理樹「小毬さんと付き合ってる実感がない」
理樹部屋
理樹(日曜日の夜。僕はみんなに数週間近く悩んでいる事をとうとう打ち明けた)
恭介「なに、実感がないだって?」
理樹「うん……」
理樹(事故の後、記憶をおぼろげながらにも思い出した僕は、恭介達と行った二度目の修学旅行の後、小毬さんに想いを伝えた。小毬さんにも『あの時』の記憶があったかは知るところではないが、僕の告白を聴いて3日目に返事をもらい、めでたく付き合ったのだけど……)
真人「ま、まさかもう小毬と何か喧嘩でもあったのか!?」
理樹「い、いやそういう訳じゃないんだけど……」
謙吾「倦怠期という訳だな?ううむ、流石の俺もそういう問題は少し荷が重いな……」
理樹「だから違うってば!」
鈴「じゃあなんなんだ?」
理樹「ただ……小毬さんと付き合ったのは良いけど、付き合う前から何も変わってない気がするんだ」
理樹「……実は僕たち、まだ手すら繋いでないんだ」
理樹(数秒の沈黙の後、みんなが口をあんぐりと開けた)
「「「ええーーーっっ!!」」」
恭介「な、な、な、なんだと!?」
真人「お前ら……俺が言う事じゃねえが大丈夫なのか?」
謙吾「悪いが本当に付き合ってるんだろうな?もしかして理樹が勝手に付き合っていると思い込んでいただけとか……」
理樹「いや……まあ……」
理樹(予想通りの反応を示す恭介達。無理もない。付き合った当時、あれだけ盛大に祝われたというのに、あれからなんの進展もないなんて…)
鈴「どうしたんだ?手なら繋げばいいじゃないか」
理樹「それがどうもそんな雰囲気にならないんだよね……なんというか、小毬さんと二人でデートをしても、ご飯を食べても手を繋ぐとか、恋人っぽいムードにならないというか…」
恭介「由々しき事態だな……」
理樹(恭介が眉をひそめて言った。どうやらこの事態をかなり深刻に受け止めているようだ)
謙吾「……ああ……まったくだ……」
真人「やれやれだぜ」
理樹(謙吾と真人も汗を垂らして恭介の言葉に大きく頷いた)
恭介「理樹」
理樹「は、はい!」
恭介「悪かった!お前がそんな悩みを抱えていたにも関わらず気付けてやれなくて……!」
理樹「えっ、いや……」
謙吾「だが心配するな。その話を聞いたからには、俺たちがお前ら二人の関係を必ずアツアツにしてやる!」
真人「そう、まるで筋トレしてる時に激しく燃焼する全身の細胞のようにな!!」
理樹「例えが長ったらしい上に分かりにくい!」
理樹「……じゃなくて!別にそういう事をしてもらうつもりで言った訳じゃ……!」
恭介「大丈夫だ理樹、俺たちに任せろ」
理樹(ああ、こうなったらもう聞かない奴だ……まあ、どのみちこのままではどうにもならなかったとは思うけど……)
理樹「うん。付き合ってから僕らは何度か遊びに言ったし、二人だけの時間を増やしたんだけど……」
謙吾「だが、小毬は特に前と変わった所がないと」
理樹「……まるで友達のようなんだよ。確かに一緒にいて小毬さんはよく笑うし、僕も楽しいんだけど……それがデートかと言われるとただ学校で会話しているのと一緒というか、ただ場所が変わっているだけで本質は同じにしか思えないんだ」
鈴「楽しいならそれでいいんじゃないか?お前の言う恋人っぽさってなんなんだ」
理樹「ぼ、僕の……?」
恭介「いや、それは違うぞ鈴。理樹が現状に満足していないということは足りない物があるということだ。そりゃ理樹だって男なんだ。好きな女の子には他の男とは違う特別な”何か”を求めたくなるものなんだ」
鈴「なんだか間違ってない気がするが言い方がきしょいな」
恭介「き、きしょ……」
理樹(静かにダメージを受ける恭介)
謙吾「だがそういう事なら話は簡単だ。ようは理樹が神北に対して恋人っぽいアプローチをすればいいんだ」
恭介「ご、ごほん!とにかくそういう事なら俺たちは理樹の恋を全面的にバックアップしようじゃないか。作戦名はリトルラブラブハンター2(ツー)だ!」
理樹「2?」
恭介「厳密には違うがこの作戦を行うのは二度目だからな」
理樹(二度目……いつの間にやったんだろう)
恭介「まあとりあえず内容を聞け。まず謙吾、真人、俺の3人が明日誰かに恋人っぽいことをする。理樹はその中で一番良いムードになった方法を実践するだけでいい。そうすればきっと小毬との仲も思い切り縮まるはずだ」
理樹「う、ううん……なんだかとても嫌な予感がするんだけど……」
謙吾「理樹、お前の相棒は100戦無敗…負け知らずの男だ。信じろ」
理樹(今回ばかりは説得力がないなあ……)
恭介「とにかく今のうちに小毬をデートに誘っておけ。明日、早速実践出来るようにな!」
理樹(今日はそのまま解散となった。よくよく考えたら皆はどうやって付き合ってもない人と恋人っぽいムードを出すんだろう。そんなことを考えながら今日も夜は更けていく………)
……………………………。
………………。
……。
同じキャラは一度まで。被ったりしたら安価下でよろしく
真人>>5
謙吾>>6
恭介>>7
中庭
葉留佳「ふんふふーん……」
理樹(恭介達に連れられて中庭に行くと、遠くのベンチで鼻歌を歌いながら音楽を聴いている葉留佳さんがいた。どうやら最初のターゲットは彼女になるようだ)
恭介「では早速ミッションスタートだ。最初は誰が行く?」
真人「ふっ……任せな」
理樹(真人が名乗りを上げた)
恭介「やけに自信満々だな」
謙吾「一体何を考えているんだ……?」
………………………………………………
ベンチ
真人「よお三枝」
葉留佳「ふんふふ………おっ、真人君?やはー」
真人「ふっ、突然だが三枝、俺と踊りませんか?」
葉留佳「へっ?」
理樹(そう言って腰を低くし、手を差し伸べる真人。映画でも観て影響されたのだろうか)
恭介「おおー!これはポイントが高いな謙吾!」
謙吾「うむ。普段ガサツな真人が紳士な態度を見せるこのギャップ。アイツにしては上手いやり方だ」
理樹「ええ……」
葉留佳「えーと……踊るってダンス?」
真人「アーハン」
理樹(真人も調子に乗り始めて葉留佳さんの手を自分から握った)
葉留佳「にゃ!?」
恭介「い、行った!!」
理樹(そして真人は手の甲に唇を……)
ガサッ
理樹(付けかけた瞬間、何かが真人の後ろから飛んできた)
葉留佳「えっ?」
真人「ん?」
理樹(そしてそれは止まる気配も見せぬまま、真人を真横に蹴り飛ばした)
ドゴーッ!!
真人「グァァーッ!?」
理樹(勢いよく吹っ飛ぶ真人。そこには例のあの人が立っていた)
「私の葉留佳に何をした……?」
恭介「なんてこった……」
佳奈多「………………」
理樹(元風紀委員長、二木佳奈多。まさか彼女は葉留佳さんの叫び声で飛んできたのか!あの速度は人間が出せるそれなのか!?)
真人「うっ、や、やべえ……」
葉留佳「あっ、お、お姉ちゃん!違うよ!さっきのは多分真人君もおふざけで……」
佳奈多「葉留佳は黙ってて!」
葉留佳「はひぃっ!」
理樹(空気が凍るとはまさにこのことか。数メートル離れている僕たちでさえ二木さんのオーラに何も言えなくなった)
佳奈多「あなた今、葉留佳の手に口を近づけたわね?そのカツ臭い口を!」
真人「ま、待て!話せば分かる!」
理樹(ゆらりと近く二木さん。あの目は『こいつはメタメタにしてから学校の晒し首にしてやる』って感じの目だ!)
謙吾「ええい、行くしかあるまい!」
理樹(と、謙吾が立ち上がった)
理樹「け、謙吾!なにを!?」
謙吾「俺が二木を口説く!そしてそれが叶わないとしてもなんとかうやむやにして真人を逃す!」
理樹「そ、そんなの無茶だ!」
謙吾「やってみなくては分からん!うぉおおお!!」
謙吾「はい…………」
恭介「謙吾ーー!!」
理樹(謙吾はあのあと二木さんに近づき、『お前の味噌汁が飲みたい』と言った後……いや、思い出したくもない)
恭介「くそう、ただ理樹に見本を見せようとしただけなのに我らが部隊が壊滅状態じゃないか!」
理樹「むしろトラウマになりそうなんだけど……」
佳奈多「あなた達、これからどうなるか分かる?」
真人「くっ……殺すなら一思いにやれ!」
葉留佳「お姉ちゃん…そろそろ、そこら辺で……」
「わふー?皆さんなにをしているのですか?」
クド「の、除け者ですかー!?それに井ノ原さんと宮沢さんはどうして正座をしているですか!?」
理樹「ねえどうしよう恭介……このままだとあの2人は……」
恭介「仕方がねえ、色々用意したかったが、予定変更だ。俺が出る!」
理樹「えっ!?でもまた火に油を注ぐだけじゃ……」
恭介「いや、狙うのは奴さんじゃない、能美だ!あれなら確実に動揺を誘えるだろう!その隙に2人だけでも助ける!」
理樹(もはや作戦内容が変わってきている気がする)
恭介「能美!」
ザザッ
クド「き、恭介さん?」
佳奈多「棗先輩……?」
真人「き、恭介!お前まで……!」
理樹(場に緊張が走った。しかし恭介だけはまったく気にしていないのか、クドに歩み寄った。そして、彼女の両肩を掴んだ)
クド「わ、わふ!?どうしたんですかー!?」
恭介「能美…………」
恭介「俺の母になってくれ」
理樹(場の空気が凍った)
佳奈多「なっ……!?」
葉留佳「へ、変態だーー!!!」
クド「わ、わふ?私がお母さんに……ですか?」
恭介「ああ」
佳奈多「『ああ』じゃ
コメント一覧
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- 2017年01月16日 19:52
- 大天使小毬マックスに幸あれ
-
- 2017年01月16日 20:07
- 再現率クッソ高くて面白かった
小毬ルートは18シーンがバッドにしかないとかいう割と闇の深いルートだからなぁ……小毬マックスに幸あれ
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- 2017年01月16日 20:13
- なぜかヤンデレキャラまとめサイトに載ってる小鞠ちゃんw
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- 2017年01月16日 22:22
- こまりssが来るとはな…
あえて書かせてもらうぞ
小毬は俺の嫁、と
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