イスラム国(ISIS)が、市販のドローンを改造した爆撃機を戦線に投入し始めたとクルド系のニュースメディアRudawが伝えています。
ISISがドローンを使い始めたのは今に始まったことではなく、偵察目的のほか爆薬を搭載したドローンをイラク治安部隊などの施設に飛ばしてその場で自爆させるといった使い方が主でした。しかし最近では、ドローンに手榴弾サイズの爆弾を持たせて、相手の近くで投下する機構を備えたドローンが確認されるようになってきたとのこと。
Rudawは先週、治安部隊のキャンプ付近に飛来したドローンが爆弾を投下し、近くにいた民間人を殺害した他、部隊の装備の一部を破壊したと伝えています。
Nice shot of the improvised release mechanism ISIL is using to drop grenades from commercial off the shelf UAVs https://t.co/Lj8Ltx0arQ pic.twitter.com/KCuzhUbndb
— Alex Mello (@AlexMello02) 2017年1月11日
使われていたドローンはやはり市販のものですが、爆弾を投下したのち帰還し、繰り返し攻撃できるように改造されているところが、これまでとの大きな違い。幸いにも化学兵器などは使われていないものの、治安部隊からすれば飛来したドローンを確実に仕留めなければ、その場はしのげても再び攻撃を仕掛けられる可能性が増してしまいます。
すでにイラク治安部隊はいくつかの商用ドローンに対応するDroneDefenderのような電波銃を配備しており、これまでに爆撃ドローン十数機を回収しました。ただ、この例を見るまでもなくISISの中でドローン利用の技術開発が進んでいることは間違いありません。ドローンそのものは手榴弾サイズの爆弾しか搭載できなくても、たとえば今後は爆薬を満載した車を上空から人混みや軍のキャンプまで導くといった新しい使い方が出てくることなども予想されています。