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今後30年で食卓に並んでいるであろう未来の食材8種 : カラパイア

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 西暦1000年、日本では平安時代。当時暮らしていた我々のご先祖様は、ポテトチップスやハンバーガーなんか理解できなかったろう。チョコレートだって知らなかったろうし、様々な種類のドーナツだって「ナニコレ食べ物?」だったに違いない。

 それと同様、我々現代人だって、1000年後の人類の食べ物なんかとうてい理解に及ばないのだ。そしてそれはそう遠くない未来にもやってくる。
 
 科学者は木たるべき食糧難の時代に向けて様々な方向から新しい食材を探っている。栄養面はもちろん、持続可能性もまたそうだ。

 ここではそうした問題に対応するために専門家が研究を進める食材を紹介する。いずれも今後30年以内に食卓に登場するだろうと言われているものだ。
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1. 虫


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 国連ですら推奨する昆虫食。一部地域ではすでに食されているが、さらに一般的になるであろう食材が、コオロギ、バッタ、ゴミムシダマシの幼虫といった昆虫だ。

 もうすでにタンパク質の補給源としてコオロギ粉入りのパスタやフードバーを購入できる。100グラムもあれば、コオロギなら13グラム、バッタなら21グラムのタンパク質を補給できるのだ。ゴミムシダマシの幼虫やアメリカミズアブなら良質の脂質源になる。

 昆虫が肉よりも環境に優しいか否かについては議論が続いている。昨年の研究では、質の悪いエサを与えたコオロギは、家畜と同程度の質のエサを与えた個体ほど大きく成長しなかった。しかしアメリカミズアブではそうした問題が生じず、より効率的にタンパク質を生産できることが判明している。

 また適切に調理すれば、味も優れていることが報告されている。確かにコオロギパスタは結構いける。世界ではすでに20億人が節足動物を食べている。我々日本にはイナゴの料理もあるので抵抗なく受け入れられるかもしれない。


2. 合成肉


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 幹細胞を動物組織に変えた合成肉で問題解決を図るアプローチもある。2011年の論文によると、肉の培養は、ヨーロッパで生産される従来の肉に比べて、エネルギー消費が7〜45パーセント、温室効果ガス排出が78〜96パーセント、土地利用が99パーセント少ないという。
 
 科学者のマーク・ポストは、10〜20年もすれば合成肉の大量生産が始まるだろうと話している。だが合成肉の販売自体はほんの数年後には開始されるようだ。報道によれば、30万ドル(3,000万円)以上もした肉なし肉を使ったパティ第一号は、それほど美味しくなかったようで、「食べられるが美味からず」と伝えられた。現在、味の改善が進められている。


3. 養殖魚


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 ウシを育てるには広大な土地と大量の飼料が必要になる。魚ならば同じ量のタンパク質を作るために、そのわずかな量のエサで済む。日本ではすでに食用魚の養殖は一般的だ。

 海や川の魚の乱獲は世界的に大きな問題となっている。だが最近の研究によれば、漁獲量を制限するなど持続可能な政策をとることで、2050年までに漁獲量を増やせる可能性があるという。

 まともな商業漁業を実施し、最新の養殖技術と組み合わせれば、食卓に豊富な食材が用意されることだろう。人類史で初めて、漁業による漁獲量よりも養殖による漁獲量が上回っている。2011年、養殖の魚が牛肉の生産量を上回るという歴史的な一里塚が築かれた。


4. 合成エビ・合成魚


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 肉の合成ができるなら、魚だってできるはず。NASAの研究者は、金魚の筋肉をウシ胎仔血清に落として魚ヒレ肉を作り上げた。また紅藻類から合成エビを作り出そうという試みもある。

 こうした合成肉製品が天然資源の問題を解決するかどうか、まだ決着を見ていない。だが西オーストラリア大学のオロン・キャッツは、「これがご馳走になる力を秘めていると言っても、ちゃんと納得できると思います」と発言している。


5. 藻類


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 微細藻類は他の植物と同じく大気中の二酸化炭素を吸収する。2013年の研究では、この小さな藻類が大量のタンパク質、脂質、炭水化物を産み出すことができ、食材として良質な栄養源になると論じられている。より最近の研究では、藻類のある仲間はω-3脂肪酸などの脂肪酸を豊富に含み、心臓の健康に良いであろうことが示されている。

 すでに藻類を試している人もいるかもしれない。ソイレントという栄養機能食品には藻類の粉が含まれていた。しかし後になって、藻類が胃腸のトラブルを引き起こすと報道され、ソイレントに使われる藻類を供給していたテラヴィア(TerraVia)社は批判にさらされた。だが、これで藻類食の命運が尽きたわけではない。テラヴィア社は同社の粉が犯人であるという説を否定し、藻類由来の油を使った新製品を発売している。


6. 遺伝子組み換え食品


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 遺伝子組み換え作物は、すでにトウモロコシ、大豆、菜種など様々な作物に使用されている。しかし、それは主に虫や雑草を防ぐ農薬に対する耐性をつけさせることが目的だ。それだけで終わらせる理由がない。

 正確なゲノム編集を実現する最新の遺伝子改変ツール「CRISPR-Cas9」を利用すれば、褐変症にならないリンゴ、痛まないジャガイモ、ウイルスに耐性のあるブタなどを作ることができる。

 昨年秋、スウェーデンの科学者が初のCRISPRで作られた食材を食べたと発表している。

 あらゆる食材で遺伝子組み換えが行われると聞けば、不安に思う人も大勢いるだろう。だが、そうした人はそれがまったく安全であると考えられていることを知らないのだ。


7. 3Dプリント食品


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 調理時間を節約できる3Dプリント食品は、嚥下が難しい高齢者でも食べやすい美味しい料理を提供してくれる。NASAでさえ、無重力下で宇宙飛行士が料理できるようその研究を進めている。だが、それ以上に3Dプリント食品はある大きな問題を解決してくれる。それはイカした形の料理を簡単には作れないという問題だ。


8. 食事をすることをやめ、光合成を行う


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 おそらくいつの日か、私たちは陽の光を浴びながら、二酸化炭素を体内で糖に変換できるようになるだろう。

 エリシア・クロロティカというウミウシの一種は藻類からDNAを盗み出し、自分で光合成を行えるようになった。


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 ならば人間にできないはずがない。だが現実問題として、私たちの細胞の中に光合成を行う葉緑体があったとしても、日光をもっと浴びるために体の面積を増やさなければならないのではあるが。

via:Eight Futuristic Foods You'll Be Eating in 30 Years/ translated hiroching / edited by parumo
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コメント

1

1. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 20:38
  • ID:ACJT72Q50 #

人間は光合成をするようになったら、真昼間に露出狂が出現しそうw

2

2. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 20:48
  • ID:eOA2QYpG0 #

カイコのサナギはクリーミーでおいしかったよ

3

3. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 20:57
  • ID:CAr03LAi0 #

虫は普通に食べれるんじゃないの?(汚い所で育ったのは無理だと思うけど)
日本の昆虫食といえば、カミキリムシの幼虫とか蜂の子(蛹はともかく成虫が混じってるとちょっと固くなるけど)は凄くおいしいみたいだし、オーストラリアの幼虫食もおいしそうだったし(あと羽化したての蝉もおいしいらしい)
同じ節足動物でも海老とか蟹とかの方が匂いがすぐきつくなるぶん一見ハードル高そうに思える

4

4. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 21:00
  • ID:Yds..VJx0 #

光合成良いね〜

手〜のひらを〜太陽に〜

5

5.

  • 2017年01月12日 21:03
  • ID:TjQQzX3k0 #
6

6. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 21:04
  • ID:mtzZyzPc0 #

ソイレントグリーンを食べよう

7

7. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 21:06
  • ID:99Dj0Asb0 #

ミドリムシなんてのも今後一般化がすすむのかなぁ

それはそれとして、おっさん世代は8の光合成を見るとグリーンレクイエム思い出すわ
髪の毛緑になるのかしら?ハゲはどうしようかしらw

8

8. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 21:15
  • ID:4ylEXMZ90 #

海藻を食べてる日本人なら藻食はそんなに抵抗なさそう
というか海苔は藻みたいなモノ?w

9

9. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 21:22
  • ID:DRgOBIYq0 #

「あーあ、たまには本物の肉が食いてぇなぁ」が言える時代が来るのかな

10

10. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 21:25
  • ID:ZdnXf4vt0 #

ソイレント・グリーン……

11

11. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 21:30
  • ID:WuJ1YsH40 #

カレーライスは飲み物になりますか?

12

12. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 21:51
  • ID:aFH9Gvxj0 #

俺ら世代はこんなもんに頼らずとも飽食の申し子として死んでいけるんだろう・・・良かった良かった

13

13. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 21:54
  • ID:9UR6boTA0 #

そのうち食料は化学合成して作るのが当たり前になって、
「生き物を加工して食べるのは野蛮だ」って時代が来るのかな

14

14. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 22:04
  • ID:26TIGNjy0 #

品種改良の掛け合わせと遺伝子組み換え食品は原理的には同じことだから安心したまえ

15

15. 2

  • 2017年01月12日 22:08
  • ID:y1YU5V690 #

遺伝子組み換えは、どうも発見開発に出遅れた勢力からのこき下ろしがあるけれど、
可能性を広げて行って欲しい。

16

16. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 22:12
  • ID:Vwdbb.GX0 #

コオロギパスタ食うたんかいww

17

17. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 22:15
  • ID:8Ske8amN0 #

虫はそのままだとつらいので粉々にして別の形に成形してほしい…

18

18. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 22:22
  • ID:juoTgz9Z0 #

虫だけはいやだなぁ

19

19. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 22:23
  • ID:y3Gz9.Rm0 #

アメリカ人は、どんな食材でもピザに乗ってれば食うんじゃね?

20

20. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 22:30
  • ID:7DyNkNBa0 #

藻類といえば、クロレラが流行ったのはもうだいぶ昔だな
食品というよりはサプリメントの位置づけのものが多かったけど

21

21. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 22:32
  • ID:DyUsQU1n0 #

自宅警備員から自宅光合成員にクラスチェンジできるのか

22

22. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 22:32
  • ID:nt1Xj57N0 #

殺生を嫌ってベジタリアンになった人達は合成肉や合成魚なら食べることができるのかな?

23

23. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 22:40
  • ID:68HSF2ep0 #

養殖魚が一番可能性が高い
あとはどうだろうな…というか光合成とか問題外だから

24

24. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 23:03
  • ID:Dox6.Yh50 #

エビなんてもう殆ど保水剤だからそのうち100%ケミカルに作れるんだろうな

25

25. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 23:14
  • ID:Y6m3x2kT0 #

チキン・ジョージが安易に生み出される合成食物にお怒りのようです。

26

26. 匿名処理班

  • 2017年01月12日 23:21
  • ID:4iZAfhJQ0 #

虫とか絶対無理だから

27

27.

  • 2017年01月12日 23:37
  • ID:OEB0PzBD0 #
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