律子「全く、亜美はチュー威力三万なのよ」亜美「!?」
律子「そうよ」
亜美「へぇー! それってすごい? えらい!?」
律子「何バカなこと言ってるの! ダメダメよ」
亜美「えっ、ダメなの!? だって三万なんでしょ!?」
律子「三万だからダメなのよ!」
亜美「……そなの?」
律子「あなたは普段からチュー威力が足りないって言ってるの」
亜美「さ、三万じゃ足りないんだ……」
律子「当たり前でしょ。三万ってのは全然足りないって意味よ」
亜美「うあうあ~……そうだったんだぁ……」
律子「?」
亜美「亜美が三万ってことは、他のみんなはもっとあるってこと?」
律子「そうね……まあ亜美よりは、ってところかしら」
亜美「みんな?」
律子「……うーん……そうね、たとえば春香……」
亜美「うん」
律子「あの子も、どっちかっていうとチュー威力ないほうね。何もないところでこけるし」
亜美「よ、よくこけるのが関係あるの?」
律子「まあそりゃね。何もないところでこけるのは相当チュー威力ないわよ」
亜美「まじか…とりあえずこけないように気をつけよ…」
律子「?」
律子「私? 人一倍ってほどでもないけど、まあ一兆前には備わってるつもりよ」
亜美「い、一兆も!?」
律子「?」
亜美「やばい……」
律子「そう、このままじゃダメなのよ亜美」
亜美「て、ていうか……いつ亜美がチュー威力三万だって……」
律子「まあ普段の行動を見てたら分かるけど」
亜美「普段!? 亜美、そういうこと何もしてないよ!」
律子「してないから問題なんでしょう!」
亜美「ひえぇ~……」
律子「とにかく、日ごろからもっと積極的に考えて行動して、チュー威力を鍛えなさい」
亜美「で、できるわけないよ! 誰としろっていうの!?」
律子「一人でだって出来るでしょう?」
亜美「うそ!?」
亜美「そ、そうだよ……だいたいそんな……やり方なんてわかんないし……」ボソボソ
律子「伊織やあずささんに色々アドバイスしてもらいなさい」
亜美「あの二人に!?」
律子「だって毎日一緒に活動してるんだから、やりやすいでしょ?」
亜美「……いやいや……だってそーいうのは……付き合ったり、してからじゃないと……」
律子「いざって時は私も付き合うから」
亜美「マジで!?」
亜美「そ、そーいう問題じゃないよ!」
律子「そういう問題よ? 事実伊織やあずささんに足りない部分があるときは私がアドバイスしてるんだから」
亜美「ぅぁ……ぁ……」
律子「どうかした?」
亜美「知らなかった……いつの間に……」
律子「私はいつだって全員に気を配ってるのよ」
亜美「し、しらなかった……」
律子「ふふっ。プロデューサーである私を舐めないでよ」
亜美「な、舐めるわけないじゃん!」
律子「殊勝な心がけね。よろしい」
亜美「ぅぅ……本当の竜宮小町ってそんな感じだったんだ……」
亜美「……って言われてもなぁ……そんなの練習なんて出来るわけないじゃん……」
亜美「しかもいおりんとかあずさお姉ちゃん相手に……女同士じゃんか! 全く!」
亜美「……でも、そうしないと亜美チュー威力三万のままなんだ……」
伊織「亜美」
亜美「あ、いおりん……」
伊織「ちょうど良かったわ。さっき律子から連絡があってね」
亜美「何?」
伊織「あずさが風邪を引いて来られなくなっちゃったんですって。で、律子がお見舞いに行ってるの」
亜美「そなの? 大丈夫かな……」
伊織「だから今日の全員レッスンはチューしよ」
亜美「ふぁっ!?」
伊織「だから、今日の全員レッスンは私たち二人しかいないからチューしよ」
亜美「なななな何言ってるかわかってんの!?」
伊織「二人きりなんだからそうするしかないじゃない」
亜美「何でそうなんのさぁ!?」
伊織「当たり前のことだと思うけど?」
亜美「マジで!?」
伊織「?」
亜美「あ、亜美たちしかいないからってそこまでする必要ないと思うんだけど……」
伊織「何がよ。……あぁ、さっきの『チューしよ』って言ったアレ?」
亜美「う、うん……」
伊織「だから、私たちで勝手に練習しようと思って誘ったんだけど」
亜美「何でさ!?」
伊織「ライブまでもう時間がないのよ? 本番でカンペキなのを披露しなきゃいけないんだからサボってられないわ」
亜美「マジで!?」
伊織「?」
伊織「ちょっ……どうしたのよ。アンタも具合悪いの?」
亜美「……そ、そうじゃなくて……」
伊織「へぇ……そりゃ律子から見れば亜美はチュー威力三万かもしれないわね」
亜美「いおりんも毎日訓練してるの?」
伊織「訓練ってほどじゃないけど、事務所や家でも心がけてるわよ」
亜美「いおりんのチュー威力はどんくらい?」
伊織「どのくらいって……べつに、私程度なら五万といるとおもうけど」
亜美「……なんだ。いおりんもたいがいショボいんだ」
伊織「ちょっと気になる言い方だけど……まあ否定はしないわ」
伊織「自分で言ってたの? 律子は謙遜するから、一長一短っていう評価は当てにならないわ」
亜美「律っちゃんはもっとすごいの?」
伊織「当たり前じゃない」
亜美「すっげー……」
伊織「ほら! 私たちも始めるわよ」
亜美「えっ、ぁ……」
伊織「……今度は何?」
亜美「い、いおりん……レッスン、ほんとにチューしちゃうの?」
伊織「はぁ? やるっていってるでしょ」
亜美「ほ、ホントのホントに今日のレッスン、チューしちゃうの……?」
伊織「……?」
伊織「えっと……だから、中止ちゃうよ、っいうとるやないの……?」
亜美「そっか……」
伊織「ええ……」
亜美「(何でいきなり関西弁?)」
伊織「(何でいきなり関西弁?)」
亜美「はぁ~……なんだかんだ、あの後いおりんとそんな練習なんてしなかったし……」
『本番でカンペキなのを披露するんだから』
亜美「……いおりん、目がガチだったよ……」
亜美「……まあべつにいおりん相手ならいいけどさ…どーせノーカンだし……」
ガチャ
あずさ「おはようございます~…」
亜美「! あ、あずさお姉ちゃん!」
亜美「ううんううん! もうダイジョブなの?」
あずさ「ええ。律子さんにもきて頂いたし、おかげさまで」
亜美「そっか…………よかったね」
あずさ「ありがとう、亜美ちゃん」
亜美「うん……」
あずさ「……」
亜美「……」
あずさ「……あの~、亜美ちゃん?」
亜美「んっ、何?」
あずさ「ずいぶん元気なさそうだけど……どうかした?」
亜美「あっ、ううん! 元気がないわけじゃなくて! ちょっと悩み事……」
あずさ「あら、そうなの? 私でよかったら聞いてあげましょうか?」
亜美「……いいの?」
あずさ「……なるほど……律子さんに叱られたのね」
亜美「いおりんとさ、今度のライブでカンペキにして披露しようって……」
あずさ「そうなの…それはとってもいいことだと思うわ。私も頑張らなきゃ」
亜美「あ、あずさお姉ちゃんもやるの?」
あずさ「ふふっ、当たり前でしょう? 同じ竜宮小町の仲間なんですもの、みんなをアッーと言わせてあげましょうね~」
亜美「……すごいことになりそう……」
あずさ「?」
亜美「で、でもさ、亜美まだ子供だし……まあせくちー度は上がったけどさ、いきなり身につくもんじゃないじゃん?」
あずさ「確かにね~。私も、子供のころからよく言われてたわ……」
亜美「えっ、あずさお姉ちゃんも?」
あずさ「そんなことないわよ~。 私だってどちらかというとチュー威力は三万なほうよ」
亜美「まじで!?」
あずさ「そ、そんなに驚くことかしら?」
亜美「だって…あずさお姉ちゃん、そんなナリなのに!?」
あずさ「な、なりは関係ないと思うけど……」
亜美「よかったぁ~……他にも仲間がいて……」
あずさ「?」
亜美「あずさお姉ちゃん……一緒にがんばろう! はい! 握手!」ギュッ
あずさ「えっ? ええ……」ギュッ
亜美「正直、ライブももう近いし……いまさら練習してもどうにかなるもんじゃないから……あとはぶっつけ本番で行こう!」
あずさ「えっ、そうなの?」
亜美「何とかなる!
コメント一覧
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- 2017年01月15日 22:19
- 唇は喋るためじゃなく
-
- 2017年01月15日 22:19
- 私のチュー威力は53万です。
-
- 2017年01月15日 22:26
- あずさ「ふふっ、当たり前でしょう? 同じ竜宮小町の仲間なんですもの、みんなをアッーと言わせてあげましょうね~」
最初はやさしくお願いしますあずささん 尻ペロン
-
- 2017年01月15日 22:35
- 実戦経験0のピヨちゃんもチュー威力低そう
-
- 2017年01月15日 22:38
- ※3
>みんなをアッーと言わせてあげましょうね~
これはアカンよなw
-
- 2017年01月15日 22:42
- 数年前に同じネタを見た気がするけど、同じ人かな?
-
- 2017年01月15日 22:52
- チュー威力の高いキスってやっぱ『ズキュゥゥゥン』
とか鳴るんだろうか…
-
- 2017年01月15日 22:58
- うめえな、これww
正直出落ち一発でもいいかと思ったんだけど、そう繋いでくるとは
-
- 2017年01月15日 23:03
- 亜美はチューが臭えだろ…
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- 2017年01月15日 23:36
- ※9
他事務所の25才児が入り込んでるぞ、囲め!
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- 2017年01月15日 23:42
- こういう作品で上手く流れてるの久々に読んだなー、すごい楽しい
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