されたこの中にはエルサレムに入るキリストと十字架を運んでいるキリストが彫刻されています。サイズは5.8×3.7×4.5cm。
Adoration of the Magi; Crucifixion
半分からさらに、観音開きの構造になっている「聖マギの崇拝」と「十字架」
細部を拡大すると人物の表情まで克明に彫刻されていることがわかります。