日本独自の「赤外線」に対応しながら、最新Android OSへのバージョンアップを保証する──そんなAndroid Oneスマートフォン「S2」をワイモバイルが3月下旬に発売します。
Android Oneは、発売から18か月のあいだ、最低1回の迅速なOSバージョンアップを保障するグーグルの取り組みです。メーカーによるカスタマイズがほぼ施されていない、素のAndroid OSの搭載を売りにします。
かつてのNexusシリーズでは、グーグルが端末のデザインや性能の決定に深く関与していました。一方のAndroid Oneでは、よりメーカー側の開発の自由度が高いのが特徴です。
去年発売された国内初のAndroid Oneスマホ「シャープ507SH」では、日本独自機能としてワンセグを搭載するなど、Nexusのようにグローバル仕様一辺倒ではなく、その地域のニーズの高い機能を入れ込むことができます。京セラのS2では、日本独自機能として「赤外線」を搭載しています。
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Android 7.0のマルチウィンドウが便利
「S2」の主な仕様は、約5.0インチHD(1280 x 720ドット)TFT液晶、4コア(1.4GHz x4 , Snapdragon 425 MSM8917)プロセッサー、2GB RAM、16GBストレージ、IEEE 802.11 a/b/g/n(2.4GHz)、Bluetooth 4.2、microSDXCスロット(最大200GB)、IPX5・IPX7防水およびIP5X防塵。カメラは背面13MP/前面2MPなど。いざ手に持つと、5インチということもあり、片手で操作しやすいサイズ感。一方で、側面のエッジが立っており、やや角々しい持ち心地です。プロセッサはSnapdragonの400番台、Wi-Fiは2.4GHz帯のみ対応と、スペック的には中の下レベル。ただ、ゲームなどの派手な使い方でなければ十分な処理速度だと感じます。
Android Oneの利点は、なんといっても最新Android OSの新機能を味わえる点。「S2」も最新のAndroid Nougatを搭載しており、その恩恵を一番感じられるのが「マルチウィンドウ機能」です。1つの画面で2つのアプリを同時に開くことが可能。例えばWEBブラウザでお店を調べながら、地図アプリで道順を調べる──といった使い方も便利です。
また、最低1度の迅速なOSバージョンアップが保障されているので、Android N(Nougat)の次「Android O」も提供されるわけです。Android Oの詳細は決まっていないものの、今のうちから新機能を想像したりと、ワクワクできる醍醐味もあります。
プリインストールアプリがほとんどない、すっきりしたUIも魅力的です
大きさは約72x143x10.6mm、重さ約142g。バッテリー容量は2300mAh。カラーはレッド、ネイビー、ホワイトの3色展開です。
また京セラ製端末らしく、米国国防総省基準であるMIL-STD-810Gに準拠する高耐久性も特徴。防水防塵性能も備え、濡れた手や手袋着用のままでも操作できるタッチディスプレイ備えます。
フィーチャーフォンからの移行にも配慮
Android One端末は最新OSを使えるため、ギークなユーザーに人気がある──筆者はこう思い込んでいました。そのため「S2」が赤外線を搭載することが不思議でしたが、実際は真逆だといいます。ワイモバイルの担当者によると、国内初のAndroid Oneスマホ507SHは「フィーチャーフォンからの乗り換えが多かった」とのこと。背景には、メーカーのカスタマイズやアプリがほぼなく、機能がシンプルであるために、スマートフォン初心者に製品を説明しやすい。あるいは、店頭で売りやすいという事情があるとワイモバイル側は説明します。
このため、京セラ「S2」では、フィーチャーフォンから乗り換えるユーザーに配慮して、データの移行に便利な赤外線通信を搭載。グローバル仕様ではない赤外線通信をAndroid Oneに入れ込むのは一筋縄ではいかなかったといい「グーグルに対して重要性を訴えた結果、搭載を決定していただいた」と京セラの担当者は話します。なお、実装時にはOSバージョンアップに追従できるよう工夫したとのこと。
今後の京セラ製端末にも恩恵?
なお、京セラが今回始めてAndroid One端末の開発したことで、京セラ製端末全般のOSバージョンアップサイクル高速化も期待できるかもしれません。京セラ担当者は「これまでもGoogleとは対話していたが、Android Oneを開発したことで、ソフトウェアなど細かい部分も話せるようになった。今後のOSバージョンアップに活かせそうかと聞かれれば、活かせそうだと感じる」とも語りました。関連:
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