黒森峰みほ 「 ミホニスト・ウォーです ! 」
- 2017年01月22日 22:10
- SS、ガールズ&パンツァー
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黒森峰女学園
直下「Achtung!」ザッ
直下「全員集まりました、隊ちょ...すいません、今はまほさんでしたね」
まほ「ありがとう直下、恩に着るよ」
直下「いえ、引退されたとはいえ先輩はずっと我々の尊敬する方ですから」
直下「それで、今日はどういった御用で?」
まほ「ああ、皆、少し話を聞いてほしい」コホン
まほ「私達が引退して2ヶ月が過ぎようとしている」
まほ「皆も知ってると思うが、今年の評判は決して高くはない」
まほ「しかし、君達はその評価を謙虚に受け止め、それを糧に練習に励んでいる」
まほ「この2ヶ月の努力は紛れもない真実だ、周囲を見返してくれると、私は確信している」
まほ「ただ、練習を見学させてもらった中で、一つ欠点が指摘するならば」
まほ「伝統的に黒森峰は、型に入った戦車道に頼りすぎているきらいがある」
まほ「伝統とは言え、これでは私達の二の舞だ、同じミスを繰り返してはならない」
まほ「そこで、だ、今日は私が特別講師をお招きしている、入ってくれ」
みほ「こ、こんにちは、今日から一週間特別講師を務めます、西住みほです、お願いします」ペコリ
小梅「みほさん!」キラキラ
エリカ「え、は、副隊長!?」
ザワザワ
まほ「静粛に、まあその、なんだ、ざわつく気持ちも分かるが」
まほ「みほは、決して恵まれていたとは言えない状況のチームを育て上げ」
まほ「臨機応変な対応、時には奇策を以てして大洗女子学園を優勝に導いた隊長だ」
まほ「名実ともに日本一の名将であることは疑う余地すらないだろう」
まほ「黒森峰とは今後も戦う可能性が十分にあり、決して簡単な決断では無かったが」
まほ「先日の大学選抜との試合での助力に対する恩も含めて、こうして協力を快諾してくれた」
まほ「去年のことを水に流せ、とは簡単に言えない、失った優勝旗は軽いものではないからだ」
まほ「その中で、失った優勝旗の重みを知っているからこそ、来年も同じミスを繰り返さない為に」
まほ「この一週間は来年の優勝が懸かっていると思って、全力で取り組んでくれ、以上だ」
まほ「みほ、訓示を頼む」
みほ「うん、わかった、それじゃあ...」スゥ
みほ「ご存じだと思いますが、大洗女子学園戦車道チームの隊長を務めます、西住みほです」
みほ「おねえちゃ、西住まほさんからの依頼で、特別講師を務めることになりました」
みほ「皆さんとは来年度の試合でも戦う可能性があり、お互い手の内を見せることになりますが」
みほ「こうして依頼された以上、私としては出し惜しみせずに指導しますので」
みほ「皆さんも分からないことがあれば、気軽に質問してください」
みほ「それでは、この一週間、よろしくお願いします」
まほ「そういうことだ、みんなも出し惜しみはしないでほしい、何か質問はあるか」
エリカ「た、隊長!さすがに話が急すぎます!こういったことはもっと事前に...!」
まほ「敢えて伝えなかったんだ、それと、今の隊長はお前だぞ、エリカ」
エリカ「あ、う、すいません...」シュン
まほ「エリカの言いたいことも分かる、が、逆に考えてみてほしい」
まほ「一週間前にみほが来ると伝えたところで、事態は改善すると思うか」
まほ「去年まで同じチーム、そして、今年は決勝で我々を破ったチームだ」
まほ「恨み、悔しさ、羨望、様々な感情に揺れ動かされることだろう」
まほ「本人が来るまでに、そういった複雑な感情に影響されないと誓えるならいい」
まほ「しかし、日に日に感情は増していくばかりだろう、大きく影響も出るはずだ」
まほ「だから、こういうのはその日に伝えるべきだと判断した」
まほ「人間関係は会うまでが一番悩む、会ってからはなし崩し的に悩みは減るだろう」
まほ「今日はこの後の日程をみんなで話し合ってほしい」
まほ「そこで一度わだかまりが解消されることを祈っている、特に2年生」
まほ「明日からはみほは完全に特別講師だ、黒森峰を指導する立場になるが」
まほ「今日だけは元黒森峰副隊長だ、言いたいことは全ては言え」
まほ「後は君達で話し合ってくれ、それでは」
みほ「.........」
エリカ「.........」
小梅「.........」
直下(まずい、誰も喋らない、仕方ない、ここは私が)
直下「あの、にし」
小梅「みほさん!」
みほ「は、はいっ!」ビクッ
直下(喋ろうとしたばっかりなのにぃ!)
小梅「私は、その、去年助けてもらって、本当に感謝してて」
小梅「こうして、再び黒森峰の制服を身に纏って共に練習が出来ることを、夢見ていました」
みほ「小梅さん...」
小梅「でも、いざこうしてその日が来ると、正直言って、悔しい部分もあります」
小梅「去年、私達が発端となって途絶えてしまった黒森峰の覇権を」
小梅「今年は自らの手で取り戻そうと、そう意気込んで臨んだ今年の大会でした」
小梅「この一年間、非常に辛い思いをしてきました、だからこそ、その意気込みも本物で」
小梅「本当に、負けたく、なか、った、から」グスッ
小梅「ごめ、なさい、本当にかん、しゃ、してます、だけど、だけど」
小梅「みほさんが、こうし、て、優勝校の、隊長として、くる、の」
小梅「くやしい、です、ほん、とに、くやしい、よぉ...」ポロポロ
直下「赤星...」
直下(赤星は、ずっと悩んでいたんだね、恩師と敗者の狭間で)
直下(その感情は、悔しさは、思っていても、分かっていても、中々言い出せない感情だ)
直下(最初にその言葉を言うのは、勇気が要っただろう)
直下(私達だって、去年の副隊長の行動全てを非難しているわけじゃない)
直下(助かったのは、私達の同級生だ、だから、もちろん感謝だってしている)
直下(感謝と悔しさが混在して、伝えることが出来なかった、自分でも恐れてた)
小梅「ごめんね、みほさん、わたし、も、わ、わけ、わかんなく、て」
小梅「うぅ、うぅ、うぁぁぁ...」
直下(それを今、赤星が伝えてくれている、一歩踏み出してくれている、だから)
直下(私達も、踏み出そう、副隊ちょ、いや、西住みほさんとの、新しい関係を)
直下「...西住さ」
みほ「.........小梅、さん」ギュッ
直下「ちょ」
小梅「あっ...」
直下「」
みほ「ありがとう、小梅さん、本心を伝えてくれて」
みほ「私も、ずっと恐れてた、みんなの本心を聞くのが怖かった」
みほ「だけど、その言葉を聞かない限り、ずっとこのままだと、そう思ってた」
みほ「ずっと、みんなの言葉を聞きたかったんだ」
直下(私の言葉も聞いてほしかったなって)
みほ「私も板挟みになって、今の今までずっと立ち止まってた、けど」
みほ「その言葉を聞いて、進まないとダメだって、そう決心できたよ」
みほ「去年のこともある、今年のこともある、それでも私達は一緒に前を向いて」
みほ「それで来年、もう一度決勝の舞台で当たろう」
みほ「わだかまりも何もない舞台で、今度こそ決着をつけよう」
みほ「ありがとう、小梅さん、小梅さんのお陰で、私、ようやく」クイッ
小梅「みほ、さん...」ドキッ
みほ「みんなと、新しい関係を築けそうだよ」ニッコリ
小梅「.........ん」トロン
直下(赤星顔!新しい関係ってそっちの関係!?)
エリカ「ああもう!副隊長!」
みほ「ひゃいっ!」ビクッ
エリカ「アンタには去年のこともある!去年って言っても、それは色んな感情があって!」
エ
コメント一覧
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- 2017年01月22日 22:32
- みほ警察だ!!!
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- 2017年01月22日 22:32
- エリカ「胃に穴空いちゃう」
エリカ「壁にも空いちゃう」
のコンボに完全にやられた
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- 2017年01月22日 23:15
- エリカさんは何故こんなにも不憫な役が似合うんだ!?
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- 2017年01月22日 23:30
- 優しい世界とは一体
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