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ただ、ただ衝撃的な作品。声の無い映画「ザ・トライブ」 » | がらくたGallery

1月

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ただ、ただ衝撃的な作品。声の無い映画「ザ・トライブ」

By ono   2017年1月22日


2017-01-22-01
ザ・トライブ
 2014年、ウクライナの映画です。タイトルにも書きましたが、いろんな意味で「衝撃的な映画」です。いろんな意味で、というのはですね、
・良い意味で衝撃的・・・きっと誰も観たことの無い映像体験
・悪い意味で衝撃的・・・観ていて一つも幸せになれない

 という感じです。

 舞台がろうあ者の若者が住む寄宿舎という設定で、全ての会話が手話のみで行われます。はじめはどんなやりとりをしているのか全く検討もつきませんが、見ているうちに気にならなくなるくらい会話が伝わってくるから不思議です。
 個人的には事前情報を全く入れないで鑑賞したのが良かったな、と思いました。主人公のセルゲイが寄宿舎に転校してくるところから話が始まるのですが、全てのシーンが長回しでのんびりと話が進んで行きます。「ああ、何だかアート系の淡々と進んで行く、正直つまんない映画なんだろうな。」実際、開始10分くらいで一度寝落ちし、座っていた椅子から転げ落ちました。
 ところが、セルゲイが寄宿舎内でカツアゲされたり、2人の少女が夜な夜なトラックの運転手を相手に売春しているというシーンの辺りから、どんどん雲行きが怪しくなって行きます。どうやらこの宿舎に住んでいる若者は不良も不良、犯罪や暴力・売春などを繰り返す悪党グループだったのです。いつの間にかグループに組み込まれ、少しずつなじんで行くセルゲイ。しかし、トライブ(グループ)のリーダーの愛人アナに恋をしてしまったセルゲイは徐々に暴走するようになって行くのでした。

 とにかく、きれいな映像などまるで無い、ひたすら犯罪と暴力とセックスが繰り返されるこの映画。一つもハッピーな気分にはなれませんが、有り体の映画に飽き飽きしている人は是非オススメです!
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■あらすじ
ろう学校に入学したセルゲイ。彼が住むことになった学校の寄宿舎は、暴力や売春を生業にする組織=族(トライブ)が幅を利かせる場所だった。セルゲイも次第に組織の中で頭角を現していくが、リーダーの愛人アナに恋をしてしまう・・・
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■サイレントへのオマージュ
 公式サイトで「サイレント映画へのオマージュを表現することは昔からの夢だった」とミロスラブ・スラボシュピツキー監督(言いづらい名前!)が述べています。確かにそうですけど、こんなに感情的な手話のやり取りも初めて見ました。そういう意味では全然サイレントじゃないですね。
 ちなみに映画の舞台はウクライナの首都キエフ。ウクライナの南部にはクリミア半島がありますが、2014年にロシアがクリミアを自国に編入したのは記憶に新しいですね。いろんな世界を観れるのも映画の醍醐味。

  


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