ゲッサンにて連載中の島本和彦「アオイホノオ」通算100回目です。
今月は巻頭カラーで登場しました。
ついに大台の連載100回目を迎えた「アオイホノオ」。
当初は作者のデビューに至る経緯が描かれるのかと思っていたのですが、デビューしてさらにその先まで話が続く事になったのは少々驚きです。
デビュー前の新人ならプロに対して色々な事を考えたり口にしてもおかしくないですけど、プロになれば他の本物のプロと会う事もある訳で、そうなったらあまり勝手な事は言えないはずです。
それこそ怒られる可能性も高くなるはずで、この先本物のあだち充や高橋留美子と会ってどんな反応を見せてくれるのかは楽しみなところ。
思えばあだち充「タッチ」の作中で島本和彦「炎の転校生」が出た事もありますし、高橋留美子に至っては島本和彦が仕事場にやって来る「炎の訪問者」という作品も描いています。
そのあたりの経緯もいつか作中で描いてくれるとありがたいですね。
そんな連載100回を記念して今月号では被害者の会という企画ページが掲載されていました。
これは作中で暴言を吐かれた作家たちによる反撃の企画なんですけど、いやはやこれが実に面白い。
まずあだち充・高橋留美子の両巨匠はさすがというか、余裕を感じさせます。
あだち先生なんかちょっと毒づいてるのに全くそんな感じがしません。
高橋先生に至っては完全にマイペースです(笑)。
そんな作家陣の中で今回特に気になったのは新谷先生夫妻でした。
妄想ではなく本人が登場した最初の作家ですし、かなり悪人ぽく描かれたので気になっていたのですが、はやり新谷先生もそれは感じていたみたいですね。
それでも悪い感じに見えないのは奥さんの佐伯先生のおかげかな?
あと気になったのは原秀則先生ですけど、こちらは少し反撃が弱かった気もします。
作中で結構な事を言われたんだからもっと毒づいても良かったと思うのですが(笑)。
一方で、別の意味で面白かったのは矢野健太郎先生ですね。
作中で取り上げてくれたので知名度が上がったとの事ですけど、35年以上前の世界を描いている事を考えると現在に至るまでメジャーであり続けるのはかなり困難だとも言えます。
まあ、個人的に氏のコミックスは結構買っているんですけどね(笑)。
あと藤田和日郎は相変わらずのテンションでしたけど、この時代デビューしてませんし当然作中では語られていません。
語るとすれば「燃えるV」が終わってからって事になりますけど、そこまでこの連載が続いているのかな?(笑)
逆にすでにデビューしている細野不二彦は近く出る可能性があるかも知れません。
一人雑誌が違う板垣恵介先生もデビューはずっと先のはずですけど、この先作中に出てくるのかどうか?
その他、漫画家以外で雁屋哲・南雅彦・堀江信彦・福田雄一氏がコメントしてましたけど、ドラマの福田監督がパート2を作ると言ってくれたのはちょっと嬉しかったですね。
さて、原作は漫画を描く為の素材の一つであり、そっくりそのまま漫画にしなくてもいいと教えてくれた新谷先生。
そんな話に動揺する焔だったが、担当の三上も過去の経験からその意見に同意する。
その一方で、〆切は原作者次第で長くも短くもなると聞かされ、恐怖に絶望した焔。
新谷かおるの恐るべき体験を聞く一方、ようやくカラーの塗り方を教えてもらった焔だったのだが…!?
新谷かおる先生から2色カラー現行の塗り方を教えてもらった焔。
さっそく自分の原稿に活かしてみた焔だが、簡単にプロっぽい色使いが出来る事に。
お手軽に見えてこの技術は雑誌の印刷の都合に合わせて開発された熟練されたプロのみが知りうるテクニックであり、誰もが必要なわけではない所がポイントなのだという。
「東京へ行って帰ってきただけで…プロ度が50%はUPした気分だ!!」
2色原稿を上手に描く自分に酔う焔ですけど、この先初めての経験が続くと思いますし、その都度プロになった事を改めて実感するのかも知れません。
そんな2色カラーですけど、最近はすっかり見なくなってしまいましたね。
80年代といえばオールカラーはほぼ確実に2色カラーを指していました。
いわゆるベテランの作家は誰もが経験しているんじゃないかと思う訳ですけど、もしかすると今の若い作家は2色カラー原稿を描くどころか見た事もない人もいるのかも知れません。
一方、名刺を作る事も考えた焔だが、ありきたりなものしか出来ず、自分はまだまだだと実感する事に。
みんなを驚かせようと考える焔ですけど、それが公開されるのは誰か先輩の漫画家と会う時でしょうか?
3回生の畑山先輩が学業と両立が出来ないからバトミントン部をやめるという話を部活で聞かされた焔。
彼は一所懸命バドミントンをやっていたと評価する村上先輩だが、それに対して焔はどちらも両立出来ていないのだという。
「お前みたいなハンパな奴こそやめちまえっ!」
何と、辛辣な事をみんなの前で言われてしまった焔。
今後どうするか相談しようと、焔の後をついて来た津田さんですけど、トンコさんが卒業となったら自動的に彼女がヒロインになっちゃうのかな?(笑)
そんな彼女と下宿に戻り、小学館から原作が届いている事に気が付いた焔。
一体何が届いたのかと、きょとんとする津田さんですけど、トンコさんと違ってこれまでロクに説明してなかった様ですし、彼女との距離を感じさせます。
彼女のしつこさに折れ、事情を説明した焔。
その凄さに興奮する津田さんだが、バドミントンは辞めなければダメだと警告する事に。
そんな彼女の反応に対し、何やら煮え切らない思いを抱えていた焔。
だが、そんな彼を見て津田さんのアンテナが何かをキャッチした!?
「村上さんはOBとして来てるけど、トンコさんたちはもう部活にこないんだよ?」
焔が部に来る理由がトンコさんだと決めつけて来た津田さん。
何やらちょっと複雑な表情の津田さんですけど、彼がトンコさんに振り回されているのを面白がっていると考えていいのかな?
「津田さん俺は…本当の事を言うと…最初からだ…途中からじゃない…最初から、いいかげんな気持ちで部活をやっていた!!」
トンコさんが来ないと知るといきなり開き直って来た焔。
それはずっと分かっていたという津田さんだが、大学で初めてバドミントンをやるのはおかしいと思っていたらしい。
焔がテキトーにやっているからいつまでたってもバドミントンに愛されないという津田さん。
そんな彼女は中学からずっとやっていた為、焔を見て傷ついていたらしい。
津田さんにまで苦い思いをせていた事を知り、謝罪した焔。
「あたしにじゃなくて、バドミントンに謝って!」
「バドミントン様本当に申し訳ありません…」
言われて道具に土下座する焔ですけど、これで部活の話は完全にジ・エンドでしょうか?
部外者のはずの津田さんと一緒に原作を読む事になった焔。
この時点で〆切の日までまだ30日あり、当初の不安は払しょくされる事に。
封の中には2セットあり、そのひとつキャラクターの説明を目にした焔。
それを見るやイメージが膨らむ焔ですけど、池上遼一で再生しちゃダメなんじゃないのかな?(笑)
そんな新連載のキャラクターたちですけど、「風の戦士ダン」とは名前がいくつか違いますね。
主人公・朝霧弾→伊賀竜平
紅一点・水影珠理→水影珠里
ライバル・刃室豹→刃室研
隊長・立岡精一→楯岡周一
恐車一族の頭領・恐車七角の名前だけは同じ様ですけど、これって今後変更になるという意味でじゃなくて、名前を使えないという事なのでしょうか?
これまでデビュー作などそのまんまでしたけど、今回は原作者がいる訳で、もしかすると「アオイホノオ」にしては珍しく気を使ったのかも知れません(笑)。
カッコイイ名前だと、素人でありながら理解する津田さん。
これが一流だと実感する焔だが、それを自分が作品化する事にプレッシャーを感じる事に。
「するとどうなるの!?超一流になるの!?」
勝手に盛り上がって焔を追い詰めた津田さん。
「わかった!二流になるのね!?」
「ごめん!一・五流くらい!?」
天然なのか、本人を前にしてズバズバ言う津田さんですけど、付き合ったら焔といいコンビになるんじゃないのかな?(笑)
原作のストーリーを読んで作品をイメージする焔。
深夜のバイクシーンで始まる新連載だが、タイトルは「闇戦士リュウ」というらしい。
何やらこれが決定タイトルっぽいですけど、あるいはこれから担当等と相談して名前が変わったりするのかな?
例によって池上遼一キャラで再生されてますし、このネームでは自分のキャラがイメージしにくいと焔が感じる可能性もあるかも知れません。
原作の原稿一枚を頭の中で漫画にしたら5ページになると、読みながら計算した焔。
届けられた原稿は18枚である事から、全部で90ページになるのだという。
与えられているページ数は32ページであり、とても入りきらないという焔。
「何を無茶振りしてんだ雁屋哲っ!?」
好きなだけ書きたいように書かれた原作を32ページでまとめるには削るしかないと理解した焔。
「バッサリやってみろと言ってるのかこの俺に!?」
根拠のない信頼に頭を抱える焔ですけど、やはりこれは新人として越えなくてはならない最初の壁なのかな?
原作を変えていいのかどうか悩む以前に、バッサリ切って変えなくてはならなくなった焔。
そんな焔の原稿は果たして〆切に間に合うのか?
一方で、焔が部を辞めても部屋には来るつもりらしい津田さんですけど、もしかすると恋愛的な意味ではなく、ベタ等でアシスタントをする事になるのかも知れませんね。
公式サイト:俺は燃えてなどいない!~漫画家島本かず彦のブログ~
【ドラマ24】アオイホノオ
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そこら辺はハシラとかで公式にアナウンスして、欲しいようなそうするとネタバレになりかねないような
それにしても、原作者ということで今後ますます悪役イメージが増して行きそうな雁屋先生。被害者の会のコメントでは割と普通にショック受けていらっしゃる…
この連載で島本先生が加えたギャグテイストが、後の「美味しんぼ」で生かせたと、何度か聞いたことのあるエピソードも載っていましたが
自分の原作を新人にバッサリ編集された上にギャグまで入れられることになる、その当時の雁屋先生のショック具合はどんなもんだったのか…無駄にハラハラする