iPhone登場10周年、 SIMフリー版入手「いばらの道」を振り返る
SIMフリーiPhone、昔はちょっとたいへんでした
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初代iPhoneの発表が2007年1月9日なので、今年で10周年になります。
旅バカライターとしては、世界各地で現地のSIMを使いたので、"スマホ=SIMフリー"が鉄則。今でこそ日本のApple StoreでサクッとSIMフリー版を買えますが、そうなったのは2013年11月からでした。数々の苦難を乗り越え、SIMフリー版iPhoneを入手してきた10年を振り返ります。
iPhone(2007年6月発売)
発表から約半年後の6月、アメリカで発売された初代iPhone。のっけから企画倒れな感じもしますが、スミマセン買ってません。GSM(2G)しか対応していなかったので......。
当時、スマホといえばWindows MobileやSymbianといったOSを搭載したモデルが多数、存在していました。どれも個性的なうえ3Gにも対応していたので、あまりiPhoneに魅力を感じていませんでした。
▲当時使っていたスマホ。左がソニー・エリクソンのP990i。右がモトローラのM1000(ドコモからも出ましたが、香港で買ったSIMフリー版)
iPhone 3G(2008年7月発売)
自分がiPhoneに興味をもつようになったのは3Gに対応したこのモデルから。日本では、ソフトバンクが販売。SIMロックの解除などはまだなかったので、SIMフリー版を買うには海外版しかありませんでした。自分のブログをチェックすると、8月に購入していましたね。▲海外旅行であちこち持ち歩いたiPhone 3G
購入方法は香港のオンライン版Apple Storeでオーダーするというもの。ただし、日本への発送はしていないので、香港の住所が必要です。そこで目をつけたのが香港在住の携帯研究家、ハカセこと山根康宏氏。
ハカセのブログにあった連絡先にメールし、事情を話したら一度も会ったことがないのにメールで住所を教えくれたので、そこを配送先に指定させていただきました。届いたタイミングで自分が香港に飛び、受け取るという手順。以来、すっかり仲良しです。
▲iPhone 3Gを受け取ったあと、ハカセと先達廣場を散策したり楽しかったな
日本のクレジットカードも使え、配送先も本人住所じゃなくても大丈夫だったので、購入自体は問題はありませんでしたが、実は大変だったのはそのあと。
購入して2週間もたたないうちに、本体のマイクが音声を拾わないという不具合が発生。ところが、当時の補償内容だとAppleは購入地域での修理しか受け付けておらず、修理をするためにまた香港へ飛ぶしかありませんでした。当時、香港には直営のApple Storeがなかったので、サービスセンターに持って行って本体を交換してもらいました。
その後1年くらい使ったら、無線LANが使えなくなる不具合も発生。三度、修理のため香港往復をしています。
▲香港にあったiPhoneの修理受付センター
●iPhone 3GS(2009年6月発売)
見た目がiPhone 3Gとほぼ同じだったこともあり、このモデルは購入せずスキップしました。iPhone 4(2010年6月発売)
フルモデルチェンジということで購入。引き続き日本ではソフトバンク版のSIMロックモデルのみという状況だったので、当然のように海外SIMフリー版を狙いに行きます。発売後、すぐにiPhone 3Gと同じ購入手段で1台予約できたのですが、仕事でもう1台必要になってしまいました。2台買おうとしていたわけですが、香港のSIMフリー版iPhoneがえらい人気で、予約したぶんすら出荷されずにキャンセルされてしまったのです。新規予約も受付が停止した状態で、9月に入っても状況は変わりませんでした。
そこで、ヨーロッパへ行き、スイス、フランス、ドイツのApple Storeを回ってみることに。しかし、やはりどこでも人気で売切れています。いろいろと情報を仕入れ、シンガポールのApple Storeでオーダーしてみることにしました。
▲欧州数ヵ国を回ってみるも、どこでも売切れ
シンガポールにはハカセのような知人がいないので、配送先に宿泊先のホテルを指定。飛行機の手配などもあり、配送日とホテル予約日が同日という、まさに綱渡り状態でのオーダーとなりましたが、なんとか無事に入手! このときは嬉しかったですね。
▲無事に2台、ゲットできました
iPhone 4S(2011年10月発売)
このモデルも購入はスキップ。日本ではauの取扱が開始、テザリング解禁などもあり、盛り上がりました。iPhone 5(2012年9月発売)
この頃から日本でもMVNOがSIMを単体で提供し始め、徐々に"SIMフリースマホ"が注目されてきました。そのためか、海外のオンラインのApple Storeでは、ほぼ瞬殺。そのほかの通販サイトでは割高のため、なかなか入手できませんでした。どうしても仕事で必要だったため、とりあえずソフトバンク版iPhone 5を購入(これも入手難でしたが)。SIMフリー版を手に入れたのは10ヵ月以上たった翌年7月でした。この時期は市場にも潤沢で、たまたまタイへ行ったときに立ち寄ったバンコクの正規代理店で買いました。
▲タイにApple Storeがなかったので、正規代理店で購入
iPhone 5s(2013年9月発売)
日本ではドコモの取り扱いも始まり、たいへんな盛り上がりとなったiPhone 5s(と5c)。7月に買ったばかりではありますが、ちょうど発売日に欧州に滞在していたので、お祭り騒ぎに煽られ、花の都パリで行列に参加しました。▲日本で一度も参加しなかったiPhone行列にパリで初参加
当然のことながら周囲は外国人ばかり(というか、私が外国人)。店舗スタッフのアナウンスもフランス語なので、「イングリッシュ プリーズ」と訴えながら、秋の冷え込むパリで夜を明かし、クタクタになって購入。知人から頼まれたぶんを含め、iPhone 5s☓2台、iPhone 5c☓1台を購入。
▲徹夜のかいあって3台ゲット
オンラインのApple Storeでもオーダーしていて、パリの宿泊先のホテルに昼には配送されていたので、計4台入手できました。ただし、オンラインで購入すると免税申請ができないのです。そこで、実店舗で購入した3台ぶんの免税申請をしたのですが、スマホは同じレシートで2台までという決まりを知らず、却下に......。3台も買うのは業者だと思われたようで、還付金をもらえませんでした。
iPhone 6(2014年9月発売)
日本のApple StoreでもSIMフリー版iPhoneの扱いが始まっていたので、無理して海外版を買う必要もなくなっていたのですが、ちょうど発売日にドイツに滞在していたので、2年連続で海外行列に参戦となりました。▲柵で囲まれ囚われの身のように一晩過ごす
日本では横入りなど問題の多かった行列販売ですが、ドイツでも、横入りこそなかったものの、並んでいるうちにしれっと追い抜いていくヤカラなどがいて、一触即発状態になるなど殺伐とした雰囲気に。もう行列はしたくないって思いました。
▲買えたことより、行列からの開放に喜んでいます
ただ、せっかく(?)徹夜で購入したのに、モデルによっては翌日以降も在庫があったんですよね。発売日の2日後にWPJこと山口健太氏がミュンヘンのApple Storeで並びもせずに購入しており、なんともクヤシイ思いをしました。
余談ですが、ここで買ったiPhone 6、1ヵ月後くらいに、飛行機内で盗難に遭って紛失。海外旅行保険を使い、日本版SIMフリーiPhone 6を買い直しました。
iPhone 6s(2015年9月発売)
行列はもうこりごりということで、日本で購入。ついにキャリア版でもSIMロックが解除できることになり、ドコモ版を購入しました。予約もせず、在庫が豊富そうな新橋のヤマダ電機に発売日の夕方、行ったら拍子抜けするほどラクに買えました。いままでの苦労は何だったのでしょう......。即日、SIMロックを解除しようと思っていたのですが、機種変更に使用した回線で4ヵ月ほど前に別の端末を持ち込みSIMロックを解除していたため、購入後2ヵ月たたないと解除できないという事態に。仕方がないので2ヵ月間、海外では前モデルのiPhone 6を使っていました。
iPhone 7 Plus(2016年9月発売)
予約開始日は海外にいましたが、iPhoneのApple Storeアプリからサクッと日本のSIMフリー版を予約。数日後に自宅へ発送されていました。最もカンタンに入手できたSIMフリー版iPhoneですね。ちなみに発売日はドイツにいたのですが、当日予約なしでもモデルによっては購入可能でした。以上が私のSIMフリー版iPhoneを求めた10年史です。世界的には、iPhone 6あたりから入手のハードルは低くなっている印象です。iPhone 4やiPhone 5の頃から考えると隔世の感がありますね。さて、次のiPhone(7s? 8?)は、どうやって購入することになるのやら......。楽しみですが、もう行列は絶対にイヤです。