【ガルパン】澤梓「隊長を『お母さん』と呼んでしまった」
- 2017年01月26日 21:40
- SS、ガールズ&パンツァー
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みほ「それでは今日の練習を終了します。お疲れ様でした」
大洗勢一同「「お疲れ様でした!」」
優花里「いや~白熱した紅白戦でしたね」
華「ええ。張り切りすぎたせいか少々お腹が空いてしまいました」
沙織「じゃあこれからみんなでアイスでも食べに行く?」
麻子「行くぞ(即答)」スタスタ
みほ「麻子さん、急がなくてもアイスは逃げないよ」ニコニコ
梓「あの……すみません、お母さん――あっ」
みほ「あれ、澤さん?」
優季「あー梓ったら西住隊長のことお母さんって呼んでる~」
桂利奈「お子ちゃまだな~」
梓「も、もう~みんな茶化さないでよ!」
みほ「えっと……澤さん、何か私に用事かな?」
梓「あ、はい。さっきの紅白戦のことでいくつか質問したいことがあって……お時間いただけますか?」
みほ「うん、大丈夫だよ。着替えが済んだら中庭で待っててね」
麻子「そういえば以前にも呼び間違えられていた気がするぞ」
みほ「澤さん、私の前だとどうしても緊張しちゃうみたい。お互いもう少し気軽に話せればいいんだけど…」
優花里「何度もお母さんと言い間違ってしまうことにも何か理由があるかもしれませんよ。もしや深層心理的な…」
華「もしかすると澤さんのお母様とみほさんには、どことなく似た部分があるのかもしれませんね」
沙織「よし、なら今日はちょっとお母さんっぽく接してみようよ。うまくいけば距離を縮められるかもしれないし」
みほ「う~ん……うまくできるかわからないけど、沙織さんが言うならやってみようかな。それじゃあみんな、また後でね」
沙織「ファイトだよみぽりん。有望な後輩のためだもんね」
麻子「沙織……余計なこと言ったかもしれないぞ」
沙織「え? なんでよ」
麻子「西住さんがお母さんらしく振る舞うということが何を意味するか、お前はわかってない気がする」
優花里「西住殿の思うお母さん像……まさか」
華「……大丈夫でしょうか」
梓「西住隊長、さっきはごめんなさい。みんなの前でお母さんなんて呼んじゃって…」
みほ「ううん、いいの気にしないで。それより質問って何かな」
梓「はい。さっきの紅白戦で私たちがカメさんチームを倒したときのことなんですけど…」
みほ「確か、奇襲を受けて万事休すの状況だったのを河嶋さんが砲撃を外したことで難を逃れ、逆にその隙を突いて撃破したんだよね」
梓「そうです。本来なら負けていた場面だったので、その原因を有耶無耶にしたくないんです」
梓「だけど結果的に勝ててしまったことで、ウサギチームのみんなはすっかり浮かれちゃって…」
みほ「そっか。でも反省点を振り返る姿勢はとても大事だよ。澤さんもすっかり一人前の戦車道選手だね」
梓「いえそんな……でもやっぱり、西住隊長に褒められると嬉しいな」
みほ「じゃあ今から二人であのときの状況をできるだけ忠実に再現してみよっか」
梓「はい、お願いします! 私、ノートと小さいホワイトボードを持ってきたんで、これでコースと戦車を再現して――」
みほ「ううん。せっかくだから実際に戦車に乗ってやってみようよ。ヘッツァーの操縦と砲撃なら私が一人でするし」
梓「え?」
梓「わ、私が一人でM3を動かすんですか?」
みほ「大丈夫、澤さんならきっとできるよ。私も昔よくお母さんと一緒にこんな風に特訓してたから」
梓「そんな……」
梓(でも、せっかく西住隊長が直接教えてくれるんだから、期待に応えなきゃ)
梓「……わかりました。やります」
みほ「澤さんが私を撃破できるまでずっと付き合ってあげるよ。一緒に頑張ろうね」ニコッ
華「何やら雲行きが怪しいですね」
沙織「いくらなんでも一人で戦車を動かすなんて無茶だよぉ」
優花里「ですがこれが西住流家元直伝の教えなのでしょう……難しい状況ですが、一対一で特訓を受けられる澤殿が羨ましいです」
麻子「だが何かあってからでは遅い。一応私たちもⅣ号でスタンバイしておくぞ」
梓「ふぇぇ……躱すだけでも精一杯なのに、隙を突いて砲撃なんて無理ですよ…」
みほ「私だって条件は同じです。弱音を吐く時間があるなら、どんどん反撃してきてください」
梓「うぅっ……こんなのいつもの西住隊長じゃないよ…」
沙織「はいそこまでだよみぽりん! 華、お願い」
華「ええ。失礼します、みほさん」ドカーン! シュパッ
みほ「はっ……あれ? みんなどうしてここに?」
沙織「どうしたもこうしたもないよ。梓ちゃんこんなに怖がってるじゃない」
梓「うぅ……武部先輩~」
みほ「あぁっ、ごめん澤さん。お母さんみたいにしなきゃって思ってたらつい…」
優花里「冷泉殿の言うとおり、Ⅳ号でスタンバイしておいて正解でしたね」
華「では次回は私がみほさんに代わって澤さんの特訓のお相手をしましょうか。気分転換に生け花でも楽しみつつ…」
麻子「それもやめておいた方が…」
オレンジペコ(はぁ……今日の模擬戦はやけに発砲機会が多かったなぁ。さすがに筋肉痛が…)
ダージリン「お疲れ様だったわねペコ。疲れたあなたにこんな言葉を贈るわ」
オレンジペコ(……正直今は放っておいて欲しいな)
ダージリン「こころよき疲れなるかな 息もつかず 仕事をしたる後のこの疲れ」
オレンジペコ「石川啄木ですね。お言葉ですがお母様……あ、いえ失礼しましたダージリン様」
ダージリン「え……ちょっ、ペコ、今私のことをお母様って……」ソワソワ
オレンジペコ(しまった、また面倒くさいことになる)
ダージリン「いいのよペコ。疲れているなら無理をしてはいけないわ。さあ、私の膝の上でゆっくりお休みなさい」
オレンジペコ(どうしよう。ご厚意を無為にするわけにもいかないし、断ったらもっと面倒なことになりそう…)
オレンジペコ「わかりました。それではお言葉に甘えさせていただきます、ダージリン様」
ダージリン「あら、ダージリンではないわ。お母様でしょう?」
オレンジペコ「は? はい、お母様…(私何してるんだろう…)」
オレンジペコ(とりあえず誰にも見られずに済んで助かった。アッサム様がローズヒップさんの補習に付き合ってくれたおかげね)
ダージリン「Who killed Cock Robin? I, said the Sparrow~♪」
オレンジペコ(なんでよりによってそんな物騒な唄を……でも、本当に眠くなってきた…)ボンヤリ
オレンジペコ「……」スヤスヤ
コンコン ガチャ
ルクリリ「失礼します、ダージリン様――って、はぁ!? 何これどうなってるの!?」
ダージリン「静かになさいルクリリ。ペコが起きてしまうでしょ」トントン
ルクリリ「オホン、申し訳ございません。えっと……これは一体どういう状況でしょうか」
ダージリン「母親が娘を寝かしつけることに理由が必要かしら?」
ルクリリ「え……?」
オレンジペコ「ムニャ……はっ、ルクリリさん……!」
ルクリリ「ペコ……私は何も見ていないわ。そ、それではごゆっくりどうぞ」ソソクサ
オレンジペコ(うわああ絶対誤解されたあああ! 待ってえええええ)
アンチョビ「さーて練習も終わったし新刊の恋愛小説の続きをゆっくり読むとするか」
アンチョビ「えーと…幼馴染の男が部活の合宿でいない間に、金持ちイケメンがアプローチを仕掛けてきたんだったな…」パラパラ
アンチョビ「ちょっ、そんな……情熱的なのは好きだが、結構激しいな……はわわ」ドキドキ
ガチャ
ペパロニ「母ちゃーん! じゃなくて姐さーん!」
アンチョビ「わあーっ! いきなり入って来るなノックぐらいしろ! それに私はお前の母親じゃなーい!」
ペパロニ「まあまあ細かいことは置いといて……見てくださいこの新作パスタ! 早速姐さんに試食してもらいたくて――」
アンチョビ「ちょっと待て。お前顔が小麦粉だらけだぞ。タオル用意するからちゃんと拭いとけ。試食はその後だ」
ペパロニ「姐さんいちいち口うるさくてマジで母ちゃんみたいっスね~」
アンチョビ「あー床に小麦粉落ちてるじゃないか、雑巾雑巾…」
ペパロニ「あれ、姐さんまた恋愛小説読んでるんスか? 相変わらず乙女っスね~」
アンチョビ「だあああっ、それサイン本なんだから絶対小麦粉つけるなよ」
ペパロニ「やっぱ姐さんは母ちゃんじゃなくて姐さんっスね。大人はこんな子供騙しの小説でキュンキュンしませんもんね」
アンチョビ「お前なぁ……まあいい。さっさとこのタオルで顔拭け」
ペパロニ「あざっす~……それで、新作パスタの味はどうっスか?」
アンチョビ「ふむ。相変わらず見事な出来映えだ。このセンスが戦車道にも活かされたら文句はないんだが…」
ペパロニ「あーこのタオル超柔らかいっスね。柔軟剤使ってるんスか?」モフモフ
アンチョビ「自分から尋ねておいて話聞いてないし……しっかりしてくれよ。来年はそれこそお前がみんなの母親代わりなんだぞ?」
ペパロニ「でもそういう母ちゃん的な役割はどちらかというとカルパッチョの方が似合ってますよね?」
アンチョビ「それは確かにそうだが」
ペパロニ「思ったんスけど、姐さんが卒業しちゃったら、あたしら姐さんのことなんて呼べばいいんスかね?」
アンチョビ「そうだなぁ。お前たちに役職を引き継ぐ以上、これまでどおりドゥーチェと呼ばせるわけにはいかないからな…」
ペパロニ「じゃあみんなの母親代わりであるあたしとカルパッチョの母ちゃんってことで、グランマンマってのはどうっスか?」
アンチョビ「なんでそうなる!!」
西「では次の練習試合に向けて作戦会議を始める。各員、ぜひ忌憚のない意見を出して欲しい」
玉田「やはりここは全車での一斉突撃しかないかと!」
細見「私も同意見です! みんなも同じだよな!」
池田・名倉・寺本・浜田「「もちろん! 突撃以外考えられません!」」
とーつげき! とーつげき! とーつげき!
西「……わかった。やはり次の試合も突撃で――」
ガタッ
福田「恐れながら申し上げますお母様!」
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コメント一覧
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- 2017年01月26日 22:12
- 柚子ママどこ・・・?
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- 2017年01月26日 22:18
- やっぱミカはすげえよ
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- 2017年01月26日 22:19
- オチをみるとアンツィオは安泰だ!
やはり他校に比べて精神的にヤヴァイ奴は少ないな。
うん?カルパッチョ?...カエサルさえいなければなんとかなる..はずだ!
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- 2017年01月26日 22:22
- こんなんちゃう!ワイパンおじさんは、みぽりんママの卵管から分泌されたバブみが子宮内で産声をあげて、澤ちゃんの蒙古斑がオギャる展開を期待してたの!!
でも福田ペコニーナが甘える姿を想像したらすっごく良かったです(正直
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- 2017年01月26日 22:28
- じゃ俺は華さんに甘えるから
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- 2017年01月26日 22:49
- 4が生理的にキモすぎてヤバい
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- 2017年01月26日 22:58
- 健常者なら愛里寿に甘えたくなるんだよなあ
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- 2017年01月26日 23:17
- ※7
健常とは一体……
あ、僕はルミ母さんがいいです
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- 2017年01月26日 23:23
- あんこうみぽりんの暴走止めれてないじゃん…
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- 2017年01月26日 23:48
- やっぱり家元の娘なんやなって
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